『この地球の平和を本気で願ってるんだよ!』13~16






13


「あたしはね、この地球上で最も不要なモノを消したいんだ」

黒翼の悪魔が遠くを見つめる

最も不要なモノって何だろう……

「あんたはどう思う?」
「え、聖?」

聖ちゃんが怯えた様子で黒翼の悪魔を見る

「あんたが、この地球上で最も不要なモノって何?」
「……悪い人?」
「どうしてそう思う」
「悪い人が居なければ、良い人ばかりになるから……」
「ふうん。じゃあ、あんたはどう思う?」

衣梨ちゃんに問いかける黒翼の悪魔

「悪い心やなか? 憎しみとか妬みとか……」
「なるほどね。次、あんたは?」

次は里保ちゃんに問いかける

「戦争。誰かが傷付くから、無くなって欲しい」
「あんたは?」

あたし?

「……差別かな」

能力が使える事で辛い思いをした
能力だけじゃなくて、他の事でもそう
他人と違う事で傷付け合うのは嫌だ

「嬉しいよ、あたしが求めていた答えで」

嬉しそうに笑顔で話す黒翼の悪魔

求めていた答えって、どう言う事?

「それらは全て人間の事だよね」

悪人
悪い心
戦争
差別

確かにそうだ
人間の……悪い所

「能力者が平和に暮らせないのは無能力者が悪い、そう思ってた。だから、以前はダークネスに居て、世界を変えようとしてた」

あたしも、望んで能力者になった訳じゃ無いのに、周りは受け入れてくれなかった
それで生きてるこの世界が嫌になった時もあった

「でも、世界を視て回って色んな事を知って、考えが変わった。無能力者も能力者も、違いはたった1つ。能力が使えるか否か。他は変わらないんだよ」


あたし達もリゾナントに来て知った
リゾナントに来るお客さんも、あたし達も同じ人間
話をすれば盛り上がれるし、美味しい物を食べれば笑顔になれる
能力の存在が引っ掛かってただけで、ちゃんと心は繋がるんだ

そうだよ!
リゾナントのみんなが共鳴するみたいに
きっとこの人、黒翼の悪魔とも

「気付いた時は衝撃だった。人間は、自分の欲望の為に他者を犠牲に出来る。富を、材を、国を、土地を、民を、名声を手に入れようと邪魔なモノは排除する強欲で自分勝手な存在」

犠牲?
排除?
……何?

「従わない者を殺め、気に入らない者を殺め、時には自らをも殺める。組織、国で争い勝ったら支配する。欲望の対象は人間だけじゃない。食糧や娯楽、文明発展の為に絶滅した動植物は数知れない。
科学の発展と引き換えに、水を汚し、空気を汚し、土を汚し、地球を汚した。命を弄び、新たな種を生み出し、生命を汚した。人間は自らの為に、果てない犠牲を生んでいる。そして、あたしもそんな人間の1人なんだって」

戦争とか環境破壊……
学校で習った
人間がしてきた事

「じゃあ、あたしが持つこの能力は何の為にあるのか。地球が生んだ人間が、知恵を付けて、能力を身に付けて、地球を汚しながらも、ここまで進化したのは一体何の為なのか」

黒翼の悪魔の表情が険しくなってる

「そして理解した。この地球を守る為に、地球が人間を滅ぼす為に能力者を生んだんだって。人間が居なくなれば、地球は平和になる。人間が築いたモノだって1つとして遺さない。人間は滅ぶ事で地球を救える」

そんな……

「でも、成し遂げるには、あたし1人では時間が掛かり過ぎる。それに、誰かが必ず邪魔をする。だから、あんた達の能力が要るんだ」

あたし達を見回す黒翼の悪魔

「高橋愛の全てを消す能力、田中れいなの能力を増強する能力、この2つは欲しい。他にも使える能力者が居るなら連れて行く
「ふざけんな!」

突然声がした方を見る

「「「「愛佳!?」」」」
「「「「光井さん!?」」」」

1階の入り口から光井さんが松葉杖を使ってゆっくり近付いて来る

光井さんもここに連れて来られたの?

