『──渡れない7月7日の天の川──』



  refer to 『Help me!!』


「生田さん、前に出過ぎですよ!」
「1人じゃ危険です!」

はるなんと小田ちゃんが心配してるけど、衣梨なら心配ないっちゃ

「おりゃー!」

敵の左側に回ってパンチだぜ!

ドス!

「うぐっ!」

ドサ!

「よっしゃ、まず1人! 衣梨サイコ~!」
「まだ6人も居るんですから、油断しないで下さい!」

──土念動力──ウォール

ドドドド!

はるなんが地面から茶色い土の壁を出す

「うわあー!」

壁に押し上げられた敵が2メートル位の高さから落ちる

ドン!

「うぎゃ!」


「おー、はるなんやるー!」
「余所見しないで下さい! 後ろから来ますよ!」

余裕っすよ

──空間誘導──スキップ

「なんだこれは!?」

衣梨の作った光の壁を通ると……

「うわ!」

ゴン!
ドサ!

「はい、KOったい」

やっぱり、壁際までスキップさせてぶつけるの使えるっちゃね
ま、室内限定やけど
こいつらのアジトが工場跡でラッキーやったと

「キャー!」
「「小田ちゃん!?」」

ありゃ、捕まったよ

「へっへっへ。こいつを助けたかったら大人しく
「小田ちゃん、やっちゃって」

──精神干渉──フェイク


「ん?……う、ウギャー!?」

ドサ!

うわ
白目剥いてるっちゃ

「小田ちゃん、何を観せたと?」
「この人のトラウマ・フェスティバルです!」

苦手な物とか嫌いな物とか全部まとめて?
何気にドSったい

「この女!」

小田ちゃんに敵が向かって行く

──土念動力──ウォール

ドドドド!
ゴン!

「ぶふ!」

ドサ!

「ちょっと、はるなん! 壁にぶつけるやつ、衣梨の先輩特許やろ!」
「それを言うなら〝専売特許〟です! 良い技なので使わさせてもらいました」
「そうか、良い技なら真似されるのも仕方なかね」

やっぱ衣梨って天才やーん


「生田さーん! あっちの人までお願いしまーす!」
「OK!」

──空間誘導──スキップ

小田ちゃんの前に光の壁を出す

「えい!」

光の壁を通って、
小田ちゃんの手が敵の腕を掴む

「ギャー!」

ドサ!

うん、やっぱドSっちゃん

「キャー!」

はるなん!?

ドサ!

「てめーら、ただの能力者じゃないみたいだな。だが、ここまでだ!」

──念動力──サイコキネシス

ドン!!

「うわ!」
「キャ!」


ドサ!!

いったー……
念動力っちゃね
にしても、強過ぎるやろ

「ガキだと思って油断したぜ……これだけ荒らしてくれたからな。3人共、ここで終わりだ」

これはやばいっちゃ

──念動力──サイコキネシス

ゴゴゴゴ……

ボロボロのフォークリフトが衣梨達に向かって来る

はるなんも小田ちゃんも気絶しとーし、衣梨も痛みで能力に集中出来ん……

「コンテナを運ぶアームで串刺しにしてやる!」

ゴゴゴゴ……

やばいヤバイ!
どーすると!?
他のメンバーは別のアジトに行ってるから、助けには来れんやろ……
亜佑美ちゃんの能力でも間に合わんやろうし……
衣梨がなんとかせんと!
でも、何も出来ん!
ピンチや!
お願いっちゃ!
誰か助けて!


「ぐあ!」

何?

「く、苦しい……」

敵が縛られてる?

「う、ぐ……」

ドサ!

死んだと?
いや、ピクピク痙攣しとーし生きてはいるみたいっちゃ

痛む体を無理やり動かし、倒れた敵の所に向かって行く

一体どーなってると?
まさか自分で縛った訳なかろ?

敵の側まで来た

「縛ってるこの線!」

間違いない!
そもそも間違える訳なかろ!
この生田衣梨奈が!

「助けてくれたんですね」


あの時、死んだと思っとった
信じたくなかったけど、最期の姿はしっかりこの目で見たけん
でも……
でも!
このワイヤーは絶対に間違いなか!

「生きてるんですよね? 居るんですよね? 出て来てくださいよ……にーがきさーん!」



──



「──新垣里沙、か。もう居ないんだよ。この世界に、そんな女は」




投稿日:2013/07/07(日) 23:56:05.62 I















最終更新:2013年07月08日 12:23