■ グレイトブレイド -石田亜佑美X石川梨華- ■


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■ グレイトブレイド -石田亜佑美X石川梨華- ■

一斉掃射。
その無数の弾丸が、止まる。
虚空に、停止する。
被弾はしている。
いくつかの触手、その先端を、吹き飛ばしは、した。
だが、それでも、届かない。
それは、あまりにも、質量が、違いすぎた。

「うっさ…。音ばっかでかいけどさぁ…で、何が変わるわけ?」

案山子の打ち出す真円の弾丸、最終的に、その全てが阻まれた。

「もう、アナタもわかってるわよね?
そんなちっぽけな火力じゃ、せいぜい触手の先端を吹っ飛ばすことしかできない。」

根元に行くほど太くなる。
直径にしておよそ1m、巨木を思わせるその触手。
その巨塊に、阻まれる。


だが、石田の自信は、揺るがない。

「でしょうね。でも、石川さんの触手も素早く動かせるのは先端だけ。
その太い根元は動かせない、ちがいますか?」

ぴくり、石川が眉をしかめる。

「これは我慢比べなんでしょ?
スカークロウの弾が尽きるのが先か、石川さんの触手の再生が追い付かなくなるのが先か、
やってみましょうよ」

ざん、ふたたび仁王立ち、ドヤ顔。

「くくくく…」

石川が、嗤う。

「ばっかねぇアンタ…ねえ?アンタ、アタシがアンタごときにそんな時間使うと思うの?」

圧力、異様な圧力が石川の周囲に充満する。

「我慢比べぇ?やーめ!そんなのやめやめ!」

触手が石川の周囲に引き寄せられる。
殺意、質量をもった殺意が凝縮する。

「根本は動かないぃ?アンタさ、アタシがどうやってアンタらを追いかけてきたか、もう忘れたの?」

ドォオオオオン!


地響きとともに跳躍する、殺意の巨塊。

「まどろっこしいこたオシマイ!直接押し潰してやるよぉ!」

襲い来る、その巨塊に。

『ファイヤ!』

無数の銃口が火を噴く。
だが無駄だ。その巨塊は止まらない。
その火力では、阻めない。

一瞬で潰れ、のみこまれ、引きちぎられる、哀れな案山子。
触手が伸びる。
案山子の後ろ、もはや守る者のない、か弱く孤独な少女へと。


いやまだだ、少女にはまだ【空間跳躍】がある。
まだ逃げ切れる、そのはずだ。
さあ、はやく逃げろ。
いますぐ【跳】べ!

【跳】べ!



 いやだね!



少女は逃げない。
仁王立ち。
ドヤ顔は、崩れない。

獅子、鎧、案山子、全て阻まれた。
もはや、逃げ回るしか手は残されていない。
それでも、逃げない。
少女の自信は、揺るがない。
勝利への確信は、揺るぐはずがない。

なぜなら、少女は。
石田亜佑美は、一人ではない!

バツン!

破裂音。
広げた濡れタオルをしならせて空気を叩いた時のような。
その音が何倍もの音量で、周囲に鳴り響く。


内圧のかかった肉塊が、一気に切断されるときの音。
だがその音を耳にすることができたのは、『その場の3人のうちの2人』だけ。

「おそくなってごめん!亜佑美ちゃん!ウチも、やっと『捉えた』よ。」

直径にして1m、巨木を思わせるその触手、その根元から。

「なっ!なにさこれぇ!」

一刀両断

突然、上空から飛来したそれは、
きらきらと輝く水の太刀。
だが、それは『かたな』と呼んでもいいものなのか?

巨塊を両断した水の刃と、それを駆る小さな少女は、その勢いのままに地面に激突する。
衝撃音はない。
受け身。
音もなく地を転がる。
常人ならざるその技量。
立ち上がったその少女は、鞘師里保、そして…

ズシャン

その落下音の響き。
小柄な鞘師の肩に担がれた、その水の太刀、その切っ先は、はるか後方の地面にめり込んでいた。
人の腕ほどの身幅、人の指ほどの厚み…その刃渡り、ゆうに2mを超える。
巨大で長大な『水の化け物』。

そう、これは『太刀』なのだ。


かの時代の大太刀、人の身に余る長さ、人の身に余る重さ。
だが、もし振るうこと叶うなら、それはあらゆる【獣】を両断できよう。

今、まさに、『そうした』ように!

「石川さん、亜佑美ちゃんが、すべてを引き出してくれた。
ウチが、あなたの【獣】を『捉える』ために。
見えなくても、聞こえなくても、その、殺意は『観える』。
あなたの【獣】が、あなたの殺意が、ウチにはもう、はっきりと『観える』。」

「ぐぅ…くっ!」

「もう、あなたに、勝ち目は、無い。」



                               【index】






投稿日:2015/03/14(土) 20:01:07.74 0