「予知能力者? あんた、怪我してたんだ」
「それがなんや! みんなが危ない目に遭ってるのに、1人だけじっとしてられるか!」
「勇ましいね。ねえ、さっきの話、聴いてたでしょ。あんたの能力、あたしの目的を円滑に進める為に必要だね。付いて来なよ」
「誰が行くか! あんた、何様のつもりで愛佳達の日常を奪うんや!」

そうだ
やっと掴んだ日常
失いたくない!

「それが強欲で自分勝手だっていってるの。そんな人間が支配する地球は要らないんだよ。小さな店で客と笑ってのんびりと過ごしてるあんた達が、今のこの地球の何を知ってるって言うの?」
「全てを知るなんて出来へん。やけど、愛佳達だって、この地球が平和になれば良いって本気で願ってるんや!」

あたしだってそう思う
この思いは嘘じゃない!

「それで、これまで何をしてきたの? これから何ができるの? 願ってるだけでは、何も成し遂げられない」
「だったらこれからするだけや! 人間は、考えて行動して失敗して学んで、明日に繋げていくんや。人間を、未来を信じられへんあんたに、愛佳達の未来は絶対渡さへん!」
「愛佳、よく言ったぁ!」

強い重力に抗いながら立ち上がる高橋さん

「手に入れた仲間を、失いたくないのは……あたしも一緒だよ!」

新垣さんも必死に立ち上がろうとする

「だから、さゆみ達は……」
「絵里達と守った世界をもう一度……」

道重さんと田中さんも踏ん張ってる

先輩たちが守ってくれた世界
今、あたし達が生きてる世界
今はあたし達も一緒に

「「「「守るんだ!!!!」」」」

みんなで踏ん張って立ち上がる

「そう簡単に従ってはくれないか……。もう戦って決めるしかないね。生命の真理は、弱肉強食。強い者が勝者。あたしの力で、あんたらを引き寄せてあげるよ」






投稿日:2013/08/15(木) 19:14:15.09 0


14


黒翼の悪魔は、人間を滅ぼすためにダークネスを抜けたのか

(みたいだな)

傀儡師様も知らなかったんですか?

(理由は聞いてなかったからな)

「リゾナンターをぶつけたのはまずかったわね」
「もしもあいつらが協力したら、かなり厄介な事になるでしょ。どーすんの?」

吊り目のオバさんとチビの女が現れた

傀儡師様に対して馴れ馴れしい態度だな

「確かに。まさか、リゾナンターの能力が目的だったとは」
「結果、全員集めちゃったからなー。傀儡師の立場も危ういかもねー」
「矢口、やめなさい。まだ修正できるわ」

うっとーしーチビだな!
隣のオバさんも、傀儡師様が失敗したみたいに言うな!

(この2人はダークネスの幹部、刹那の考察者と詐術師だ)

……え?

(あたしを持ち上げてくれるのは嬉しいが、どちらもあたしの先輩だからな)

ヤベー……

(ちなみに、お前の声は聴こえてないから心配無いぞ)

いえ、失礼しました……

「どうするの? このままリゾナンターに戦わせておく?」
「あいつらが手を組む前に手を打たないとね」

あいつらなら従わないような気がするけど
さっきもひたすら反抗してたし

「もうしばらく待ちましょう。少しでもg923を疲弊させたいので。幸い、まだこちらに気付いていない様です。ダークネスで奇襲をかける事も可能です」
「いいわ、そうしましょう」
「詐術師はg923の能力阻害の準備をお願いします」
「はいはい」

さすが傀儡師様!
ところで、黒翼の悪魔をg923って呼んでるのは何ですか?

(昔の管理番号だ)

管理番号、ですか?

(ダークネスが結成する前、ある研究施設に能力者が集められた)

能力者が集められたって、ハルが居るエッグみたいな感じですか?

