『crossing belief』


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工藤遥と佐藤優樹が敵と遭遇したのは、陽が完全に沈み、夜が始まった直後のことだった。
いつだったか、太陽がじりじりと睨みを利かす午後、遥は図体だけが大きい男と遭遇したことがあった。
今回、ふたりの前に現れたのもその男と似たようなものだった。
現在のリゾナンター最年少であるふたりを前にして、男は鼻で笑う。

「どうして俺の相手が、こんなガキなんだろうなー」

そうして自虐的に言い放つと、男は拳を振り翳してきた。
相手は随分と大柄であったため、その拳の破壊力は凄まじい。ふたりとの体格差を考えても、この拳を浴びてはひとたまりもないだろう。

「膝悪いんだろ。ムリすんなよ、お嬢ちゃん!」

男はそうして遥の右膝を砕こうとした。
ある一戦で負傷した脚は、最近になってようやく回復の見込みが立ってきた。
こんな男にまた壊されてたまるかと思いっ切り脚を引く。瞬間に膝から激痛がのし上がってきた。

「どぅー?」
「そんな顔すんな、前向いとけよ」

心配そうに遥を見た優樹に対し、鋭く言い返した。
負傷して以降、彼女は一戦を退いて療養していたため、こうして実戦に赴くのは久しぶりだ。
まだリハビリも終わっていない現段階で、激しい戦いをするのはあまりに危険だった。
長引くことは得策ではないと無意識に思いながら短く息を吐く。

「威勢の良いのは口だけなんだろ」

口汚く吐いた男を睨み返した瞬間、男は大きくのけ反っていた。
優樹が男の懐に入り込み、顎を下から砕いたのだと気付いたのは、その数秒後のことだった。

「なっ―――?」

一瞬、なにが起きたのか分からないというように男は声を発したが、それは最後まで音として認められることはなかった。
優樹は左脚を軸にして体を回転させ、その反動で相手の右膝を砕いた。
勢いよく折れて体が傾き、顔が落ちそうになったとき、優樹は両手を結んで上から後頭部へと振り落とした。
鈍い「ぼぐん」という音のあと、男は前のめりに無様に地に伏せた。
土下座をしていたのに後ろから押されたようなその格好は実に滑稽で、思わず笑ってしまいそうになった。

「どぅー、だいじょうぶ?」

肩まで伸びたさらさらの髪を風に靡かせながら優樹はそう言った。
それを聞いたときに遥の心に浮かんだ最初の言葉は「いつの間に?」というものだった。
確かに遥は暫くの間、一戦から離れていた。暫くと言っても1ヶ月も経っていない。
そのわずか1ヶ月の間に、優樹はこんなにも成長していた。
いつもヘラヘラ笑って、なかなか戦闘の基礎を覚えられないで怒られてばかりだったくせに、と思う。
そう、怪我をする前に地下の鍛錬場で手合わせをしたときは、18分で私が勝っていたのに…と。

「まーちゃん、そいつまだ―――!」

遥は「ありがとう」の言葉を出すより先にそう言った。地面に伏した男の指がまだ動いていることに気付いたからだ。
勝利を手中に収めたという思い込みから相手の自爆に巻き込まれそうになったことを思い出す。

だが、優樹は黙って首を振る。慌てる素振りも見せない。そうして揺れる黒い髪が綺麗だなんて、ぼんやり思った。
優樹は膝を折って男の肩を叩いた。

「だいじょうぶですか?」

その言葉に遥はもちろん、話しかけられた男でさえも目を見開いた。
いったいなにを言っているのだろう、彼女は。敵に対して、生命を狙ってきた男に対して、なにを?

「まだやるって言うんだったら、相手します。でも、そしたら私もどぅーも、あなたをころしちゃいます」

その言葉はなんとも無機質なものだった。
機械的で、冷淡で、感情の色もないその言葉に、果たして音は乗っていたのだろうかと勘繰るほどだった。
少しだけ舌足らずで明るくて高い彼女の普段の声からは想像もつかない。
それ故に、彼女の言葉のもつ真意が強く強く色を帯びて迫ってきて、遥は思わず震え上がった。
ぞわぞわと、足の裏から虫がせり上がってくるような気持ちの悪さを払拭するように、水浴び後の犬のように体を振った。

「もう二度と攻撃しないってやくそくしたら、逃がしてあげます」

恐怖の言葉のあとにやって来た宣告に、再び耳を疑った。
男はしっかりと優樹と目を合わせ、その瞳の奥にある真意を見つけようとしていた。
当たり前だ。生命を狙ってきた男に対し、「助ける」と言っているのだから。しかも、“やくそく”という不定形な契約で。

「なに言ってんの?こいつはハルたちを殺しに来たんだよ。逃がすってどういうことだよ?!」
「もう闘わないってやくそくしたら、だよ。そうじゃなかったら」
「意味分かんないよ!なんだよ、やくそくって!」

