(45) 248 名無し募集中(二人は一つ)


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ダークネスとの死闘の末、帰らぬ人となったリンリンを前に、リゾナントの面々は言葉を失っていた。

高橋がリンリンの亡骸を抱き寄せ、冷たくなった頬に手を当てる。
「何で?何でや?何でリンリンが……」嘆きが、嗚咽に変わる。
悲しみが共鳴しリゾナントに悲痛な叫びがこだまする。

怒り狂ったれいなが椅子を倒して立ち上がると言った。

「かたきを討ってくるちゃ。奴らを……最後の一人まで……皆殺しにしてやる……」

道重を除く他のメンバーたちは賛同の声を上げ、立ち上がった。

座ったままの道重に、れいなが息巻いて言った。「さゆは行かんとね?」

みなの視線が道重に集まる。
道重はゆっくりと口を開く。「小春ちゃん。リンリンの魂はまだ近くにいる?」

久住は霊能力者特有の感の鋭さで、道重に何か思惑があることを察知し、黙って頷き返した。
「傍にいるのね?」
「そこで見てる」久住が答える。

高橋が割って入る。「さゆ、いったい何をしようとしてるの?」
道重がぽつりと言った。「リンリンを蘇生させる」
一同が息を呑み、道重に矢継ぎ早に質問を投げかける。「本当カ?」「そんな事出来るの?」
高橋が皆を手で静めて言った。

「さゆ……めったな事を言うもんじゃないやよ。さゆの能力は治癒。蘇生とは全く別のチカラ」

道重は真っすぐな瞳で高橋を見つめると言った。

「そうね。正確には私の細胞活性化の能力を暴発させて、リンリンと私の肉体を血管レベルまで同化させる」

高橋が尋ねる。「それで、成功する確率は?」

道重が笑って答える。「わからない。はじめてやるんだもん」

亀井が何かに気づいたような顔をして言った。「同化する……って。さゆがいなくなっちゃうの?」

「それもわからない……だから……一応……みんなに……」

そこまで言って口ごもる道重。

れいなが口を開く「何ね?はっきり言うと!」

「みんなに……一応……お別れを言っておくね」

「さゆ!」「ちょっと待って!」「他に方法は無いの?」

動揺にさざめく皆を尻目に久住が言う。
「道重さん、リンリンの幽体はもう自我を失いつつある。やるなら早い方が良い」

道重は久住の方を見ると黙って頷き、リンリンの亡骸の傍に立った。

「誰か、リンリンを立たせて」

久住がすぐに駆け寄ってリンリンの亡骸を立ち上がらせようとするが、ままならない。
道重の心をリーディングしていた高橋は、その決心が固いことを知り黙って久住に手を貸す。
道重は立ち上がらされたリンリンの亡骸に背中合わせに立つと、首を互いにもたれ合わせた。

二人の触れ合った首と首が癒着し同化し始める。
皆が固唾を呑んで見守る中、次第にリンリンの頬に血色が戻り始める。

「リンリン!」「さゆ!」

道重は遠くに皆の声を聞きながら、自我がリンリンの意識体に飲み込まれていくのを感じた。
一つの生命体を統合する意識体は二つあってはならない。
肉体の合理性はどちらかの意識体を滅ぼす。その事はやる前から分かっていた。肉体はリンリンを選んだ。
しかし、道重にとってその事は別段、悲しいことではなかった。
むしろリンリンの意識下に内包されていく心地良さに喜びを感じていた。
やがて道重の意識は霧散し、消えた。

「リンリン!」「さゆ!」「リンリン!」「さゆ!起きて!」

数時間にわたる呼びかけの末、ついにリンリンが僅かな呻き声を上げた。
皆が歓喜の声を上げるとリンリンは、目を閉じたままで薄っすらと微笑んだ。



高橋が声をかける「リンリン!大丈夫?」

僅かに開いた唇から、かすれた声がもれた。


「バッチリ……なの」





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