『GW、首都圏のホゼナンターが千秋楽だ!お台場だ!と騒ぎたてている間に生まれた事件(解決編)』


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(解決編)
久住がみんなを現場となった地下室へと呼び集めた。
久住を中心にして愛佳達は輪になって座るように指示され、床の上で体育座りをさせられた
(・・・あれ?何か前にもこんなことがあったような?)光井はそんなことを感じていた

「小春、どうしてここにみんなを集めたか納得いくようにしっかり説明するっちゃ!」
案の定田中は早速、こんな場所に呼び出した久住に怒りだした
「まあまあ、田中さん、落ち着いてくださいよ。そう怒っていたらお肌が荒れますよ」
「な、何を言うとると?」
久住さんは余裕の笑みを浮かべながらフフフと笑っている

ちらりと目を部屋の端にふると先ほどまで椅子に座っていた新垣がその姿勢のまま横たえられている。
久住はそんな新垣が先ほどまで座っていた椅子に手を置きながら自信満々に話し始める
「・・・小春、分かっちゃいました!誰が新垣さんを亡き者にしたのかを!」

「小春ちゃん、またなの?」「小春なんかに解けるわけないと!」「久住サンには無理ダ」
「エリにもわからないのに小春ちゃんに分かるなんてうそ~」「小春、冗談いうたらあかんよ」
(みなさん酷すぎませんか?もう少し久住さんの話聞いてあげましょうよ)と光井がいいかけていると・・・
「本当デスカ!!久住サン、教えてクダサイ!誰がリンリンの新垣さんヲ!」
「うぅ・・・リンリンありがとう…」
久住は軽く涙を浮かべながらリンリンの手をとった

「それじゃ!リンリンのためにも小春が謎を解いてあげましょう!この事件の謎は3つ
 まず、どうやってトレーニングルームに入り、出て行ったのか?
 現場には内側から鍵がかかっていたし、階段の近くには小春がいました」

「二つ目、新垣さんを刺した凶器はどこに行ったのか?
 包丁とかナイフのような鋭いものは見つかりませんでしたし、もちろん誰もそんな危ないものは持ってませんでした
 何を使って新垣さんを刺したのか?」

「そして3つ目!誰が犯人なのか?」

「そんなことわかっていると!小春、いい加減早く始める!ここ暑いんだから!」
季節外れのエアコンのせいか寒がりの田中でも怒りの沸点は低くなっている

「ヒィィ~田中さん、わかりました!謎を解いてみせますよ☆
 まず、犯人は…ここに入っていないんです!」

「え?何を言っているの小春?大丈夫?」
高橋が心配そうに久住のおでこに手を当てて、熱がないことを確かめた
リンリンもまたポカーンとしてしまし、田中と道重の頭の上には「?」が浮かんだ

「高橋さん!小春は本気で言っているんですよ。ここに鍵をかけたのは新垣さん自身なんです」
「・・・アホらし。小春らしい推理っちゃ。じゃあ、どうやってここに来ないでガキさんを刺したと?」
「できるんですよ!ここに入らないで、新垣さんを刺すことが出来る人が!」

「久住サン、もしかしてサイコキネシスで包丁をトバシタとか言うノカ?ジュンジュンは違うゾ」
同様にサイコキネシスを使えるリンリンがカクカクと頷いた
「違うよ!そんなのよりももっといい方法があるんだよ☆
 この部屋に入らなくても傷をつけることができる能力を持った人がいるんですよ!

                     そうですよね?亀井さん」

名前を呼ばれたまさか自分が呼ばれると予期していなかったようで言葉を発することは出来なかった
「ちょっと待つと!確かに絵里は『傷の共有』っていう力はあると!
 でも、自分の胸を刺さないと傷は出来ないハズとよ。それなら絵里も…まさか!」
田中は何かに気が付いたようだ
「そうです、この事件は単独犯ではないんですよ!亀井さんの力を利用して遠隔殺人を犯し、亀井さんだけを治したんです

