(87)443 名無し生誕記念(工藤遥・大人の振る舞い)


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「工藤!!廊下を走るな」
授業が終わると同時に教室を飛び出し、ジャージの担任教師の声を無視して駆けだした

いや無視ではない、聴こえない、聴いちゃいられない

(うるさいな、急いでるんだよ)

階段を3段飛ばしに駆け下りる
跳び下りてきた工藤に驚き一年の女子が眼を丸くして脇によける

(だって、今日は)

玄関の靴入れに乱暴に上履きを投げ入れ、お気に入りのスニーカーに履き替える
踵をトトトっと打ち付け、晴れ渡った空を見上げ一人笑みを浮かべる

(はるの誕生日なんだもん!!)

駐輪場に止めている自転車に乱暴に鞄を投げ入れ、ペダルに足をかける

(今日はなにを用意してくれてるんだろう)

向かうはもちろん『リゾナント』
いつものことだ、誕生日を仲間はサプライズじゃないサプライズパーティで祝ってくれる

坂を駆け抜ける自転車を秋の優しい風が頬をなで、淡く涼しげな日差しが肌を優しく包む

(どんなケーキあるんだろ?何をプレゼントしてくれるんだろ?なんていってくれるんだろう?)

隠しきれない笑みのまま全力でペダルを踏み込む工藤
嬉しさに耐えきれない工藤は本来なら見てはいけないリゾナントを千里眼で見てしまった


チョコクリームとイチゴのケーキを飾り付ける道重と譜久村
料理と飲み物を運んでいる生田と鈴木
「遥ちゃん 14歳おめでとう」と筆で書いてる鞘師
飯窪が飾り付けをし、その梯子を押さえている石田
全体を仕切るように口を動かし、絶えず動いている佐藤
プレゼントのリボンを直している小田

藤の頬が更に緩む

既に準備万端なリゾナントへ向かうペダルは普段の何倍も軽かった
疲れなんて感じない、今この瞬間は世界で一番の幸せ者

(みんな待ってろよ、もうすぐで主役の登場だから!)

線路沿いのイチョウ並木も、風に舞い上がる落ち葉の色も全てが鮮明に輝いていた

急な坂を乗り越え、入りこんだ路地裏に入るとリゾナントはもうすぐそこだ

(さて、リゾナントに入ったら何も知らないふりして精一杯驚いてやるんだ!
 それが大人ってもんだから)

リゾナント横に自転車を止め、鞄を背負い、入口の扉の前に立つ
一旦呼吸を整え、気持ちを固める

(大きな声でいってやるんだ、いつもみたいにおなかすいた~、って
そして驚いてやるんだ
「はるの誕生日覚えてくれたんですか?」なんていってさっ)

そして開かれるドア、弾けるクラッカーの音、仲間たちの笑い声
「「「「「「「「「お誕生日おめでとう!」」」」」」」」」
「ありがとうございます!!」
 ・・・今更過ぎるがほぜ。





投稿日:2013/11/02(土) 18:58:18.02 0