(57) 647 名無しホゼナント(特別な日)


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半袖のシャツから伸びる白い肌と細い腕。
彼女はしっかりと突き上げるように掲げていた。
スカートが夏の風になびく。

ピースサイン。

暑い夏のある日、彼女は綺麗に笑っている。
三歩、四歩分ほどの距離を置いて、彼女は、絵里は掲げる。

まるで何かの花のような、ピースサイン。
世界の片隅で咲いた小さな其れに向かい、私も掲げる。

距離は縮まない。隣に居た筈の彼女は、その理由が判っている。
当然、私も。
あれから時間がいくらか経ち、そして、出来てしまった距離。

今は。

でもいつか、否、思いさえすればすぐに縮む距離。
それを何処かで、私たちは感じている。

ピースサインは、その目印だ。

おめでとう。おめでとう。大きな声で張り上げるように。
ありがとう。ありがとう。大きな声で想いを込めて。

目印を掲げる、誰かが何処かで笑った、当たり前の日々の中で。
"特別な日"に向けて―――