(まあ、そうだな。当時はアルファベットのグループに分けられ、1人ずつナンバーを振られた。それが管理番号だ)

じゃあ、g923は〝gグループの923番目〟って事ですか?

(そうだ。グループは違うがあたしらも居たんだが……そう言えば)

「運び屋はどうしました?」
「ああ。あの子なら」

刹那の考察者様が振り返り、2階席の最後列を指す

「……何をしている」

最後列の座席から顔を覗かせている女
よーく見ると震えてる?

「恐いからって姿を隠してるのよ」

運び屋って名前が付いてるなら、きっと幹部だよな
失礼だけど、ビビり過ぎじゃね?

「〝フィフス〟が聞いて呆れるわ」

フィフス?
なんだ?

「あいつは放っておきましょう。必要になれば引っ張り出すだけです」
「そうね」
「ねえ、ちょっと見なよ! リゾナンターが圧されっぱなしなんだけど!」

詐術師様の声で全員が1階を見る

リゾナンターはほとんど動けず殴られたり蹴られたりしてる

「重力制御……あれに抗うのは相当難しいわね」

立ち上がったて言っても、身体が重いのは変わらないんだもんな
相手に向かって行く足取りなんて亀より遅そうだし

「相手が自由に動けるんだからな。このハンデはキツイって」」

使えそうな飛び道具も、新垣のワイヤーか鞘師の水くらいしか

(無理だ。ここには水場は無い。公園の時の様に能力は使えない筈だ)

そうか
って事は、リゾナンターに勝ち目ないじゃないですか!

(……今はな)

「あたしの能力、使った方が良いんじゃない?」

詐術師様の能力……さっき能力ソガイとか言ってたな
ソガイって何だ?

「まだ待ちましょう。g923もリゾナンターを引き入れる為に、手加減するでしょうから」
「焦れったいなー。手遅れになっても知らないからな」

傀儡師様には、何か考えがあるみたいだけど
全く勝てそうな気がしない……

そもそも、あいつらリゾナンターにそんな強さがあるのか?





投稿日:2013/09/01(日) 20:22:40.75 0


15


「うっ!」

ドサッ!

「「「「「鈴木!!!!!」」」」」
「「「香音ちゃん!!!」

カマキリの腕で防いだのに、1発のパンチで吹っ飛ばされた

一撃が、強い
しかも、重力のせいで立ち上がるのも辛いし……
黒翼の悪魔、強過ぎる!

「鈴木!」

光井さんが松葉杖でこっちに来る

「光井さん! 来ちゃダメです!」
「うわっ!」

ドタン!
カランカラン!!

地面に張り付く様に倒れた

重力の強い範囲に入ったんだ


「鈴木……大丈夫か?」

両腕と片脚で這って進む光井さん

「離れてください! その脚じゃ
「あんたらが危ない目に遭ってるのに、突っ立ってられへんわ!」
「光井さん……」
「その通り……やね」

高橋さんが里保ちゃんをかばう様に立つ

「この子らを守れんで……世界を守るなんて出来ん!」

新垣さんが衣梨ちゃんを
道重さんが聖ちゃんを守る様に立つ

「あんたらは、愛佳達が守ったる!」

光井さんが、あたしの前に出た

先輩達に、守られてる
嬉しいけど……いつまでも守られてちゃいけないのに!

「無駄だよ。あんた達は、あたしに勝てない」

──重力制御──グラビテーション

「「「「「「「「「うわっ!!!!!!!!!」」」」」」」」」


更に身体が重くなった

重力を強くしたんだな
身体が、潰れそうだ……

「……あーしらはこの子らと、この子らが生きるこの地球を守りたい! だから、負けられん!」

──光速移動──テレポーテーション

高橋さんが黒翼の悪魔の真上に移動した

「上!?」
「うおおおおっ!」

両手を組んで勢い良く振り下ろす

ガッ!

黒翼の悪魔に両腕を掴まれた

「考えたね。重力を利用して落下のスピードとパワーを上乗せしたんだ。ちょっと焦ったよ」
「うおっ!」

高橋さんが投げ飛ばされた

ドスンッ!


