リゾスレ50話突破記念 消えたリゾナンター (3) 


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。



                                 ←back


私はあの後藤真希に無理やりダークネス基地に連れてこられた。
「少し待ってるっぽ」と彼女はリゾナン史での激戦を繰り広げたとは思えないようなのんきな言動をしていた。
とにかく私は実験室と思われる部屋で待つこととなった。
私は冷静にも部屋の中を観察していた。
机の上に置いてある資料にはからあげステップのメモやグラビティカーテンの設計図などのリゾナン史で聞いたことのある名前の書いてある紙がたくさん置いてある。

「お待たせ、はい夕飯のピザですよ。」
Dr.マルシェ。ダークネスの科学者だ。一説によるとリゾナンターの高橋愛と新垣里沙とは親友の間柄だったとか。
彼女が持ってきたのは私のお気に入りのピザ店の一番好きなメニューのLサイズだ。

「まっ、食べながら話しましょう。」
マルシェは芋をほおばりながら私に話しかけた。

「ではDr,担当直入に伺います。今回のリゾナンター失踪にあなたがたダークネスが関与しているのでしょうか?」
「うーん、どうだろうね。たとえ知っていても教えられないけど。」

そんな事だろうと思った。いくらなんでも一般人に組織の情報をペラペラ話すわけがない。
だが、そんなことではあきらめないぞ。

「では、質問を変えます。海上の孤島は今も存在しますか?」
「たしかに私たちが愛ちゃんたちを捕まえたのならそこに監禁している可能性はあるわね。でもこれだけははっきり言える。組織は海上の孤島を破棄したの。」
「破棄?それはもしや新垣里沙を奪還するときにリゾナンターのよって陥落したからでしょうか?」
「リゾナン史の研究家ならそれぐらい常識だと思うけどな。」
「確かに海上の孤島の陥落を記した資料は大量に発見されていますが、私は海上の孤島の事件についてはどれもバラバラでこれだといえるものがないことに気付いたのです。
あなた方は巧みに情報を操作して、海上の孤島についてはあいまいにしている。だからあなた方の島を破棄したという話もそう簡単に信じるわけにはいきません。」
「そういう見方もあるわね。でもそれはあくまで可能性の問題ですよね。」

さすがはDr.マルシェ。そう簡単にしっぽを出さないようだ。
すると部屋に構成員がひとり入ってきた。

「マルシェ様、お届け物です。」
「はい、御苦労さま。」
「失礼します。」

なにやらあの構成員、何やら不満そうな顔をしている。仮にも幹部の部屋の中でそれはまずいだろうと。だが私は彼の事を知っているような気がするが・・・・
(まさか、あの男がかの有名な「俺」か?ダークネス幹部会にも出席したとも言われる下級戦闘員。)

リゾナン史研究家としては確かめねば・・・・
「あのさっきの彼に話を・・・」
「だめですよ、あなたがここにいるのを知っているのは私と後藤さんと彼だけです。ほかの幹部に見つかったらあなた殺されますよ。」
「他の幹部?誰ですか?」
「幹部のメンバーを把握しようとしても駄目ですよ。ほかに聞きたい事は?」
「高橋愛さんについて何ですが。彼女がi914であることはほぼ間違いありません。」
「それが何か?」
「考えたくありませんが、リゾナンター失踪の影に彼女の忌まわしい過去が関係していて、i914としての能力が狙われたのか。それとも彼女も闇に落ちたのかという仮説が出るのですが?」
「確かに愛ちゃんの強大な力を狙う人はたくさんいるかもしれない。れいなの共鳴増幅やリゾナンターの共鳴による力も同様にね。愛ちゃんが何か今の世の中に不満を持ったなら私たちと同じ道を歩むかもね。
どのみち、あなたにとって一番の容疑者はダークネスということになるのかな?」
「あなたがた以外に考えつかないものでね。」
「最後にひとつ、愛ちゃんたちの失踪にダークネスが関わっているという固定概念は捨ててくださいね。」
「それは一体どういうことです!」
するとマルシェはマスクをつけた。何やら眠気が・・・まさか催眠ガス!

