『暁の戦隊』(2ndシーズン)


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目次



第1話「21世紀」

ダークネスの戦闘員「俺」の仕事の一つに、次世代の能力者に関するデータ分析がある。
彼ら能力者のレベル如何によっては、ダークネスが身柄の確保に動くこともある。
データを精査し、身柄の確保の是非を決定するのは、“永遠殺し”の二つ名を持つ保田圭の仕事だ。
そして、今日も…。

「鈴木香音。 この子はダメですね。 小学校の聴力検査に混入させたシグナルに反応していますが、その後何のチカラの発現も見られません」
「つまり、能力者でなければ感知できないシグナルを聴き取れる程の聴力の持ち主ってことなの?」
「強いて言うなら超聴力とでもいうのでしょうが」

香音という少女の超聴力が組織にとって無益だという部下を保田は諭す。

「心拍音の変化を聴き取れるなら、読心能力の代替にはなるんじゃないの。 それに…」
「それに?」
「名前がいいわ。 香る音。 超聴力の持ち主には相応しい名よ。 私の圭という名が美しいという意味を持つように」

そして、時間は止まる。

― いや美しいっていう意味なら「佳」だぜってこと言えないよな。 それともツッコミ待ちのジョークなの、これって ―

過ぎていく時間、凍りつく「俺」。 保田はというと鈴木香音という少女の所在地を見て顔をしかめる。

~黒崎記念病院小児科病棟~

「この香音という子に関する案件は暫く、保留ね。 じゃあ次の子のデータを出してくれる」

次回、暁の戦隊 第2シーズン第1話「21世紀」

「俺」の説明を聞きながら、保田は思う。
もし今飯田圭織がこの世にいたならば、黒崎のような野心家の自由にはさせておかないのに。

― ねえ、圭織。 あんたは未来を視れたんでしょう。 そんなあんたがなんであんな事故に巻き込まれてしまったの。 私たちが見た夢の続きを教えてよ―


第2話 「悲しみトワイライト」

夕暮れ時のスクランブル交差点で突然起こった惨事。
帰社途中のサラリーマン、塾帰りの学生、ベビーカーを押した母親、配達途中のドライバー。
職業も、年齢異なる人たちが突如苦しみだし。お互いを襲いだした。
暴力の輪はどんどん広がっていく。 倒れてゆく人たち。

その場に先行して駆けつけたリゾナンターのリーダー高橋愛は、騒動の中心にいる少女の助けを求めるような瞳を目に留める。

「怖がらないで、今、私が助けに行くから」

襲い掛かる人たちをかわしながら、少女の元へ辿りついた愛。
怖がっている少女を普通の方法で救出することは無理だと判断して、【瞬間移動】を使って、最寄のビルの屋上に避難させえることにした。

「目をつぶっていれば、すぐ安全な場所に…」

少女から愛に流れ込んでくる強烈な負の波動。

― まさか、この騒ぎの原因はこの子だった… ―

薄れゆく意識の中でそれでも愛は【精神感応】のチカラを発動させた。

― エ・リ・ナ ―

崩れ落ちた愛の身体を暴徒と化した人々が踏みにじってゆく。

次回、暁の戦隊第2話 「悲しみトワイライト」

「愛ちゃ~ん」駆けつけたれいなの悲しみの声が夕暮れの街に響く。


第3話「SONGS」

謎の少女の引き起こした惨事の被害者は数百人を越えた。
死者こそ出なかったが、重傷者も多数病院に搬送された存在する。
その中でもっとも容態が深刻だったのが、リゾナンターのリーダー高橋愛だった。
暴徒と化した群集によって負わされた体の負傷以上に心配なのは、いまだ意識が戻らないということだ。

サブリーダー新垣里沙は担当医から愛の状態について聞かされた。
脳に損傷は見られないということだが…。

― 少女の能力は【精神破壊】? ―

だとしても、経験豊富な愛が何故、【精神破壊】によるダメージをもっとも色濃く受けてしまったのか。

里沙は病室で愛の手を握り、耳元に囁く。

「ねえ、どうしてなの、愛ちゃん」

囁きはやがて二人のお気に入りの歌に変わる。
その調べで愛を深い眠りから呼び覚まそうとするかのように。

次回、暁の戦隊 第3話「SONGS」 

― チカラを発動させて他の人の分までダメージを自分一人で背負い込んじゃったんだね。 本当に生きるのが下手で要領が悪いんだから―

里沙の意は決した。
夢見ることの出来る仲間と再び笑い合うために、愛の精神世界へ潜行することを


第4話「BE ポジティブ!」

意識の戻らないままの愛の警護で、里沙、れいな、さゆみの三人が病院に詰めたままなので、リゾナントは休業状態が続いている。

― 亀井さんは何か激しい運動をしたとかで検査入院中やし、ジュンジュンとリンリンも故郷に戻ってるし、このままじゃリゾナンターがバラバラになってしまう ―

足の負傷を抱え自宅療養中の愛佳は仲間の危機に何も出来ないでいることに焦っていた。

― 間賀さんには焦ったらあかんて言われたけど、今うちがやれることをせな後で絶対後悔するし ―

里沙からは自宅で待機するように言われている。
仮に今、自分が病院に出向いたところで、愛の傷を癒せるわけでもない。
もしも愛の命を狙う者が襲ってきたとしても、今の自分では足手まといになってしまうだけだ。