「「「「愛ちゃん!!!!」」」」
「「「「高橋さん!!!!」」」」

──精神干渉──ライン・マニピュレート

新垣さんがワイヤーを伸ばした
でも、重力のせいでワイヤーが地面を這う様にしか進まない

ダン!

黒翼の悪魔がワイヤーを踏む

「ああっ!」

なんとか立ち上がってた新垣さんが地面に崩れ落ちた

「「「ガキさん!!!」」」
「「「「「新垣さん!!!!!」」」」」

新垣に近付く衣梨ちゃん

「大丈夫ですか!?」
「う、ぐ……」

両手で頭を抑える新垣さん

自分の精神をワイヤーに乗せて動かしてるんだ
ワイヤーへのダメージは新垣さんに返って来ちゃう

「無駄な抵抗だよ」

黒翼の悪魔が衣梨ちゃん達の前に立つ


「新垣さんは、衣梨奈が守る!」

衣梨ちゃん達に黒翼の悪魔の蹴りが

──空間誘導──カーブ

ヒュン!

「あれ、外した」

良かった
衣梨ちゃんが空間を歪めたから狙いが逸れたんだ

「空間干渉系か。でも、不完全かな。自分の周りしか影響しないみたいだし」

黒翼の悪魔が衣梨ちゃんを通り越して新垣さんの後ろに回り込む

「新垣さん!」
「仲良くどうぞ」

ドンッ!

「うおっ!」

蹴られた新垣さんが、衣梨ちゃんを巻き込んで倒れ込む

ドスンッ!!

「ガキさん! 生田!」

道重さんが黒翼の悪魔の背中目掛けて蹴りを繰り出す


「やあっ!」

ガシ!

黒翼の悪魔に脚を掴まれた

「勇ましいね。昔は後ろで怯えてたのに」
「さゆみも、みんなを守るために戦ってるの! 守ってもらってばかりじゃない!」

ググ!

掴まれたままの脚を押し込もうとする道重さん
でもビクともしてないみたい

「道重さん!」

後ろに居た聖ちゃんが向かって行く

「ここまで見て、まだ立ち向かう気があるんだ」

ブン!

道重さんが投げられて聖ちゃんにぶつかる

ドン!

「「キャッ!!」」

ドスンッ!!

「これでわかってもらえるかな。勝てない、って」


強い
強い
強い
強過ぎて
みんなボロボロになってる

この重力のせいだ
みんな本当のチカラが出せてない

ずっと能力を使いながら戦えるなんて
こんなの勝ち目なんて無いよ

「諦めたら……終わりや」

高橋さんがゆっくり立ち上がる

「弱い者が何を言ったって無駄だよ」
「あーしは弱い。でも、あーしを愛してくれる人の為なら、幾らでもチカラが出る。その人達の為なら、あーしはっ!」

──光速移動──テレポーテーション

パシッ!

黒翼の悪魔の目の前に移動した高橋さん

でも、放った拳は受け止められてしまった

「叫んだり喚いたりして、拳1つ当てられないチカラしか出せないんだ」
「余裕が有るのもここまでや。忘れとるんやないか、あーしのチカラ。あんたが欲しがったチカラの事を!」

──光使い──フォトン・マニピュレート





投稿日:2013/09/16(月) 00:07:14.01 0


16


高橋さんの拳が光り始めた

バッ!

黒翼の悪魔が高橋さんから離れた

「はあっ!」

光る拳が黒翼の悪魔の脇腹を掠める
服の一部が消えて穴が空いた

「……やっぱり凄いね、このチカラ」

穴が空いた服を見ながら呟いた

これが、高橋さんの能力
光に触れた総てのモノを、消し去る能力

「消えたくなかったら、人間を滅ぼすなんて止めろ!」
「無理だね」
「だったら、あんたが消える事になる!」

黒翼の悪魔に向かって行き、光る拳を突き出す

「凄いチカラだけど」

光る拳が黒翼の悪魔の右耳を掠めた
当たった髪が宙を舞い光に照らされる


「当たらなきゃ意味無いよ」

この能力の前でも余裕の表情をしてる

続けてラッシュを繰り出す高橋さん

全部かわされてる
これじゃ、全然状況が変わってない

黒翼の悪魔の表情が違う
何か、考えてる?

