黄金の輝き


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523 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/11/02(火) 13:29:20.12 O
バッチリ……デ…ス……

524 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/11/02(火) 15:24:28.68 0
時間停止



538 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/11/03(水) 09:36:30.66 0
黄金の ……ヤスス

539 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/11/03(水) 10:22:37.89 O
ゴールド・ケメッコ


「…そして、時は動き出す。 闇色に輝きながら」

崩れ落ちる少女。
身体は傷つき、息も絶え絶えだがその瞳から光は失われていない。

「いい加減、あきらめたらどうかしら。この世界に永遠なんてないけど絶対という概念は存在する。
あなたと私の間には絶対越えられない壁がある」
「確かにアナタは強イ。 でも私は行カナケレバナリマセン。 皆ガ待ッテル約束の場所マデ」

少女の手には小さな炎。
揺らめきながら徐々に勢いを増していく。

「何年も前の約束に縛られて故国での安穏な暮らしを捨てるなんて馬鹿げてるわね。
いいからここは引きなさい。 私たちは出来るだけ大陸と事を構えたくない」

闇色の女の言葉は少女には届かない。

掌に宿した炎は自らの衣服を焦がし始めてることも気に留めようとしない。
それを見た闇色の女は手をかざす。 不毛な戦いに終止符を打つために。

「時間よ、止ま…」
「アナタは嘘をついてマスネ」

少女の言葉を聞いた女は能力の発動を止めた。

「嘘。 一体どういうことかしら」
「私は嘘つきダカラ他人のツイた嘘もワカル。 アナタは時間など止めてイナイ」

闇色の女の目が面白い生き物をみつけたように、活き活きと輝いた。

「興味深いわね。 あなたのお話聞かせてもらえるかしら」

「刃ァーーーッ」

炎が少女の返答だった。
極限大に燃え上がった火炎弾をこともなげにかわした女は、危ないじゃないと笑いかける。
少女のの掌から二弾、三弾と放たれる炎。

「アナタは時間ヲ止めてなんかイナイ。
何故なら時間の停止、すなわち地球の自転の停止を意味スル」

時速1万7千kmの運動体が停止したことによる慣性モーメントは地表の構造物の98%を薙ぎ倒す突風と、地盤の崩壊をもたらすはず。
そうした異変が未だ観測されていないということガ、女の能力の実相が時間停止とはかけ離れていると言う少女。
言葉と同時に放たれた炎は女と自身の周囲を取り囲み、熱せられた蒸気が押し寄せてくる。
女はといえば、その熱気さえ感じていないような涼しげな様子だ。
さっきまで無感動だった顔には賞賛の色が浮かんでいる。

「正解よ。 私は時間なんか止めてなんかいない。
あなたの大きな頭にはそれに比例した素晴らしい脳細胞が詰まっているのね、素晴らしい。
こんな素晴らしい人材を不毛な戦いで失うわけにいかないわ」

だから、矛を収めて故国に戻りなさいという女の言葉は、やはり少女には届かなかった。

「アナタが時間を止メルことが出来ナイならば、コレからの攻撃を回避スルことは不可能デス」

少女の言葉に不穏な空気を感じた女は制止する。
やめなさいと。
そんなことをすればあなたも生きてはいないと。

「皆に会エナイのは残念デスが、アナタを今討ち漏ラセバ皆の脅威にナルことは確実デス。 だから、ここで…由於骨灰塵」

炎で張られた結界が一気に収束する。
結界内に存在するものを全て灰塵に帰す命を代償にした攻撃が発動された。

バッチリ……デ…ス……

薄れゆく意識の中で少女が最後に見たのは、闇色の女が黄金に輝く姿だった。
悼むような眼差しで自分を見つめている…

少女の命の炎が消え去った。
女はそこに立っていた。

そう私は時間なんか止めていない。
もしも止めれるならば、その真理に迫ったあなたの頭脳に敬意を表して何としてでもあなたの命を救ったでしょうね。

自分のチカラに初めて気づいたのはまだ研究に携わっていた頃だった。
実験の結果をコンピューターで解析させている間に、次の行程表を作成中に思った。

(まったく、時間がいくらあったって足りやしない。 時間が止まればいいのに)

次の瞬間、研究室内の音が消えた。
CPやプロセッサの稼動音がしない。
行程表を作成していたパソコンのディスプレイではカーソルが点滅を止めている。
趣味で卓上においていたアナログの時計の秒針も止まっている。
何これ、と動かそうとした指先を激痛が襲った。
痛っ、いやこれは火傷の熱さ。
その瞬間女は悟った。
自分が超高速の世界にいることを。

そう時間を停止することは地球全体に甚大な影響を与える。
そのことに考えが至った私は、自分が音速を遥かに超える超高速で移動する能力と感覚に目覚めたという結論に到達した。
でも、生身の人間が大気中を超高速で移動すれば、大気との摩擦で肉体が燃え尽きてしまう。
役目を終え大気圏に突入した人工衛星のように。

だから私は開発したのよ。
大気圏内に突入した宇宙船が遭遇する1500℃の熱にも耐えうる人工皮膜を。

でもあなたの生命の炎はそれすら破るところだった。
これも共鳴という絆の為せる業なのかしら。

チカラを手にしてからの私はそれまで以上に孤独になった。
でもあなたは違ったのね。

この世界に永遠など存在しない。
でも存在しないからこそ人は永遠を求め、一瞬の輝きを残す。

高熱と反応して金色に変色した人工皮膜の残骸をまとわりつかせながら女は歩き出す。

この黄金の輝きはあなたの精神の輝きよ。
刹那の先で巡り会うことがあったなら、またお話しましょう。