再始動~Re-sonantor~


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扉にクローズ札のかかった懐かしい喫茶店の前に着いた
ここに来るのは約2年ぶりかな
来ようと思えばいつでも来れたし、何度も来ようとした

でもここに来るとみんなの決心を無駄にしちゃうような気がして・・・




2年と約半年前のこと・・・


ダークネスは滅びリゾナンターの戦いは終わった

メンバーみんなが待ち望んだ未来
9人で過ごす戦いのない平和な世界を誰もが楽しみにしていたと思う

でも高橋さんの選んだ未来は違うものだった




リゾナンター解散


みんなリゾナンターになる前の普通の女の子に、普通の生活に戻ろう・・・とのこと

突然のことだった

喫茶リゾナントは休業
高橋さんは強要しなかったがメンバー間の関係もリゾナンターになる前の状態に戻ることになった

学生だった愛佳は普通の学生生活に戻った
もとの生活に戻ったといっても昔と全く同じわけじゃない
当時大嫌いだった能力も使いこなせるし嫌いじゃなくなっている
よく笑うしよく喋るようになっている
みんなと出会う前には経験できなかった普通の生活を送ることができていた




そんな生活に終止符が打たれたのは先日のこと


いつも通り帰宅し郵便物を確認すると送り主の書いていない封筒が1通
開封して中を見た瞬間胸が躍った
それは高橋さんからの手紙

要点は・・・

 ダークネスが復活したのでリゾナンターを再結成したい
 今までどおりの生活はできないかもしれない
 それでもかまわないと思えたら喫茶リゾナントにきてほしい

ということだった


ダークネスが復活したことが喜べることではないことはよくわかっている
それでもみんなにまた会えるかもしれないという感情が愛佳を支配した

確かに突然解散して、また集まってなんてことは勝手すぎる話
でも文章に「ごめん」の文字が散らばっている高橋さんらしい手紙からはそんな感情はわいてこなかった

それにご丁寧に喫茶リゾナントの住所地図まで同封されていた
バカだなぁ・・・高橋さん、そんなの忘れるわけないのに



あれから本当にみんなが関係を絶ったかは知らない
それにみんなが集まるかもわからない
もしかしたら集まったのは愛佳だけなんてこともあるかもしれない


そんな不安もこの扉の前に立ったら吹き飛んだ
クローズにはなっているが中から聞こえる賑やかな声が愛佳の頬を緩ませた

第一声も考えず扉を開く


よかった最後じゃなかった

そこには2年以上見なかった顔が4つ

「愛佳!」


随分髪の伸びた高橋さん
逆にショートになってイメージが凄く変わった新垣さん
そしてパッと見、あまり変わってない道重さん田中さん


亀井さん久住さんジュンジュンリンリンはどうしてるかなぁ
早く会いたいなぁ

「揃ったね」

感動の再会もつかの間、高橋さんの言葉に耳を疑った
それは愛佳以外のメンバーも同じだったようだ

「愛ちゃん揃ったってまだ5人やん」

その通りだった

「カメも小春もジュンジュンもリンリンもまだだよ・・・」

亀井さんも久住さんもジュンジュンもリンリンも来ていない
もしかして・・・

「絵里は来ない・・・」

次に声を発したのは道重さんだった
道重さんはすっと顔をあげ高橋さんとアイコンタクトをとると高橋さんが続けて口を開く

「今回あたしの勝手な判断でみんなに手紙を出したんだけど、絵里に関しては状況がよくわからなくって
 もう良くなってるかもしれないけど、もっと悪くなってるかもしれない
 だからずっとそばにいただろうと思ってさゆに判断を任せたの」

「さゆ?」
「さゆみん?」

一息おいて道重さんは話だした

「うん、正直病状はダイブ良くなってる
 リゾナンターとして戦ってたことはやっぱり凄く体に負担かけてて
 でもみんなといることは病気と闘っていく上で絵里の支えでもあったの
 でもまた戦えばみんなに会えるけど病気は確実に悪くなるんじゃないかって
 でも絵里に言えば絶対来るって言い張ると思ったし
 絵里には何も伝えてない
 さゆみが絵里を連れてこないって、みんなに会わせないって決めたの
 ほんとーにごめんなさい!!」

「さゆ・・・」

「みんなが絵里に会いたいことも絵里がみんなに会いたいこともわかってる
 でもまた病気が酷くなって苦しむ絵里も見たくないし・・・
 でも笑顔でみんなと楽しく話してる絵里も見たいし・・・
 でも・・・でも・・・」