「……当たらないんじゃ無いね。当てる気、無いよね?」

当てる気が無い?

「気付いたか」

高橋さんが攻撃を止めた

どういう事?

「こっちは死なせても仕方無いと思って戦ってるのに、そっちは助ける気があるんだ。甘いんじゃないの」
「カタチは違うにしろ、あーしらは4人の仲間を無くした。無くなったモノは、元には戻らん事を知っとる。出来れば、何であれ無くさずに済ませたい」
「人間の敵の、あたしの命も?」
「……そうや」
「でも、こっちは本気だから。そっちも本気で来ないと、死ぬよ?」

黒翼の悪魔が右手を前に出す


──重力制御──ブラック・ホール

黒翼の悪魔の手元が黒く……暗くなった
高橋さんの髪がそこに吸われる様になびく

「横向きの重力!?」

──光速移動──テレポーテーション

黒翼の悪魔から距離をおいた

「何や……それ」
「最強の重力、ブラック・ホール。音も、熱も、光すら逃げ出せない」

ブラック・ホールって宇宙にあるアレ?
黒翼の悪魔は、そんなとんでもない能力も使えるの!?

「それで人間を吸い尽くす気なんか」
「〝吸う〟だけじゃ無い。吸った先には何も無い。引き寄せられて、潰されて、終わる。ゴミすら残らない。言ったでしょ。人間が築いたモノも遺さないって」

きっと、街とかビルとか、全部を無くす気なんだ
あたし達の、リゾナントも

「始めから、愛ちゃんと田中っち、2人が手に入れば良かった。ここまで抵抗されると思わなかったけど」

地面に押さえ付けられてた重力が無くなる

助かった……訳じゃ無いよね

「従う者か、使える者が居れば良い」


黒翼の悪魔が右手をあたし達に向けて来た

「他は要らない」

──重力制御──ブラック・ホール

「「「「「「「「うわっ!!!!!!!!」」」」」」」」

みんなブラック・ホールに吸い寄せられる

ヤバイ!
ヤバイヤバイ!!
みんな吸われて潰されちゃう!

「みんな捕まって!」

──精神干渉──ライン・マニピュレート

新垣さんがワイヤーを近くの手すりとみんなに巻き付ける

助かった
でも、いつまでも耐えられるか……

「みんな!」

──光速移動──テレポーテーション

あたし達と黒翼の悪魔の間に高橋さんが現れた

「何のつもり?」
「……母親って、こんな気持ちなんかの。自分の子どもは、何があっても守りたい、って」
「何だって?」


ブラック・ホールに吸い寄せられる高橋さん

「愛ちゃん!? あんた何考えてんの!」
「ガキさん。その子らの未来、今回はあーし1人で守らせて。最初で最後、やけどな」

最後って?

「絶対にあんたを止める。あーしの総てを賭けて」
「この状況で、何が出来るの? 愛ちゃんの能力は効かない
「言ったやろ──〝総てを賭けて〟ってな」

え?
どういう事?

「……まさか」
「吸い尽くせない程の光、浴びせてやる」
「命を捨てるつもり!?」
「あんたが求めたチカラ、その身で知れ」

高橋さん……死ぬつもりなの!?

「「「「愛ちゃん!!!!」」」」
「「「「高橋さん!!!!」」」」

振り返って、笑顔を見せる

「今までありがとう。あーしの愛しい娘達」

──光使い──フォトン・マニピュレート

高橋さんの
全身が

光る

太陽の様に
眩しく

光る



光が消えたら

高橋さんが

消えてた



高橋さんだけが

消えてた




投稿日:2013/09/29(日) 18:01:22.34 0


















最終更新:2013年09月30日 12:43