― せやけどなあ ―

自分同様の立場の小春や聖に連絡してみようと、携帯を手にした愛佳はリゾナントで撮影した画像を目に止める。

― これや ―

自分の為すべきことを見つけた愛佳は聖に電話をかける。

「もしもし、聖ちゃん。 あんなあ、出来たらでええんやけども… 」

次回、暁の戦隊 第4話「BE ポジティブ!」  

「ありがとうございます。 お代は500万円です。 あっ、違うか」

愛のレシピを頼りにカウンターの中でコーヒーを淹れる愛佳の姿があった。 学校終わりに聖が手伝いに来ている。
客との慣れない会話は少しドギマギしてしまうが、リゾナントを愛する心の底から湧き出すエネルギーが愛佳を積極的にさせた。


第5話「愛され過ぎることはないのよ」

譜久村聖は学校が終わると、喫茶リゾナントを手伝ってから屋敷に帰るのが日課となった。
マスターである愛が戻ってくるまで、自分なりのやり方でリゾナントを守りたいという光井愛佳の考えに賛同したからだった。
今日も屋敷に帰ったのは午後9時を過ぎていた。
出迎えてくれた家政婦に挨拶をしてから自室に行こうとした聖を呼び止める声。

「聖、話がある」
「お父様」

仕事で飛び歩き、年に一二度しか顔を合わすことがない父親が怖い顔をしている。

「お前は最近、リゾナントという喫茶店に出入りしているそうじゃないか」

父はリゾナントに出入りしている人間は、譜久村家の一人娘である聖が付き合うのに相応しい相手ではないと言う。

「いいか、もう明日からあの喫茶店に出入りしてはならない、わかったな」
「お父様、怒らないで聞いて欲しいんです」

次回、暁の戦隊 第5話「愛され過ぎることはないのよ」

「あのお店で働く人、出会った人は聖のことをわかってくれて、これ以上はないってくらい愛をくれました」

何一つ恥じることはしていないと告げる聖を父親はほろ苦い心境で見つめる。

― 私なりに愛情を注いできたつもりだったが、間違っていたのか。 いや、本当の愛はいくらだって入るってことか ―

少し大人になった娘はかつて愛した女の面影と重なった。

― お前にも見せてやりたかったよ。 大人しいだけが取り柄だと思っていた娘が頼もしくなった姿を ―

「お前はまだ学生の身だ。 学校の勉強には支障が出ないようにな。 それと一度私も挨拶に行かなければな」


第6話「愛の炎」

リゾナンターのリーダー高橋愛が倒れた。
その知らせはたちまちのうちに裏社会全般に伝わった。
この機に乗じて、散々苦い思いをさせられてきた愛に復讐しようと、結集する無法者の集団。

警戒網を突破し、警備員を撃破し、愛の入院する病棟にあと少しのところまで辿りついた悪の群れ。

「もう少しで高橋愛とご対面だぜ」
「一体、どんな目にあわせてやろうか」
「グハハ、興奮するげぇぇっ」

先陣を殴り倒した影一つ。
病棟の前に長い線を引くと、男たちに告げた。

「この線から一歩でも踏み込んだ奴は容赦なく潰すけん」

一人じゃねえか、こいつから血祭りにあげちまえ

雲霞のように群がる男たちと戦いながら、れいなは誓う。

次回、暁の戦隊 第6話「愛の炎」 

― 愛ちゃんのこと今はガキさんに任せた。 れいなはれいなにできることをする ―

愛を思うれいなの心は、闘志となって炎よりずっと燃え上がる


第7話「彼と一緒にお店がしたい!」

― 一体、これは! ―

後事をさゆみとれいなに任せて、愛の精神にダイブした里沙は目を疑っていた。
謎の少女から受けたダメージによるものだろうか。

里沙の意識が捉える全てのものが破壊しつくされていた。

― 愛ちゃんはもう ―

元に戻れないのではないか。
嫌な予感を振り払おうとマインドサーチの精度を上げた里沙は、比較的破壊の状態が軽い一角を発見した。

― これはリゾナントの看板 ―

そこは現実の喫茶リゾナントが存在する町の記憶の在り処のようだった。
破壊の程度が軽いといっても、リゾナントは全壊しているし、泥や瓦礫が辺りを覆いつくしている。
絶望が里沙を覆う。

― 愛の精神世界と現実世界の時間がどの程度、リアルタイムでリンクしているのかわからないけど ―
― いつまでもここにいては私が元に戻れなくなってしまう ―

苦渋の末、里沙が下した決断とは。
次回、暁の戦隊 第7話「彼と一緒にお店がしたい!」  ♪ハチャメチャな人生じゃない、私なりに考えて行動してるよ

里沙は瓦礫の山からリゾナントの残骸を一つ一つ掘り起こしていく。
どんなに時間がかかっても、愛の精神世界の中のリゾナントを再建して、そこに愛を呼び戻す!!


