リゾナンター最終回.


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最終回のあるあるネタ的なお話でございます。

 前半部分は割愛して、ラストシーン近辺だけを書き込みます。


~あらすじ~

物語は“ダークネスによって滅亡した地球”のビジョンを光井愛佳が“視た”ところから始まります。

リゾナンターたちはそれを阻止する為に、ダークネスの本部に乗り込みます。
様々な障害を乗り越えついに、地球滅亡の元凶である核兵器を発見したリゾナンターたち。
愛佳の予知した地球滅亡の時刻が迫る中、リーダー高橋愛はある決断をします。

それは、ダークネスの核兵器を“自分もろとも大気圏外にテレポートさせる”というものです。
皆の制止を振り切って、高橋は大量の核兵器と共に姿を消してしまいます。

残されたリゾナンターたちは、ダークネスの残党と交戦しながら退路を探しますが、
ダークネスの罠によって酸素供給を断たれた部屋に閉じ込められてしまいます。

危うしリゾナンターって感じのところから書きました↓よかったら読んでやって下さい。



真っ白な壁に取り囲まれた、出口の無い部屋。

闘いで傷ついた身体を引きずりながら、脱出口を探すリゾナンター達。
しかし、酸素供給を断たれた部屋の中ではままならず、みんな力尽きて座り込んでしまった。

「……うちら……このまま死んじゃうの?」亀井絵里が息も絶え絶えに言った。

「愛ちゃんが……助けに来てくれるよ、きっと……そうだよね、ガキさん……」道重さゆみが苦しげに答える。

道重の問い掛けに顔を上げた新垣里沙が、ゆっくりと口を開いた。

「愛ちゃんが核兵器と消えてから…………もう二時間以上たってる……」

みなまで語る必要は無かった。
距離と言う概念から自由であるはずのテレポーターにとって、この時間経過は死を意味する。
そのことは皆も分かっていた。

新垣は呼吸の合間を縫って、言葉を繋げる。

「このまま… 低酸素状態が …続けば…… 意識低下を起し……
 やがて昏睡状態に陥る。 意識が… 混濁する前に……もう一度……」

――出口を探そう―― 最後の言葉を言う前に、新垣の意識は途切れた。
もう、口を開く者はいなかった。ドーム上の天井に弱々しい呼吸音だけが響いた。


((((ガキさ…ん…れいな……絵里…さゆ…小春…愛佳……ジュンジュン…リンリン……))))

白濁する意識の向こう。リゾナンターたちの脳内に消えたはずの高橋愛の声が、遠く響いた。

((目を覚まして!)) ((みんな!聞こえる?)) 

微かに聞こえる高橋の声。入睡時の幻聴であろうか?

((幻聴じゃない!立ち上がって!))

リゾナンターたちは重いまぶたを開く。天井が白くぼやけて見えた。

にわかに呼吸が楽になる。

酸素だ。酸素が部屋に充満し始めた。

「愛ちゃん!」一番に飛び起きて声を上げたのは田中れいなだった。
続いて新垣、道重が意識を取り戻し、まだ倒れたままの者たちに声をかけ全員の安否を確かめた。

((みんな、大丈夫?))

「大丈夫。全員無事だよ。愛ちゃん……」新垣が言い終わるのを待たずに、田中が割って入った。

「愛ちゃん!何処にいるの?無事なの?」

((……微妙なトコやね……))

「ビミョウ!?タカハシサン、怪我シテルノカ?」曇らせた表情を天井に向け、ジュンジュンが言った。

((怪我はしていない…………でも))


一同がホッと胸を撫で下ろすなか、独り険しい顔のままの久住小春が尋ねた。「……でも?」

久住に促された高橋が答える。 *1

「そこまでは分かってる」新垣が言った。

((……で、みんなの所へ戻ろうとしたんやけど……))

亀井を介抱しながら会話を聞いていた道重が、思わず声を上げた。「だけど、何ですか!?」

((……意識だけは、こうやって戻ってこれたんやけど……肉体が上手く結実しないんやよ……))

「ソレハ……ドウイウ事デスカ?」リンリンが心配そうに尋ねる。

((実は……これがどういう状態なのか、自分でもよう分からんのやよ……))

