(42)358 名無しじゃないやい(魔女生誕記念)


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

「あたしを相手にして、無事でいられると思ってるの?」

低い声が辺りにいる者達の鼓膜を震わせる。
大気が震える。
りぃ、りぃと鳴る音と共に天から降り注ぐのは、白い六花。

黒いドレスが風にたなびく。
鋭く光った瞳は、どんな宝石よりも鮮やかな光を放つ。


「あたしはミティ。
氷の魔女、永遠を求める存在。
あたしの願いを阻む物は、全てこの手で消してあげる」


終幕が始まる。
魔女の体が踊る度、氷塊が取り囲む者達の体に紅い筋を生み出していく。
絶叫が木霊する中で、魔女は優雅にワルツを踊る。

苦痛に呻く声は、魔女のダンスを彩る効果音にすぎない。
“能力-チカラ-”を操り、その場にいる者全ての生に終止符を打つ残虐非道な魔女。

寒気がするほど、その姿は美しい。
そう思う頃にはもう、生を手放すことしか出来ない。

「…馬鹿だねぇ、あたしをどうこうしようなんてあんた達じゃ100年早いよ。
もっとも100年経ってもあたしに勝てるなんて“幻想”は現実になりゃしないだろうけどね」


彼女がその場から立ち去った後には。

―――白い雪片がちらちらと、積み重なった屍の山へと降り注いでいた。