第8話「じゃじゃ馬パラダイス」

-いくら殴り倒しても性懲りもなく向かってくるっちゃね-

傷つき倒れた愛を狙う無法者の集団と戦っているれいなは軽い疲労を覚え始めていた。
襲撃者たちの中にいた【憑依】能力者が仲間を操っている。
受けるダメージを度外視したアタックにれいなのスタミナは確実に削られていく。
そんなれいなの引いた防衛線を突破できないでいる無法者の群団。
息詰まる膠着状態を破ったのは、甲高い女の声だった。

「あんた達、こんなかわいい子猫ちゃん一匹相手にいつまで手間取っているの」

Rだ。リゾナンターと対立する悪の集団ダークネスの能力者、Rが降臨したのだ。
歓喜の声を上げる男達。

「Rが来てくれれば、こっちのものだ。これでお前も終わりだなにぃぃぃぃっ」

Rの念動波で男達が吹き飛ばされていく。

「あんた、どういうつもりね」
「かんちがいしないことね。 あんたたちのリーダーは私か倒す。 でも負傷して動けない高橋愛を倒したってつまんないじゃない」

次回、暁の戦隊 第8話「じゃじゃ馬パラダイス」

「戦う二人の条件は50:50じゃなきゃね」


第9話「あの日に戻りたい」

潜行した愛の精神の中に留まり続ける里沙は、愛の記憶の中のリゾナントの修復に成功した。

-リゾナントは愛ちゃんの心の拠り所。 この場所でならきっと-

現実のリゾナントと変わらない店内で、愛に呼びかけてみるが、何の反応もない。

一縷の希望も絶たれた里沙の顔は泣き濡れて、目が真っ赤だ。

-戻りたい あの日に 戻らせて欲しい-

愛が元気だった頃に時間が戻ることを切望する里沙。
やがて電話のベルが鳴る。
勢い込んで取った受話器から聞こえる一番聞きたかった人の声。

-里沙ちゃん-

愛の思念は伝える。
里沙がリゾナントの記憶を修復してくれたお陰でこうして意識が戻ったこと。
一度に大勢の人間の精神と繋がった代償は大きく、今しばらくはこの状態が続くこと、そして…。

次回、暁の戦隊 第9話「あの日に戻りたい」

-情けない。 一番苦しい筈の愛ちゃんが弱音一つ吐かないのに私ときたら-

里沙は潜行していた愛の精神から、現実の世界に戻る。
愛がリゾナントにいる当たり前でかけがえのない時間を取り戻すために。
そして多くの人を傷つけてしまった絶望に苛まれている「エリナ」という少女を救うために。


第10話「この地球の平和を本気で願ってる」

― 一体、何があったというの ―

潜行していた愛の精神世界から、現実に戻ってきた里沙の目に映ったのは、物々しい装備に身を固めた警官隊。
愛の病室を警護しているというが、その実監視しているようにしか見えない。
それは里沙やさゆみに対しても…。

― そういえば、れいなの姿が見えないけれど ―

隙を窺ってさゆみから事情を聞いた。
病院周辺での乱闘騒ぎの現行犯としてれいなは身柄を拘束されたという。
愛が倒れた事件の重要参考人としても事情聴取を受けているとも…。

― そんなバカな。 れいなは、私たちはこの地球の平和を本気で願ってるんだよ ―

このままでは愛から託された、「エリナ」捜索の使命が果たせない。
焦燥感に包まれる里沙。

次回、暁の戦隊 第10話「この地球の平和を本気で願ってる」

― どうして邪魔をするのよ。 でも諦めない。 心は変えられるんだから。 この手で元気な未来を掴んでみせる ―

警官たちの監視への対応策を練る。

― 私とさゆがこのまま病院に留まって、愛ちゃんを守り監視の目を引き付ける。 それにしても情報が欲しい ―

電話すら盗聴されている気配がある。
他の仲間との連絡手段を考えている里沙の目の前で警官隊の動きが止まり…。

― これは【時間停止】ってことは保田さん? ―


第11話「君に届け」

警護という名目で監視されていた里沙の前に現れたのはダークネスの幹部の一人、保田圭だった。
保田の能力【時間停止】によって止められた時間の中で、交わることのなかった光と闇の会談が行なわれた。
高橋愛が重傷を負った騒動の張本人と思われる少女「エリナ」はダークネスも追っていたという。

