2010→2011!!


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早い時間からカウントダウンパーティーを始めた所為で
2011年を迎えて数分後には一人、また一人と夢の世界に旅立ってしまっていた。

リゾナントの2階の決して広くないリビングで9人が肩を寄せ合って眠っている。
もともと愛とれいなしか暮らしていないこの家に、全員分の布団や毛布があるわけもなく
取り合うようにして、または寄り添うようにして布団に包まっていた。

「んー…さむっ…」

ぶる、っと愛佳が身体を震わせ寝返りを打つ。寝返りを打った拍子に毛布から身体がはみ出る。
ジュンジュンがしっかりと毛布を掴んでいる所為で愛佳のとりわけ分は少ない。
ジュンジュンめっ!幸せそうな寝顔にデコピンを食らわせてやりたくなる。
愛佳は自分が出た分空いた毛布の隅っこをジュンジュンの顔にぼふん、と被せ、みんなを踏まないように冷蔵庫へ向かった。
はしゃいだまま寝た所為か喉がカラカラだ。明日の朝声がおっさんになっているかもしれない。それは避けたいところだ。 
冷やっこいフローリングの床が裸足の足に染みて、もう一度ぶるぶると身体を震わせた。


「お水、いただきまーす」

ポツリと呟き冷蔵庫に入っていたミネラルウォーターを失敬する。
本来ならば愛かれいなに直接言いたいところだが、愛は里沙とリンリンと寄り添うように
れいなは小春と毛布を取り合うように眠っているので止む終えない。
ごちそうさまでーす、も同じように呟きコップをシンクへつけた。

「あ…」

シンクのすぐ傍にある、カーテンも引けないような小さな窓にちらちらと白いものが映る。
擦りガラスのためはっきりとそれが何かは見えない。
だが愛佳は、弾かれたように走り出し、寝ているメンバーを飛び越え、カーテンを勢いよくあけた。
バルコニーへと続く大きな窓を全開にする。冷たい風が身体を包む。冷気が部屋を襲ったが愛佳は今、それどころではない。

「雪やっ!!!!!!!!!雪がつもってるっ!!!!!!!!」

白銀の世界
あたり一面、真っ白な雪で覆われていた。

「すごいすごいすごい!いつの間にこんな積もったんやろっ!?」

愛佳の見上げる空から白い結晶が次々と舞い落ちてくる。
手を伸ばせばそこに雪が降りた。すぐに姿を消してしまうのが惜しいように、愛佳はじっと自分の掌を見つめる。
そして満面の笑みで振り向いた。


「みんなぁぁぁー雪降ってんでー!積もってるー!!!おきてぇーー!!!」

大声で叫んだかと思うと裸足のままバルコニーへ飛び出した。
積もりたての雪を裸足で踏んだ。くっきりと足の形が雪の中に残る。
楽しい遊びを見つけた子どものように、愛佳は肩を揺らして笑った。

「愛ちゃん新垣さん亀井さん道重さん田中さん久住さんジュンジュンリンリン!起きてください!!ゆーーーきーーーー!!」

雪を裸足でだんだん、と踏み鳴らしながら愛佳は全員の名前を叫んだ。

「ちょぉ、もぉーなにぃー光井。窓開けないでよ、寒いでしょーがー」

毛布に包まったまま片目だけを開けた里沙が愛佳に抗議する。
しかし一旦火がついてしまった愛佳のテンションが下がるわけもなく
積もりたての雪の上でぴょんぴょん跳ねていた。

「新垣さん、雪、積もってんですよ!雪っ!!!」
「えぇ?雪?うっそでしょー」
「ホンマですって!ちょぉ見てくださいよー」

眠い目を擦りながら里沙が毛布から出る。毛布の中の空気が動いたのか
一緒に寝ていた愛とリンリンも体を起こした。

「うぉー!ほんとだー!積もってんじゃん!!!!ちょ、愛ちゃんリンリンみてみ?」

ナイスリアクションに感化され、愛とリンリンも窓の傍へ。
何事か、と眠っていたはずのジュンジュン、さゆみ、れいな、小春も続く。


「ナニナニ?何が積もってるデスカ?…おぉぉぉ!!!雪っ!リンリンこの中に埋もれたい!」
「すっげ。いつの間にこんな積もったんや!東京でこんな雪久々に見わ」
「ジュンジュンも!ニホンの雪、こんなに積もってるの初めてミタダ。」
「いつもと違う景色を見てるみたいなの」
「全然違う街に見えよぉ。綺麗っちゃん」
「今ならこの雪、食べれるかな」
「ちょっと小春それはやめな。それから光井、裸足でバルコニーはだめー。早くこっちおいで」

里沙に手を引かれ、思い出したように愛佳が室内へ戻ってくる。
その足は真っ赤で見るからに冷たそうだが当の本人は全くに気にする様子もなく
寧ろ室内へ入れられたことを残念がっている様子が伺える。愛佳は愛の手によって閉められてしまった窓を掌で叩いた。

