師走になると人身事故が増えるんだって。


「はあ~よっこいしょ。たくさん買い物したねー」

「愛ちゃーんよっこいしょはないでしょぉ~」

「だって9人分だよ?二手にわけても4.5人分だよ?」

「でもあたしもおんなじ量持ってたじゃん」

「(Fake)。さて、コーヒーでも淹れますか♪」

「ごまかしたな~。あ、あたしカフェモカお願い」

「わかってるよん」

「愛ちゃんおかえりー」

「おー、れいな。ただいま」

「田中っちただいまー」

「!?ガキさんもおったん?」

「えーひどくない!?あたしも一緒に帰ってきたんだけどー!」

「ごめんっ。でも聴こえなかったと」

「もう……ブロークンハートだよ~。およよよよ」

「ごめんガキさんごめんてー、れーなのハリボーあげるっちゃん、許して?」

「じゃぁ、今回だけね。許しちゃう」

「よかった~」

「寝てたの?はい、れいな。こっちガキさん。熱いからね」

「愛ちゃんありがと!…………あっつー、けど美味し~。
あ、違う、確かにぐでーってしとったけど、目ぇぱっちりやったし。愛ちゃん帰ってきたのは分かったけんれーな。
でもガキさんは気づかんかったと、愛ちゃんテレビと会話しとんのかいなって思った」

「ねえ、改めて言われるとグサッとくる」

「ごめんごめんなさい!」

「次はないから!!
ふふ、なんてね。今度はもっと大きい声でただいま言うよ」

「うん……」


れーなは二階からいつも聴いとる。みんなの聴き分けられるとよ。それぞれ違うと。すごいでしょ。
でもれーな聴こえんかった。ガキさんの足音。聴いたことなかった。気配も消しよるね。れーなには解る。


ガキさん。
あんた何者?




最終更新:2010年12月27日 23:14