Real ideal stand and...


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気付けば、いつの間にか「あの人」と同じ年齢を迎えていた。
私が憧れ、尊敬した「あの人」と同じ年齢を。

あのとき…「あの人」は淋しげに笑っていた。

小さい頃に描いていた『理想の大人』とは違う―――と。
こんなはずじゃなかったんだけどな―――と。

そう、淋しげに笑っていた。

「そんなことはない。自分にとってあなたは理想だ」

私がいくらそう言っても、「あの人」の笑顔から翳りが消えることはなかった。
最後の最後まで。

あのときは「あの人」の気持ちが分からなかった。
でも、『大人』になった今なら分かる。
『大人』は万能だと思っていた幼い頃とはもう違うから。

だけど、それでも……
確かに『理想の大人』ではないかもしれないけれど……
ある意味では、私はあの頃よりも今ここに立つ『現実の大人』の自分に自信がある。

今の私は、小さい頃にぼんやりと思い浮かべていた『大人』ではない。
自分で決めた道を、自分の足で歩いてきた、カタチある『大人』だ。
そう……理想ではなく、現実の……『大人』なのだから。

かつて漠然と思い描いた理想のように、一直線に辿り着くことはできない。
でも、迷いながら、失敗しながら……それでもいつかは自分の思う場所へ辿り着けると信じたい。

なによりも………
今の私には、小さい頃に描いていた『理想』の中にはなかった、かけがえのない仲間たちがいるのだから。