リゾスレ50話突破記念 消えたリゾナンター (2)


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「いやー、食った食った。」
私が今いるのはリンリンが住み込みで働いている中華料理店だ。
ここの店主なら何か知っているかもしれない。

「あのご主人。」
「何か用かな?」
「あのここで働いているリンリンさんについて話を聞きたいんですが?」
「ああ、リンリンちゃんのことか。今、いないんだけどね。」
「あの彼女の行先について何かご存じですか?」
「いや、でも彼女が何日か休んでも雇ってくれるように言われているんだよね。ここだけの話だけどこの店はすごい援助をしてもらっててね。その人、リンリンちゃんがお気に入りのようなんだよ。」
「へぇ、どんな人ですか?」
「リンリンちゃんと同じ中国人で若い人を4人連れてここで一度食べていたことがあるんだ。その人たちの話題がリンリンちゃんだったんだ。それからだよ、ここにすごい援助が入ったのは。
まぁ、何日か休んでもリンリンちゃん、その分の倍以上に働いてくれるからねぇ。俺も何かとあの子をほおっておけないんだろうな。」

(そうか、おそらくその人は刃千吏総統の銭氏。つまりリンリンのお父さんだ。そして取り巻きの4人はリンリンの養成所時代の仲間たち。たぶん、リンリンの腕試しに総統が来日してきた時の話だ。
あの人、雰囲気と違って親ばかなところあるからな。まぁ親としては当然って言われるかもしれんが。この店の主人も失踪に関係しているわけではなさそうだ。)

「ありがとうございました。また来ます。」

私は次の取材場所を検討しているとある事を思い出した。
しまった!ジュンジュンについて聞くのを忘れてた。リゾナン史の史料ではジュンジュンはリンリンと同じ場所に住んでいた時期があったことを忘れていた。
ご主人には申し訳ないが話を聞きに戻ろう。

すると私の目の前に男たちが・・・
「ちょっとこい。」
「えっ、ちょっと待って!」

私はとあるビルに連れてこられた。
「あの一体誰なんですか?」
「リゾナンターについていろいろ聞いて回っているようだな。」
「はい。(うん?この感じ、日本人じゃないぞ。) 私はリゾナン史の研究家で。」
「そうか、それなら私の顔も知っているだろう。」

男は私の方に振り返った。

「あっ、あなたは刃千吏総統の銭氏。なぜあなたがここに。」
「あなたの目的と一緒ですよ。」
「では、あなたも娘さんの居所を探しているのですか。」
「刃千吏のできる限りの人員を動員して探しています。神獣でもある李純もともに行方不明ですから。」
「お辛いでしょう。娘さんがいなくなって。」
「いえ、あの子はいずれ刃千吏を継ぐ強い子だ。李純も強い子だ。いずれ帰ってきますよ、刃千吏のみんなが信じている。」
「あの、リゾナンターが消えた理由に心当たりは?」
「わかりません、これだけは言えるかつて私は李純を瀕死まで追い込んだことはあるが決して刃千吏は関わってはいない。」

私はすぐに帰された。どうやら私をリゾナンター失踪につながる重要人物とみられたらしい。刃千吏が捜索しても見つからないとはリゾナンターはどこにいったんだ?

続いては田中れいなについてだ。
彼女には能力者社会でも珍しい能力がありダークネスに狙われることが多々あった。
しかし彼女の両親はもういない。彼女の両親の研究所の場所もわからない。誰か話を聞けるような身内は・・・いた!

私は急いでお台場のテレビ局に向かい、ある人物に無理やりにアポを取った。
「お待たせしました。れいなのことについて聞きたいと。」
現れたのは某局の人気アナ・斉藤舞子さん。
実はれいなの生き別れたお姉さん。

「えーと、舞子さんはきらりちゃんの行きつけの店の取材で偶然、れいなさんと再会されたんですね。」
「ええ、なんかあった瞬間に気になってしまいまして。その後、また店を訪れた時に確信を得たんです。」
「その後、ふたりはどうされましたか。」
「お互いの近況を話しあいました。本当は一緒に暮らしたいんですけど、私も忙しい身ですし。れいなにはれいなの生活もありますから。でも時折あの店に訪れているんです。」
「こんな事を聞くのは大変申し訳ないのですが、れいなさんが失踪したことについて何か心あたりは?」
「あの子がいまどういう立場なのかはわかっています。必ず元気な姿で帰ってくると信じてます。何にもできないけど今できるのはただ祈るばかりです。」
「そういえば、れいなさんは孤児院で過ごしていたと聞いたのですが?」
「ええ、私もあの子がいなくなった頃に一度訪れました。でも院長先生や子供たちの話では最後に訪れた時には何も変なところはなかったみたいです。」

私はテレビ局を後にした。あの人は今すぐにでも田中れいなを探したいのだろう。やっと再会できた実の妹なのだから当然か。だが、なかなか手がかりが得られない。おそらくみんなの中ではダークネスと戦いにいったと考えているのだろうか。