「彼女、生田衣梨奈の行く先々でああいった騒乱が起きていた。 まるで台風みたいにね」

今回の事件の黒幕がダークネスだという疑惑を拭いきれない里沙に対して保田は一人の男の名を告げた。

「ある意味、それは正解かもね。 彼、黒崎がダークネスの支援者であったのは間違いない事実だから」

政治家の一族に生まれながら、防衛大学を経て自衛官になった黒崎は、阪神大震災時の政府の対応の遅れを批判して国政に打って出た。
強い国、子供たちが安心して暮らせる国をスローガンにトップ当選を果たした黒崎は一年生議員ながら新党を設立。
その勢力は全国会議員の数パーセントでしかないが、与野党伯仲の状況下ではその数パーセントの存在感は限りなく大きい。
政権のキャスティングボードを握っていった黒崎は、国会議員の職を辞して都知事選へ出馬した。
東京から世界を変えるという彼のカリスマ性に魅せられた都民は未曾有の得票率で彼を都知事にした。
国政にも影響力を有する黒崎は、警視庁を自らの直属下に置き、凶悪犯罪への対策としてパワードスーツ装備の部隊を設立した。

「世界を変えたいという点で私たちと黒崎は同じだった。 しかし、どう変えるかという点では相容れないものがあった」

国政に影響力を有したいという意向で、黒崎の政界での躍進に陰ながら力を貸していたダークネスだったが、黒崎はそんな迂遠な手段では満足しきれないようになった。
能力者の集団を直属の配下に治めたいという黒崎の野心は、彼の一族が所有する病院を次世代の能力者開発の実験室へと換えた。
そして超えてはいけない一線を越えた黒崎に対して共闘を申し出た保だったが、里沙はその言葉を鵜呑みには出来ない。

「圭織がね、死んだのよ」

黒崎との関係を保ちながら、彼を牽制する役目を担っていた“絶対の守護者”飯田圭織が事故で亡くなったという。
黒崎が狙いながら、今だ手中に収めるに至っていない生田衣梨奈の所在を告げた後に保田は言った。

次回、暁の戦隊 第11話「君に届け」

「圭織と私は対立したこともあったけどかけがえのない仲間だった。 いつもそこにある顔が当たり前すぎて言えなかったけどね」


第12話「やるときゃやらなきゃ女の子」

飯田への思いを語る保田の言葉に偽りは無いと感じた里沙だったが、共闘の申し出は断った。
里沙の対応を予想通りだという保田だったが…。

「でも、あなた達は生田って子のことを探さずにはいられない…でしょう」

共闘こそしないものの保田の思惑通りに動かざるを得ないようだ。
これまで黒崎は工作活動のような汚れ仕事はダークネスに任せていた為、リゾナンター全員の情報は把握していないという。

「もっとも警視庁を自由に動かし、防衛庁にも影響力を残す黒崎のことだから、やがてリゾナンターの全貌は掴むでしょうけど」

目的を達して病院を出て行こうとする保田だったが…。

「今なら手紙ぐらいは書けるんじゃないの。 それぐらいサービスしておくわよ」

病院内のポストを指差す。
【時間停止】の解除前なら手紙を投函しても、監視の警官に察知されない。
【精神操作】を使えば、一時的に監視の目を逃れることは出来るが、結局は怪しまれる。
愛が自由に動くことが出来ない現段階では、黒崎を刺激することは避けたほうがいい。
自分とさゆみが囮になって引き付けている間に、他のリゾナンターの誰かを潜行させて生田衣梨奈の捜索を任せるしかないが。

― 難しいかもしれないけどあんたなら出来るよね ―

備え付けの用箋に走り書きを認める。 ~全ては誰にもわからない、そうだから今こそやるしかないんだよ~

次回、暁の戦隊第12話「やるときゃやらなきゃ女の子」

翌日、亀井絵里が検査入院中の病院から姿を消した。


第13話「恋のダイヤル6700」

慎重に作ったメールを送信した後で、テレビ局のサイトにアクセスする。
PCの画面では制服風の衣装を身につけた李純がダンスを披露している。
街でスカウトされたんだと満更でもない顔で告げられた時は、どうなることかと思っていたが、今や堂に入ったものだ。

-次の投票まであと一週間-

中国全土に散らばった刃千吏の機関員に投票を呼びかけるメールを一斉送信してから、これからやるべきことを確認していく。

-私たちが監視の対象外といっても油断してはいけませんね-

非正規のルートで日本に入国する伝手には心当たりがある。

-高橋さん達に手を出してこないのは、思いのほかに手兵の数が少ないということですね-

黒崎という男が警察を動かせるといっても、露骨な真似は出来かねるのだろう。

-だから生田さんのような能力者の子供を集めてて、自分の思い通りに動かせる部隊を作ろうとしているのですね-

許せない。 銭琳は思った。
そして、衣梨奈という少女のことを救いたいと心から思った。
衣梨奈が愛を傷つけたという怒りの念は不思議と湧いてこない。
刃千吏の持つ情報の提供を求めて来た絵里のメールからもそんな感情は感じられなかった。
PCの画面の中では前回の投票で大量の票を得た時の李純の喜びの表情が映し出されている。