                     道重さん、あなたも共犯者だ!」

そう言って久住はあっけに取られている道重さんを指差した

「亀井さんの『傷の共有』で胸の刺し傷を新垣さんだけに移し、道重さんが亀井さんだけを治す。
 これならたとえ田中さんがずっといても、ほんの数分田中さんが席を外しただけで犯行に及ぶことができるんです☆
 この二人の組み合わせだからこそできる方法なんですよ!」
久住は顔を刑事コロ●ボなみにハードボイルドを気取ってみせた
「ち、違う違う、さゆみは犯人じゃないの」「絵里だってガキさんを殺そうなんてしていないよぅ」
「見苦しいですよ!そんなお二人を小春は見たくないんです!素直に自習してくださいよ!」
「自習じゃなくて、自首なの!でも、そんなこといったってさゆみ達には動機がないの!」
「どうせ、いつも新垣さんが小姑みたいで困っていたんじゃないですか?特に亀井さんは」
「むぅ、小春ちゃんにだけはいわれたくないもん」

そんな言い争いをしている三人には遠慮しつつ高橋が手を上げて、会話を遮った。
「小春、その推理は間違っていると思うよ」
「何でですか?高橋さん!小春の完璧な推理のどこに穴があるっていうんですか?」
「じゃあ、仮に絵里が犯人だとしようか。絵里を刺した凶器はどこに行ったの?」
「それはケーキを切るために持って行った包丁ですよ!」

「その包丁についた血はどうしたの?」
「え?」
「絵里を刺したならその包丁に付いた血を処分しないといけないでしょ」
「・・・」
「それに、絵里とかサユにすぐに治すからといって自分を刺す勇気はないと思うよ。だって痛いもん。
復讐のためとはいえ、ヘタしたら死ぬんだよ、自分自身も。絶対しないでしょ、普通」

「当たり前なの。そんなバカみたいな計画を立てたりしないの!!」
「なんで絵里が自分の胸を刺さなきゃいけないんだよぅ~いたいじゃ~ん」
ここぞとばかり久住を責め始める二人
「まったく、小春らしいアニメみたいな方法っちゃね。話にならん」
そして、田中がトドメを刺した。久住さんの心が折れる音が聞こえてきた

(はぁ~久住さん、何を言うてるんですか。お二人がそんなことをするわけないに決まっとるでしょう)
光井はため息をつきながらそう思った。

「でも、小春のおわん立てのおかげでれいなの素晴らしい推理を披露できるっちゃ!」
どうやら田中の怒りの沸点が低かったのは自分よりも先に推理を言われたことも関係していたようだ
「まず、れいなは小春みたいにメンドクサイ言い方はしないと!じっちゃんの名にかけて!犯人はリンリン、あなただ!」

(え、リンリン?いやいやそれこそないでしょ。動機とかないし・・・っていうか『金●一』ですか?)
そう光井は新垣の分まで突っ込みを入れた

「それはないと思うの」「えりもそう思うよ~」
久住に犯人に仕立て上げられた二人が早速リンリンをかばいに入り、リンリンも続いて反論する
「リンリン、何もしていまセン!本当デス!カメに誓います!」
(いや・・・カメに誓ってどうする・・・)そんなつっこみは不要だ

「ガキさんを地下室に呼び出したリンリンは薬で眠らせてナイフで刺したっちゃ!
 そして、外側から鍵をかけて何食わぬ顔で戻ってきたと!」
田中は周囲に流れた呆れかえったような雰囲気を無視して自信満々で推理を披露した

「ちょっと待ってくださいよ~リンリンが鍵をかけたって合い鍵はずっと小春が見ていたんですよ
 どうやって合いカギを小春に見つからずに取るんですか?」
確かにあの時、久住は合い鍵が見える位置にずっと座っていて、地下室の鍵をとった人物はいなかった。
「甘いと、小春!リンリンは堂々と小春の前で鍵を取って行ったとよ!ほら、これを見るっちゃ」
田中はそういってポケットから勝手口の鍵を取り出した。
「れいな、実は知っていると!勝手口の鍵でトレーニングルームの鍵がかかるとよ!」

カチッ

「え?嘘?嘘?そんな簡単なトリックありなんですか~?」
久住が目をまん丸に大きく広げて開いてしまった鍵穴と鍵を順々に目を移す

「リンリンは前もってこの部屋の鍵と勝手口のかぎを取り換えておいたと!そうすれば簡単に入れるとよ!」
勝ったとばかりに鍵をリンリンの前にかざして満面の笑みを田中は浮かべた

