『パンケーキ異聞』


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「痛ったい!痛ったぁああい!
血が!血が出てる!まりあ絶対血が出てるううう!」

脚を刺された真莉愛がピーピーと泣き喚く。

「そりゃ出るでしょ。刺されたんだから。」

何とも冷静な朱音。

「すぐ治せばいいよ。痛いの飛んでけだよ。」

言いながら自身の治癒能力を発動させる。

「真莉愛ちゃんの怪我は、たいしたことなさそうです。」

後ろに一瞥することなく美希がつぶやく。
その隣の少女に向かって。

「ひゃー。あぶなあぶな。
あれやな、連中殺す気やな、うちら。
やばー!ピンチやー!」


はんなりとした関西訛り。
春水が胸をおさえ、芝居がかって後ろにのけ反る。

「ですね。もう後ろに抜かれるわけにはいきません。」
「や、ちゃうねん。さっきな、もうひとりおってな、そんでな」
「春水ちゃんのせいだって言ってないです。」
「そ、そうやねん。」
「数が多すぎますからね」
「そうそう、そうやねんて」
「でも、このままだと全滅です」
「そうそう…それは困るなぁ」

「全滅はしない。」

真莉愛の治療を終え、朱音が立ち上がる。

「はいおしまい。治った。」

そして、まだ足元で
ばたばたと痛がっている真莉愛に、
冷たく言い放つ。

「真莉愛ちゃん立って。もっかい『あれ』やって。」

その一言で
ばたついていた真莉愛が
ぴたっと止まる。

「ィェア。さっきのやつですね。」
「そやで、うちらが勝てるかどうかは…」


真莉愛が立ち上がる。
先ほどまでの彼女とは、まるで…

「まりあにかかってる」

10…20…いやもっとだ。
無数の敵が包囲の輪を狭める。
第二陣が来る。

「なんでこんなんなってもうたかようわからんけど、まあ」
「ええ、彼女がいてくれてラッキーでした」
「そう、あの子が”勝て”と命令すれば…」

真莉愛が前方を指差す。



3人の背中を『あの感覚』が突き抜ける。


 いまみせろ
 お前の底力を


「これこれ!これ!来たで!来たで!」
「アイムシュア!パゥワーが漲ります!」

真莉愛の能力。
彼女の祝福を受けたものは、すべからく”勝利”する。
”勝利”以外を許さない。

「ほな野中ちゃん行くで!」
「オフコース!ヒゥイーゴー!」


 突き進め
 勝利を掴み取れ





投稿日:2014/12/26(金) 23:22:06.07 0