男は目の前で繰り広げられる言い合いに唾を吐き、口元を拭ってよろよろと立ち上がった。
遥は思わず距離を測って構えるが、優樹は相変わらずその場から動かない。

「そうだぜ、お嬢ちゃん。なめてっとその首へし折るぞ」
「ホントに、まだ闘うんですか?」
「当たり前だ!お前たちを殺すまで、お前たちが殺すまで、終わらないんだ!」

男は一歩下がったところで拳を構えた。
先ほどよりも小さな構えは、憶病からなのか、コンパクトにして手堅く攻めようとしているからなのか、判別できなかった。
早く構えろよまーちゃん!と心の中で遥は思うが、彼女は黙ったまま男を見つめていた。

「しんで終わりなんて、いやです」
「なに……?」
「まーちゃんは、まだ、しにたくなんてないんです。でも、無意味にころしたくもないんです」

静かに、静かに、静かに、だが確実に、その言葉を優樹は胸に届けようとしていた。
彼にとって、優樹はいくつ年下なのだろう。優樹は遥より数ヶ月だけ年上だけど、まだ13歳の中学生。
そんな中学生の言葉なんて、世迷言で、戯言で、色なんて持っていない、ただの“音”でしかないはずなのに。
それなのに、遥も、そして男も、その場から一歩も動けずに佇んでいる。
彼女の、優樹の放った“意味”に耳を貸している。その瞳に、吸い寄せられるように、黙って、立っている。

「いきるんです。ちゃんと、ここに、いのちがあるから。私の信じる、想いのためにいきるんです。だから闘うんです」

優樹の瞳は遥からは見えない。いったいどんな色と輝きを放った瞳を、あいつに向けているというのだろうと思う。
あどけない中学生のそれではないことは分かっていた。
でも、れいなのような大人びた、何処か憂いだものとも、少し違う気がした。

「でも、闘うのと、ひとをころすのが、いっしょになるのは、いやです。ころすために、闘うんじゃないんです」

駄々をこねる、子どものようにも見えた。
成さねばならない現実と、自分の欲求とが乖離した、交わらない複雑な心が暴れている。それが彼女の苦悩なのか、我儘なのか、判別はできない。
だが、そのとき遥の頭には彼女の「今現在」目覚めている能力のひとつ、“死霊魔術(ネクロマンシー)”が頭に浮かんだ。
だからどうした?と聞かれれば、そこまでなのだけれど。

「あきらめて、くれませんか?」

それは随分と、乱暴なロジックだったが、優樹の中に混在している想いが膨張しているのが遥には分かった。
いくら背伸びをしても、鍛錬を重ねても、あの背中に追いつきたくても、まだふたりは「子ども」だった。
言いたいことを身勝手に口にして、そのくせに胸の気持ちを言葉にできない、どうしようもない、「子ども」だった。

「……バカか、お前は」

男は苦々しく吐き捨てた。やはりこんな子どもの荒唐無稽なロジックが通用するわけないと遥は改めて身構えた。
それでもなお、優樹は動かずに男を見つめていた。ああ、いまだ。と遥は思った。
その瞳、どんな色で、どんな音で、どんな想いで、まーちゃんはそいつを見てるの?
まーちゃんは、どうしてそんなに―――?

「俺にだって信念があんだよ。お前が信じるように、俺にも、下っ端なりのな」

男はそうして右腰に腕を伸ばした。
“千里眼(クレア・ボヤンス)”で視なくとも分かる手にした鉄の物質を直感的に判断した遥は走り、優樹を抱きかかえるようにしてビルの陰に隠れた。
高い銃声が2発響き、壁にめり込んだ。

「次は外さんぞガキどもがぁ!」

男の声が響き、足音が聞こえた。
遥は優樹の手を引いて路地を走り出す。しかし、優樹は走ろうとせず、あろうことか、その手を振り払った。

「ちょ、なにすんの?!」
「もう1回言ってみる!」

この期に及んでなにをと聞き返さなくても分かっていた。
優樹はまた、あの男を説得しようとしている。
冗談じゃない。今度あの至近距離で撃たれてしまっては、確実に避けきれる保証はない。

「なに言ってんの?私たち闘ってるんだよ、あの男と。向こうはこっちを殺す気でいる。こっちも本気でやらないと、マジでヤバいから」
「でも!」
「でもじゃない!まーちゃんがイヤって言っても、私が殺すから」
「そんなのダメ!」

男に向かおうとする遥の手を優樹が取った。
振りほどこうともがいても、思いのほかに彼女の力が強くてそれが敵わない。
こんな場所で禅問答をしている場合ではないのに、どうして彼女は行かせてくれないのだろう。
話しならあとでいくらでも聞いてあげるのに。と思った瞬間に、遥の“千里眼(クレア・ボヤンス)”はそれを捉えた。
ヤツが、来る―――

