Rs『ピョコピョコ ウルトラ』1 side D-Kudo



「〝本日も異常なしです〟……っと」

いつものように報告メールを送る

今日も、なんにもなかったな
ここしばらく同じ文章ばっかり送ってるような……

「工藤ー」
「は、ハイっ!」
「いやいや、驚き過ぎでしょ?」

笑いながら2階に上がって来た新垣里沙

急に声かけられたらビックリするって!

「な、なんですか?」
「明日の夕ご飯は何が良いかなって」

そんな事かよ!

「なんでも良いですよ」
「じゃあ、ハンバーグで良いかな?」
「はい」

一応は居候の身なんだからワガママなんて言えないよな

「お風呂入った?」
「はい」
「そう。お店もうすぐ終わるけど、眠たかったら先に寝て良いからね」
「はい」

大人しく良い子を演じなきゃ


「ガキさーん」
「今行くよー。田中っちが呼んでるから戻るね」

喫茶店に降りて行く新垣

「ハァ……マジでビビった」

ダークネスは特に動いてないみたい
リゾナンターは喫茶店を通常営業してるだけ

ハルはいつまでこんな所にいなきゃいけないんだ……
つーか、いる意味あんのか?

いやいやいや
傀儡師様から指示がない間は、ちゃんと調査を続けないと!
きっと何かしら考えてるはずだし!

そうだよ!
あの傀儡師様だよ?
何も考えてない訳ないって!

ブーンブーンブーン

メール?

ピッ

噂をすれば傀儡師様からだ


from:ヨシさん
──────────────────
subject:
──────────────────
message:

元気か?
明日から東北~北海道に出かける事になった
とりあえず連絡はメールでOK
お世話になってるお姉さん達に迷惑かけないように

寒いから温かくして寝るんだぞー



「……んん?」
「「どうしたの??」」
「わあっ!」

ゴト!

突然の声に驚いてケータイを落とす
声がした方を向くと鞘師と鈴木が階段から顔を出してた

「アハハ! リアクションめっちゃ面白い!」
「可愛い~」

後ろから生田と譜久村も上がって来る

「ゴメンゴメン。真剣な顔してケータイ見てたから、ちょっとビックリさせようかなって」


かな、じゃねーよ!
心臓に悪いわ!

「ホント、ビックリしましたよ……」
「ケータイ落とさせちゃったね、ゴメン」
「いえ……大丈夫で

そうだ!
ケータイ!
傀儡師様からのメールが!

「はい」

生田が閉じられたケータイを拾って差し出した

「ありがとうございます」

ケータイを受け取る

内容は読まれてなさそう
普通、人のメール見ないよな

「ヨシさんって施設の人なん?」

やっぱり読んでやがった!
このKYめ!


「え、エエ、よくしてもらってる人です、ハイ」
「お世話になってるお姉さん達に迷惑かけないように、って全然やんね。めっちゃ良い子やもん」
「コラ。人のメールを勝手に読まないの」
「それにお姉さんって新垣さんや田中さんの事じゃない?」
「少なくても生田の事ではない」
「えー」

そうか
こうなっても良いように、傀儡師様も内容を工夫してんだな
さすが傀儡師様!
ハルの為に細かい事まで助けてくださってるんだ
なおさらハルも調査をしっかりやらないと!

「トレーニングお疲れ様でした。今日はどうでしたか?」
「やっぱりすぐには上手くいかないね」
「頑張っとーけどイマイチやね」
「まあまあ。日々の積み重ねだよ」
「もっと強くなって遥ちゃんを守れるようになるから!」
「ありがとうございます」

やっぱりなんにもなかったか……
ま、ハルの調査も日々の積み重ねって事だな

「もう9時かぁ。ふあぁ……ウチ寝る……」

バタン!

鞘師が布団に倒れ込んだ

「Zzz……」
「「里保ちゃん早!」」
「さすが里保っちゃね」


鞘師はすぐ寝る、っと

……まあ一応、報告だな





投稿日:2014/01/02(木) 23:39:48.78 0





















最終更新:2014年01月03日 01:53