『いつかの夏に耳をすませば』


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 …です。お忘れ物のございませんようお降り下さい。

――…ン… …ハッ!!

ヤバっ!降りなきゃ!

プシュー バタン


あちゃー、乗り過ごしちゃったよ。
…やっちゃうか。

 スッ


ガタンゴトーン ガタンゴトーン…


「ふぅ」
「鈴木さん」
「え?あっ、小田ちゃん一緒の電車だったんだ」
「ダメですよ、人前で能力使っちゃ」
「あーwゴメンゴメン」
「…もしかして、何回かやってますね?」
「…うん、実は」
「私だってそれができるんならやりたいですよー」
「だよね、うん」


「でも、電車降りるくらいならいいですけど、今まで例えば、お店とかに忍び込んだりとか…」
「う~ん…、小さい頃にさ、凄く欲しかった人形があってさ」
「はい」
「誕生日にね、買ってもらったんだけど、1つだけって言われて」
「はい」
「もう1つ欲しかった人形があって、それも凄く欲しくて。次の日の夜にね、おもちゃ屋さんに行ってさ、それを持ってきたんだ」
「あー…」
「でもさ、おもちゃ屋さんのお姉さんと仲良くしてたんだけど、その次の日に行ったらお姉さんがすごく困ってて」
「はい」
「あっ、私はすごく悪い事をしたんだって気がついて」
「はい」
「その日の夜に戻しに行ったんだ。んで、その後で田舎のおじいちゃん家に遊びに行ってさ」
「はい」
「おじいちゃんとおばあちゃんからお小遣いもらってさ、帰ってからそれでちゃんと人形を買ったんだ」
「ああ~、よかったですねぇ」

115 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2013/08/05(月) 06:59:02.81 0
「だから、もうこの力を使って悪いことはしないって決めたんだ。お姉さんが困ってたのを見て、これで同じようなことをしたら、同じように人を困らせちゃうって」
「でも、走り出してる電車から降りるのは危ないですよ」
「おおっとw うん、やめます。はい、やめます」
「だけど、もし鈴木さんが、泥棒というか、怪盗みたいな事をしてたら、大活躍しちゃいますよね」
「うん、そうだと思う。でも私には出来ないな~。泥棒にあって困ってる人を想像しちゃう」
「言ってましたね」
「でもさ」
「はい?」
「例えばさ、誰かのせいで困ってる人を助ける為とかなら、その為にこの力を使いたいと思うし」
「はい」
「困ってる人を助けたい、困ってる人がいなくなってほしい。そういう人がいることを想像できる限りは、私にできる事を頑張っていきたいなぁ、って思うんだ」
「へぇ~、素晴らしいですねぇ」
「そんなたいしたことじゃないよ!」
「でも、鈴木さんらしい考え方だなって思います」
「そう?」

「あ、メールだ」


From 道重さん
Sub  鈴木と
Text 今どこ?鈴木と会った?


To  道重さん
Sub  Re:鈴木と
Text 今、鈴木さんと一緒に駅を出たところです


「誰から?」
「あ、道重さんです」
「あっそうだ!このお店寄ってこ!新しいケーキが出たんだって」
「う~ん…今日じゃない方がいいと思いますよ」
「え?」





投稿日:2013/08/05(月) 06:55:17.17 0