「受け入れなよ!」

優樹の手を再び取って遥は走り出した。
再び路地に入った瞬間、左脹脛の裏を銃弾が掠めた。痛みはさほどないが、思わずよろける。
「どぅー!」と叫んだ彼女を遮って遥は叫んだ。

「仕方のないことなんだよ!リゾナンターである以上、闘うのも、殺すのも!
それを分かってリゾナンターであることをまーちゃんは選んだんだよ。だったら受け入れなきゃ!仕方がないんだって!自分で決めたんだって!」

喧しく捲し立てる言葉は後方にいるであろう男にも聞こえていたはずだ。
彼は紳士なのか、自分も遥の言葉の“意味”を捉えようとしていたのか、それともただの気まぐれか、銃を放つことをやめた。
暗がりで響くハスキーな声は何処までも通る。街中に届いているのではないかと、錯覚するくらい。

「だから私は闘う。これが私の選んだ道だから!」
「でも!」
「でもじゃないっての!だって私は!」

ぱん。と銃声が響くのと、遥が押し倒されたのは同時だった。優樹が遥を庇い、左腕を弾が掠めたと気付いたのもそのときだ。
彼女は苦痛に顔を歪めて天を仰ぎ、遥は「優樹!」と叫んで上体を起こした。肉を削がれた腕にハンカチを巻きつけ、荒っぽく止血する。
ああ、畜生。こういうときに限って自分は無力だ。だから嫌いだ。早く強くなりたいのにと遥は唇を噛んだ。
がきんという鈍い音の方向へ目を向けると、男は天を仰いだあとに銃を投げ捨てた。

「弾切れ。やっぱツイてないな」

男と遥は黙って正対し、構える。夜の風が生温かく纏わりついて気持ち悪い。
膝はまだ痛む。一気に走ったせいか、歯車が外れたようにガクガクと笑い出しそうだ。
100%の勝機があるようには思えないが、負傷した優樹を残して逃げる気など毛頭ない。
遥が短く息を吐くと、優樹も同じように立った。黙って、構える。その瞳を見て、遥はなにも言わなかった。

男は眉を顰め、困ったような溜息をついた。実に対照的な色だと思う。
殺意を滾らせた紅い焔と、何処か諦めた寂しい蒼は、おおよそ「子ども」の持つものではない。
ああ、なんだ。俺は最初から間違っていたんだなと気付いた。

「……ガキなんて言って、悪かったな」

その言葉が合図のように、拳が振り下ろされた。
先ほどまでの大振りではなく、着実に堅実に仕留める小さくて速い突きを遥は丁寧に躱す。
図体の割にこのスピードは反則だなと思いながらも、優樹を庇うように前に出てその脚を砕こうとする。
体格差がある故に、下からの攻撃には弱いはずだと遥は考えた。

「信念とか、想いってのは厄介だな」

そのとき、男はひとり言のように呟いた。
耳を貸すものかと思っていたが、そんな意志を無視して、耳は音を拾ってくる。

「昔は俺にも、真っ直ぐな奴があったんだけどな」

男の言葉はあまりにも柔らかかった。とても先ほどまで銃をぶっ放していた男からは想像もつかない声で思わず脚が止まる。
最大の好機を逃さぬように拳を入れられると思ったが、男も同じように、動きを止めた。
まるで糸の切れた操り人形のように、男は両手を垂らして立ち竦んだ。なにが起きているのか、分からなかった。

「壊す側じゃなくて、護る側のな」

唐突に、男は理解した。優樹から受け取った“言葉”と遥から感じた“想い”がいまになって融合したのだと。
昔は自分の中にも、ちゃんとあったはずだ。目の前の人くらい護りたいという信念が。
それなのに、何処をどう間違ってしまったのだろう。その信念は闇に取り込まれ、いまでは子ども―――いや、彼女たちを殴っている。
俺は随分と遠い場所まで来てしまったのだなと苦笑した。

「……若いからこそ、未来が見えるのかもな」

笑った、ようにも見えた。遥と優樹は確かに、彼がそんな表情を携えているように見えた。
前髪が風に揺れ、汗が瞳に流れてぼやけたために見間違えたのかもしれない。
確証は何処にもなかった。なかったからこそ、ただ静かに息を呑んだ。
遥はどうして良いか分からなくなり、思わず男に一歩近づいた。

「―――!」

瞬間、だった。
遥の“千里眼(クレア・ボヤンス)”は確かにそれが視えていたのに、動くことはできなかった。
脚が竦んだのか、怯えたのか、それとも哀しかったのか、判別はできない。
子どもの頭でもちゃんと理解できたのは、自分の左腹部に刀が刺さっていて、そこから綺麗に血が流れ始めたということだった。

