【Resonant-I】劇場版・宣材


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「愛佳は、私達の中の誰かが死ぬ所、見えたと?」

見えてはいない。というより、最近愛佳は殆ど未来を予知できていない。
確かに、リゾナンターの誰かが命を落とすような未来を愛佳は予知していない。
だが、愛が攫われるのも予知できなかった。

唯一、愛佳に見えた未来は「赤」だった。視界を染め上げる一面の赤。
その「赤」のビジョンが何を意味するかまるで分からない。
不吉なもののような気もするし、あの鮮烈な赤はもっと違うものを意味しているのかもしれない。

「……いや、見てないですけど」
「じゃあ大丈夫っちゃん。誰かが死んじゃったりするような未来を愛佳が見れんわけないもん」
「それだけですか?それだけで田中さん、怖くないんですか?」
「れいなは愛佳を信じとうよ。それだけじゃ足りない?」









「これを、小春に受け取ってほしくて」

見ると、小春の手の中にお守りがあった。
「A」そして「R」と刺繍された二つのお守り。愛と里沙がいつも身につけていたものだ。
愛と里沙、二人の絆の象徴といっても過言ではないそれを今このタイミングで小春に託す。
その意味が分からないほど小春は鈍感ではない。

「どうして、どうしてなんですか?」

そして黙ってそれを受け入れるほど小春は素直に出来ていない。
里沙は何も言わず、独特のちょっと困ったような微笑みを浮かべている。
里沙の沈黙が小春の予感を確固たるものに変えていった。

「新垣さん……死ぬつもりなんですか?」









「さゆは、優しいねえ」
「え?」
「ホッとした。なんかさゆに話したら」
「私……絵里に何も言ってあげられないのに?」
「いいよ。分かってるから。さゆの気持ちはさ」

さゆみはさゆみ自身の心を傷つけている。絵里のためだけに。
その事が絵里には分かる。
そういうさゆみだから、絵里はさゆみに出会って本当に良かったと思っている。

「さゆには生きていてほしい。だから私やるよ」








「私がやらなきゃ他のみんながやられる。そうなってからじゃ遅いもんね。
 私にものんびりしちゃいけない時は分かるんだ」
「でも……でもね絵里。私、絵里には生きていてほしい」








相手を思いやる心には、さゆみも、絵里も変わりはない。
お互いに生きていてほしいと願う気持ちの大きさは同じだった。
一つ、違いがあるとすれば――

「さゆには幸せになってほしいんだ。私はもうそんなに長く生きられないから」