■ ミッシングメモリー -道重さゆみ- ■


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■ ミッシングメモリー -道重さゆみ- ■

ガキさん達に繋がらない。

嫌な予感が、大きくなる。

どうしよう…、どうしよう。

よりによって、こんなときに、ねえ絵里、どうしよう。

リゾナントへと戻る道重さゆみの足が早まる。


「『亀井絵里』です『か・め・い・え・り』、そんなはずないでしょ!」

はっとする、思わず声が大きくなった、だがそんなことをしても意味などなかった。
無駄、無駄だった。

「いいえ、『亀井絵里』さんという方が、入院している記録はありません」

だれも、亀井絵里を覚えていなかった、どこにも記録は残っていなかった。
看護婦さんも、担当の先生も、誰一人、誰一人、覚えていない。
「道重さゆみ」のことは、みな覚えている、それなのに。


不自然だ。

そもそも、この病院の関係者にとって、
道重さゆみは「うちの患者の亀井絵里さんに面会に来る道重さゆみさん」だったはずだ。
それが「うちの患者に面会に来る道重さゆみさん」になっていた。
その患者が誰か、を、誰も覚えていない。
興味すら、示さない。

無かったことになっている。
存在しない。
最初から、いない。

拉致?能力者?組織?

思考が千々に乱れ、不安だけが心を支配していく。

立ち止まる。

だめだ、しっかりしてさゆみ、考えて!考えるの!

かけ続けていた携帯を切る。
はやる心を抑える。
暫く考える。
考える。

そして、再び携帯を。
踵を、返す。

「ふくちゃん、お願いがあるの、今すぐ来て!」



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投稿日:2014/11/10(月) 01:52:41.23 0