輝け!!リゾナンター


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「最近はリゾナントシティの活動は活発のようだ。だが油断するな。日々のパトロールを怠るな。頼んだぞリゾナンター諸君!」

「「「「「「「「ラジャー……」」」」」」」」

どことなく…というよりもあからさまに気乗りしない返事ではあったが、ともかく8人は敬礼の後、揃って基地を飛び出した。


「ねえねえ、何なのこの新しい制服ー。ダサくない?」
街に着くや否や、サブリーダーの里沙が不満顔を露わに不満をぶちまける。

「開発担当者は『思わず街に出て歩きたくなるような最新のデザイン』や言うてたで」
これのどこがだよという表情を隠そうともせず、リーダーの愛が肩をすくめる。

「こんな服じゃ恥ずかしくてお店にも行けないの!涼しいところでゆっくりしたいのに!」
「あはは~案外それが狙いだったりして」

リーダーとサブリーダーが率先して不満を口にしたことで、本部では口にできなかった不満が続々と噴出する。

「皆さんはまだええですよ!愛佳なんて髪型も指定ですよ?なんですかこれ。こんなん似合う人いますか?誰得ですか?」
その愛佳の切ない問いに答えられるものはおらず、不満はこの場にいない小春へと向かう。

「だいたい小春はなんでおらんと!」
「久住サンはテレビのお仕事デス。CM第2弾って言ってマシタ」
「ヒンヤリメヌーノアレカ!アノパンウマイゾ!ヨーグルト味ガイイ。タナカ、チョット買ッテコイ」
「はぁ!?なんでれいながジュンジュンのパシリせんといけんと?」
「CMヤッテルクセニ、クスミガジュンジュンニパンクレナイ。ケチダ」
「それとこれとは関係ないっちゃろが!」
ここのところ続く猛暑と相まって、メンバーのイライラは募る一方だった。

「あ、皆さん……悪いお知らせがあります」
そのとき、愛佳がうんざりしたような顔で口を挟んだ。

「あーもうこのクソ暑いのになんであんたらの顔見ないといけないのよ!」

めんどくさそうに愛佳が指差す先にあったのは、いつもの黒皮を脱ぎ去りいかにも「夏」な露出満点の格好をした粛清人Rの姿だった。

「それはこっちの台詞ですよ!なんでわざわざわたしたちのいるとこに来るんですか!」
「知らないわよ!っていうかお豆のくせにえらそうな口きいてんじゃないわよ!あんたいつからあたしにそんな口きけるようになったわけ?」
「あ、いや………さゆ!得意の毒舌で援護しなさいよ!」
「無理なの無理なの、あの人だけは苦手なの。顔見るだけで背筋が凍るの。この猛暑さえもたじろがせる勢いなの。ある意味エコなの。♪熱っちい地球を」
「♪冷ますんだ~……って何歌わせんのよ!」
「哀しいくらいにノリツッコミ下手やのー」
「あ、あんたにだけは言われたくないわよ!…おいそこ!そのイラつく半笑いをやめろ!」
あまりにも寒々しい空間の中、粛清人Rの体温と怒りのボルテージは上がっていく。

「だいたいあんたらのそのダサいカッコは何?そんな……」

ビヒュンッ―――

リゾナンターたちの新戦闘服を指差して舌戦の足がかりにしようとそう言いかけた瞬間、粛清人Rの目の前を一陣の風が吹き抜けた。
次いで、ハラハラと目の前を何かが落ちていく。

「ちょ、な、何してくれてんのよ!あたしの前髪ぃ!……カメ!」
粛清人Rが血走った目で睨みつけた先には、いつものだらけきった姿からは想像もつかないキリリとした表情の絵里の姿があった。

「あんた…こんなことしてただで済むと思ってんの?」
「風吹いて……」
「は?」
「風吹いて前髪乱れても……それでもまあいいよね?」
「い、いいわけあるかー!!まあいいよね?じゃないわ!っていうか乱れたんじゃなくてバッサリ切れてんでしょうよ!どうすんのよこれ!」
「でも石川さんに変わりはないですよ?」
「そんな理屈が通じるか!じゃあんたの体中の骨バッキバキに折ってやる!それでもあんたに変わりないでしょ?あぁん!?」
怖ろしいことを言いながら凄む粛清人Rの迫力に縮み上がるメンバー続出の中、絵里は平然と言い返した。