「雪もっとさわりたい!遊びたい!めっちゃふわふわやったんですよっ!?
 足で踏んでもふわふわすぎて踏んでんのか踏んでへんのかなんか分からんよーな感じで
 でも最後にぎゅってちから入れたら、なんやろ。片栗粉を手でぎゅってしたみたいな、そんな音が鳴ったんです
 いつの間にこんなに積もってたんやろ!気づきはりました?雪って静かに降るから全然わからへんかった」

窓に張り付く愛佳を見守りつつ、メンバーは顔を見合わせる。
普段冷静な愛佳が、人一倍はしゃいでいる。それは年相応で、リゾナンターの末っ子っぽくてなんとも愛おしい姿だった。


「愛ちゃん愛佳ちょっと外行って来てええですか?」

我慢ならない、そんな面持ちでキラキラした瞳を愛に向ける。
いちいち確認を取るところが愛佳らしくて可愛らしい。愛は愛佳の頭を一つ撫でた。

「ええよ。ちゃんと靴下はいてあったかい格好して出るんやで」
「はいっ!」
「リンリンもいきたーい!遊びたい!雪の中に埋もれたい」
「リンリン、それはやめなさい。風邪引くよ」
「ジュンジュンも行くだ。ニガキさんも行きましょ」
「えー!あたしもぉ?なら愛ちゃんもいっしょにいこーよぉ」
「あっしはええざ。寒いさけ」
「もーぉ!福井出身の人間がなにいってんのよ!ほら行くよー」
「ほな、さゆもれーなも道連れじゃ。」
「ちょ!本気でゆぅとぉ!?」
「まって!絵里どうするの?」


一人この騒ぎの中ぐーすかぴーと寝息を立てている幸せそうな人物。
愛佳はさゆみの言葉にニヤリと不適な笑みを浮かべ、絵里の元へ真っ直ぐに向かった。
そして勢いよく毛布を剥ぎ、乱れた絵里のパジャマの中へ、掌を差し込んだ
すっかり冷たくなった愛佳の掌が、絵里の背中に触れる。

「うぃっひゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

普段からは想像もつかない速さで絵里が飛び起きた。

「え、え、え?なに?何が起こったの?」

目の前には不敵な笑みを浮かべる愛佳が。

「亀井さん、雪遊びしますよ。強制参加です」
「え?みっつぃーちょっとまってどーゆーこと?なになに?」

愛佳はそれだけ言い残し、勢いよく階段を下りていく。

「ま、そーゆーわけやで」
「末っ子のワガママを聞いてやってくださいな。さ、カメいくよー」
「えぇえぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!」

真夜中の雪遊びが始まる。まだ誰も踏んでいない雪の上を愛佳がぴょんぴょん跳ねる。
自分の足跡を多く残せたほうが勝ち。いつの間にかそんなゲームに発展し
愛佳と小春とジュンジュン、リンリンは競うようにして雪の上を跳ねた。
愛と里沙は仲良く白銀の世界を楽しみ、さゆみとれいなは寝ぼけ眼で身体を縮込めるる絵里を起こそうと
雪玉を思い切りぶつけ、けらけらと笑っていた。が、しかし。

「やったなぁー!絵里ちゃんをナメちゃいけませんよ?うーちーぱーそりゃっとぅっ!!!」

運動能力は絵里のほうが遥かに上だったようで、覚醒した絵里が投げた雪玉は
結構なスピードでさゆみとれいなの顔面にヒットし、そこから6期のバトルが始まった。

それぞれに雪を楽しむ。頬を真っ赤に染めながら、体中を雪だらけにして走り回った。

「風邪引いたらアカンで、一回中入ってあったまろー」

それは愛の声がかかってもまだ続き、3度目里沙に『こーらー!いい加減に入ってきなさい!』と怒鳴られるまで終わらなかった。

リゾナントのカウンターに一列に並び、愛が作ってくれたココアをみんなで飲む。
真っ赤になってしまった頬を笑い、そして温まった掌で包み合った。

「なんかはしゃいだら眠くなってきちゃったぁ」

絵里がうん、と伸びをして目を擦る。隣ではしゃぎ疲れた愛佳が大きな欠伸をひとつおとした。

「ほんとー。身体も温まったしさ、とりあえず今日は寝よう、ね」

里沙が愛佳の背中をぽん、と叩く。愛佳はトロンとした目をしてそれに答えた。

「タノシカタ!起きたらもう一回シタイ!」

眠そうな愛佳と喚くリンリンを先頭に、9人はリビングへ戻る。
散らかした毛布や布団を掻き集め、肩を寄せ合った。
心地よい疲労と、傍で感じる温かさに身を任せ、9人は穏やかな眠りにつく。



 キョウ ハ オヤスミ デス HAPPY NEW YEAR !! 2011

木の枝を雪の上に並べて作られた文字とウサギの絵。
個性的な9個の雪だるまがクローズを知らせるように、店の前に並んでいた。