『■ シンデレラシンドローム-福田花音- ■』

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■ シンデレラシンドローム-福田花音- ■


一千人の超能力者との戦い…
その壮絶な戦いを潜り抜け最強の超能力者高橋愛は
最凶の超能力者福田花音に深々と銃剣を突きたてた。
力なく崩れ落ちる花音。
内臓が破裂し口からどす黒い粘液をゴブゴブと吐き出す。
「うふふ…やっぱり高橋さんすごいや…1000人も…1000人も集めたのに…」
「花音ちゃん…どうして『力』を私に使わんかった?花音ちゃんの『力』なら…私ひとりを洗脳するだけで済んだはずやのに!そうすればこんなに…」
「こんなに殺さなくて済んだ?…うふふ…ちょっとは嫌がらせに…なったかにょん…」
「花音ちゃん…」
「あたし…決めてたから…この力に目覚めてからずっと…」
「本当に友達になりたい人には絶対に使わないって…Psy/my/rageの四人もそう…エッグのみんなもそう…あたしの能力を知りながら…みんなあたしを信じてくれた…
あたしが友達には使わないって信じてくれた…ふふふ…あたしがいっくらシンデレラの生まれ変わりって言っても誰も信じてくれなかったくせに…」
「花音ちゃん…」
「高橋さん…『疑うことなく』信じて…あたし…あたし本当にシンデレラな…んだ…から…」

「 うん…信じるよ… おやすみ花音ちゃん… 」




■ ヘルゲートキーパー-小川紗季- ■


死屍累々と屍が積み上がられた荒野。
ふわり…純白のドレスの少女達が舞い降りた…
小麦色の小さな少女が口を開く…
「花音のウソつき…」
「…これアンタ死のうとしたでしょ?だから一人でこんなことしたんだ…」
ぽろぽろと涙がこぼれおちる
「約束したよね?花音…あたしたち四人は絶対に生き延びるって!」
「どんなことをしてでもこの地獄をはいずりまわってやるって…」
「許さない…あたしは約束を忘れない…花音だけ楽になんてさせない。」
少女は花音の身体に触れる…やさしく頬を撫で、
そして思い切り髪を掴んで引き上げ、叩き下ろし、地面にねじり付けた。
「あたしがいる限りあんたは死ねない!死なせてなんかやらないんだ!」
死者の口がごぼごぼと音を立てる…全身が硬直と痙攣を繰り返し、
ちぎれかけた腕がのたうち回り…
傷口から目から鼻から、ありとあらゆる穴から血が吹き出す…
…死者は、再び現世へ引き戻された。
「ぐうう…ぐぉ…ぐぎゃあああああああ!!!」
「だっ!まっ!れっ!クソ花音!」
今まさに自分が蘇生させたその肉塊の顔面を少女は何度も何度も何度も…
思い切り、殴りつける。
「あたしは地獄の門番…あたしの許しなくば何人たりとも死の安息は訪れない!
たとえ一片の肉片でもっ!あたしの前でっ!死ぬことはっ!許さない!!!」

許さない!!!!!



■ ミスリードビジョン-光井愛佳- ■



「ぐうぉひぎやああああ!じなせてぇ!死なせてぇ!!!」
「みっつぃ!みっつぃ!どうしたの!しっかりして!」
「ぐううう!!!ぐおおお!…ぐ…はぁはぁ…ああ?…高橋さん…?」
そこは喫茶リゾナント。
あーたしかとっくに年が明けたのにクリスマスグッズが安くなってたからって
サンタのカッコして「あわてんぼうのクリスマスパーティーだー前乗りしすぎだー」とかって騒いでそのまま…
「いや…すんません…愛佳ねぼけてました?」
「え?夢なわけ?何かすっごいうなされようだったけど」
「いやほんとえらいすんません…二日酔いかなーなんてw」
「ちょっとーお酒も飲んでないのに二日酔いってw」

心配かけたらあかん…悪夢なんてよー見ることや…それにしても…

むせかえるような死臭、ひたひたと一面に広がる血の海…高橋さん…そして…「かのん」?
かのんって香音ちゃんのこと?洗脳?そしてあの女の子たち…。四人の女の子…
ここ数日の間、立て続けにリゾナントには新しい少女たちが加わっていた…四人の新たな少女たち…
だめだ…記憶が混濁して…全てがぼんやりとして像が結べない…
「もしかしたら香音ちゃんは…この四人のコらはうちらの大きな脅威になる…そういう未来の可能性なのかもしれへん…」
高橋さんにだけでも警告すべきやろか…
「あっひゃーだれ?アタシのシャンパンにワサビいれたの!!!!」
「しっしらんとね~」
「あー絶対れいな!れいなや!!このこの!」
どうするにしても…
愛佳はむっくとおきあがる
「高橋さん!それ犯人ウチや!!!!」

いまは!!!逃げろ~~~~~~~~~~~!!!!





最終更新:2011年01月13日 04:05