次回、暁の戦隊 第13話「恋のダイヤル6700」 ♪あなたが好き 死ぬほど好き

-刃千吏の使命は国家安泰の象徴である御神体を守ること。 だから、私に純姐の夢を守らせてください -

絵里を助ける為に日本に向かうことになった銭琳は李純の電話番号×××-6700を回さなかった。


第14話「女と男のララバイゲーム」

-銭琳のやつ許せないな-

男装して身元を偽って搭乗した旅客機の客席でジュンジュンは憤っていた。
銭琳が自分を差し置いて、日本に駆けつけようとしていることが許せないのだ。

-あいつはあいつなりに気を使ったつもりなんだろうけどな-

確かにTV番組の投票で勝った時は心から喜んだ。
戦ってゆくだけの人生だと思っていたのに、新たな道が開かれたことは嬉しいことではある。
が、それにしても仲間の危機を自分には伏せておいて、一人日本に向かおうとする銭琳は許せない。
刃千吏には遠く及ばないが、ジュンジュンたち獣化能力者の間にはネットワークが存在する。
若き獣人たちが変化した肉体を嘆き、道を見失い、最悪自らの命を絶ってしまうことが無いよう支える命の絆。
その繋がりに連なる者が、銭琳の密出国に関わっていたのだ。

高橋愛の負傷は心配だが、亀井絵里とチームを組んで行動するのは気分が浮き立つ。

-日本に帰ったら銭琳を早く捕まえてギュッといわせてやろう-

次回、暁の戦隊 第14話「女と男のララバイゲーム」

-私を除け者にしたことを早くあやまってくれよ、琳。 そしてお前のことを早く許させてくれ-


第15話「乙女の心理学」

譜久村財閥の一人娘、聖はいまだかつて経験したことの無い危機に瀕していた。
手術台の上で手足を拘束され、身動きできないのだ。
危なかったねえと話しかけてきたのは、研究者用の白衣を身につけた若い女性だ。

「あなたは!」

聖の記憶が蘇る。
学校終わりにリゾナントに向う途中で、突然現れた男たちにどこかへ連れて行かれるところだったのだ。
その危機を救ってくれたのが、白衣の女性だったのだが…。

「じゃあ改造手術を始めるね」

ドクターマルシェと名乗る女性は聖に選択を迫った。

「オッパイからミサイルが飛び出すのと、オッパイからビームが発射されるのとどっちがいい?」

-はぁ?なぜにオッパイ限定ですの-

改造手術なんて受けたくないと訴える聖だったが、マルシェは既に同意は貰っていると相手にしない。
-ああそういえばこの人、男たちを追っ払ってくれたお礼を言っている私に何か嗅がせて-
-わけがわからなくなっている時に何か言われて頷いたようなって、そんな同意、無効よ-

「オッパイミサイルとオッパイビーム。 どっちがいいか悩むなあ。 さっさと決めてよ」

次回、暁の戦隊第15話「乙女の心理学」

「改造はいやぁぁぁぁぁぁ!」

聖は火事場の馬鹿力で拘束具を引きちぎると一目散に逃げ出した。

「女の子にオッパイオッパイて連呼しちゃったから恥ずかしかったんだね」
マルシェの辞書に反省の二文字は掲載されていない。


第16話「Loving you forever」


~今日はほんまにありがとう。助かったわ~

光井愛佳の声を背に鞘師里保は喫茶リゾナントを後にした。
愛が不在のリゾナントに潜入して、留守を守る光井と接触せよという指令を果たしたのだ。
上京間もない女の子がたまたま店に立ち寄ったように装った。
既に接触済みの道重さゆみが写っているリゾナンターの集合写真を会話の糸口にした。
そしてまだ足を庇っている光井を手伝ってやったら、お礼に大阪風のお好み焼きを作ってくれた。
今度は広島風のお好み焼きをご馳走すると約束して店を出た。

-ふん、ちょろいもんじゃ-

予知能力を持つ光井に自分の正体を暴かれるのではないかという心配が杞憂に終わったことに安堵した鞘師は人気のいない路地に入った。
そして喉に指を突っ込むと、リゾナントで口にしたものを全て吐いた。
耐えられなかった。
光井愛佳の温かみを受け入れてしまっては、自分がダメになってしまうような気がした。それに…。

-香音ちゃんは黒崎の病院であんな美味いもんを食わせてもらっちょらんのに、わしだけが美味しい思いをするわけにはいかん-

鞘師はこの任務のために病院を出てくる時に、香音がつらそうな顔をしていたことを思い出していた。

-理由を聞いても教えてはくれんかった。 しゃあけど香音ちゃんの為ならわしはどんな汚いことだってやってやる-

吐き出せるだけのものを吐き出した鞘師は空を見上げた。
そして建物に隠れて見えないが、そこに輝いている筈の星に誓った。

次回、暁の戦隊 第16話「Loving you forever」

-香音ちゃんはわしのたった一人のともだちじゃから、ずっとそばにいてまもってあげんと-

道重さゆみや光井愛佳に見せた偽りの笑顔を捨て、たった一つの真実を胸に鞘師里保は闇へ消えていった。


第17話「女心となんとやら」

-本当は正義のヒーローなんていやしないんだ-

閑散とした劇場のスクリーンの中で躍動するヒーローを見ながら、生田衣梨奈は思う。

衣梨奈の周囲の人間が気分が悪くなり、倒れてしまうという不可思議な現象を解明する為に黒崎記念病院の思春期外来を受診したのは数日前のことだった。
色んな機械で検査され、何人もの医者に診察されているうちに、怖くなった衣梨奈は病院を逃げ出した。
職員が追ってきたものの、遠巻きにして衣梨奈の傍には来ようとしない。

