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魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」4-5


728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 19:27:43.12 ID:Xzdt3noP
――貴族子弟からの手紙、氷雪の女王宛

 我が敬愛する氷雪の女王へ。

  過日国元を出ましてからずいぶんな時が流れました。
 大陸中央部はまだ秋の気配を残しておりますが
 道を行き交う馬車の量は少なく、人々の表情は冴えません。
 麦を初めとして物資の値段が高騰しているようです。

  こちらに来てから多くの領主や貴族、王族の方に
 ご挨拶しましたが、顔色は三色。
 戦の喜びに輝いているか、
 決断の苦渋にしかめられているか
 この冬の民を思って憂いておられるか
 そのどれかのようです。

  とはいえ、流石中央。
 社交界は洗練されていますし、
 流行のドレスは襟ぐりが深く悩殺されてしまいますね。
 こちらに来てからリュートなども手すさびに始めまして、
 楽しく過ごさせて頂いています。
 まったく、国のお金で遊んでいるようで気が咎めるのですが
 女王におかれましては、いかがお過ごしですか?

  最新のドレスを一着、長手袋を2揃い送らせて頂きます。
 すみれ色は女王にお似合いになるかと思います。

  追伸.出来ましたら路銀の追加をお願いします。

  追伸の追伸.そういえば、湖の国の女王が関税60%は
 きついって云ってました。秘密同盟とかすればよい
 ですよ、と云っておきました。他にも6領主が今年の
 飢饉を乗り切るのが辛いとのこと。氷の国に甘えれば?
 などと適当な事を喋っておきました。そういえば湖の国
 から木炭と毛皮を送ったそうです。着きました?
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/09/12(土) 21:09:42.28 ID:Xzdt3noP
――冬の王宮、広間、対策本部

冬寂王「では、堅守を意識した布陣で」

女騎士「と、なれば騎兵戦力よりも、歩兵を。
 特に槍兵を重視したいな。多少の工兵も必要だろう」

将官「防寒具も必要でございますね」
女騎士「揃うか?」

将官「それについては極光島の時に、
 たっぷり中央に作ってもらいましたからね」

女騎士「すぐ手配してくれ」

勇者「わるいな。お守りのあとにはすぐに将軍で」

女騎士「いや、いいさ。
 あの姉妹は無事に鉄の国に向かったよ。
 いまこの状況では、戦場に近い冬の国よりも、
 鉄の国にいた方が遙かに安全だろう?」

執事「……ふむ。暇を見つけて様子を見に行きましょう」
将官「おっぱい見たいだけですか?」

執事「にょにょにょっ。失敬な!」

冬寂王「これで、出来うる限りではある」
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 21:11:04.12 ID:Xzdt3noP
女騎士「わたしに任せろ、勇者。なるだけ誰も傷つけないさ」

勇者「でも、お前の愛剣って物騒だからなぁ」

女騎士「何を言うんだ。愛剣も愛馬も凶暴なくらいが丁度良いんだ」

勇者「無茶はするなよ?」

女騎士「もちろんだ! 必要とあれば1人も
 怪我させることなくことごとく首をはねてみせるっ!」

執事「……」

冬寂王「将官。おまえも物資をとりまとめ次第、
 後詰めとして補給持って合流、姫騎士将軍どのをお助けせよ」

将官「はぁ」

女騎士「中央の征伐軍か。総数はおそらく2万に迫るだろうな」
執事「聖鍵遠征軍以外で、ここまでの規模は類例がありませぬな」

冬寂王「こちらは、4500が良いところだろう」

勇者「……」

冬寂王「そんなに顔をしかめるな。
 いずれにせよ、軍の指揮は勇者よりも将軍の方が
 向いているだろう?」

女騎士「任せておけ! 腕が鳴る」
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 21:13:33.11 ID:Xzdt3noP
タッタッタッタ! ガチャン!

伝令「伝令、伝令であります!!」
執事「何事だっ」

冬寂王「申すが良い」
伝令「南氷海より伝令っ! ま、ま、魔族です!」

勇者「っ!」  女騎士「!!」  執事「!!」

冬寂王「数はっ!?」

伝令「不明です。現在集合中。遠隔目視では最低1500!」

勇者「こんなタイミングでっ」

女騎士「魔族の侵攻……。魔王……」

勇者「こんな時にな。はぁぁぁ~。
 ああ、俺が行く……。
 あいつ、なにやってやがる。何かあったのかよっ」だんっ!

