『闇を奔る』


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669 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2012/06/30(土) 15:53:46.42 0



「保全を怠ったら小春がやっつけるから。」

670 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2012/06/30(土) 17:49:31.40 0
はっ!はいっ!保全しまっしゅ!

671 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2012/06/30(土) 17:52:45.97 0
すごい武器持ってるな

672 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2012/06/30(土) 17:55:55.31 0
粛清人になった後か


                

                

                

稲妻が駆け抜ける。
一閃する度に地を這う人影が増えてゆく。
その稲妻の色は倒れた者の躰から流れる血よりも紅く。
かつて共鳴者の一人として蒼き正義を奉じた久住小春という名の稲妻が奔る。

最後の一人を倒した小春に呼びかける声。

「腐れ金で集めたクズども十二人を倒すのに三分近く。 オメエたいしたことないな」

揶揄するような声の主は小春よりも年上の女。
黒の活動的な戦衣の上に白いジャケットを身につけた小春に対して、平凡な、ほんとうに平凡な街のOLにしか見えないスーツを身につけている。

「命を奪うつもりなら一瞬で片付ける。 でもこいつらが金で雇われただけの連中だということはわかっていたから」

だから手加減して命だけは助けてやったってか。
小春の戦いぶりを見届けた藤本美貴はからかうような口調とは裏腹に戦慄を覚えていた。

スナッフビデオのようなものを取るという触れ込みで集めたゴロツキども。
強く抵抗することが予測される主演女優を襲撃して拉致する場面からの撮影。
前金で三十万、成功報酬として百万という破格の条件で集まった男たちは身体の奥から腐臭が漂ってくるようなクズどもばかりだった。
ちょっとした試験。
鳥籠の中に入れられた生きた文鳥を握りつぶすというごく簡単な試験を合格したクズどもは、マグライトを手にして廃墟に現れた標的を目の当たりにしても躊躇する素振りを見せなかった。

所詮は素人連中だ。 銃器を渡したところで使えこなせまい。
スキルに合わせて用意した鉄パイプ、釘バット、ハンマーにサバイバルナイフを手にして襲いかかってくるクズどもを久住小春は雷撃を使用することなく殲滅した。

突如小春の手に現れた禍々しい凶器。
刃渡り二十センチ足らずの両刃の短剣を日輪のように組み合わして作ったチャクラムを投擲されたクズは恐慌状態に陥り得物のサバイバルナイフを取り落とした。
チャクラムが念写で映し出されたものだと藤本美貴が見て取った時、久住小春は本物のナイフを手にしていた。

あとは一方的な展開だった。
マグライトとサバイバルナイフの二刀流。
しかし持参したマグライトには念写で映し出したナイフの画像が、ナイフにはマグライトの画像を貼り付けられた。
クズどもはマグライトによる打撃よりも、サバイバルナイフによる斬撃の方を恐れた。
刃と鈍器では防御法も異なってくる。
打撃をくらっても斬撃は免れようとしたクズどもの多くは瞼の上を刃で切られた。
流れ出る血で視界を塞がれた男たちはジュラルミンを削り出して作られた軍用の懐中電灯による一撃を脳天に喰らい昏倒した。
視覚による情報と自分の体に加えられる攻撃の誤差に対応できず混乱した男たちを倒しきった時点で、久住小春は息一つ乱していなかった。

「こいつらは女子供に怪我させることぐらい何とも思っていないクズどもだが、それでも中には家族のある奴だっているんだぜ」

犯罪に手を染めた人間もいるが、その過半数は前科のない一般人だ。
自分の意志で人の道を踏み外すことに何のためらいも覚えないとはいえ一般人の範疇に入る連中に、深手の傷を負わせた久住小春のことを藤本美貴は詰る。

「まったくとんだ正義の味方もあったもんだな」
「私の目的の前に立ちふさがる者は誰であっても排除する」
「それが仲間と離れたお前の見つけ出した正義ってやつか」
「そんな正義なんて今の小春には関係ないよ」

過去を振り捨てるように吐き捨てた小春は真紅に染まった刃を擬して藤本美貴に迫る。

「さあ教えてもらうわよ。 あの人、姿を消した高橋さんは今どこにいるの。 教えてくれないならあんたの身体に訊くから」

闇の中を紅き稲妻が奔る。

















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