リゾナンター外伝 能力者を憎む女刑事


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バン!バン!バン!
警視庁の射撃訓練場に銃声が鳴り響いている。
銃を撃っているひとりの女性・矢島舞美。
警視庁特殊課の女性刑事だ。

ピリリリリ
舞美の携帯が鳴った。
「もしもし、はいわかりました。すぐに・・・」

舞美は銃を保管庫に戻して、訓練場を後にした。

警視庁特殊課・・・警視庁の新設された超能力専門の事件を取り締まっている部署である。

舞美は特殊課の部屋に入った。そこには特殊課の課長や同僚刑事たちがいた。
「おお、矢島。今から事件の状況を説明する。」
「また、能力者による事件ですか?」
「ああ、まずはこれを見てくれ!」

課長は部屋を暗くしてモニターに映像を映し出した。
そこには爆発した建物の姿が映し出された。

「これって確か、先週起きた爆発事件の映像じゃない。」
東京都内で起きていた無差別爆発事件の映像である。この事件は爆発物の形跡がなかったことと目撃証言から能力者による犯行が考えられた。
警察は賢明な捜査をしたが、手がかりが掴めなかった。

同僚刑事が愚痴をこぼした。
「それにしてももう少し装備を整えさせてほしいものだな。上のMに対する勝手な対抗心でこの部署が作られたのはいいが、連中に対抗できる手段がないんじゃ意味がない。そのせいで梅田だって・・・」
「よせ!」

他の同僚刑事が制した。

「矢島、すまん。」
「いいえ、気にしてませんから。」
「その件については上も反省してるみたいで科捜研で能力者に対抗できる新装備を開発してもらった。現場で受け取ってくれ。」
「えっ、現場って?」

課長は映像を切り替えた。そこには化学製品の工場が映し出されていた。
「この爆発犯人がここに立てこもったらしい。自分から警察に電話してきた。すぐに行ってくれ。」
「了解。」


東京郊外化学工場
工場の周りにはすでに大勢の警官がいた。舞美は現場の警官に自分の警察手帳を見せた。
「特殊課の矢島です。状況は?」
「はっ、工場には犯人の男ひとりだけです。」
「それじゃあ、すぐに突入すればいいだろう。」

舞美の同僚の刑事がわめいた。
しかし現場の警官は渋っていた。
「ですが、現場が現場でして下手に犯人を刺激すると工場を爆発しかねません。」
「じゃあ、私が裏手から回って、能力を使う間を与えずに捕まえます。」

「それはちょっと無理じゃないの?」
どこからか女の子の声が聞こえてきた。
しかし舞美たちはどこに声の主がいるのかがわからず、あたりを見回した。

「どこ見ているの!ここよ、ここ!」
声は下の方からしたので下を向くと小さな女の子がいた。

「あなた、ここをどこだと思っているの。関係者以外は立ち入り禁止よ。」
「いいの?私がいないと困ると思うんだけどな。特殊課のみなさんには。」

女の子は証明書をだした。
「科捜研・特殊能力対策班主任・萩原舞!」

「そっ、以後お見知り置きを。あなたたちのために装備を持ってきてあげたわ。」
舞はアタッシュケースを取り出した。中身を見ると腕輪のようだが・・・

「これは能力阻害機能を備えたデバイス。これをつけた者の周囲5mの範囲にいる能力者は能力を使えない。」

周りの刑事たちは半信半疑のようだ。

「まぁ、まだ試験段階のものだからうまくいくかどうかはわからないけど。ちゃんと実験してから導入したかったんだけど、おたくの上司が急いでくれって言うもんだから。」
「いいわ、時間がないし。実験代わりにこの腕輪の性能を試させてもらうわ。」

すでに舞美は腕輪をはめ、銃の準備をしていた。
「ずいぶん、気合い入ってるわね。そのデバイスぼろにしないでね。」
「保証しないわ。」

舞美は現場に向かっていった。


工場の中に男がひとり立っていた。
「けっ、サツに囲まれたが俺はこの街をこっぱみじんにしてやるぞ。」

男は窓から顔をだして、パトカーに手を向けた。
「バン!」
男の声に反応したかのようにパトカーが爆発炎上した。
「けけけ、サツはみんな吹き飛ばしてやるぞ。」
「手をあげなさい!」

舞美は男に銃を向けている。
「ふん、サツか。まずはお前を吹き飛ばしてやる。」
男は舞美に手を向けた。

ボン!すると舞美の拳銃が粉々に吹き飛んだ。
「やったわね。」

「バン!バン!バン!」
男は舞美はいたところに手を向けて次々と爆発を起こした。
舞美は素早く物陰に隠れた。

(このままじゃ、工場の化学物質を爆破しかねないわ。早く取り押さえないと。)

「どこだ?でてこい!それともこの工場ごと吹き飛ばされたいか?」

すると物陰から舞美が飛び出して、男を床に押し付けた。
「くそ、お前も道連れだ!」
男は力を発動しようとしたが、何も起きない。
「どうして、爆発しないんだ!」
「残念でした。この腕輪をつけている限り、私の周りで能力は使えないの。
さぁおとなしく逮捕されたほうが身のためよ。私は能力者が大嫌いなのよ!」

舞美はリミッター付きの手錠を男にはめた。

男は舞美の同僚によって連行されていった。
「この腕輪、もうちょっと能力阻害効果の範囲を広げてちょうだい。」
「ほめてくれると思ったらクレーム?」
「能力阻害の効果が凄すぎるから、もうちょっと広ければ楽に逮捕できるんだけど。」
「分かったわよ、できる限りのことはする。」

その後、舞美は事件の報告書を書いた後に花を持って病院を訪れていた。
訪れた病室には「梅田えりか」と書いていた。

「えりか、来たわよ。今日、現場に新しい装備が入ったの。これで能力者犯罪撲滅に光が見えたわ。」
舞美はえりかに今日の報告をしていた。
しかし、えりかは眠ったままであった。

「あなたは能力者たちを信じていたけど、私は信じない。えりかをこんな目にあわせた能力者なんて認めない。それじゃあまた来るから。」

舞美は病院を後にした。
それを見ていたひとりの少女がいた。
「ねぇねぇ、お母さん。あの人、よく来るわね。」
それはリゾナンター・道重さゆみだった。父親と母親の着替えを持ってきたのだ。
「あの人、警視庁の刑事さんよ。同僚の方が昏睡状態でよくお見舞いにくるのよ。」
「なんだか、あの人悲しい目をしている。」


相棒の仇を追い求め、能力者を憎む舞美の戦いは続く。