道重の膝を枕に身体を横たえていた亀井絵里が、何かに気付いた様な表情をして言った。

「小春!小春なら分かるんじゃない?」

霊能力者である久住になら、高橋の魂がどのような原理によって今の状態にあるか分かるはず。
そう考えた一同の視線が久住に集まった。

「……精神だけが浮遊して、帰るべき肉体が無いというのなら、高橋さんは死んだと言うことになる」

久住の率直な物言いに、光井愛佳が小さな悲鳴を上げ、他の者も息を呑んだ。

高橋は皆の精神が悲しみに震えだすのを感じ、慌てて言った。

((心配しないで。あーしは最強のテレポーターやよ。普通の魂とは出来が違うんやよ。現にこうしてみんなと話してる))

動揺にざわめき始めた一同の心が、にわかに穏やかさを取り戻す。
高橋は不用意に皆を動揺させてはいけないと思い今度は、久住にだけ聞こえるように尋ねた。

(((((小春。声に出さずに答えて。私はこれからどうなるの?))))

高橋の意図を察して、久住は心で答えた。《普通……浮遊霊は、時間と共に自我を失い霧散してしまう》

((((そう……なら、あまり時間が無いね……))))

《……うん。たぶん。現世への執着が解消されたら……ほどなく魂は成仏する》

((((現世への執着?))))

《つまり……私たちが上手くここから脱出できたら、きっと……》

(((ありがとう。小春。)))高橋は久住に礼を言うと、今度は全員の心に語りかけた。

((みんな!今からあーしの言う事をよく聞いて。絵里!あんた起きてるの!))高橋は、わざと亀井をからかうようにおどけて言った。

「起きてますよぉ」いつも通りの高橋の口ぶりに、亀井が思わず口を尖らせると、
それまで心配気に顔を強張らせていた他の者達の頬も緩んだ。


((いい?よく聞いて。これからみんなにテレポーテーションをしてもらう))

「えっ?私たちだけで?」「ありえへん……」「無理っちゃ」

((大丈夫。あーしがちゃんと、瞬間移動のレクチャーするから。絶対に飛べる!))

みんな、にわかには信じられずにお互いの顔を見合わせる。

(( いい?あーしの言う通りにして。……みんな目を閉じて、リゾナントを想像して ))

「……それだけ?」

(( そうやよ ))

「よ~し、集中して。ってコラッ~!」新垣が突っ込んで見せると、みんな声を出した笑った。

((ごめん、ごめん。もちろん、あーしがちゃんと後押しする。))
((でも、あーしも今、完璧な状態じゃないから、半分みんなに手伝ってほしいの))

「愛ちゃんが、遠隔から瞬間移動をサポートしてくれるのね」道重が合点のいった表情で言った。

((そやね、それをやり易くする為にみんなの協力が必要なの))

((みんな、リゾナントを想像して。自分のいつも座ってる席。コーヒーの香り。パンケーキの匂い))

高橋は皆の想像を促すように、ゆっくりとキーワードを置いていく。

((メープルシロップの甘さ。テーブルの傷。何でも良いの。思い浮かべて、リゾナントで過ごした時間を))

