『リゾナントリゾートin利曽南島 2日目夜―ここでひとまず打ち合わせ―』


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世の中には、「美少女+水着+コメディ=ポロリ」という奇妙な方程式があるのだという。
必ずしも式が成り立つと証明されたわけでもないのに、人々はその式に対するその解を望んでやまない。
ようするに期待しているのだ、美少女のポロリを。

光あるところに闇があるように。
期待をする人間がいるならば、それに応える人間もいなくてはならない。
読み手あっての書き手、読み手あっての登場人物であるのだから。

つーことで、期待していた人間よ、篤と見よ!
これが美少女のポロリだ!


             ノノハヽ
             (*`.∀´) <あらやだ
              (つ/ )
             || |`(..イ||
            (~U_し'_,,,,..,  ポロリ
             `ヾ、,,,,,,,),,;,,)


「オエェェー!!!なにやってんですかケメちゃん!」
「まず“美少女”はないだろっ!5000万歩譲って“美女”ならまだしも、“美少女”って!」
「ってか、ここ大浴場の脱衣場なんですけど!美少女+水着の方程式に一切かすってないんですけど!」
「うらやましい?あんたたちもやる?」

「「「やんねーよ!!!」」」

やすすは大変なものを盗んでいきました。
それは読んでしまったあなたの時間です。


はい、では改めて。



夏だ!
海だ!
リゾートだ!

てなわけで、13名のリゾナンターは海水浴を終えてホテルへと戻ってきた。
荷物を置いて一息ついたら、もう食事時。
一行はジュンジュンの部屋に集まり、食事をそこへ運んでもらうことにした。

刃千吏の保護対象である御神体(パンダ様)には、よくお手入れのされた笹や木登り用の大木、
食後の運動に使うタイヤなどが完備された、ホテルでも最上級に立派な部屋が割り当てられる。
故に、ジュンジュンの部屋はデカい。部屋とかいうレベルじゃないほどデカい。
食事用のテーブルをいくつか部屋の真ん中に据えても、まだスペースが有り余っているほどだ。

「んな゛っ。りほりほ、もうお風呂済ませちゃったの?」
「はい。ご飯食べた後だと、そのまま眠っちゃいそうだったので」
「そうなんすよ。さっき小春たちお風呂でばったり会ったんです。ねー!」
「はぁ!?さゆみを差し置いてなにそのラッキースケ・・・じゃなくてサプライズ!!」
「道重さんお風呂まだなんすか?小春、寝る前にもっかい入りますよ。もし会ったら背中流しっこでもします?」
「小春とじゃ意味ないの!!」

「こらぁ、えりぽん。野菜もちゃんと食べなきゃダメでしょー?」
「えー?亀井さん、私、野菜嫌いなんですよぉ」
「残さず食べる!好き嫌い言ってたら丈夫な体になれないよ」
「おーい愛佳ぁ、この小籠包食べん?れいなもう食べきれんとー」
「ていうか小籠包一個くらい食えよ!なんなの福岡人!」

「ワタシ山育ちだから海であんなに遊んだの初めてだよ」
「でも本当に可愛かったです。ジュンジュンさんが波打ち際ではしゃぐ姿・・・!」
「なんだかんだいって聖ちゃん守備範囲広いよね。・・・お?このカニうまっ」
「ハハハ、浮気者!・・・お?このエビうまっ」


それぞれのテーブルで、それぞれの団欒。
このままいくと、食事が終わって解散する頃には夢の中へ旅立ってしまうメンバーも出てくるだろう。
その前に、伝えておくべきことは伝えておかなくては。
愛は、自分の分のデザート(イチゴ)を皿3枚分確保しておいてから立ち上がった。