「だーめだよ、おっちゃん。ちゃんと殺さないと、仕事になんないじゃん」

男の後方から軽口が聞こえた。甲高くて耳障りなその声に聞き覚えはある。
だがそれよりも遥は、自分の腹部に生えた刃が、目の前の男の右腹部と繋がっていることが気になった。
おい、嘘でしょ?ねぇ、ねぇ、ねえ!なんて、叫ぶことは敵わなかった。

「どぅー!!」

優樹の声が響き、刀が抜かれた。
紅色の水鉄砲のように、腹部から噴出された鮮血が世界を染める。闇に浮かんだ紅が妙に綺麗だった。
遥はそのまま後方に倒れて天を仰いだ。光を呑み込んで増殖する闇が怖いと、正直に思った。
男は膝を折り、口から血を吐いた。地面の血溜まりを見つめながら振り返ると、そこには金髪の女がいた。
上司にあたるその女は、男との体格差は相当あるにもかかわらず、圧倒的な存在感を放つ。
女はにこぉっと笑うと「役に立たないなー、もう」と手にしていた刀を振り上げた。

「自分の信念語る前に、目の前のがきんちょ殺せっつーの」

甲高い、耳障りな笑い声のあと、振り下ろされた銀色の刃が頭に食い込んだ。
不思議なことに、痛みはなかった。正確に言えば、痛いと思ったときには既に男は死んでいた。
刃は綺麗に男の脳天を砕き、額から鼻筋を辿り、首、鎖骨と切り裂いて骨に当たって止まった。

「あーあ。買ったばっかなんだよー、この秋の新作コート。どうしてくれんのさ」

女は既に肉の塊となったそれを高いピンヒールで蹴った。
赤いヒールに赤い血とは見事だな、なんて詩的な表現が浮かんだことに可笑しくなり、また「キャハハ!」と笑った。
その耳障りな音に、遥の不機嫌さが高まっていく。
それ以上に、「仲間」を盾にしたあの女の下品さが腹立たしく、腸が煮えくり返りそうだった。
あの連中にも、仲間意識なんて言うものがあれば、の話であるが。

「どぅー!しっかり!」

優樹は自分の腕に止血のために巻かれたハンカチを取り、遥の腹部に押し当てた。
刀は貫通しているために、裂かれた血管から止め処なく鮮血が溢れ出る。さながらガードレールを失った自動車のようだ。
正しく誘導されずに外へと逃げ出したそれをなんとかしようと、優樹は必死に押さえる。
急いでこの場を離れようと“瞬間移動(テレポーテーション)”で飛ぼうとした。

「ダメだよー、そんなことしちゃ」

瞬間、空間が破裂し、言い知れない感覚が優樹に襲い掛かってきた。
自分の体の中にあった“なにか”が、隣にあったものが丸っきり欠落してしまったような、抜け落ちてしまったようなそんな感覚だった。

「“能力阻害(インペディメント)”―――使わせてもらったよ?」

そこで優樹は理解した。あの女は、優樹の有している“瞬間移動(テレポーテーション)”を阻害している。このままでは、遥を連れて飛ぶことはできない。
未だに鮮血を垂れ流す遥の腹部を優樹は必死に押さえた。なんとか、なんとかしなくてはと考える。

「キャハハ!その子死んじゃうかもねー!ねえねえどうすんのどうすんの?」

実に楽しそうに笑う女に遥は眉を顰めた。
優樹に余計なこと言うな、殺すぞと叫びたいが、言葉にならない。
とにかく、このままではふたりとも死んでしまうと、遥は優樹ひとりでも逃がそうとした。
なんとか説得しようとしたとき、優樹は立ち上がって女を睨み付けた。
その瞳は先ほどのような蒼ではなく、遥が有していた、殺意の籠った紅に近かった。

「どぅーを、傷つけさせない」

その言葉に女はまた笑った。笑うことが仕事のようだ。
こんな下品な笑いほど、不愉快なものはないのだけれどなと遥は必死に体を起こそうとする。
しかし、血とともに体力や生命力までも失っていくようで、どうにも力が入らない。

「なに言ってんの。さっきまで殺せないとか弱っちぃこと言ってたのにさ。そんな甘いこと言っててウチら斃せると思ってんの?
仲良し小好し、闘争心もなくて、なあなあの微温湯に浸かってるから、そこのお友達死んじゃうんじゃないの?」

早口で捲し立てる女にも、優樹は怯まない。
随分と身勝手なことを言ってくれるなと遥は反論したいが、声にもならない。
だが、女の言っていたことをすべて否定できないのもまた事実だった。
優樹の「ころしたくない」という言葉は、結局はそういうものなんじゃないかと、思ったからだ。