「無駄ですよ?石川さんじゃ絵里には勝てません」
「はあぁ?何言ってんのあんた?」
「淋しい夜につながる秘密の場所……それがどこかあなたに分かりますか?石川さん」
「何よ急に。そんなの知るわけないじゃん」
「絵里も分かりません。どこなんでしょうね」
「――ッッ!いい加減にしろ!あんたと話してるとイライラすんのよ!」
「ええ~、絵里は楽しいですよ?」
「ァッッッッッタマきた!!ほんとに全身の骨粉々にしてやる!!」
夜叉もかくやという形相の粛清人Rは、甲高い声とともに両手を突き出した。

「死ねやゴルァァァァッッッ!!!」
全国の粛清人Rファンにはお見せできない姿とともに、空間さえ捻じ曲げそうな勢いでチカラの波がその両手から放たれる。
怒りの波はあっという間に街を抉り、穿ち、薙ぎ倒した。

「ザマミロバーカ!……って…えええっ!?」
粛清人Rは目を疑った。

「何で無事なのよ!人としておかしいでしょ!?そこは『黒い羊』も真っ青の無残な惨殺体の描写がなされるべきでしょ!?」
平然と立っている絵里に対し、粛清人Rは理不尽にぶち切れる。
しかし、返ってきたのはなお理不尽な言葉だった。

「念動力が風に勝てるわけがありませんよ?」
「……は?」
「もー、ちゃんと聞いててくださいよ。念動力はー風には勝てないんですってば」
「それは聞いてたわよ!その意味が分かんないっての!何で勝てないのか理由を言いなさいよ!」
「理由?ありませんよ?」
「……は?」
「だからー、別に理由なんてないんですって。いいじゃないですか勝てないってことが分かってれば」
「いいわけあるかー!!そんなんじゃ誰も納得しないわよ!」
「じゃあ逆に聞きますけど!」
ぶちキレる粛清人Rに対し、絵里は突然逆ギレ気味にそう言いながら頬を膨らませた。

「ジャンケンってありますよね?知ってますか?グーチョキパーのやつ」
「な、何よいきなり。っていうか知ってるに決まってんじゃない」
「どうしてパーはグーより強いの?って聞いたら絵里のお父さん何て言ったと思います?」
「は?」
「グーは石だ。パーは紙だ。紙は石を包み込めるから勝ちなんだ。…お父さんそんなこと言い出すんですよ?」
「別にあんたのお父さんが言い出したことじゃないけど、だからそれがどうしたの」
「な、なんだそりゃー…ですよね」
「だからそれがどうしたのって言ってんのよ!!」
「え?それだけですよ?」
「……あんた何?ほんと何なの?バカなの?」
「絵里はアホです。かわいいアホです」
「ああ゛ーー!!イライラする!!」
「まーまー、生きてればいいことありますって」
「あたしなんで励まされてんの?なんでアホに人生説かれてんの?」
「ほら、歌にもあるじゃないですか。♪輝け胸があるからなんとか生きていけるんでしょ?」
「歌詞が違ってるだろ!おっぱいだけでなんとかやってけるみたいな言い方すんな!しかも何だよそのムカつく疑問形!…おいそこ数人!落ち込むな!」
「あはは、石川さんツッコミが忙しいですね」
「お前のせいだろ!」
「えへへ、反省反省」
「―――――」
コツンとかわいらしく自分の頭を小突くポーズを決めた絵里に、粛清人Rの怒りはついに頂点を越えた。

「あたしを本気で怒らせたらどうなるか……」
「みんな!今なの!喰らってくたばれ!必殺……!」
「……へ?」
高まりすぎた怒りのせいで逆に静かな口調になった……という演出に入りかけていた粛清人Rは、信じられない光景を目にした。

「ちょ、ちょ待って!何であんたらそんな自由なのよ!さゆ!あんたこんなことしてただで済むと…ちょっと…待って!待ってってば!」

「へぇぇるみぃぃぃぃぃ!!!!」
「あああぁぁぁっっっ!!!!」

ちゅどーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!


「厳しい……戦いだったの。でも極度にかわいいさゆはいつも最後には必ず勝つ運命なの」
石川さん怖いとかお前絶対嘘だろという視線などおかまいなしに、さゆみは不敵にうなずくのだった。

こうして今回もさゆみのいいとこどりにより、戦いは終わったのであった。
そして、青空を守るため、リゾナンターたちは今日も胸の高鳴る方へゆくのであった。




闘え!リゾナンター
往け!!リゾナンター