『月島きらり誘拐事件』


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これは小春がまだ月島きらりとして活躍していたころ、ダークネスの矢口との激闘をテレビ局の中で偶然番組観覧に訪れていたジュンジュンとリンリンの協力で切り抜けた後の話である。

「きらり!駄目じゃないの!衣装をぼろぼろにして!」
「ごめんなさい・・・」

矢口との戦いで次に着る衣装をぼろぼろにしたためにマネージャーの雲井かすみに大目玉をくらっている。
その様子をジュンジュンとリンリンが外から眺めており、リンリンは小春が不憫だと思っているが、ジュンジュンは相変わらずバナナを食べて知らんぷりだ。

「大変ですね、クスミさん。」
「それが芸能人ってやつなんだろう?」
「ジュンジュン、少しは責任感じないんですか?」
「責任?責任はあの小さい奴だ。」

小さい奴というのはダークネスの矢口だ。
確かにジュンジュンの言うとおり、ことの発端は奴に違いない。
そんな話をしているとずいぶんと傲慢そうな感じの男が小春の楽屋にやってきた。

「おやおや、村西事務所のアイドルは衣装すらろくに管理できないのか?」
「東山会長・・・」

マネージャーのかすみは男の顔を見て、険悪な雰囲気をだしていた。
この男は村西事務所のライバル事務所・オフィス東山の現社長の父親で会長をしている東山銀蔵である。
実はかすみがアイドルとして活動できないように裏で手をまわしていた汚い男なのだ。

「まぁこの後の番組はわれらのタレントが身を犠牲にしても活躍するだろうからな。ガハハハハ!」

そういって銀蔵は楽屋を後にした。
それを見て、リンリンは憤りを感じていた。

「なんですか!あのオッサンは!」
「ライバル事務所の会長。アイドルを使い捨ての道具ぐらいにしか考えてないの。」
「なんて奴だ。ぶっ飛ばしてやる!」

リンリンはこぶしに息を吹きかけて、今にでも銀蔵を殴りに行きそうな雰囲気だ。
どうやらさきほどの戦いの興奮が収まりきれていないのだろう。

「落ちつけよ、そんなことをしたらクスミに迷惑かかるだろう?」
「・・・そうですよね・・・私としたことが・・・」

ジュンジュンに諭されて、リンリンは落ち着きを取り戻したようだ。
すると番組のADが小春を呼びに来た。

「きらりちゃん!そろそろ!」
「はーい!」

一気にアイドルモードに入り、小春は楽屋を後にした。

撮影は長くなるらしくジュンジュンとリンリンは少しテレビ局の見学を終えたのちに帰るつもりだったのだが・・・

「ねぇ、あなたたち!」
「あ、クスミさんのマネージャーさん・・・」
「あなたたち、きらりを見なかった?」
「えっ、楽屋で別れてから見てませんけど・・・」

それを聞いてあせっている様子のかすみの顔がさらにあせりだした。
どうやら何かあったらしい。

「きらりが収録の休憩の間に姿を消しちゃったのよ。再開の時間になっても戻らないし。それに・・・」

かすみは自分の携帯のメールを見せた。
そこには・・・
『もう疲れました。探さないでください。』
内容からしてただ事ではない。

「わかりました。私たちも探してみます。」
「ごめんね。」

そういうとかすみはその場を走り去って行った。

「リンリン・・」
「まさかクスミさんがそんな・・・それに・・・あれ?」

するとリンリンは自分の携帯にメールが届いているのに気がついた。
差出人は・・・

「クスミサンからです。」

リンリンがメールを開くと・・・

「ジュンジュン・・・これはクスミサンからのSOSでーす!」

テレビ局・地下駐車場
東山銀蔵が自分の車に乗り込み、キーを入れようとした。
ボッ!緑の炎が周りを照らした。

「な、なんだ?」

銀蔵は驚いて車から飛び出した。

「その車にいるんですよね?クスミサンが・・・」
「オマエ、汚いぞ!」

そこにはジュンジュンとリンリンがいた。

「おまえは月島きらりと一緒にいた・・・何のことだ?」
「理由を話してもあなたにはわからないでしょうけど、そこにいるのは証明できますよ。」

ピッ!
するとリンリンは携帯のリダイヤルボタンを押した。

ピリリリリリ!
銀蔵の胸元から小春の携帯のメロディが鳴った。

「誘拐した相手の携帯の電源を切らないなんてうかつですね。」
「うっ、くそっ!」

銀蔵は逃げようとしたが、それを獣化しているジュンジュンが捕まえた。

「グワー!」
「ぎゃー、お助け!」

銀蔵が気絶している中、リンリンは銀蔵の車のトランクを開けた。
するとそこには手足を縛られて、口にはガムテープを張られている小春の姿があった。

「うーん!うーん!」
「クスミサン、助かりましたよ!今ほどきまーす!」
「はっー!もう遅いよ!ふたりとも!小春、何時間ここに閉じ込められていたと思うの!」
「クスミ!おまえもこんなオヤジに捕まるんじゃないぞ!」

銀蔵を抱えたままのジュンジュンがまたもや悪態をついている。

「仕方ないでしょ、撮影の連続で疲れていたんだから、どうせアイドルの苦労はジュンジュンわからないんだから。」
「命の恩人に向かってなんて口をきくんだ!」
「ジュンジュンこそ、その口の悪さなんとかならないわけ!」
「ふたりとも喧嘩はやめるでーす。」

その後、銀蔵は徹底的にたたきのめされたのちに放り出され、小春は無事に収録に復帰できたのであった。
どうやら銀蔵はきらりの人気をねたんであんな馬鹿な真似をしたらしい。
そして小春はお礼にふたりに食事をごちそうすることにした。

「それにしてもクスミさん、とっさのこととはいえ、よく自分の危機的状況を念写しましたね。」
「携帯を取り上げられる前にばっちり念写してやったさ。だてにリゾナンターやっているんじゃないんだから。」
「その割には能力者でもないやつに捕まっているけどな。」
「ジュンジュン!まだいうわけ!」