-やっぱり私は他の人とは違ってるんだ-

知る人も居ない街の中、増えていく追っ手の数。
助けてくれる者など誰一人いない現実に、衣梨奈が打ちひしがれた時あの現象は起こった。
これまでにないぐらい多くの人間が常軌を逸し、争いあい、傷つけあい…。
自分が起こしてしまった悲惨な状況の中で立ち尽くしている衣梨奈を救おうとしてくれた一人の女性。

-あの人は他の人と違ってた。 私のことを本当に助けようとしてくれた。 なのに…-

自分を救おうとしてくれた女性が目の前で倒れた時、衣梨奈の心は決壊した。
家に逃げ帰り、涙に暮れながら事件の報道からは目を背けていた。
追跡者の接近を察知して、家族に迷惑をかけまいと家を飛び出したのが二日前のことだった。

嫌なことから逃げない強い心が欲しかった。
仲の良い友人と分かち合いながら生きていきたいと思っていた。
心を許せる誰かと寄り添いあえる人生を送りかった。
両親や先生のことを敬う心を持ちたかった。

次回、暁の戦隊第17話「女心となんとやら」

-もし正義のヒーローがいるんだったら、私みたいな化け物なんか・・・・殺して-


第18話「Only you」

「密入国に公務執行妨害。 ジュンジュンたち立派なお尋ね者ですナ」

生田衣梨奈の居所を訪ねた亀井絵里、ジュンジュン、リンリンの三人は警戒網を敷いていた警察から逃げ続けていた。

「まあ連中もそんなにマヌケじゃないってことっしょ」

警官の追跡を逃れながら能力者特有の気配を辿っていった三人はショッピングモールにたどり着いた。
リンリンは警官隊は自分たち二人で足止めすると言った。

「だから亀井さんは生田さんのことを」

          ◇          ◇

そこは子供向けのヒーローの映画を上映している映画館だった。
強く感じられる気配に引き寄せられるように館内に入った絵里の目に、ポツンと一人客席に座っている少女が映った。

「キミはこんなヒーローものが好きなのかな」
「お姉さんはもしかしたら正義のヒーロー? もしそうだったら私みたいな化け物のこと…殺してよ」

年頃の女の子なら決して口にしないような言葉を耳にした絵里は胸が熱くなった。

-おなじだ。さゆや愛ちゃんと会う前の私とおんなじだ-
-この子は私なんだ-

「お生憎様。 私たちは正義のヒーローなんかじゃない。 ただキミのことだけを助ける為に来た。 だから…」

次回、暁の戦隊 第18話「Only you」

「大丈夫 君なら出来るよ。 だから怖がらないで、ねえ」


第19話「I'm Lucky girl」

-この感覚は何、苦しい-

自分のチカラに怯える衣梨奈に近づこうとした絵里は、急激に進む意識の混濁に驚いていた。
自分以上に経験豊富な愛が倒れたことが頭にあった。
だから決して油断はしていなかったが、衣梨奈に近づくにつれて強くなる感覚は絵里の想像を越えていた。
息が苦しい、目が霞む。

-でもこれはこの子が意識的に起こしている現象じゃない-

その証拠に衣梨奈の目には涙が…。

-やっぱり同じだ。さゆと会う前のあたしと同じだ-
-わたしもこの子みたく涙が友達だった-

絵里はかつて【傷の共有】で他の誰かを傷つけてしまう自分に絶望して、命を絶とうとした自分と衣梨奈を重ね合わせた。

-さゆが私のこと救ってくれたように、この子は私が助けるんだ-
-だって涙は最後笑う為にあるんだから-

薄れゆく意識の中、チカラを発動させた絵里は風に乗って衣梨奈の元に飛んだ。
そして衣梨奈のことを強く抱きしめる。

「このまま風に乗って私についてくればきっと楽しいことがあるよ。 だって…」

次回、暁の戦隊 第19話「I'm Lucky girl」

「私はラッキーガールなんだから」


第20話「OK YEAH!」

抑えていた感情を吐き出した衣梨奈の肩を抱き、映画館の外に出た絵里をジュンジュンとリンリンの二人が出迎える。
警官隊との激突でボロボロになっていた二人だが、衣梨奈を見る目は優しかった。
絵里は警官隊に深手の傷を負わせていないか確認する。
上からの命令に従っているだけに過ぎない彼らを傷つけては、禍根を残してしまうと思ったからだ。