「じゃあ、田中さん、さっき堂々と小春に訊いたじゃないですか?凶器は何ですか?」
「フフフ・・・気になってしょうがないとね?凶器とは…ヒントはあれにあると!」
田中はビシッと指をエアコンに指した。

「この部屋は異常に暑いと!そこに大きなヒントがあると!そして、リンリンの力が必要っちゃ」
(え?リンリンの能力…パイロキネシスですよね?炎を操る力・・・まさか)
光井は何となく浮かんだ嫌なアイデアを否定しようとした・・・が
「そう、勘のいい人ならお気づきの通り凶器は氷っちゃ!凶器は溶けてしまったと!
 リンリンは氷の短剣でガキさんを刺して、それをカモフラージュするために部屋の温度を異常に高くしたと!」

(でました、古典ミステリーのトリックそのまんまの方法が)
恥ずかしながら思いついてしまった古すぎるトリックを考えた自分自身が恥ずかしいと光井は感じていた

「じゃあさ~リンリンは~どうやってガキさんを呼び出したの?」
亀井があいかわらずぽけぽけとれいなに尋ねた。
「きっとガキさんの興味を引きそうなこととよ。『中国4000年の秘薬』とかそんなもんやろ。可哀そうなガキさん…」
何か、ガタンという音がした・・・様な気がした

「それもおかしいと思うな」
「何言うとると?愛ちゃん、れいなの推理に小春みたいな穴はないはずとよ!」
「あのね、れいな…勝手口の鍵はいつもあっしが管理していて替えていたら気付くの
 それからね、氷の凶器ってね、意外と脆いの知ってる?簡単に刺さらないんだよ
 ミティは氷を作って、念動力で勢いをつけるから刺さるけど、力もないのに刺すのは無理だと思うよ」

「そもそもリンリン、パイロキネシスを特化して強くなったカラ、サイコキネシスの力、もうほとんどナイゾ」
地味に今、大きな問題をさらっと出しながらジュンジュンもフォローに入る
「それに、リンリンが犯人ならもっともっといい方法考えると思うの。そんな簡単なトリックなんて使わないと思うの」
「声が可愛い」といってくれたリンリンを全力で道重も協力する

「あの、田中さん…それに、凶器が凍りなら完全に溶かしてしまえばいいのでは?部屋を暑くする必要ないですよね?」
光井の鋭い質指摘が田中の胸をえぐった

「・・・あの~ちょっといいデスか?リンリンも考えてミマシタ。きいてくれますカ?」
いつもなら元気いっぱいのリンリンがちょっと弱々しく前に出てきた。
「リンリンも考えたと?」「リンリンの推理、小春も楽しみ☆」

「違ってイタラごめんナサイ…大したことないのデスガ、犯人の動機は愛情のもつれダトオモイマス」
「リンリン、なんの昼ドラみたん?」
愛佳のつっこみがむなしく地下室に響くが、リンリンはくじけずに続ける

「犯人は新垣サンをここに呼び出したんデス。『大事な話がある』とイイマシテ
 そして口論になり、かっとナッタ犯人は思わず刺した
 あるいは前にきっかけとなる出来事があって、新垣さんが休憩しているところに犯人が来て刺したのカモしれマセン」
なんとなくあいまいな推理を気になったらしく亀井が推理を遮ってまで尋ねた
「ということはこれは計画殺人かもしれないし、そうじゃないかもしれないってことなの?」

それに対してリンリンはこう言った。
「多分、突発的に起きたんだと思いマス。
 だって、リンリンが汗を流していた時に音が聴こえた気がシマシタ」

「ほんなら、リンリン、凶器はなんやの?」
「凶器ですか?あ~わからないです、HAHAHA」
その笑い声もいつものように豪快な笑いではなく、どことなく憂いを感じさせた

光井と高橋以外の冷たい視線がリンリンに容赦なく突き刺さった
「凶器わからんのにどうしてリンリン堂々と推理始めたと?」
「ジュンジュン、ちょっと期待していたんダゾ!!」
「凶器がどこにいったのか考えていないなんて、そんな推理聴いたことがないよ☆」
(いやいや、さっきあなたからも似たような推理聴いたし!!)どこからか風の突っ込みが入った・・・気がした

