『Help me!! -6-』


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「……なぜお前達が立っている? 大石達が倒したはずだ!」
「あんたの仲間は、れいな達にやられたままやけん」
「どういう事だ? 確かに大石達がお前達を倒すところを見た……お前の能力か」

半田って人が私を見る

そう
嘘の風景を視せて、嘘の音を聴かせる
それが私の能力

「〝精神干渉〟か……お前も、ダークネスに逆らうのか」

私は……

「なぜ逆らう!? 俺達は、能力者の為の世界を創れると言うのに!」

私の首を掴む手に力が入ってくる

私は、この人達の言う普通の人間として生きたい
世界じゃなくて自分を変えたい

「自分……だと?」

この人達は、あなた達と戦うためじゃなく私を助けるために来てくれた
私の事を知らないはずなのに、危ない目に遭っても立ち向かってた
世界を変えなくても良い
この世界には助けてくれる人がいるんだから

「俺は、救えないのか……」

私の首から手が離れる


「能力者を、救えないのか……」

半田って人が項垂れる

「この娘、解放してもらうけん」

いつの間にか田中さんが私の側にいた

「好きにしろ。俺は、俺達は……」

拘束を解いてもらい田中さんに支えられながら立ち上がる

「怪我はなかと?」
「はい。助けてくれてありがとうございます」
「気にせんで。れいな達が好きでやってる事やけん」

優しい顔
さっきまでの戦ってた顔と全然違う
周りの人達もすごく穏やかな表情をしてる

「あの、訊いても良いですか?」
「なん?」
「私の〝心の声〟が聴こえてくるって話なんですが……」
「〝共鳴〟の事やね」
「〝共鳴〟ですか?」
「普通は精神感応が使えないと心の声が聴けないっちゃけど、波長が合う人同士は聴こえるっちゃ。れいな達の心の声が聴こえるっちゃろ?」

田中さんが目を閉じて手を胸に当てる
私も真似してみる


(ちっちゃいなあ、かわいいなあ)
(能力使い過ぎて疲れたっちゃ)
(ウチも眠くなってきた)
(獣化は解いた方が良いのかな)
(変顔して和ませ……でも引かれたらハアー!)
(面白い事、面白い事……)
(こんちくわー! あ、夜だからこんばんちくわー!)
(誰もまともな事を言ってないし!)

「……プッ」
「あんたら笑われとうよ」
「そりゃそうでしょうね」
「みなさん、本当に普通の人なんですね」

でも、心の声ってさっきまで聴こえなかったのに

「どうして今は聴こえるんでしょうか?」
「あんたが自分の能力を受け入れたからっちゃろ。自分で言った〝世界じゃなくて〟ってやつ」

自分を変えたい、か

「そう思えたのは、みなさんが助けに来てくれたからです。本当にありがとうございます」
「礼はもういいっちゃ。それよりこれからどうすると?」

今までは何があっても、じっと耐えてた
助けて欲しくても、誰にも言わなかった
でも、待ってるだけじゃいけない
自分から立ち向かわなきゃ
この人達と一緒なら、きっと大丈夫

「出来れば、あなた達と一緒にいたいです」


「ええよ。ここにいる全員が色々あって集まってるっちゃん。みんなもよかろ?」
「「「「「「「もちろん!!!!!!!」」」」」」」

心の声を聴かなくても、心からの言葉だって伝わってきた

「ちょっと、顔がグシャグシャやん」

田中さんがハンカチを出して私の頬を拭く

やだ、なんで泣いてるんだろう

「ありがとうございます」

ちゃんと恩返しをしなきゃ
この人達の為に、私に出来る事をしよう

「あの……」
「フクちゃん、どうしたと?」

フクちゃんって人が怯えた様子で田中さんに声を掛けた

「……道重さんが、心の声で……」
「さゆが?」

みちしげ、さゆさん?
ここにいない人かな?

(私をこのまま独りぼっちにしておくわけ?)


「しまった! さゆ置いて来たままっちゃ!」
「田中さんヤバイっすよ!」

みんな慌ててる
偉い人?
それとも怖い人?

(あまりにも淋しい想いをさせ続けるのなら)

「生田! KY(空間誘導)でリゾナントに繋ぎ!」
「えー!? ここからどれくらいあると思ってるんですか!? 今日めっちゃ使って疲れてるんですけど!」

(私はどこか遠くへ飛んで行ってしまうよ?)

「うっさい! さゆ怒らせたらどうなるか知っとるっちゃろ!? れいなも底上げしちゃる!」
「うう……わかりました」

(ねえ、いいの?)

「「「「「「「「よくない!!!!!!!!」」」」」」」」

──空間誘導──スキップ
──共鳴出力──アンプリファイア

光の壁が現れる

「はよ入り!」
「「「「「「「はい!!!!!!!」」」」」」」

7人と1匹の人が壁に入って行く


「そうだ! あんたの名前は? まだ知らないっちゃん。さゆにも説明せんと」

そうでした
自己紹介がまだでしたね

「オダサクラ、小田さくらです」







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