執事「勇者殿……」

冬寂王「勇者であれば……。相手が万の軍勢でも
 平気なのかもしれぬが……。
 すまぬ、これ以上の軍は割けぬのだ」

勇者「冬寂王」

冬寂王「ん?」

勇者「魔族ともやり合いたくないって云ったら呆れるか?」
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 21:14:53.04 ID:Xzdt3noP
冬寂王「……」
将官「そ、それは……」

冬寂王「どんなことをしてでも、二正面作戦は避けるべきだろう」

勇者「……」
執事「若……」

冬寂王「いまはそれしか云えないな」

勇者「そっか。ありがとう。って云うべきなんだろな」

女騎士「勇者、そ、その……。大丈夫なのか?」

勇者「余裕だぜ」

 しゅわんっ!

女騎士「……」
執事「どういう事なのでしょう?」

冬寂王「……」

ガチャンッ!

伝令「伝令っ、伝令でありますっ!!」

冬寂王「何事だ! 魔族についてはすでに第一報がきているっ」

伝令「違います。早馬よりっ!
 鉄の国に白夜王が軍2000が強襲っ! 一昨日の日付ですっ」
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 21:34:07.96 ID:Xzdt3noP
――冬の国、王宮、予算編成室

 ダッダッダッダ! ダタン! ダッダ!

青年商人「なかなかに活気がありますね」
商人子弟「殺気立っているんです。騒がしくて済みません」
火竜公女「……」

青年商人「いえいえ、この状況ですから、お察ししますよ。
 このようにお手紙を差し上げることもなく、
 突然押しかけて申し訳ありません」

商人子弟「いえ、お待ちしていたところです」

青年商人「ほう」

商人子弟「確認させて頂きますが……」
青年商人「はい」

商人子弟「このテーブルでゲームをされていたのはあなたですね?」
青年商人「なぜそう思うのです?」

商人子弟「でなければ、いま、ここに訪れる意味がない」

青年商人「わたしは操り人形で、
 本当のプレイヤーは背後に控えているかもしれない」

商人子弟「遠隔操縦で交渉を?
 それは時間が余っている時の手法でしょう。
 こういった場合、交渉者に裁量権を与えない限り機能はしません。
 そして、もしあなたが人形だとしてもこの場の裁量権を預かって、
 ある程度自分の判断で交渉の可否を決定できるのならば、
 それは傀儡ではなくプレイヤーの1人と認識します」
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 21:35:00.73 ID:Xzdt3noP
青年商人「ふふふっ」
商人子弟「もし僕なら自分で出向きます。物見高いですから」

青年商人「よく判ります。荷物に関税をかけたのはあなたですね?」
商人子弟「そうです」
従僕「はぅー」

商人子弟「ああ。お茶を頼むよ」
従僕「はいっ!」たたたっ

青年商人「可愛らしい少年ですね」
商人子弟「見習い、のようなものです」

青年商人「では、交渉とまいりましょうか」
商人子弟「……」ごくり

青年商人「今日の交渉は多岐にわたります。 要点をかいつまんでお話ししましょう。
 第一点。三カ国同盟領内の通行権、この勅書を頂きたい。
 現在の関税ですと、品物が出て行く時に貨物に応じた
 額となりますね。これを『同盟』に限っては
 特例を設けて頂きたい」

商人子弟「特例、とは?」

青年商人「それは三カ国通商内部で商いを行わない場合です。
 持ってきた荷物を、ただ単純に通過させたい場合。
 これならば通商圏内の経済には影響を与えないでしょう?」

商人子弟「それは……そうですね」
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 21:35:53.82 ID:Xzdt3noP
青年商人「第二に極光島の租借交渉です」
商人子弟「は?」

青年商人「極光島は地理的に云って冬の国の領内にありますね。
 これを貴族領、もしくは荘園に準じたような形態で租借したい。
 『同盟』が借り上げるのでもかまいませんが
 これについては第三者がおります。
 この交渉は代理交渉であると理解して頂いてかまいません」

商人子弟「はぁ……。どこの誰です? あんな場所を」

青年商人「第三。『同盟』内部には銀行組織があります。
 ご存じですか?」

商人子弟「知っていますよ。その銀行による
 資金の流動化と集中が『同盟』の大きな武器の1つですよね」

青年商人「その銀行組織を含む、『同盟』の商館を
 通商同盟三カ国の首都にそれぞれ構えたい。
 この許可を頂きたい」

商人子弟「それは比較的有り難く、わかりやすい話です」

青年商人「第四に、わが『同盟』は三カ国通商同盟の備蓄する
 全ての馬鈴薯を引き取る用意があります」

商人子弟「……は?」

青年商人「以上が本日の案件です。特記事項として、お察しか
 とは思いますが、現在『同盟』には金貨が殆どありません。
 これらの交渉は金貨を用いないやり方でお願いしたい」
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 21:38:16.40 ID:Xzdt3noP
商人子弟「……」

ぱたんっ!