「覚悟がないんだよ、覚悟!人殺しになる、か・く・ご!」

じゃあお前に覚悟はあるのかと聞いてやりたかった。
しかし困ったことに喉からは風しか出てこない。由々しき事態だと思う。あれ、由々しきってなんだっけ?
ああ、もう、どうでも良いやと遥は歯を食い縛って寝返りを打った。思い切り腹部が地面と擦れて激痛が走る。
視界が歪むが、泣いてなんかないと言い聞かせ、女を睨み付けた。

「ねー、きみもそうなんでしょ?」
「……はぁ?」
「この子と仲良くやってさ、ライバルなんて言葉で誤魔化してるだけなんでしょ?だっからリゾナンターっていつまでも成長ないんだよねー。キャハハ!うけるー!」

身長が低いため、遥は常に人を見上げ、見下ろされる立場にいる。だが、これほどまで見下されたのは初めてだ。
沸々と湧き上がる怒りをぶつけたかった。ああ、ジュンジュンさんやリンリンさんのように“念動力(サイコキネシス)”があればな。
その醜く歪んだ顔に石礫の雨を降らせてやろうかと思った瞬間、優樹の姿が消えていた。
女もそれを認めたのか、漸く笑顔を引っ込めた途端、無様に地面に倒れこんだ。後方から蹴られたのだと気付いたのはそのときだ。

「決めつけないでください」

優樹は静かに、だが滾るような思いを携えてそう言った。
女は長い刀を振り翳して優樹を切り裂こうとするが、優樹は一足引いてそれを避ける。

「私たちには、私たちなりの闘い方があるんです」
「へー。それが殺さないってやつ?だからさー、それが甘いって言ってんじゃん。覚悟ないんでしょ?怖いんでしょ?子どもだしねー」
「ころさない、覚悟です」

遥はしっかりと、その言葉を聞いた。今度は絶対に、その“意味”を逃さないように耳を澄まし、目で追いかけた。
彼女の伝えたいものは、なんなんだ?

「あー、面倒くさいな。それ。長くなる?だったらもうヤッちゃうね?」

だが、その“意味”を捕まえようとした途端に女はせせら笑った。
女は腰に手を回し、なにかを取り出した。見なくても、分かる。だが、分かったところで状況は悪化の一途を辿るばかりだ。
刀とは違い、遠距離でも攻撃可能な拳銃は、ある意味で、万能だと思った。

「ねえねえ、怖い?怖い?やっぱ怖いよねー。だってさー、もう死んじゃうんだよ?しかも100%!」

優樹は必死に頭を回転させた。
先ほどから何度も発動させようとしているが、“能力阻害(インペディメント)”はなかなか破れないうえに体力まで奪われていく。
“瞬間移動(テレポーテーション)”が使えない以上、遥を助けるには、背負って走るしかない。
だが、銃が発射されてから避けるにはあまりにも無理がある。せめて刀ならば、回避距離を測って逃げられる。やはり、ネックはあの銃だ。あれをなんとかして始末するしかない。

「あ、そーだ、ゲームする?これから右腕・左腕・右脚って順番に撃ってくからさ、最後まで悲鳴あげなかったらそっちの勝ちって」

そのとき、女の足元に小石が投げられた。
弱々しいその力の発生源は、それでもなお光を失わない目をした遥だった。

「ゴタゴタ…くだらねえこと言うんじゃねえよ、おばさん」
「へー、そういうこと言っちゃうんだクソガキは」

女は下衆な笑いを引っ込めて銃口を遥に向けた。
優樹は思わず銃に飛びかかるが、あっさりとその膝を撃ち抜かれた。「優樹!」という声のあと、反動で数歩下がる。正直、痛かったが、退くわけには、いかない。

「次は何処が良い?当ててあげるよ、お望みの場所。耳?腕?お腹?もうちょっと楽しみたいから頭はナシねー」

優樹は言葉が終わる前に右脚で地面を蹴った。
一足で懐に入るが、目の前に銃口が突きつけられる。引き鉄が動く前にスライドを掴み、捻る。
女は銃を離さないがまだ撃たない。そのままでいてくれよと今度は逆に捻る。

「いっ…たいなぁ!」

先ほど撃ち抜かれた膝を蹴られ、優樹は思わず顔を歪めた。
握っていた手の力が弱まり、女は拳銃を再び握り直し、優樹に構えた。

「優樹!」
「もういいや!死ね!!」

ふたりの声が響き、優樹は覚悟した。ぎゅうと目を瞑り、やって来るであろう痛みに備える。
しかし、数秒経っても、その痛みは現れなかった。もしかしてもうしんじゃった?と恐る恐る目を開くと、女は優樹よりさらに後方を向いていた。
その表情には「恐怖」という色が貼りついて取れそうになかった。

「随分可愛がってくれたっちゃね、うちの後輩を」
「“能力阻害(インペディメント)”なんて、弱いもの苛めもいいとこなの」

その聞き慣れた優しい声に、遥と優樹は振り返った。
ずっと自分たちを支えてくれた彼女たちの存在は、あまりにも、あまりにも大きかった。
闇を切り裂くその光に、ふたりは思わず目を細めた。

