ある日、リゾナントで行われたパーティー。
語学留学の為、海外へ渡る愛佳の壮行会。
21歳のバースデーパーティーも兼ねて行われたそれには、愛も、里沙も、れいなも。
また、途中までしか参加できなかったが絵里も姿を見せた。
その賑やかな夜から数日後、さゆみは夢を見た。
長い長いトンネルを走っている。
遥か遠くに出口が見える。
少しずつ、少しずつ、近付く出口。
近付くにつれ、そこにあるものが見えてくる。
トンネルだと思っていたのは、闇の世界。
出口だと思っていたのは、目映い光。
その光のなかに立っている、1人の人物。
…愛ちゃん!?
愛が、何かを喋っている。
なんて言ってるの?聞こえないよ。
曇った貴方の声は私を走らせる、走らせる、走らせる。
だが、近付こうとするほど、ノイズが邪魔をする。
近付くにつれ、耳をつんざくノイズ。
それに耐えきれなくなり、屈み込んだその時。
フワリ
何かが身体から離れたような感覚。
見ると、私はここにいるのに、もうひとりの“私”が光へと近付いてゆく。
光のなかで、もうひとりの“私”が愛と一緒になったその瞬間。
光が、弾けて消えた。
全て、闇に包まれた。
「…ハッ!?」
目が覚める。
見慣れた部屋の風景に、ホッとする。
…なんだろう、何か予感めいたもののような気がする。
さゆみは、愛佳に聞いてみようとした。
でも、時間も時間だ。
それに、出発前で色々忙しいだろう。
覚えていたら、愛佳が落ち着いた頃に聞いてみよう。
さゆみは、再び床に就いた。
投稿日:2014/01/15(水) 23:00:20.41 0
最終更新:2014年01月18日 13:35