従僕「お茶をお持ちしましたぁ!」

商人子弟「ああ、お配りしてくれ」
従僕「はいっ!」

商人子弟「……」こくっ
青年商人「これは暖まりますね。ジャムを入れるのですか」
商人子弟「ええ、雪国ですからね」

火竜公女「ありがとう、坊」
従僕「えへへへ~」

商人子弟(あんなフードをかぶってるからどんな面相かと
 思えば、ずいぶんな美人じゃないか)

従僕「あっ。お菓子も持ってきます!」 ぱたぱたっ

青年商人「落ち着く執務室ですね」
火竜公女「ええ、本当に」

商人子弟(どういう事だ……。考えろ。
 一連の交渉に、どんな意図がある?)
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 21:47:15.94 ID:Xzdt3noP
商人子弟(まず、第一に銀行つきの商会、だ。
 あんな言い方をする以上、銀行機能を解放……
 少なくとも、ギルドか国には解放すると云うことなのだろが。
 それにどんな意味がある? そりゃ、いま人が増えている
 我が国にとっては渡りに船の話だが……。
 しかし、そんなことが公になったならば、
 そりゃぁおおっぴらにではないだろうが、
 中央や教会での『同盟』の立場が悪化するんじゃないのか?)

商人子弟(いや、そうか)

商人子弟(これは、順番が重要なんだ。つまり、三番目に
 話した商会の話は、1,2を通した後のご褒美、と云った
 ところか……)

商人子弟(と、なると順番に考えないとな。
 1は通行権の勅書か。これは容易いな。
 そもそもあの関税は国内の物資流出を防ぐためのもの。
 ただ通り抜けるなら、この商人の云うとおり、
 我が国にはほとんど影響がない。
 ……が。
 何だろう、この違和感は)

商人子弟(次は2についてか。
 相手が判らないと何とも云えない不気味さはあるが。
 付近の漁業や海運に問題を生じないのならば検討の余地はあるな。
 だが、誰が? 何のために?
 あの島で何を行うつもりだ? 塩か?
 島の租借をしてまでそんなことをする意味はどこにある?)
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 21:48:21.18 ID:Xzdt3noP
商人子弟(3は良いとして、4か。
 4についても順番としてはご褒美なんだろうが、意味が不明だ。
 そもそもこの商人は三ヶ国がどれほどの
 馬鈴薯を保有しているか把握しているのか?
 なまじっかな相手に売りさばけるような分量ではないんだぞ。
 小国とは言え国家備蓄だ。
 そもそも馬鈴薯が食料として通用する国はそこまで多くない。
 通商同盟三ヶ国、それに湖畔修道会の元本拠地だった
 湖の国やその隣国、梢の国。
 その辺までは、多少広まったはずだが、現在の異端作物指定で
 どこまで買ってもらえるものか……。
 だいたいその二ヶ国でさばける量じゃないはずだ。
 いったい誰に食べさせようと云うんだ)

商人子弟(意味……誰……何処……。
 どこ……?
 そうだ。1についても同様だ。
 我が領内を通り抜けて何処に行くと言うんだ?
 白夜の国だろうが、他の国だろうが、我が領内を
 通らなくてもいけるじゃないか。
 我が国を通り抜けることで圧倒的に輸送コストが
 安くつくような航路があるのか?
 いや、新発見されたのでもなければそんな航路は存在しない。
 氷の国か鉄の国で商売を? 意味がない。
 その関税は通商同盟の内部では効力を持たない設定だ。
 “三ヶ国から外に出る”が発生条件なのだから)
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 21:50:41.54 ID:Xzdt3noP
商人子弟(金貨がない、ということは今回の買い占めで

 金貨を吐き出したと云うことなのだろうな。
 無理もない。これだけの規模だ。
 中央の物価上昇はすさまじい状況だろう。
 国民は塗炭の苦しみだろうな。
 ……一部の領主は財政出動、社会保障や公共工事によって、
 民間に貨幣を回そうと頑張ったようだが、
 大陸全土の貨幣、通商が繋がっている状態では焼け石に水だ。
 どんなに貨幣をばらまいても、他国にも流れている限り、
 自分の領地のインフレは、薄まらない。
 大ダライの氷水を、スプーンの湯で暖めようとするものだ)