みんな、それぞれのリゾナントを思い浮かべる。

お気に入りのコーヒーカップ。ドアベルの音。

 窓の側の日の当たる席。手書きのメニュー。

みんなで笑いあった場所。 カウンターに立つ高橋愛。

そうしているうちに皆、リゾナントが恋しくなり、堪らなく帰りたくなった。
すると、みんなの周りに光の粒がぼんやりと漂い始める。

「愛ちゃん!愛ちゃんね、そこにいるのは」目を閉じたまま新垣里沙が言った。

みんなを取り囲む光の粒は温かく、まるで高橋が寄り添っている様なぬくもりがあった。

((  飛ぶよ  ))高橋の声が響く。

みんな、身体が一瞬、浮き上がったような感覚にとらわれて、ふわりとコーヒーの香りがした。

目を開けるとそこはもう喫茶リゾナントだった。

みんな互いの顔を見て、存在を確かめるように腕や背中を触りあった。
そうして漸く安堵の表情を見せると笑い合い、抱きしめ合った。

歓喜の声が上がる中、新垣が大きな声を出した。「愛ちゃん……愛ちゃんは?」

亀井がそれに続く「そうだ!小春!愛ちゃんはどうなったの?」

「おそらく……現世での未練が解消したから……」そこまで言って口をつぐむ久住。

「だから、何っ!」珍しく道重が声を荒げた。

「成仏した」

「……つまり死んだって……事?」震える手を口に当てて、亀井が聞いた。

小春が、黙って頷く。

亀井が泣きだした。ジュンジュンがリンリンが、道重が……れいなは大声を上げて。
光井は床に泣き崩れた。光井の肩に手を添えた新垣の肩もまた、揺れていた。

号泣する一同の傍らで、久住はじっと目を閉じて黙り込んでいた。

田中が久住に気付いて声を荒げる。

「小春!あんた、何んも感じないと?何ね?そん、つまらなげな顔して!」

無反応の久住。まるで田中の声が聞こえていないかのように佇んでいる。

不審に思った田中は、久住の側に行って肩を揺らした。「小春?」

その瞬間、久住の体がビクンッと弾けて、閉じていた瞳が開いた。
驚いた田中は一度、後ずさりし、再びゆっくりと近づくと、久住の目を覗き込んで言った。

「……愛ちゃん?」

その瞬間、リゾナントに穏やかな温もりが充満した。その温もりは、紛れも無く高橋愛のそれであった。

皆は顔を上げ、小春のもとへと走り寄った。「愛ちゃん!」「高橋さん!」「タカハシサン!」

久住(高橋)はみんなを抱き寄せて言った。

「みんな、無事? 全員、揃ってる?」

「うん、全員居るよ」新垣が涙声で答える。

「良かった」そう言うと久住(高橋)はもう一度、抱きしめる手に力を込めた。

「愛ちゃぁ~ん、戻っでぎでぇ~」涙と鼻水を滝のように流し、わななく手を前に突き出しながら田中が叫んだ。

すると全員、堰を切ったように泣きだし、嗚咽に交えて、高橋の名前を呼んだ。
久住(高橋)は、うつむく皆の頭を愛しげに撫ぜた。

「みんな……ありがとう……ガキさん……みんなを頼むね……」

そう言うと、リゾナントに充満していた“温もり”が霧散し始めた。

「愛ちゃん!行かないで!」皆が声を上げる。

次の瞬間、みんなの心を暖かい風が吹きぬけ、ほどなく久住に宿っていた高橋の気配は消えた。
久住は軽く手を合わせると、何事か短く念仏を唱えた。



その晩、リゾナントの灯りは消える事が無く、みんな夜通し泣き、語り合った。
泣きつかれたリゾナントの面々が、ようやく眠りに就いたのは空が白み始めてからだった。

昼過ぎ、キッチンから漂うコーヒーの香と食器を重ねる音に、一同は目を覚ます。
みんな“もしや”と思い慌てて階段を駆け下りてきた。
しかし、カウンターに立っていたのは高橋愛ではなく、新垣里沙であった。
落胆する一同を席に座らせ、コーヒーを出しながら新垣が言った。

「これからの事を、話したいの……リゾナントの事や、みんなの身の振り方について」

新垣がみんなに提案した内容は概ねこんな感じだった。

ガイノイドチームペッパーの件で知り合った阿久悠博士と戸倉博士から、
以前より超能力研究への協力を依頼されていたという事。
具体的には、アメリカ、イギリス、フランス、ロシアの各国にいる
超能力研究の世界的権威の下で、研究員として働いて貰いたいという申し出である。

暫く話し合った結果、新垣、亀井、道重、久住の四人は、この依頼を受け入れる事にした。
ジュンジュンとリンリンは帰国し刃千吏に戻るという選択をし、
光井は高校を卒業してから考えるという結論に至った。

そして、この話し合いの最中、みんなから離れた席でそっぽを向いていた田中れいなは、
新垣に結論を求められると「海外は好かん」のひと言で、この誘いを突っぱねた。
その態度を見た道重が「真剣に考えて!」と声を尖らせたが、
田中は「ここで待ってるけん」とだけ言い残して二階に駆け上がってしまった。

その後も、海外組が出発するまでの数ヶ月間、道重や新垣が何度か田中を誘いにリゾナントまで足を運んだが、
「れいなは東京に残って、リゾナントを守る」の一点張りで聞き入れることは無かった。

 それから一年後……(この動画をご覧下さい↓)