■ バスタアブレイド -鞘師里保・石田亜佑美X石川梨華- ■


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■ バスタアブレイド -鞘師里保・石田亜佑美X石川梨華- ■

『カムオン!リオン!』

再び現れる。
空気が渦巻き、見えざる獅子が、聞こえぬ咆哮を。
だが、鞘師には『観える』。

『リオン!ライディングモード!』

獅子の背に並ぶ鋭利な鬣が前後に分かれ、フラットな背が形成される。
【空間跳躍】、石田がその背に。

この日のために、そう、『あり得る可能性』、この日のために準備をしてきた。

見えざる【獣】を、『観る』ために。
見えざる【獣】を、『駆る』ために。

「鞘師さん!」
「うん!」

鞘師里保は、迷うことなく飛翔する。
巨大な水の太刀担ぎ、石田の後ろ、何もない、その空間へ。

両膝で、石田の背を挟みこむ。
ただそれだけを支えに、何もないその空間、その『気配』の上へと佇立する。

「行こう!亜佑美ちゃん!」
「はいっ!」


大太刀は、歩兵の武器である。
腕力では振るえぬその太刀は、脚によって、移動によって、振るわれる。
その身を晒し、その身を切らせる、だが、寸前でかわす、ながす、切らせない。
回避が、そのまま攻撃となる。
刀も、剣も、盾も、槍も、あらゆる得物を、人馬を、薙ぎ払う。

だが、それ以上に

『GO!』

かの太刀は

「おおおおおおおっ!」

馬上において、騎乗時において、絶大なる―――

もはや、そこに会話は無い。
石田は、ただ、突撃する。
左右から襲い来る触手を、『左右には』、かわさない。
ぶつかっても構わない。
だが、その突撃は、必要最小限、斜め前へ、斜め前へ、ゆるやかな弧を描いていく。
触手は触れない。
石田にも獅子にも寸毫とも、触れられない。


すべてが、断ち斬られる。
斬り、斬り、斬り伏せられる。
裂かれ、割られ、打ち倒される。

逆らわない。
鞘師の振るう、その太刀に。
石田と獅子、斬撃の度にかかる、その慣性に、逆らわない。
乗る、乗る、どんどん乗る。

鞘師の生む、その『計算されつくした慣性』に、すべてをゆだねる。
ただ、前へ!前へ!前へ!

「くっ!…くっそ!くっそ…」
石川梨華は、狼狽する。
怯えている。
恐怖を知らぬ、己が【獣】が、聞こえぬ悲鳴を上げている。

違う。
さっきまでとは、違う。
迫りくるその獅子は『違う』!

もう、逃げられない。
もう、遮れない。
獅子は!太刀は!もう!眼前に!

「くっそがああああああああ!!!」



                               【index】





投稿日:2015/03/15(日) 00:10:13.34 0