次はあそこに行こう。そう、亀井絵里・道重さゆみ・田中れいなの出会いの地に

亀井絵里の入院していた病院。一説によればさゆみの両親の病院ということであるが、もしチャンスがあれば彼女の両親にも話を聞いてみよう。

「あのすいません。」
私に病院の婦長さんと思わしき女性が話しかけてきた。
「何か?」
「リゾナン史の研究家・リゾ蔵夫さんではないでしょうか。」
「そうですが、あなたは?」
「わたくし、道重さゆみの母です。この病院の婦長をしています。」
「あなたが・・・でもなんで私の事を。」
「実は数時間前に亀井原雄山先生がお見えになりまして、絵里ちゃんについていろいろ聞いていかれたのです。お帰りの際にあなたが来るだろうと言われていたので。」
「亀井原先生が・・・」

亀井原先生も亀井絵里の事を心配しているのだろう。何せいい年をしてえりりんと呼んでいたために奥さんが出ていき、息子の史郎君とは絶縁状態になるほどの人だからだ。

「それではすいませんが、お話を。」
「はい。」
「ここが亀井絵里さん、道重さゆみさん、田中れいなさんの出会いの場所だと聞いたのですが。」
「ええ、絵里ちゃんが入院した頃、さゆみも病院に時折顔を見せていました。その時に顔を合せて意気投合したようです。その後猫を守ろうとして不良と喧嘩して大けがを負ったれいなちゃんが絵里ちゃんと同じ病室になったのがきっかけであの3人が仲良くなったんです。」
「なるほど、お母さん。実はこんなことを聞くのはあれなんですが絵里さんの心臓の様子はどうなんですか?」
「高橋さんたちと出会ってからだんだんと良くなっています。でもまだ完治していませんのであんな戦いに身を置いていてはいつ病気がひどくなるか。あの子たちが突然いなくなってとても心配しています。」

確かに亀井絵里、道重さゆみのふたりに関しては身体能力に関して著しく低い。
何か大きな事件に巻き込まれたのならとても心配だ。

「それで失踪について何か心あたりはありますか?」
「わかりません、でも親の勘ですけどあの子たちは生きてます。必ず・・・」

よし今度は新垣里沙について調べよう。ダークネスのスパイとも言われている彼女の関わった様々な事件もいろいろ興味がある。
そういえば失踪事件の直後、リゾナン史研究家の若い連中が妙なことを言い出したのを思い出した。

「新垣里沙はまだダークネスのスパイで彼女にリゾナンターは嵌められたんじゃないか」というものだった。
おそらくそれは「スパイの憂欝」などをはじめとする文章からの推測なのだろう。
確かにあの文章の中での彼女はスパイとしての生活に嫌気がさし始めているようにも感じる。そのストレスが爆発してリゾナンターを失踪させたというのだろうか。
この可能性はともかくとして彼女のスパイとしての立場に関してある人にインタビューをしてみようと思う。

警視庁科学技術局
そう、新垣里沙が関わったとされる大事件「ペッパー事件」
リゾナンターのデータをもとに生まれた心をもったガイノイドをめぐる攻防。
新垣里沙にとってみれば悲しい事件だったかもしれない。
ここにあの事件の関係者がいる。

「君がリゾ・蔵夫君かね。私が阿久悠だ。」
「はじめまして、阿久博士。本当なら戸倉博士や生き残ったふたりにも話を聞きたかったのですが・・・」
「申し訳ない。彼らは今アメリカに行ってましてね。」
「あっ、そうでした。失礼しました。ところで博士。今回のリゾナンターの失踪にはどのような考えを持っておられますか?ダークネスの可能性は」
「確かに彼らが関わっている可能性は十分あります。彼らがあの子たちに目をつけたのもリゾナンターの力の大きさに興味があったともいえますから。」
「他に可能性は?」
「あるとしたら私の知る限りでは秋元博士でしょうか?彼女たちの活躍のおかげで一番被害をこうむったのは彼なんですから。」
「彼は今、どこに?」
「職をはく奪されて、その後は私にもわかりません。」
「ちなみにあなたは事件の最中、新垣里沙がスパイである可能性を指摘されましたが、あなたは今でも彼女がダークネスのスパイだと考えますか?」
「それはわかりません。ですが、彼女は信頼における人間だと信じています。彼女はあの子たちのために必死になってくれましたから。」

私は阿久博士にインタビューした後にあるところに電話した。
それは伝説の温泉「凡奇湯」がある温泉旅館だ。
リゾナンターが失踪した理由のひとつとして新垣里沙の個人的な欲求のためにリゾナンターを洗脳して枯れ果てたボンキュを掘り起こそうとする恐ろしい可能性を確かめるためである。

「あのすいません、そちらに新垣里沙さんたちはいらっしゃいますでしょうか?」
「いいや、今年はまで来てへんな。毎年必ず何かやらかすからこっちも備えて待っとったんやけどなぁ。」
「そうですか、ありがとうございます。」

これも違ったか。今度はリーダー・高橋愛の調査だ。だがな、彼女の祖母はすでに亡くなっているし。ましてや出生についてもいろいろ憶測があるしな。

グゥー!
もうこんな時間か。夕飯を食べないとな。今日は家でピザでもとるか。
と思った矢先のことだった。

「ねぇ、うちらの基地でごはん食べる?」
と言われた途端、私の体は宙に浮いた。
よく見ると私の体を抱えている女性は背中に翼を生やしている。まさか・・・

「後藤真希!」