■ リイビングビハインド -小数賀芙由香- ■


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 ■ リイビングビハインド -小数賀芙由香- ■

あなたの能力は処置をしたところで
あなた自身の寿命を短くするだけよ

それでもかまいません
一緒に戦いたいんです
なぜわたしだけだめなんですか?
なぜ?なぜ?
和田さんの語ってくれた私たちの理想郷
そこに私も連れて行ってください

ごめんなさい
むりよ
あなたは私たちの役には立たないの
役立たずは、いらないのよ

ちがう!わたしは役立たずじゃないです!
おねがい!福田さんおねがい!

さようなら

やめて福田さんやめて
いやいやぁ
おいていかないで
わたしひとりだけ
おいてかないでぇ


――――


…ふゆか…ふゆか…芙由香!

……目覚めると、私は病院のベッドに横たわっていました。

長い夢を、見ていたような気がします。

涙をながし、喜ぶ両親がいました。
両親、私の事を一番に愛してくれる、私の大切な人たち。

よくわからない。

なんだか、いろんなことを、とっても大切な、いろんなことを忘れてしまったような。
不思議な気持ちでした。

私は、原因不明の免疫不全で意識不明となり、その後、ずうっと昏睡状態だったんだそうです。
おそらくはこのまま、仮に目覚めてもいろんな臓器や脳にも重い障害が残るだろうって。
奇跡だそうです。
だから、ちょっとぐらい記憶が無くなっても、運が良かった方だって。

そうなんだ、不思議です。
そんな病気あるんですね。


わたし、倒れる前って、どんな子だったんでしょう。
どんなことして、どんなお友達がいて……、でも、いいっか。

生きている間、私は通院と入退院を繰り返す一生です。
ううん。両親はきっと元気になるって励ましてくれました。
でもわかります。
私だって、それぐらい、わかります。

でも、こんなに愛してくれる両親に出会えた。
まるで初めて会ったような気がするけど、
とってもやさしくて、とってもあったかい。

お二人の事、ちゃんと覚えてなくて、なんだか申し訳ないんです、私。
生きてるうちに、ちゃんと、思い出せたらいいな。

きれい。
ええ、病院のベッドから見える景色、なんだか私には、とっても綺麗に見えるんです。

ずっと、こういう景色が見たかった。
なぜでしょう、そんな気がするんです。

ほら、雲が晴れてきました。
雲間からこぼれる日差し。

とっても眩しい、とっても、とっても。

こんにちは 私の短い一生
こんにちは わたしのしあわせ

こんにちは!

わたし、とっても、しあわせっ!



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投稿日:2013/11/19(火) 18:58:37.67 0