『リゾスレ4周年突破記念 癒しの少女と千里眼の少女』


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バスッ!ドン!
小柄な体が地面にたたきつけられた。

「くそっ!まだだ!」

小柄な体がたちあがった。
そこから出された声はとてもハスキーであった。
その体はボロボロであった。

「遥ちゃん、もうやめようよ。」
「馬鹿野郎!おまえが作ったロボットごときを倒せなくて、リゾナンターになれるかよ!」
「でも、リゾナンターにはなりたくて、なれるものじゃあ・・・」
「おれにだって、なれる!まずはこのポンコツをぶっ壊す!」

工藤遥。
Mの養成機関「EGG」に属している少女である。
小柄な体格であるが、その男勝りな性格とある特殊な能力で成績をあげているのだ。
だが、彼女の夢はあこがれの存在であるリゾナンターになること。
そのために同輩である宮本佳琳に頼んで、あるデータを取り寄せたのだ。

『AK-Bシステム』
かつてリゾナンターが関わったPEPPER事件でPEPPERたちによって破壊されたロボットである。
事件の後でそのシステムは封印されたが、佳琳がハッキングでデータを手に入れて、設計したのである。

「やっぱりやめようよ。ハッキングしただけでもまずいんだから・・・」
「安心しろ、すぐにぶっ壊して証拠隠滅してやるから。」

遥はその性格からか無茶をすることがよくある。
M上層部に知れたらただではすまないこの行為も遥の野望のためでもある。
しかしこの復元されたAK-Bシステムには苦戦しているのだが、遥には勝算があった。

(さきほどの攻撃でひずみができたはずだ。千里眼で見えるはずだ。)

バキッ!
遥の放った攻撃は強固なAK-Bの体を破壊した。

千里眼
遥の特殊能力でありとあらゆるものを見ることができる力である。
この能力を遥は敵の弱点を探ったりすることに使っている。
遥はさきほどまでの攻撃で生じたわずかなひずみを狙ったのだ。

「どうだ、見ただろう?俺にかかればこんなポンコツ・・・」

バキッ!
強烈な一撃が遥の頭を襲った。

「遥ちゃん!AK-B止まりなさい!」

佳琳がAK-Bシステムを止めようとするが、命令を聞こうとしない。
どうやら遥の攻撃が暴走を引き起こしたようだ。

バキッ!ボコッ!
AK-Bは遥に容赦ない攻撃を仕掛けている。
このままでは命を奪われかねない。

(くそっ・・・もうだめか・・・誰か・・・誰か助けて!)

普段は強がりの遥が初めて、心の底から弱さを見せ、助けを求めた。
そんな中でもAK-Bの攻撃は止まらない。

「もうやめて!」

泣き叫ぶ佳琳の脇を人影が走りこむ。
人影が手をAK-Bにかざすと、その大きな巨体は粉粒になるかのように消滅していった。

(ここは・・・天国か?いや地獄だろうな・・・まぁ、自業自得だよね。佳琳に違法行為すれすれのことさせて・・・悪かったな、佳琳・・・)

遥ちゃん・・・遥ちゃん・・・

(佳琳の声だ・・・・まずい、佳琳まで地獄に連れてきちまったか。本当にすまねぇな、佳琳。)

遥ちゃん・・・遥ちゃん・・・起きて

「うーん、少しは休ませて・・・あ、あれ?ここは・・・」

遥が目を覚ますとそこはEGGの診療所であった。
横には佳琳が心配そうな表情を浮かべていた。

「佳琳・・・俺はどうしたんだ・・・イタタ!」
「あっ、遥ちゃん・・・本当は全治一カ月の大けがなんだから。」
「えっ、でもとてもそんな風には思えないが・・・」
「あの人が治してくれたんだよ。」

佳琳はある方向を指さした。
そこには身長と黒髪が長い女性がたっていた。
遥はその女性の顔に見覚えがあった。

「あ、あなたは・・・道重さん!」
「あら、さゆみのことを知っていてくれたの?工藤遥ちゃん。」
「えっ、なんで俺・・・いや私のことを知っているんですか?」
「吉澤さんに聞いたの。最近、危ない訓練している子がいるからね、念のために呼ばれていたの。」

吉澤ひとみはMの諜報機関の隊長である。
どうやら吉澤に遥の危ない行為がばれていたようだ。

「どうしてそこまで危ないことをしてまで訓練しているの?」
「私もリゾナンターになりたいんです。あなたたちの武勇伝は聞いています。」
「あなたは戦いたいの?」
「そうです、私は戦って、活躍したいんです。」

そう意気込む遥の言葉を聞く途端、さゆみの顔は少し悲しそうな表情を浮かべた。

「えっ、どうしたんですか?」
「さゆみはもうこれ以上、戦いなんて起きてほしくないと思うの。」
「でも、私たちが戦わないと悪い奴がのさばるばかりじゃないですか。」
「確かにそう・・・でも、遥ちゃんたちのような子が戦う必要はないの。あんなつらい戦いをするのはさゆみたちで十分。」

さゆみにはこの長きにわたるダークネスの戦いが自分たちを確実に消耗し続けている。
もしかしたらこの先、自分たちの誰かが命を落とすかもしれない。
何よりも命を大事に思うさゆみにとってはもはやこれ以上、ダークネスの戦いに人々を巻き込みたくないのだ。

「頑張ろうという気持ちはわかるけど、できれば普通の女の子として過ごしてほしいの。」
「そうですか・・・」
「今すぐに考えをまとめてとは言わないわ。」

そういって、さゆみは部屋を後にした。
チッ!
それを黙って、遥は見守ると思わず舌打ちをした。

「佳琳・・・俺は必ずリゾナンターになってやるぞ!あんな腰ぬけを見返してやるんだ。」
「そんな・・・道重さんは遥ちゃんのことを思って・・・」
「黙ってろ!ここで引っ込んでいたら今までの努力を水を泡にするんだぞ。絶対にあきらめないぞ。」

工藤遥・・・この小さな狂犬が今後のリゾナンターにどんな影響を及ぼすのか誰にもわからない。