私が目を覚ますと公園のイスに座っていた。
とても貴重な体験だった。リゾナン史の偉大な研究家たちもダークネスの基地に行ったことはないだろう。全容が解明できていない組織の中に一時期でもいたのだから。私は興奮してやまなかった。

私は近くの自販機でコーヒーを買い、少し考えをまとめてみることにした。
ダークネス側にはうまくはぐらかされてしまったが、たしかにマルシェの言うことには一理ある。リゾナンター失踪=ダークネスは少しパターンにはめすぎているのかもしれない。
そこで私はふと思い出したことがある。

それはリゾナンターの体調である。リゾナン史の記録には亀井絵里の心臓病以外にもリゾナンターのメンバーに身体的な負担が見られる。
たとえば高橋愛の視力である。彼女の能力はすべて光が関係している。そのため視力が失われ始めているという話と能力増幅薬を服用したことによる副作用。
そして久住小春の能力同時発動による失明。

もしや彼女たちの失踪は能力使用の過度による身体的な異変が原因なのだろうか?
だが、これは本人たちを見つけるか正確なデータがない限り証明するのは不可能だろう。

こうなればあそこを探るしかないだろう。
そう、Mの日本支部だ。
私は翌日霞が関にあるM日本支部に向かった。
その途中、私は本屋でパラレルワールドに関する著書に目が行った。

パラレルワールド
確かリゾナン史の史料に高橋愛がいくつものパラレルワールドを渡ったという未確認の記述がある。もしもそれが事実なら今度はリゾナンター全員でパラレルワールドに冒険に行ったのだろうか。

そんな事をふと思っているとM日本支部に到着した。
これからが本番だ。と思ったのだが・・・

「関係者以外立ち入り禁止だ。」
追い返されてしまった。
全く思った通りだ。リゾナン史研究家の間ではMとダークネスに関しては組織の内部や構成員の把握ができていないから信用するなとよく言われていた。
一体だれがダークネスで誰がMの幹部か資料がごちゃまぜ状態になっているからだ。
まぁもともとアポなしできたから仕方がないけど・・・

行き詰った私は釣り堀に足を運んでいた。
そういえばこの釣り堀は願いが叶うことで有名だったな。
確かリゾナン史によると道重さゆみ、田中れいな、リンリンがバイトをしていたとか。
そんな事をふと思いながらつりをしていると隣で猫が釣りをしている。
そうかここは猫も釣りを・・・猫が釣りを!

よく見ると二本脚で立って、普通に釣りをしている。
なぜだ!
「あんた、リゾナン史研究家・リゾ蔵夫やろう。」
「しゃべった!」
「驚くことはないやろう。あんたらの研究している世界では普通のことやろ。」
「まさかあなたはボスですか?」
「そうや。」
「どうしてここで釣りを。」
「わいもここの常連なんや。暇な時は釣りをするもんや。」
「何をのんきなことを言っているんですか?リゾナンターが行方不明なんですよ。Mの指揮官のひとりであるあなたがのんきに釣りなんて。」
「あんた、Mがリゾナンターと協力関係にあるなんて誰が言いましたんや。
それはあんたが見つけたリゾナンタークライシスの系列の資料中でのことやろ。ほかの資料ではすでにMは崩壊していたり、終いにわいは死んだことになっている資料があるというやないか。資料を読みあさるだけですべては見えしまへん。」
「はい、すいません。」

確かに私は紙の上でしか物事を見ていなかったのかもしれない。
私はリゾスレの世界を自分の足で追いかけたのはこれが初めてだった。
いつも紙に書かれたことのみで検証していた。研究者として私は未熟だったのかもしれない。

「ただ、これだけは言える。わしも全力であいつらを探している。それだけは信じてくれ。」

釣り堀から家に帰る途中、ふと公園の中を見るととても大きな木が立っている。
なんの変哲もない木のはずなのになぜか興味をひかれる。
待てよ、確かこの公園は喫茶リゾナントの近く。
まさかあのダークネスを共鳴して暴走したあの木ではないのか。

私は何を感じたのか木に耳を当ててみる。
なぜかわからないが木の気持ちがわかるような気がした。
なにかさびしげな印象を受けた。君もリゾナンターがいなくなってさびしいのか?

私はとぼとぼと帰路についていた。
あっちこっちに歩き回って疲れがたまっているようだ。
すると目の前に人影が・・・

「あなたは高橋愛さん?」
「2011年2月5日。」
「いったい何なんですか。その日付は?」
「あなたが追っていた事件の真相がわかる日です。私たち未来で待ってるから。」

そう言って高橋愛は姿を消した。
今のは幻覚なのだろうか。
来年の2月5日。何がわかるというのだ。
だが、私は信じよう。その時、彼女たちがいつもの笑顔で帰ってくることを。