商人子弟(先生の話ではこの種の財政出動、財政政策は
 状況によっては有効と云うことだがな。今回ばかりは
 状況が酷すぎる。全領主が同時にするのでもない限りは。
 ……財政政策。
 銀行……? 金融?
 金融……政策? 金融政策が無効なのは固定相場を採用?
 先生の言葉によれ貨幣が一種しかないこの大陸は
 完全固定相場を敷いてるわけだ。だからこそ財政出動が有効で)

商人子弟(あ、あ、あっ……)

商人子弟「あなたはっ。小麦を物資だとは見ていないっ。
 現在、疑似通貨としてみているっ」

青年商人「ええ」にこっ
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 21:52:08.75 ID:Xzdt3noP
商人子弟「そしてその小麦を、
 三ヶ国通商同盟に投資するおつもりかっ!?」

青年商人「ご名答です」

商人子弟「そ、そ、その心は……」
青年商人「心は?」

商人子弟「――二大通貨体制」 ぞくっ

青年商人「はい、そうです」にこっ
商人子弟「本気なのかっ!?」

青年商人「中央の成長能力は弱まっている。で、あれば
 新興市場で成長が期待できる地域に投資するのは
 もっともな判断かと思いますが?」

商人子弟「我が国はその中央と戦争中なんだぞ!?」

青年商人「戦場で稼ぎたければ、火の粉が飛んでくる距離が良い。
 ……我が師の言葉です。命をはるのは兵士ばかりではない」

商人子弟「それだけの成長保証が何処にあるんですかっ!?」
青年商人「1と2の中に」

商人子弟「……」
従僕「う-?」おろおろ

商人子弟「……っ!」
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 21:55:11.16 ID:Xzdt3noP
青年商人「そうです」

商人子弟「そ、そのようなことが出来ると思っているんですか?
 わたしたちは、やっとの思いであの島を取り戻したんですよっ」

青年商人「勝ったから出来るのです」

商人子弟「どうしてそんなことを思いつきます。
 なぜそのようなことを実行しようとするんですっ!?
 あ、あなたは。我が国の領海を抜けて……。

  魔族との通商を開始するおつもりだっ!」

青年商人「はい」

商人子弟「なぜ……。そんな……」

青年商人「わたしが商人だからです」
商人子弟「しょう……にん?」

青年商人「商人だから、魔族と取引できるのです。
 この世界は敵と味方だけですか? 白と黒だけですか?
 そうであれば……勇者は何を苦労しているのですか?
 あの方は何を夢見ているというのですか?」

商人子弟「……っ」

青年商人「誰もが異なる正義を持っているのです。
 我らは誰しもが、そうなのです。
 正義ではわかり合えない我らは、誰しもが
 “もうちょっと幸せになりたい”とささやかな願いを抱いている。
 ならばその一点で妥協し取引するのは、
 我らが役目でしょう。ちがいますか?」
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 21:57:46.76 ID:Xzdt3noP
パサッ

火竜公女「妾からも伏してお願い申し上げる」

商人子弟「あ、そ……その……角」

青年商人「彼女は火竜公女。
 現在魔界にて唯一、人間と魔族が共存する街、開門都市。
 その自治政府の代表者です」

火竜公女「我らには塩が必要なのだ。
 ……あの島を、貸して欲しい。
 謝罪もしよう。代価も払おう。
 我らは、あの島において敗者であった。
 どうかどうかお願いする」

商人子弟「あ、あっ」がたがたっ

火竜公女「衛兵を呼ぶまでもない。
 望むならこのまま虜囚にもなろう。
 ただ、どうかこの件だけでも検討して頂けまいか?」

従僕「それ、つの?」

火竜公女「そうじゃ。坊。妾の自慢の薔薇水晶の角だ」

従僕「あの……」どきどき
火竜公女「?」

従僕「触って、良いですか?」
火竜公女「もちろんだ」にこっ
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 22:18:34.28 ID:Xzdt3noP
――南極海、ゲート周辺

しゅわんっ!

勇者「この辺か? ――“飛行呪”っ」

勇者「っと、こいつは目立つんだよなぁ。
 特にこんな氷原だと。……あっちか?」

(戦争を終わらせるのが軍だとすれば
 終わる着地点を模索するのが王の役目だ)

勇者「わりぃな。魔王。……魔王はさ、魔の王だけど
 俺は王じゃなくて勇者だから。やっぱり着地点なんか
 探せなかったよ。何でこうなっちまうのかなぁ」

(どうだ? 私の物にならないか?
 私はあんまり我が儘は言わないぞ)

