『新たなる出会い 鞘師里保 編』


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ある日、亀井絵里は病院の地下3階を訪れていた。

(ここに来るのはあの事件以来か。)

絵里が言うあの事件とはDr.マルシェが開発した細菌のためにリゾナンターをはじめ多くの人々が行動不能になった事件である。
その事件はさゆみが細菌発生装置を止め、絵里とジュンジュンが血清の材料を確保したおかげで事なきを得た。
しかし絵里にはひとつ気になることがあった。

(どうしてれいなの写真があの部屋にあったんだろう。)

絵里はあの時、地下三階でリゾナンターのメンバー・田中れいなの幼少期の写真を見つけたのだ。
ずっと気にしていたのだが、さまざまな事件が立て続けに起こったことですっかり忘れていたのだった。
ただ、れいなの過去についてはデリケートな事だと感じている絵里は本人に聞くのは気がひけたので写真があった病院の地下3階へと向かったのであった。

「それにさゆの両親の病院になんで地下室があったんだろう?ロビーにそんな表示はなかったし。紺ちゃんの一件がなかったら絶対わからなかったよ。」

様々な疑問をぶつぶつ呟いている内に問題の地下3階についた。
かつてこの中で絵里を成長させる戦いが繰り広げられたのだ。

「もう防衛機能なんて働かないよね・・・」
ここの防衛装置として大型ロボットが絵里とジュンジュンの前に立ちはだかったが、新たな力に目覚めた絵里のおかげもあってなんとか切り抜けた


ガサッ!
何か物音がした。
それに絵里は驚いた。

「何?何?まさかまたロボット!」

絵里がおそるおそる部屋の中を覗くと・・・

「あれ?女の子?」
そこには小学生ぐらいの少女が部屋の中をうろうろしていた。

「ね、ねぇ・・・」
絵里が声をかけると少女は鋭い目をして絵里を睨みつけた。

(こ、怖っ!れいなみたい・・・)
「ねぇ、あなたどうしたの?病院の患者さんなのかな?」
「病人がこんなところでうろうろすると思いますか?亀井絵里さん。」
「そうだよね、絵里何言って・・・ちょっと待ってあなたどうして絵里の名前を・・・」
「そうですね、説明したいところですけど・・・ちょっと無理みたいです。」
「えっ?」

すると絵里の降りてきた階段の方から男が数人降りてきた。
「え、何なんなの?」
「ちょっと後ろにいてください。あの人たちの目的は私ですから。」
「ちょっと、待って!」
「大丈夫です。あなたより戦い慣れてますから。」

そういうと少女は男たちの方に向かっていった。
「鞘師、俺たちと来るんだ。」
「戻ったって殺すんでしょ。戻る気はない。」
「仕方がない。お前の命はここでもらう。」

男たちは一斉に懐から銃を抜く。

「あ、危ない!」
絵里がそう叫ぶのが早いのか。鞘師という少女は足を男たちの銃に向けて一閃した。
パキン!
すると男たちの銃が横に割れた。

「くそっ!」
男たちが悔しそうな顔をしていると少女はいつの間にか男たちの懐に入り、全員に拳をぶつけ、悶絶させていた。

「す、すごい。あの早さ愛ちゃん並だ。」
少女の戦闘はまるで瞬間移動を駆使して敵を倒していく愛のように見えた。
絵里が感心していると少女は男のひとりに近づいた。

「私を倒そうって言うんならもっと腕の良い人を派遣することね。さっきは殴るだけにしたけど今度は・・・」
少女は腕を振り上げて、まるで突き刺すような態勢をとった。

「ちょっと、何してるのよ。」
「殺すんです。死体にして相手を怯えさせるんです。二度と私に手を出させないように。」

少女は表情を変えずに恐ろしいことを言っている。
そして少女は腕を動かした。


「だめ!」

絵里の叫びに少女は腕を止めた。

「だめよ、そんな簡単に命を奪ったら・・・その人にも家族がいるかもしれないじゃん。いくらあなたを襲ったからって命を奪ったら帰ってこないんだよ。それにまだ小さいあなたが命を奪うなんてそんなのないわよ。」
「甘いですね。」
「えっ?」

少女は薄らと冷たい笑みを浮かべている。

「そんな事が甘いのはリゾナンターとして戦っているあなたが一番わかっていると思ってましたけど。その歳で甘い事を言っててはずかしくないんですか?」
「甘い?」
「戦いは非情です。殺すか殺されるかの世界なんですよ。命がどうのこうの言っていたら闘えま・・・」

バシッ!
絵里は少女の頬をビンタしていた。
「命を守るが甘い考え・・・冗談じゃないわよ!絵里たちは殺し合いをするために戦っているんじゃない!命を・・・そこから生み出される未来を守るために戦ってきたのよ!」

絵里にビンタされた少女はそのまま階段へと進んだ。

「ちょっと、待って。この人たちどうするのよ。」
「ほおっておいても自分たちから姿を消します。全員殺すつもりでしたけど、あなたに免じて命だけは勘弁してあげます。」


少女と絵里は病院の外に出た。
「ねぇ、あなた名前は?鞘師っていうのが聞こえたけど。」
「鞘師里保。」
「へぇー里保ちゃんか。ありがとうね、あの人たちの命救ってくれて。」
「リゾナンターってあなたみたいに甘い考えの持ち主の集まりなんですか?」
「えっ、まぁそうかな?でも、みんな強いよ。絵里だってそういう思いを持っているから強くなれたし。そういえばあなたどうして絵里の事を知っているの?」
「あなただけではありませんよ。ほかのリゾナンターのみなさんのこともある程度知ってます。戦闘相手としてデータを見てますから。」
「戦闘相手って?」
「あの病院に行ったのもあなたと道重さゆみ、田中れいなに関することの調べていたんです。実は私・・・」
「実は?」
「対リゾナンター戦士。あなたたちを倒すために自衛隊に育てられたんです。ちなみに亀井さん、さっきビンタしましたけど、私が能力を解除していなかったら・・・」

すると里保は近くの鉄柵に手を振り下ろした。
スパッ!
すると鉄柵が真っ二つに切れた。

「手が真っ二つになってましたよ。」


絵里に寒気が走った。
さきほどの男たちの銃が切られていたことは気になっていたけど、この子自身の体で切っていたとは。

「この斬体化の力は対リゾナンター用に人工的に植え付けられたんです。今度からは下手に触らない方がいいですよ。まぁっみんな、怖がって握手もしないでしょうけど。」

里保がそのままどこかに行こうとすると絵里が里保の手を掴んで引っ張った。

「えっ、ちょっと何するんですか!」
「行こうよ、喫茶リゾナントへ。」
「何考えてるんですか!私はあなたたちと戦うために訓練されたって・・・」
「でも、あなたは良い人だよ.絵里の言うことを聞いてくれたし。あなたは自分の事をあえて嫌われ者になろうとしているけど、本当は違うんでしょ。さっ、会わせてあげるよみんなに・・・」
「ちょっと!」
(この子は救ってあげないといけない。この子は絵里と同じなんだ、自分の力で関係ない人が傷つかないようにあえて遠ざけている。私たちなら救えるはず。たとえ私たちの敵なんだとしても・・・)

絵里は急いでリゾナントへ向かった心のうちに深い悲しみを抱える少女を救うために・・・