『虹のポケット』


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ガチャガチャ ギィッ


鍵を差し込み、裏口のドアを開ける。

「ただいま~…って、誰もいないよね、そりゃ」

夜更けに差し掛かろうかという時間帯。
一応、照明を灯して店内を点検する。

「うん、異常なし!暖房スイッチ良し、ガスの元栓良し!」

さゆみは、急用で数日店を閉め、外出していた。
表に回り、臨時休業の貼り紙を回収する。
ただし、客はいなくても、仲間たちには合鍵を渡している。


店内を消灯し、2階へ上がろうと階段へ。
その上り口の脇に、コルクボードがある。

メモや、客からの言伝てなどが普段貼られているが。
目に止まったのは、整然と並んだ9色の付箋。

「ふふっ、虹みたい。みんな来てたんだ」

さゆみは虹のような付箋に顔を近づけ、それらを読んでいく。
そこに綴られた、それぞれ思い思いの愛や感謝、そして気遣いの言葉たち。
笑顔のまま、一筋の涙がこぼれた。

付箋を一つ一つ剥がし、手帳に丁寧に貼り付けてゆく。
階段を上りながら、ポケットに手帳をしまう。


さあ、明日からはいつも通り頑張らなくちゃ!







投稿日:2013/11/23(土) 00:37:24.30 0