『新たなる出会い 譜久村 聖 編』


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小川麻琴はいつものように保田からのおつかいを済ませて静岡の樹海の研究所に帰る途中だった。

「まったく、保田さんへの買い物は多すぎるんだから。」

小川は保田への愚痴をこぼしながら帰っていた。

「まだパトロールのおじさんはきてないね。樹海に入ろうとすると自殺者と勘違いされるからな。うん?」

小川が見つけたのはパトロールのおじさんではなくひとりの少女だ。
何やら様子がおかしい。歩き方がおぼつかない。
バタン!少女が倒れた。

「君!大丈夫!どうしよう、この辺じゃあ人通り少ないし。」
「小川、どうしたの?」

通信機から保田の声が・・・
「ああ、保田さん生き倒れです!」
「落ち着きなさい。あんたの位置からすると人を呼んでる暇はなさそうね。転送装置で一旦は研究所に運ぶわ。」

398 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:37:14.08 0
研究所に転送された小川は少女を寝かせた。
「ずいぶんとひどい有様ね。服はボロボロ。」
「遭難者でしょうか?」
「かもね、一応検査はしたけど怪我をしている様子はないわ。とにかく目を覚ますまで様子を見ましょう。」

少女は夢を見ていた。
どこかの施設。拘束されている手足。迫りくる手。

「やめて!」

少女は夢から覚めた。

「あ、目が覚めた?」
「あの、ここは?」
「詳しいことは教えられないけど、樹海の中の研究所だよ。」
「もしかして、あなた小川麻琴さんですか?」
「えっ、なんで私の事を?」
「私、Mの人間なんです。」

少女は保田と会った。
「私、譜久村 聖と申します。Mのエージェントをしています。」
「なるほどねMの人間なら私たちのことを知っていてもおかしくないわね。でも、どうしてあんなところにいたの?」
「それは・・・私、Mの任務で能力者が消える事件を追っていたんです。その事件に関連ある施設が静岡にあると聞いて、潜入したんです。でも、捕まってしまってそして能力を奪われたんです。」

「力を奪われたの?」
「はい、敵の手が触れた瞬間に力が抜けたんです。」
「どうやって脱出したの?」
「助けてもらったんです。男の人に・・・名前は名乗りませんでしたけどかなり戦闘訓練を受けていたように思います。
でも、途中ではぐれちゃってなんとか樹海まで逃げられたんです。」
「なるほどね、とにかく本当に力が奪われたかどうか確かめさせて。」

3人はラボに場所を移した。
「あなたの力は?」
「発火能力が使えます。」
「じゃあ、やってみて。」
「はい。」

聖は力を込めるが、何も起こらない。
「だめです。」
「他にはあるの?」
「ええ、あるにはあるんですが・・・」

聖は何やらためらっている。
「どうしたの?」
「あまり人前では・・・」
「気にしないでここで見た事は言わないから。」
「じゃあ、やってみます。」

聖が力を込めると聖の体が液状化し始めた。
「ちょっと、聖ちゃんが溶けましたよ。」
「あっ、力が使える。この力は奪われなかったみたいです。」

液状化した聖がそのままの状態で麻琴に話しかける。
「なるほどいわゆるスライム化ね。確かにあまり人前ではやりたくないわね。」
「でも、これだけじゃあ戦うのに不十分です。」
「落ち込まないでよ、力を取り戻す方法はあるはずだよ。」
「思ったより事態は深刻ね。」

保田が検査データを見て、言った。

「あなた、能力だけでなく体力まで奪われているわ。おそらく普通の生活はできても訓練で得た身体能力まで奪われている。おそらく男ひとりすら殴り倒せないわ。スライム化する以外は普通の女の子ってところね。」

保田の残酷ともいえる告知に聖はさらに落ち込んだ。

「保田さん、もう少しは彼女の気持ちを考えてください。」
「でもね、逆に私の研究には好都合よ。」
「保田さん!いい加減にしてください!」
「小川、あんた何勘違いしているのよ。その子をなんとか戦えるようにできる研究があるのよ。」

保田はあるボタンを押した。
すると天井から何か降りてきた。

「こ、これは・・・」
「研究していたパワードスーツよ。」
「や、保田さん。これはどう見てもサ○ス・アランの戦闘服ですよね。」
「さて、何のことやら?主な装備には様々な状況に使えるレーザーやミサイル。そして最大の特徴は。」

保田がボタンを押すとパワードスーツが球形になった。

「やっぱり、メ○ロイドのサ・・・」
「小川・・・」
「はい、黙ってます。」
「ここまで作ったのは良かったんだけど、球形になった時の装着者の事を考えてなかったんだよね。でも、もしあなたのように形態を変化できるのならこのスーツの機能を最大限に使えると思うわ。」
「すごい。」
「でも、このパワードスーツは戦闘力がある代わりに使いこなすのも大変だし。相当のGがかかるわ。それに戦闘機能があっても使いこなす体力はあなた次第よ。」
「保田さん、私このスーツ必ず使いこなします。ですから、私にやらせてください!お願いします!」

聖が頭を下げた。

「わかったわ、でも一度決めたからには根を上げても責任をとらないわ。」
「はい、覚悟はできてます。]

そして聖の訓練が始まった。
訓練開始当初、スーツを一歩動かすのでさえ時間がかかった。
それもそのはずだ。腕にはレーザー砲とミサイルを発射できる装置を組み込んでおり、空間移動装置を駆使した装填装置もスーツに組み込まれている。
それなりに重量があり、多少の支援機能があっても体力を奪われた聖には酷な話である。
たった数分の稼働でも聖はかなりの体力を消耗している。

(だめだ、こんなんじゃあ全然スーツを使いこなせない。)
聖はスーツの実験だけでなく、体力を取り戻すために訓練も始めた。
かつての体力を取り戻すためにかつてMで受けた以上のメニューをこなした。

そして・・・3か月後

「さぁ、これが最後よ。」
スーツを着た聖はレーザーやミサイルを正確に的に命中させていき、スーツも通常稼働させられるようにまでなった。
そしてスーツの最大の機能である球形変化は・・・

「モーフィング!」

聖はスライム化と同時に球形になり、その姿で移動を開始した。
「保田さん、やりましたね。」
「うん、あの子完全にスーツを自分のものにしたわ。」

その後、知らせを受けた吉澤が聖を迎えにきた。
「聖、大変だったな。」
「はい、ご心配おかけしました。すぐに事件の報告をします。」

聖は保田と小川の方に振り向いた。
「保田さん、小川さん本当にありがとうございました。」
「このスーツを使いこなせたのはあなた自身の努力の結果よ。そのことを誇りに思いなさい。」
「はい。」

「こちら、吉澤・・・わかりました、すぐに向かわせます。」
「どうしたんですか?」
「ボスがお前に用があるらしい。」

譜久村 聖は戦士として大きく成長した。
そして彼女は後にさらなる重要な出会いをすることにもなる。