「遊びたいっちゃろ?相手しちゃるよ」

れいなはそうして笑うと、首に巻いていたストールを解き、宙へと放った。
ふわりと黒に浮かんだ薄い水色が妙に綺麗で、遥も優樹も一瞬見とれてしまう。

「いや、そういうことじゃないよ、全然ッ」
「遠慮せんでよか。れなも退屈しちょったっちゃ」

だが、ふたりはいままでに感じたことのない、圧倒的な共鳴の力に震えた。
空気が痺れ、あまりにも重く圧し掛かる。これほどまでの純粋な怒りを、ふたりは知らない。
女は震えながら拳銃をれいなに向けるが、れいなは全く意に介さずに、その銃口に手を翳して見せた。

「撃ちぃよ。ほれ。やりたいっちゃろ?」

背筋が、凍る。ぞわぞわと足元から虫が這い上がるような嫌悪感にも似た恐怖を覚えた。
こんな田中さん、見たことがないと、情けないことに膝が震えた。
「はい、動かないでねー」とさゆみは冷静に遥の手当てを始めるが、ふたりはそれでも、れいなから目を離せない。

「仲良し小好し?微温湯?成長がない?はっ、アンタは決定的に勘違いしてるっちゃよ」

れいなは女の胸倉を掴むとぐいと引き寄せた。まるでダンスの振り付けのようだ。
舞踏会に出席した王子と姫の、素敵なダンス。一歩間違えればキスをしてしまうような甘い雰囲気は存在しないが。
ぶるぶると情けなく震える女に、抵抗する術はない。ただ黙ってれいなの力に従うだけだ。

「愚直でも、自分の信じるもん信じて、大切なもん背負っていけば、世界は変えられるっちゃ」

遥の手当てを終えたさゆみはその声を聞きながら優樹の膝に手を翳す。
淡いピンク色の光がゆっくりと包み込み、先ほどまであった傷を癒していった。
優樹は黙って彼女の声を聞く。
世界を変える、そのチカラを―――

「信念もって、想い背負って、対決する。それがリゾナンターの覚悟っちゃよ!」

れいなは大きく振りかぶり、その喧しい女の顔に拳を突き立てた。
クリーンヒットしたために女の顔は一瞬醜く歪み、その鼻からはだらしなく血が流れ出る。
推定距離で2メートルは吹き飛んだ女は「か、顔が!あたしの顔!顔が!」と鼻血を垂らしたそこを押さえて喚いた。

れいなは意に介さずに一歩近づくと、女はびくっと肩を震わせ、その腰に手を回した。
遥にはそれが「閃光弾」だと視えたため、「田中さん目を閉じて!」と叫んだ。

「キャハハハハ!じゃーねー!!」

まさに鼬の最後っ屁のような声のあと閃光弾が破裂し、光がすべての闇を喰らいつくした。
こういう光は嫌いだと腕を翳して目を庇うが、次にその場を見たときには、もうだれもいなかった。
れいなは苦虫を噛み潰したような顔をし、その場に落ちていた缶を蹴った。綺麗な音を立て、缶は放物線を描いて飛んで行った。


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遥は静かに息を呑んだ。
冷たくて寂しい風の吹く夜の街に優樹、さゆみ、そしてれいなは佇んでいた。
れいなは鋭い眼光で優樹を睨み付けている。もともと目つきの厳しい彼女の光に、遥は委縮し、なにも言えなくなる。

「答えるっちゃ、佐藤」

れいなはゆっくりと、だがハッキリ言葉を紡ぐ。
答えを求められた優樹だったが、怯えているのか、考えているのか、その言葉が喉から出てくることはなかった。
言葉を失うことがいちばん良くないことを遥は知っている。正解だろうが不正解だろうが、解答の意志があることを示さなくてはならない。
解答の意志を放棄してしまっているようにも見える優樹に、遥は思わず「田中さん、あの」と口を出した。

「佐藤に聞いとぉと。工藤は黙っとき」

そして遥は一喝された。そうなることは目に見えていたのだが、それでも遥は背筋を伸ばし、生唾を呑み込んだ。
カラカラになった喉が痛くなる。情けないことに、膝が笑い出しそうになっていた。
遥の額に汗が滲み出る。ちらりと優樹に目を向けると、彼女はまだ、言葉を出す準備をしていなかった。

「もっかい聞くけんね。なんで逃がそうとしたと?」

れいなは再び、同じ質問を優樹に向けた。
詰問の対象となったのは、彼女がなぜ、最初に現れた敵を逃がそうとしたかということだ。
光井愛佳から電話がかかってきた直後、れいなとさゆみは此処へと走った。彼女の視たヴィジョンは不可思議なもので、ふたりは一瞬、耳を疑った。
しかし、先ほど敵の女と交わされた言葉や遥の態度を見て、確信に変わった。優樹はなんらかの理由で、敵を逃がそうとしたのだということを。