しかし今日のリンリンはいつも以上に堂々としていた。にらまれても全然屈っしていない。ただ、なぜだか悲しそうである
「凶器はなんでもいいんデス!だって、犯人は凶器を自由に処分できたんデスから
 もしかしたらどこかの山の中だったり、海の中にあるカモしれません」
宙をぼんやりと見上げながらリンリンは推理を再開した

「このような事件の場合、問題となるのは返り血デス。ナイフを抜いたりしたら犯人は血を浴びることにナリマス
 そして・・・何よりも肝心なことを皆さんは見逃してイマス」
「肝心なこと?それってなんなの?」
「この部屋は事件のあと、そのままにしているんですヨネ?何も動かしていないんですよネ?
ここが現場だとしたら、おかしなトコロありませんか?この辺に」
そういってリンリンは今では小春が座っている椅子の付近を指差した

「血の量!床に飛び散った血が少なすぎるんや!致命傷に至ったはずやのに、血だまりができていないんや!」
「そう、光井さんのいう通りデス。ここが現場で刺殺され凶器を抜いたナラバ血が垂れるはずなんデス
 でも、ここに垂れている血は明らかに少ないデス・・・ということは真実はいつも一つ!
現場はここじゃナインデス!」

久住は驚愕のあまりリンリン顔負けに口が開きっぱなしになった。
確かにリンリンに指摘されるまで誰も気付かなかったようだ…現場がここではない可能性なんて

「ソレナラ、リンリン、一体、現場はどこダ?」
「正確に言うナラバ、刺してしまった場所はここデス。ただ、凶器を抜いたのは別の場所です」
「で、でも小春、新垣さんをかついでくる人物なんて見ていないよ!」
「そうデス。犯人は階段を使わないで新垣さんの元へと行ったんデス。そうですよね?

                     高橋さん」

「「「「「「「エエエエエエエエエ~~~~」」」」」」」
リンリンの推理は久住や田中以上に突拍子のないもので思わず高橋を除く全員が声を上げて驚いてしまった

「リンリン、言っていいことと悪いことがあるっちゃ!愛ちゃんよ、ガキさんの親友の愛ちゃんとよ」
「そうなの、なんで愛ちゃんがそんなことするの?確かに状況はそうかもしれないけど、動機が意味不明なの」
「愛ちゃんは絵里たちのリーダーなんだよ、そんなことしたらどうなるかわかっているはずなんだよ、ありえないよ」
「あ、ありえへん、これこそありえへん!だってリーダーが新垣さんを刺すなんてありえへん!そうですよね?高橋さん?」
信じられないと言った顔でリンリンを含め、全員が高橋の方へと顔を向ける

高橋はふっと自嘲気味に笑いながら静かに言った
「・・・そう、私がやったの。私がこの手でガキさんを手にかけたの」

「う、嘘ですよね~高橋さん~そんな冗談、小春ひっかかりませんよ~」
久住が持ち前の明るさで気まずい空気を払拭しようと試みたが、高橋は左右に首をふった

「いえ、本当のことよ私がやったの。そう、この手で。
リンリンが言った通りに動機は・・・あいひょ、愛情のもつれ。ガキさんが悪いのよ」
「そ、そんなことで愛ちゃん、ガキさんを刺したと?」

「れいなにはわからないのよ!私がどれだけガキさんのことを思っていたのか?ガキさんのためなら死んでも惜しくないの
 でも、あの人は私を裏切った。ちょっとしたことかもしれんけど、あっしには許せなかった」
「おかしいよ!愛ちゃんらしくないよ!さゆみ、そんな愛ちゃん見たくないよ!
自分のためだけに動くなんてこれまでさゆみたちを導いてくれた愛ちゃんじゃない!」

「…そうね、私は変わったの。変わらざるを得なかったの!」
「愛ちゃん、何があったんですか?絵里でよければ聞かせてください」
亀井がおそるおそる高橋の顔色を伺いながらおそるおそる尋ねた。
高橋は一瞬言うのを躊躇したが、小さく一度ため息をついてゆっくりと話し始めようとしたが、もう一度口をつぐんだ
「絵里・・・さすがのあーしでもそれはいえん・・・
 ただ・・・まだ完全にガキさんはあーし達の仲間じゃなかった、それだけ教えられる」
「・・・」
亀井は何も言わずに高橋をじっと見つめた