「もし喰ってもいいなら、こんなにボロボロにはされてないけどナ」
「でも少し変なんデスね。 まだ余力は残している筈なのに、撤退していったのが気になり…」

禍々しい気配を感じた三人は顔を見合わせた。
警官隊が撤退したのは、この邪悪な気配の発信者を投入されたからだろう。

人の姿をしていながら人とは異なる気配を発する“彼”が四人を追跡する。
獣化して“彼”に立ち向かったジュンジュンの一撃が簡単に受け止められ、腕を捻じ曲げられ…。

負傷したジュンジュンを庇いながらフードコートの一角に身を隠す四人。
無断で食材を拝借しながら、事態の打開策を練る。
“細胞”も強化され、装置の埋め込みも行なわれている“彼”を倒すのは容易ではない。
リンリンにジュンジュンと衣梨奈を連れて身を隠すように言った絵里の目に並々ならない決意が漲っている。
封印してきた【傷の共有】を使ってでも、彼を止める覚悟だ。
後事を託されたリンリンは絵里を諫める。
治癒能力を持つ道重さゆみがいないこの状況で、【傷の共有】を発動させては絵里の生命に関わりかねないと。

「それは判ってるけど、他に方法がないならやるしかないじ…」

気がつけばリンリンが絵里の頬を打っていた。
自分のチカラの所為で他の人間を傷つけたことを後悔している衣梨奈のために絵里が命を失っては、衣梨奈は一生救われない。
四人から誰一人欠けることなく助かることが衣梨奈を救うことだ、と。

次回、暁の戦隊 

「リンリンの言う通りダな。 ここは一つでっかい花火を打ち上げてやろう。 絶対、最後は笑ってやるダ」


第21話「涙ッチ」

~【厳命】4人ノウチ生田衣梨奈ハ生キタママ確保。 他ノ3人ニツイテハ生死ノ如何ヲ問ワズ回収セヨ~

頭の中に埋め込まれたチップから指令が伝えられる。
“彼”にとっては造作もない作業だ。
警察官の“彼”は元々、頑健な肉体を持っていたが職場の検診で異常が見つかった。
精密検査のために受診した病院で、余命三年という不治の病を患っていることが判った。
医師に進められた最新医療がインプラントだった。
摘出された病巣の代わりに埋め込まれた装置は“彼”の肉体を以前よりも頑強に変え、“彼”は苦痛を感じないようになっていた。
そして感情さえも失った“彼”は警察を辞し、“彼”を治療した病院の為に働くようになった。

~4人ヲ発見。 生田衣梨奈以外ノ1人ハ腕ヲ負傷。 他ノ2人モ体力ヲ消耗。年長ノ女ガ何カ言ッテイル~
~【指令】対応ハ無用。 生田衣梨奈ノ回収ヲ優先セヨ~
~何カヲ散布シタ。真ッ白イ粉。急速デ通路ニ充満。視界ガ狭マル~
~【指令】赤外線フィルターヲ着装セヨ。粉ノ正体ハ何ダ~
~小サイ女ガ何カ仕掛ケテキタ。粉ハタダノ小麦粉ダ。回収ヲ急グ~
~【指令】待テ。奴ラハ粉塵爆発ヲ起コスツモリダ~

絵里が操った風に乗って通路に拡散した小麦粉を、リンリンが一気に発火させたことで起きた粉塵爆発によって、“彼”は吹き飛ばされた。

~【指令】遠隔操作デアドレナリントステロイドヲ大量投与シタ。 オマエハ回収部隊ノ到着マデ待機シロ~
~奴ラガ近ヅイテキタ~
~【指令】オマエハドウナッテモイイ、奴ラノ戦力ヲ一人デモ削レ~

“彼”の顔に熱いものが落ちてきた。 それは彼の傍らに佇む女の目から流れ落ちる涙だった。

「ごめんなさい。 今の私たちにはあなたを救う力がありません。 でもここを脱出して仲間たちと合流したらあなたのことを助けられる人を連れてきますから」

次回、暁の戦隊 第21話「涙ッチ」

“彼”の頭の中をチップからの戦闘命令が駆け巡る。
溢れ出る感情に任せて、彼はその命令を無視した。


第22話「シルバーの腕時計」

リゾナンターの動向を探るべく、今日も鞘師里保は喫茶リゾナントを訪れていた。
入院中の高橋愛やいまだ警察に拘留中の田中れいなに代わり、店を切り盛りしている光井愛佳は鞘師が顔を出すと笑顔で迎える。
警戒心を欠片も抱いていないように見える愛佳を心の中で侮蔑しながらも、表面上はにこやかに接する。
組織が狙っていた生田という能力者がリゾナンターの手に落ちて、どこかで保護されているらしい。
その居場所を探ろうと、生田の件で活躍したと思われる亀井絵里や二人の中国人を話題にしても、さり気なく話を逸らされてしまう。