「れいな、今日はもう良いんじゃない?ふたりとも疲れてるし、傷だって」
「ちゃんと話すまでは帰さん。もう少しでふたりとも死ぬとこやったっちゃよ!?」

さゆみは場を収束させようと言葉をかけたが、れいなの言うことももっともだと分かる。
情けをかけて敵を逃がし、それが発端で自分が死ぬことになるなど言語道断だ。
今回の場合は、逃がそうとした敵が反旗を翻したわけではないが、今後そう言ったことが怒らないとも限らない。
どういう意図を持っての行動だったのか、れいなとさゆみには知る必要がある。

「……まーちゃん」

遥は優樹に答えを促すと、彼女は深く息を吐いて「はい」と発した。漸く言葉がまとまったようだ。
彼女はもういちど息を吸うと、「ころしたく、ないんです」と呟いた。

「護りたいんです。どぅーも、田中さんも道重さんも、リゾナンターを、此処にいるみんなを、たくさんの人を」

淡くて優しい光が優樹を包み込んだように見えた。
しかし、その光はまるで幻影のようにおぼろげで儚く、すぐに消えてしまった。

「だから、闘うんです。私の信じる想いのために、いきるために」

先ほど男に渡した言葉を、もういちど彼女は繰り返した。
彼女は「ここに、いのちがあるから」と言った。確かにそのとき彼女は、胸を射していた。

「だから、いきてほしいんです、みんなに。だれだって、しんじゃいたいって思ってないから」

その言葉を聞いたとき、遥の頭の中には“死霊魔術(ネクロマンシー)”が浮かんだ。
あのときはその理由が分からなかったけれど、いまなら分かる気がする。
彼女は多くの“死”を見てきたはずだ。強制的に選ばされた終末と、その無念の想いを彼女はずっと背負ってきていた。

優樹はリゾナンターの前で“死霊魔術(ネクロマンシー)”を使わない。
その理由を明確に聞いたことはない。いつも「恥ずかしいから」とか「自信がないから」と言って、彼女は見えない場所で能力を行使する。
しかし、一度だけ遥は、その能力を見たことがある。
どういう風にして能力が発動し、死者が甦るのか、どういう風にして話すのか、触れるのか、興味があった。
深夜、ひとりで人気の少ない路地へと歩いた優樹のあとをつけ、物陰に隠れてその能力の発動を待った。
そしてそれは起きた。
闇の中、優樹が両手を広げエメラルドグリーンの光が舞ったかと思うと、その場には明らかにこの世のものでないものが立っていた。
彼は穏やかな目で笑い、なにかを優樹に伝えていた。少しだけ会話をしたあと、彼は深く頭を下げ、笑って消えていった。

―凄いじゃんまーちゃん!

遥は少年のように目を輝かせた。
自信がないなんて言わないで、もっと使えば良いのにと素直に思った。
先輩たちだって認めてくれるはずだ。死者の声を聞き、その想いを届けるなんて素敵だ。
その能力が戦闘に応用できるかは分からないが、それでも十分な能力だと遥は物陰から飛び出そうとした。

しかし、遥にはそれが敵わなかった。
月夜が街を照らしはじめたころ、優樹は天を仰いだ。淡い月光のスポットライトを浴びた彼女はとても綺麗だった。
そのとき優樹は、泣いていたんだ―――

「ころすために闘うのはイヤです。だから、もう闘わないってやくそくしてもらったら、逃がすつもりでした」

記憶の蓋を閉じた遥は、彼女の中で、闘うこととだれかを殺すことは決してイコールではないのだと気付いた。
護ること、生きること、優樹の言う「想い」のために闘うのだとしても、殺すという行為に彼女は抵抗を感じている。
“死霊魔術(ネクロマンシー)”という能力を有する優樹だからこそ、死を最も恐れているのかもしれない。
死は生と表裏一体でなく、全く別の虚無のものだとだれかが話したことがある。
優樹はそれを最も身近で肌で感じているのではないだろうか。

でも、だからと言って「逃がす」という行為は、リゾナンターであることを否定しているのではないかと遥は思う。
そんな悠長で甘いことを言っていて、この世界で生きていけるのかと疑問を投げたかった。
実際に、あの女からも散々罵声を浴びた。「仲良し小好し」「闘争心がない」「なあなあの微温湯」「覚悟がない」「成長がない」と。

「護るために、いきるために、想いを背負って闘います。でも、無意味にころしたくないんです」

ころさない覚悟、と彼女は言った。
恐らく、本気であの男が殺意を向けてきたら、彼女は男を殺していただろう。
無機質で、感情の色もなく、音階さえ存在しなかった言葉を聞いたとき、遥は理解していた。優樹は既に、人を殺す覚悟はあるのだと。
だが、そうはせずに、優樹が説得を試みたのは、彼の中に、迷いや微かに残った信念があったからだ。
優樹は最後まで、自分の中にある想いを背負って、対決しているのだと遥は気付いた。