「さゆ落ち着いて・・・大丈夫、みんなわかってるから」

道重さんの言ってることは凄くわかる
誰にも相談できず決断した道重さんが一番辛かったことも

「れいなもさゆと同じだったらそうしてると思うよ」
「さゆみん、そんな謝らないでね」
「愛佳も亀井さんに早く良くなってもらいたいです」

道重さんもなんとか落ち着いてきたみたい

「ありがとう・・・
 でも愛ちゃん、小春とジュンジュンとリンリンは?」

冷静になった道重さんの言葉で思い出した
久住さんは?ジュンジュンは?リンリンは?

「小春はみんな知ってると思うけど今じゃ誰もが知ってるアイドルだよね」

リゾナンター解散後、本業に集中できるようになったせいか久住さんは急激に売れ出した
アニメにCM、ドラマ、バラエティと最近では久住さんをテレビで見ない日はないくらい

「今の小春は有名すぎる、2年前と知名度が桁違いだし、
 これじゃリゾナンターとしての活動は無理かなって思った
 テレビで笑ってる小春はリゾナンターになる前とは全然違って楽しんでるのが凄く伝わってきたの
 それに何百万人のファンが悲しむと思ったら・・・」

「れいなもテレビで見る小春が好き、だけん見れなくなると寂しい」

「ごめん、これもあたしの勝手な判断だけど小春には何も伝えなかった」

確かに今の久住さんにリゾナンターとしての活動をすることは非現実的だ
高橋さんの言うとおりだと思った

「そうだね、小春は仕方ないよね」
「会いたいけどしょうがないの」

「で、ジュンジュンとリンリンなんだけど・・・
 ごめん!2人の所在がつかめなかった」

リゾナンターが解散する際にジュンジュンとリンリンは母国へ帰るってことは聞いていた
国で雇ってくれる組織が見つかったとか見つからないとか
どうなったかは知らないままだけど

「なんとなくだけど、ジュンジュンもリンリンも向こうで国の為に戦い続けてる気がするな」
「リゾナンターとしてじゃなくてもれいな達と同じことしてる気がするね」
「さゆみもそう思う」

なんでだろう?
久々に会えて、9人中5人も2年以上振りに集まって嬉しいはずなのに
4人に会えない寂しさが嬉しさに勝ってしまう

「寂しくなるね」

みんなも同じ気持ちみたいだ
高橋さんの発した言葉を誰も否定しなかった

「でも、5人になっちゃったけど・・・
 絵里も小春もジュンジュンもリンリンもきっと・・・絶対一緒に戦ってくれる」

高橋さんは自分の胸にそっと手を添える

「4人はみんなの"ここ"にいるから・・・」

寂しいけど・・・そう考えるだけで寂しさは紛れてきた
9人は共鳴した仲間なんだ
例え何十年会わなくたってその絆はきっと途切れない

「よーし、今日からまたリゾナンター再始動や・・・あっ・・・」

意気込もうとした高橋さんの言葉が途切れる

「愛ちゃん、どうした?」
「シッ!!」

すかさず顔の前に人差し指を立てる

「みんな目をつむって集中してみて」

いきなりのことでよくわからないが言われた通りに目と閉じ意識を集中する

―――・・・か・・・・・・・・・・ぇ・・・か

「聞こえない?」

―――だれか ねえねえ だれか

これって・・・・

「愛ちゃん、聞こえた!」
「これって」
「そう、自分の能力が嫌いで・・・
 誰も信じられなくて・・・
 誰にも心を開けなくて・・・
 生きることになんの希望も持てなかった・・・
 あの頃のあたし達みたいな娘が今もどこかで助けを求めてる」

「やっばぁ、なんかめっちゃワクワクする!」
「さゆみ、可愛い子がいいなぁ」
「コラー!田中っちもさゆみんも遊びじゃないんだからね!」
「愛佳、今度は愛佳が救う番だよ」

そう言って高橋さんは愛佳の肩をポンと叩いた

「は、はい!」

みんなが愛佳の心を開いてくれたように愛佳もできるんやろうか・・・



不安と希望を抱いたまま、高橋愛の「いくよ」の合図でリゾナンターは再び動き出す

亀井絵里、久住小春、ジュンジュン、リンリンへの想いと共に・・・