「みんな聞いてー。今日の反省と明日の連絡するよー」

リーダーの大切なお仕事の一つ。それはインフォメーション。


「愛ちゃん、連絡はともかく反省ってなにすんのー?」
「やっぱあれですか?前回の、クラゲに変身したところで遊泳能力は上がらへんっていう・・・」

食後の健康ドリンク作りに勤しんでいる小春と、余った料理をタッパーに詰めている愛佳が尋ねた。

あたしのインフォメーションは片手間か。
なんだか思春期の娘を前にしたお父さんみたいな気分になって、リーダーはちょっぴり愁いを帯びたため息をついた。

「あれは、人間としての泳力にクラゲの浮遊力を上乗せした合わせ技ってことで自己解決済みだからいいの。
 だいたいそんなとこでリアリティ求めたら“『刃千吏護衛官 銭琳(字幕版)』で銃弾を弾くパンダ”みたいな名シーンは生まれないじゃん」
「苦し紛れの言い訳で人様の名作持ち出すのはどうかと思いますけど」
「じゃあまあ今日の言い訳はこの辺にしておいて」
「言った!今“言い訳”って言ったよこの人!」
「みんな。明日の予定、ちゃんと覚えてる?」

愛はメンバーの顔をぐるっと見渡した。
まだ食べ足りないって顔やそろそろ眠くなってきた顔も見受けられるが、大半は「当然覚えてる」という顔をキープしている。

「“ただお世話になるだけじゃ刃千吏の人たちに申し訳ないし、リゾナンターの名が廃る”」
「“感謝の気持ちを込めて、私たちにできるやり方で恩返し”?」
「“舞台は、ちょっと寂れた刃千吏所有の海の家”」
「“名付けて、出張喫茶・リゾナント”!」
「そう。よく覚えてたね4人とも」

新入り4人が、再確認するように明日の予定を振り返る。

出張喫茶・リゾナント。
つまり、海の家のお手伝いだ。
刃千吏の皆さんは「日本の夏といえば海の家じゃね?」と海水浴場に海の家を開いたらしいのだが、
当初の予測より客足が伸びず赤字経営が続いているのだとか。
別に海の家一つ赤字になったくらいで傾くような組織でもないが客が来ないのはやはり寂しい
と、ここの経営者がぼやいているのを聞いた。

客商売はお手のもの。だったらここで一肌脱いでやろうぜリゾナンター!
それが、数日前から愛がアナウンスしているインフォメーション。

「でもさ、ちょっと事情が変わったんだ」

言って、愛はれいなに目配せをした。
れいなはそれにしっかり頷き返す。

「さっき見てきたけど、あの海の家はそんな広くない。何人かは接客じゃなくて食材調達に回ってもらうことになると思う」
「なるほど」
「そこで提案なんだけど」

と、一つタメを入れる。
物欲しそうにしていたメンバーも眠そうにしていたメンバーも、愛の話に集中し出した。
愛佳はタッパーに詰める料理の選定をやめ、小春はジューサーのスイッチを入れるのを自重する。
みんなが愛の発言に注目している状況。
そんな一種の緊張感が漂う中、とある影が立ち上がる。

「その先は自分で言うけん、愛ちゃん」
「れいな・・・」

続きを言いたげな愛を制して、れいながみんなに向かって口を開いた。

「誰か、れいなと一緒にビーチバレーやらんと?賞品はなんと・・・牛肉&トロピカルフルーーツ!」


意訳:『海の家に食材を提供する意味も込めて、れいなと一緒にビーチバレー大会に出ませんか?』
異訳:『れいなとビーチバレーで遊んでくれたら、豪華賞品が出るよ!』


遊び疲れた上に食後でしかもちょっと緊張していたれいなは、少しだけ言葉足らずだった。
そしてそれを聞く仲間にも、疲れのためか行間を補う想像力が不足していた。
れいなの言葉を正しく意訳できたのは、事前に相談を受けていた愛と、気配り上手の愛佳のみ。

沈黙と緊張感が続く中で「ああ、自分関係ねーわ」とそっぽを向いた先輩ズを見て、
ようやく愛佳がれいなの言葉足らずに気がついた。