■ マインドタグ -新垣里沙- ■


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■ マインドタグ -新垣里沙- ■

「付箋と言ったらいいのか、タグと言ったらいいのか…あれっ?どっちも同じですね」

そう言って”亀井の姿をしたもの”は、んふふ、と笑った。

「新垣さんの【精神干渉】になぞらえて説明するなら、
私の【能力】は、ごくごく単純な暗示―――弱くて小さな精神干渉―――を、
付箋のように精神に貼りつける…
一言でいえば、それが、私の能力のタネということになります。」

「…『付箋』ね…」

少女は説明を続ける。

「実際の付箋同様、剥がすのは、いたって簡単ですし、
貼りつけた対象を壊したり汚したりもしません。
ですので、亀井さんは心配無用です。
こちらの用が済めば、すべて自動的に剥がれるようになっていますから。」

「…自動?」

”すべて”、”自動的に”という言葉に、ひっかかりを感じる新垣。
その表情に”亀井の姿をしたもの”が回答する。

「お気づきになりましたか?そうです。
私の【能力】によって貼り付けられた個々の付箋には、
対象に与える暗示とは別に、『付箋それ自体』にも、
いくつかの単純な命令を与えておくことができる。
それらの付箋を組み合わせ、互いに関連させ、階層化し…
全体として、一個の構造物を作り上げる。」


これは…そう、これはまるで…

「なるほどねー、アンタが『何』か、ようやっと納得できた感じだよ。」

『今この場には居ない』、そう少女は言った。
『何』と尋ね、『そうゆうとこ』でわかる、そう新垣は言った。

「そうです。
新垣さんとお話している私は、ロボット?アバター?
なんといいますか、想定問答集みたいなものです。
基本的には亀井さん自身をエンジンに…
新垣さんが疑問に思うだろうことをあらかじめ想定し、
それらにこたえられるよう構築された疑似人格、まあそんなところですね。」

…プログラム。

新垣は、”亀井の顔をした”ほほを、自らゆびでつつく少女を見つめる。

弱くて?小さな?とんでもないよ、これは。

驚愕、同系統の能力者だからこそわかる、驚愕。

今の話が全部本当だとしたら…、その【能力】で『ここ』を作ったんだとしたら…
…どんだけの数の『付箋』を使ったのよ?それ、全部把握して…
どんな頭してたら、これだけのもの組み上げられんのよ。

【能力】ではない。
まだ見ぬ、この少女の真なる恐ろしさは、その【能力】ではない。

あんた…『天才』、なんじゃないの?


「私の【能力】についての概略は、以上です。さて、」

ティーカップ、湯気がくゆる。

「それを踏まえての、本題に入ります。」

少女の口から、言葉が発せられる。
その一言は、新垣をして、さらなる驚愕足らしめるに…



……さんが、目を、覚ましますよ



                               【index】





投稿日:2015/01/21(水) 18:30:03.60 0