「でも、わかって殺す気はなかったの、本当よ。でも気が付いたら持っていた包丁でガキさんを刺していた
 本当にみんなには申し訳ないと思っているわ…」
奇妙な笑みを高橋は浮かべながらトレーニングルームの出口へと向かっていった。

「高橋サン!逃がしませんヨ!新垣サンの仇!」
ジュンジュンが獣化しながら両手を広げて高橋の行く手を塞いだ
「…どいて。これから私にはするべきことがあるの。一刻も早く行かなくてはいけないの!!」
高橋がジュンジュンを睨みつけた。その眼差しは今まで見たこともないような鬼気迫るものであった
ジュンジュンだけでなく田中も道重も亀井も久住でさえも何も言えないで黙らざるを得なかった。
高橋はジュンジュンの前をゆっくりと通り、部屋の出口のドアノブを回しながら悲しそうな顔で最後の別れを告げ始めた
「みんな、サヨナラ・・・ガキさんもいなくなって戸惑うのは仕方がないと思う
 …罪を償い終える時が来るかどうかはわからない。でも、いつか真実を告げに来るから、それまでここを守っていて
私がいなくなったからといって、ダークネスに引導を渡さにゃいようにね、頼んだよ」
部屋から出るときに高橋が部屋から出ていき、こつんこつんと階段を上る音が残された7人の耳についた

高橋の姿が完全に見えなくなると重々しくリンリンがゆっくりと申し訳なさそうに口を開いた。
「皆さん、スミマセン。リンリンが言わなかったらヨカッタんですケド、それは許せないと思ったノデ…」
「うん、わかってると。リンリンは悪くないと…ただ、新垣さんのために勇気を振り絞っただけっちゃろ?」
「あんな真相なら知りたくなかったの。でも…まさか愛ちゃんが犯人だったなんて信じられないの」
「絵里達・・・これからどうなるの?リゾナンターは?」

沈黙がしばらく続いた

「・・・続けましょうよ!ダークネスとも戦わなくてはあきませんし、愛佳達は高橋さんにこの場所を託されたんですから」
「ソウダ!光井サンの言う通りダ!ジュンジュンは高橋さんを信じて、ここまで来タ!
 ジュンジュンは見た。さっき高橋さんの瞼が腫れていたのを…きっと泣いていたンダ」
「小春も裏に何かが働いていると思います。高橋さんが新垣さんを刺したのも本当なのか気になりますし…
 高橋さんを小春は信じています。いつか帰って来る日が来ることを。それまで、7人で守っていきましょうよ☆」

7人は何も言わずに手を重ねて…互いに頷き合う。そして、れいながぼそっと言った
「愛ちゃん・・・れいな達は愛ちゃんを信じているとよ!いつかその背に追いつくっちゃ!」

                ★   ★   ★   ★   ★   ★

「ハイ、カット~~~~みんな、いい感じの演技だったの」
道重が部屋の隅にセットしておいたビデオカメラの録画終了ボタンを押しながらみんなにねぎらいの言葉をかけた

それを合図に新垣がゆっくりと立ち上がり、口元に付けられたケチャップをタオルで拭った
「あのさあ、なんで今回もさ、私が死体役なのかな?納得いく理由おしえてほしいん・だ・け・ど」
道重につめよる新垣
「しかもだよ、カメラに写るならいいけどほとんど私寝ているだけで写らないじゃん」
「ま~ま~ガキさん、怒らないの。文句があるならみっつぃにいってくださいね。
さゆみは『せっかくトレーニングルームがあるから劇をしたい』っていっただけですから」
「そうそう、まさかみっつぃがまた殺人事件の台本書くと思ってなかったですよ~」
亀井が新垣に新しいタオルを渡しながら話に加わってきた。

「だって道重さんがまた書いてっておっしゃったんで、てっきり事件を書くのかと思ったんですよ。
 意外と時間かかるんですから、今度からは他の人に頼んでくれますぅ?」
光井はぶーぶー言いながらも、美味しい役回りを自分に振ったり、道重の出番を少なくしたためいつもよりは機嫌が良い。

