工藤遥 14歳記念『──Trick or Trap?──』前編



「──ん……うん?」

ハル、寝てた?
椅子に座ったままとか、器用だな
てか、ここはどこだ?

周りを見回す

木の床だったりレンガの柱だったり大きな窓だったり、洋風の建物みたい
でも、見覚えはない

本当にここはどこなんだ?

ギシ

……立てない
……なんで縛られてんだ?

両手は肘掛けに結ばれてて
両足は椅子の脚と一緒に結ばれてる

立ち上がれない!
てか、なんにも出来ないし!

「どうなってんだよ!?」
「起きた?」

後ろから声がした

振り返れないけど、この声は


「譜久村さん!?」

コツ、コツ、コツ

譜久村さんがゆっくり近づいて来る

「譜久村さん! 早く助けてくださいよ!」
「ねえ、どぅー」
「……譜久村さん!?」

譜久村さんが後ろから腕を回し、椅子の背もたれ越しに抱きついてきた

「ちょっと、何してるんですか!」

この人、どうしちゃったんだ!?

「どぅーがリゾナントに来て、2年が経ったね」

ああ、もうそんなに経つのか……じゃなくて!

「いいから! 早くほどいてくださいよ!」

縛られたままの意味もわからないし、抱きついて来る意味もわかんねーし!

「2年あると、こんなに変わるんだね」

なんの話をしてるんだ、この人は?

「あんなに小さかったのに」

譜久村さんが、ハルの頭を撫でる


「こんなに背が伸びて」

手が移動し髪の毛先を触り出す

「髪も切って、ちょっと格好良くなって」

今度はほっぺたをくっつけてきた

「でも、もっと可愛くなって」

なになになに!?
一体どうなってんだ!

「譜久村さん! どうしちゃったんですか!? おかしいですよ!」

これは夢か!?
ハルは寝ぼけてんのか!?

「2年もあると、見た目はこんなに変わるんだね」

また腕を回して来た

「2年の間に、色々あったよね」

マジわけわかんねー!


「新垣さんが居なくなって」

この譜久村さんは偽物か!?

「光井さんが居なくなって」

ダークネスの罠か!?

「小田ちゃんが来たけど、田中さんが居なくなって」

あーもー!

「その間」

イライラする!

「どぅーの心は」

夢なら早く覚めてくれ!
罠なら誰か助けに来てくれ!

「変わったかな」
「……え?」
「聖、ちゃんと覚えてるよ」

覚えてる、って?


「どぅーが──






──ダークネスに入りたがってた事」





投稿日:2013/10/28(月) 00:44:11.77 0


+ +をクリックすれば投下時の作者コメントが表示されますん
1日過ぎて、どぅーもすみません。
こんな内容で、どぅーもすみません。

第86話のレス(283)を思い出して書きました。

もう14歳、まだ14歳。
心身共に成長し続けていく工藤さん。
素敵な14歳の1年を過ごして欲しいです。

おやす眠眠打破ー!






















最終更新:2013年10月28日 13:23