『■ ウィッチィズティータイム -スマイレージ- ■』


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 ■ ウィッチィズティータイム -スマイレージ- ■

「ふーん…それが保田圭の【時間停止】なんだ?なぁんかタネがわかっちゃうとダサダサな能力ね」
福田花音は―報告もそこそこに、お菓子にパクついている和田彩花を恨めしそうに横目で見ながら―そうつぶやく。

季節はずれなビーチパラソル、テーブルいっぱいにぶちまけられたお菓子、電気ポット、熱い紅茶…。

「花音ちゃんが言ってもギャグにしかならないっと…あっ!『幽霊も~よく見てみればゆうれーる柳』…なんつて」
「ぎゃはは☆憂佳ちゃんのつまんないダジャレおもしろーい☆」
「ふぉれ…ふぉっちなんだかふぁかんないから(それ…どっちなんだかわかんないから)。」
前田憂佳が口から烏賊ゲソをプラプラさせたまま、別のお菓子に手を伸ばす。

「でも、彩花じゃなかったら…。
そっちにいってたのがうちらだったら能力を使われたことすら、
それどころか保田さんがそこに来たことすらわかんなかった…
そうゆうことでしょ?やっぱすごいよ。」
と小川紗季。

「能力は脇へ置いておくとしてもさ、保田さん、やっぱり侮れないね。して、なんでばれたんだろ?」

「所詮は矢口さんだもん。いずれは誰かにばれたでしょ。
あのひと仕事が雑すぎるのよ。
それより…

その先を言い淀む。

危なかった。

フクちゃんのことじゃない。
もし、保田さんがフクちゃん拉致に手を貸していたら…
まちがいなくあやちょは『目』を使っていただろう。
あたしたちの制止の効かないところで、
当然のように、何の迷いもなく、無制限に。

危ないところだった…。本当に、ギリギリのところだったんだ。

千路に乱れる思考を必死にまとめあげる。

やっぱり、単独でフクちゃんの監視をさせるのは控えるべきだった?
ううん、今回は『バイト』をこなすには憂佳も紗季も必要だった。
予想よりリゾネイターの動きが鈍い以上、ベターな選択ではあったはず…

花音はぷかぷか空中に浮かびながら、塩辛を乾燥させたおつまみを嬉しそうに口に運ぶ天使を目で追う。

あたしたち四人だけでやる。

そう決めた、あの日を思い出す…
そして、同時に…

『それ』は避けては通れない事だった。
だが、『それ』は彼女にとって…『それ』は彼女にとって絶対に…

…んね…ごめんね…ちゃん…

「花音ちゃん?」

和田彩花が空中に寝そべりながら花音をのぞきこむ。

「なんでもないよ。さっ、バイトは終了っ!。みんなお菓子片づけてっ。撤収するよ。」

季節はずれなビーチパラソル、テーブルいっぱいにぶちまけられたお菓子、電気ポット、熱い紅茶…。

熱い紅茶…

熱い?…

熱気…、艦橋…、黒煙…、重油臭……、火災…。


東シナ海々上、国籍不明のフリゲート艦が、力なく漂う。


ある少女の一言をきっかけに、
罵り合い、憎しみ合い、殺し合った、哀れな兵士達の亡骸を乗せて…。








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