「れーなは不満っちゃ。台詞少ないし、間違った推理を言わされたけん…それに犯人が愛ちゃんなのもおかしいと」
「田中さんは最後の台詞あるからいいじゃないっすか~
 でも、小春も田中さんと同じ意見だよ~犯人が高橋さんになったのなんで~みっつぃ?」
田中と久住がちょっと焦っている光井に詰め寄った
「え~と・・・犯人をミスリードするために考えた状況設定で犯行可能なのが高橋さんしかおらんかったからです
 だよね?リンリン?」
エアコンのリモコンを手にしながらリンリンが近づいてきた

「あ~今回のトリックはリンリン考えマシタ!HAHAHA!ミスリードされた人いますかね?」
「っていうかミスリードの意味がわからんとよ」
「小春もわかんないよ~みっつぃ教えて」

「ミスリードっていうんは、なんていうの本当は全く無関係なのに関係あるんじゃないかと思わせる手法のことや。
 エアコンとか、無駄に多かった各自の移動とか、あと、あーしが宝塚をみてたとか」
高橋が戻ってきた
「愛ちゃん、お疲れ様。いつもより台詞多かったから噛むこと少なかったね」
「ありがと、ガキさん。でも、なんであっしがガキさんを刺さんといかんかったんか納得できんのよ~」

「それちょうどれいなも小春も文句言ってたっちゃ!もっとおもしろい台本書くと!」
「ソウダ!ジュンジュン、出番少ないゾ!もっと目立ちたいゾ!」
「みっついならできると小春は信じてるんだから、頑張ってよ~」
「―じゃあ、今度は皆さん書いてくださいよ。愛佳、次から書きませんから」
ぶっきらぼうに光井はそう言いはなった。すると…
「い、いや、それは困ると」「光井さんだから書けるンダ」「小春、想像するの苦手だもん。みっつぃヨロ☆」
「だったら無茶言わんといてくださいよ」

「でもさ~なんかこの台本、悲しいんだけど~終わりみたいで、なんかやなの」
「愛ちゃんがガキさんをだよ!なんかいや~」
「・・・そうならんように注意しましょうっていう意味合いも込めて作ったんです。
 何があるのか分からない世界ですから。ね?新垣さん?」
光井は新垣の方を振り返った
「・・・もしかしてみっつぃ、まだ疑ってるの?」
「・・・さあ?」

「そんじゃみんな、出来たばかりの作品を見るとしようか?一階のテレビ前に集合ね」
「「「「「「は~い」」」」」」
どたばたと階段を上り始める、田中、亀井、道重、久住、ジュンジュン、リンリン

「あ、愛佳、ちょっとこっち来て」
「なんですか?高橋さん」
「またサユのわがままきいてくれてありがとう。今回は大変だったんでしょ。あり得ない内容だったし」
「・・・ごめんなさい」
「あやまらなくてもいいから。これは仕方ないし、ちょっと変わった感じがしていい気分転換になったわ」

ただな・・・といって高橋が疑問の色を浮かべて光井に問いかける
「ところであのガキさんの手に置かせた「矢印」はなんだったの?」
「あ、あれですか。簡単ですよ。あれは矢印ではないですよ。
『→』じゃなくて『♂』の『○』が切れたんです。『♂』の手から逃れたって意味合い込めました」
「・・・ごめん、意味がわからないんやけど」
「わからなくていいんですよ。分かる人にだけ伝わればいリンク名
いんで」

「それじゃついでにいいかな?」
「なんですか?新垣さん?」
「あのさ、私が死体役をしている間さ、ず~~~と暖房入ってたんだけどなんで?
 ミスリードするためならその場だけつければいいじゃない」
光井は新垣に気づかれないようにそーっと出口に近づきながら答えた
「時間が重要なんですよ。新垣さんが死体役で3時間くらいずっと座りっぱなしでした
 ただ座っているだけでもけっこう汗をかきますよね

 ・・・少しは痩せたんやないですか?」

そう置き土産を残し、ダッシュで逃げて行く光井にむけて、新垣が怒り声をあげた
「コラーーーーー!!」
そう言い追いかける新垣の服は汗でぐっしょりと濡れて、額には汗が浮かんでいた

「フフ、やっぱりこうじゃなくちゃ、この場所は」
そう言い、笑って高橋は階段を駆け上がっていった



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