-ふん、流石にそこまで甘くはないということか-

自分が能力者だということを光井に明かした上で、リゾナンターに深く潜入すれば生田に関する情報を入手できるのかもしれない。
しかし、自分の能力を明かすことはしたくないと鞘師は考えている。

-こいつらは敵じゃ。 いつか戦うことになる。 そんな奴らの前でうかつにチカラを見せてしまうわけにはいかん-

ホットケーキを食べながら、物思いに耽っているといつしか、鈴木香音との色んな場面が思い浮かんでくる。

-病院におった他の子がみんなわしのことを怖がっていたのに、香音ちゃんだけは友だちになろうと言ってくれた-

他の人間からの好意を素直に受け止めることが出来ない鞘師は、香音に対しても邪険な態度を取り、実力で香音を遠ざけようとした。。
しかし、香音はめげることなく鞘師の傍に居ようとし続けた。
それに根負けした鞘師は…。

「何か物凄く優しい顔してるな、自分」

無防備な姿を光井にさらけ出してしまった自分を呪いながら、鞘師は席を立つ。
怪しまれてしまっては困るので、腕にはめているシルバーの腕時計を示して、家に帰る時間だと取り繕った。

次回、暁の戦隊 第22話「シルバーの腕時計」

うつむきがちに道を歩きながら、鞘師は思っていた。

-香音ちゃんの声をしばらく聞いていないな-


第23話「この愛を重ねて」

「里沙ちゃん、ちょっと待ってって」
「グズグズしてると置いてっちゃうよ」

穏やかな風が吹く休日の午後、里沙と愛は連れ立って街を歩いていた。
買出しを済ませて立ち寄ったカフェで一休みする二人。
一つのケーキを分け合って食べる。

-このまま時が止まってくれたらどんなにか幸せなのにね -

「こういう風にしてるとあーしたちが守ってかなきゃいけないのは、こんな平凡な日常なんやって実感する」
「何、むずかしいこと言っちゃ…」

…夢を見ていた。
里沙は愛の病室にいた。
精神潜行を経て後、さゆみの尽力もあって愛の外傷は、医師が驚くほどの速さで回復に向かいつつある。
愛から託された生田衣梨奈救出の使命は亀井絵里とジュンジュン、リンリンの三人が果たしてくれた。
絵里は衣梨奈との接触で何かを感じたのか、精神的なサポート役を買って出てくれた。
リゾナントは愛佳が中心となって営業を続けている。
事件の捜査で協力したことのある警察関係者からは、拘留されているれいなの無事を知らされた。

-あとは愛ちゃんの意識さえ回復してくれれば -

次世代の能力者たちで軍団を作ろうとしている黒崎の下には、衣梨奈のような子が囚われているに違いない。
その救出の為には愛の復帰は絶対に必要だが…。

-でも眠りから目覚めたらこの人はまた突っ走っちゃう。もう少しこのままでいてくれても…-

次回、暁の戦隊 第23話「この愛を重ねて」

「里沙ちゃん・・・」

愛の掠れた声が里沙の耳に入った。 それは激しい戦いが始まることを意味していた。


最終回「悔し涙 ぽろり」

悪の組織ダークネスで戦闘員として働く「俺」は、ボスの中澤裕子から都庁への潜入に同行するよう指名を受けた。
自分の実力が認められたと喜び勇む「俺」に告げられた指名の理由、それは…。

「お前やったらウチが危ななった時、身代わりにしても、惜しないしな」

中澤の言葉とは裏腹に潜入は順調そのものだった。
黒崎が都知事になってから設置された有事対策センター。
警察、消防の指揮系統が集約された本部のメーンコンピューターを破壊して黒崎に打撃を与えることが目的だ。
組織のトップである中澤が動くことはないのではと言う「俺」に対して、中澤はダークネスの人材が枯渇しつつあることを告げた。
安倍なつみの隠退、飯田圭織の奇禍、そして…。

「後藤はふらっとどこかへ消えたきりやしな。 圭坊はバックアップ用のコンピューターのデータ改竄から手が放せんし」

バックアップの改竄の中には、一部のリゾナンターに対して発効している指名手配の解除も含まれている。

「あいつらがウチらと手を組むことはない。 せやけどウチらの思い通りに踊らすことは出来る」

【空間裂開】をシステムのメーンサーバに叩き込んだ中澤は、長居は無用とばかりに脱出に転じた。
【空間裂開】を駆使して、セキュリティを潜り抜け庁舎入り口付近のホールまで辿りついたところで、嵌めていた指輪を外し「俺」に渡した。

「お前、先に帰れ。 何があってもアジトに帰りついて、この指輪をなっちに渡せ」

その言葉にただならぬものを感じた俺の視界から中澤が消えた、ホールの天井に叩きつけられ、血を吐いている。

「早く行くんや」

次回、暁の戦隊第2シーズン最終回「悔し涙 ぽろり」

都庁を脱出した「俺」の目に悔し涙が光っていた。
最強のGが組織を裏切った事実が「俺」を打ちのめしていた。