ああ、もう、と思う。
本当にいつの間に、彼女は私よりも前を走っていくようになったのだろう。
それが嬉しくて、悔しくて、もっと、もっと大人になりたいと、そう願わずにはいられない。

「……覚悟があるっちゃったら貫きぃよ」

れいなは低く言葉を吐くと優樹の頭にぽんと手を乗せた。
叩かれると思った優樹はぎゅうと目を瞑ったが、小さな温かいその手の存在に恐る恐る目を開いた。
れいなは優樹の髪の毛をぐしゃぐしゃにしたかと思うと、優しく撫でた。

「絶対に護り切るっちゃよ。今回みたいに、れなやさゆン力借りんでも、工藤とか護り切るっちゃよ」

真っ直ぐな瞳を向けられたあと、彼女は笑った。
その意味を理解した優樹は太陽のような笑顔を見せ「はい!」と返した。

「どぅーはまーちゃんが護ります!」
「いやいや、護れてないじゃん。つーかハルは自分で護れるし!ハルがまーちゃんを護るんだし!」
「えー。やだぁー」
「やだってなんだよ」

そうしていつものやり取りが始まり、さゆみとれいなはクスッと笑った。
「じゃあ帰ろうか」という声をきっかけに、4人は夜の街をゆっくりと歩き出した。
後方でまだうるさく騒ぐ後輩を尻目に、さゆみはれいなの隣で大袈裟に肩を竦めて見せた。

「愚直でも、信じるものを信じて、大切なものを背負っていけば、世界は変えられる―――」

さゆみの言葉にれいなは目だけを向けた。
彼女は柔らかく笑って「愚直なんて言葉、絶対知らなかったでしょ?」と返した。

「何処から仕入れたの?さっきの言葉」
「……さあ」

れいなはそうしてとぼけたが、さゆみもそれ以上は追及せずに再び繰り返した。

「信じて、背負って、対決する。それがリゾナンターの覚悟―――」

長年れいなといっしょに闘ってきたが、覚悟や信念という話をするようになったのは最近だった。
久住小春の異動から始まり、徐々に形を変えてきたリゾナンターの中で、ふたりはいつの間にか、その頂点に立っていた。
後輩を指導し、ともに手を取り合って世界を変えていくには、真っ直ぐに対決するしかない。
でたらめでも、ムチャクチャでも、自分の信じるもののために、想いのために、闘っていくしかない。

「……だれだって、そうやろ。れなにもさゆにも、信じられるものがあって、だれかの想いを背負って闘うっちゃろ」

れいなの言う“だれか”とは、だれだろうとさゆみは思った。
長くリーダーを務めた高橋愛や、彼女を支えるために身を挺してきた新垣里沙、脚の怪我のために一戦を退いた愛佳の顔も浮かんだ。
でも、やはりそれは、彼女を指すのではないか。
それこそ、愚直なまでに世界の平和を願い、優しい想いを届けようとだらしなく笑って、対決していった彼女がさゆみの中に浮かんだ。


―――わたしたちがこうやってずーっとずーっと祈り続けてさぁ、想いが届いて、笑顔になれたって人が、ひとりでもいたら嬉しいよね


頭の中に不意に、そんな彼女の言葉が甦った。ああ、そうだ、とさゆみは唐突に思い出だした。
梅雨晴れのあの日、隣町が見渡せる丘の上で3人は祈ったじゃないか。
遠い遠い地平線の向こう、海の向こう、見たこともない外の国、広い広いこの世界中の人たちに、シアワセを届けることができないかなぁと、祈ったじゃないか。

「3人で見た、夢のつづきなんだね」

さゆみは目を細めて笑うと、れいなも同じように、笑った。たぶん、彼女も同じように笑ってくれているはずだ。
なんだかそんな気がする。というよりも、そうであってほしいなと思う。いや、そのはずだ、絶対に。

後ろから聞こえてくる楽しそうな声に振り返ると、ふたりは仲良く言い合いをしていた。まだ護って護られるかの論争はつづいているらしい。
それを見てれいなは大袈裟に肩を竦めてみせた。ああ、近所迷惑ごめんなさいとさゆみはそっと謝ってリゾナントへ帰る。
それぞれの心の中に、確かな優しい想いと信念を携えながら。




死者召喚は (70) 265 名無し通りすがり(心臓をポクポク)
6期の祈りは (08) 248 『Healing Winds』 からそれぞれお借りしました
作中の言葉は「ステーシーズ」と相変わらず「魔王」からお借りしています。ごめんなさい
無駄に長くなってしまったんですが感想ありがとうございましたm(__)m