勇者「嘘つけ、お前会ってからこっち、
 ずっと我が儘ばっかりじゃないか。
 あれをする、これをする。
 あっちに行きたい、何処へ連れてけ。
 今度はあれやそれを作る。――そんなんばっかりで。
 そのくせ、おれが魔界へ行く時もちっとも反対なんかしなくて。
 我が儘言わなきゃいけないタイミングで
 1回も我が儘言わなかったじゃないか」
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 22:19:46.03 ID:Xzdt3noP
(『丘の向こう側』に一緒に行ってくれればそれだけで満足だ)

勇者「そんなのな」

勇者「そんなの俺だって絶対見てみてぇよ」

勇者「魔王と、俺と、女騎士と、爺と、王様と、
 メイド姉妹にメイド長に女魔法使いに開門都市のみんな、
 南部の国のみんな、冬越し村のみんなに、
 実を言えば中央の連中にだって見せてやりたいよ。
 魔族にだって見せたいよっ」

勇者「……だって」

勇者「だって、おれ。
 壊したり殺したりするばっかりで
 何にも作ってないじゃんね」

 ヒュバァァァァァ!!

勇者「他人に見せられるような作品なんて
 一個も作ってないじゃんね」

勇者「だからさ」

 ヒュバァァァァァ!!

勇者「だからもう、やめろよっ。
 俺には微塵も云えた義理はないけどっ。
 壊したり殺したり、それで何かが達成出来り
 偉いと思ったりするのさっ!!」
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 22:20:49.56 ID:Xzdt3noP
 ヒュバァァァァァ!!

勇者「あれかっ。蒼い肌……。蒼魔族の大型種。
 長距離侵攻用の装備か、糧食もあるな。撤退させるとすれば
 アレを狙うか……」

「おうけい」

勇者「……?」

「……数に入ってた」

勇者「は?」

「……数にはいってたのは、すこし偉い」

勇者「え ……あ?」

女魔法使い「……」こくり

勇者「おまえ、何処にいたんだよっ!?」

女魔法使い「……出待ち」
勇者「はぁ?」

女魔法使い「……うそ。図書館」

勇者「『外なる図書館』かっ?
  どうやってもたどり着けなかったあの場所か!?」

女魔法使い こくり
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 22:21:43.93 ID:Xzdt3noP
勇者「それにしたって……」
女魔法使い「……あそこは一族しか入れない」

勇者「……?」

女魔法使い「あれ」ぴしっ
勇者「ん? ……ああ、魔族だ」

女魔法使い「まだ、ころしたい?」
勇者「……いや。さっぱり。ただ、止めたいだけだ」

女魔法使い「……判った」
勇者「は?」

女魔法使い「目をつむって」
勇者「……? 判った」

女魔法使い ぴとっ

勇者「ぅわ、ひゃっこいっ!!」
女魔法使い「……連絡回路を形成した」

勇者「通信魔法か?」
女魔法使い こくり

勇者「相変わらず、なんか昼寝してそうな雰囲気だな」

女魔法使い「きのせい」
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 22:22:35.94 ID:Xzdt3noP
女魔法使い「行って」

勇者「?」女魔法使い「……魔王が、待ってる」

勇者「魔王を知っているのか?」

女魔法使い「……待ってる。あなたのかわりは、わたしがする。
 わたしがあいつらを始末したら……最大呪文で、ゲートを
 壊して」

勇者「そんなことしたら、魔界へ行けなくなっちまうだろっ」

女魔法使い「……」

勇者「……壊せば、いいのか?」

女魔法使い こくり

勇者「どれくらい?」
女魔法使い「最強」

勇者「どんだけえぐれるか保証できないぞ!?」

女魔法使い「必要」

勇者「なにが?」

女魔法使い「勇者が、必要」
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 22:40:47.36 ID:Xzdt3noP
――南極海、ゲート直情

女魔法使い「魔族総数2670。距離測定開始」

女魔法使い「照準固定、圧縮術式解凍中」

女魔法使い「解凍15%……37%……59%……81%」

女魔法使い「指定範囲カレントエリア、コンフリクト解除」

女魔法使い「勇者の……」くわっ!!

 ぎりぎりぎりぎりぎりっ

女魔法使い「勇者を助けるためにっ、
 こっちは連続圧縮で時間伸張してまで術式ため込んでるんだっ。

  あぁん!? わかるか、お前らっ!
 こっちの年期と覚悟がっ!!

  勇者に何かがあれば必ず駆けつけっ、
 その願いを叶える。
 その魔法使いがっ。魔法を使うあたしがっ!
 あの日。
 あの夕暮れの中でっ!
 何も出来なかったあたしのプライドがっ!

  どんだけ軋んだかっ!
 いくつの夜を歯ぎしりと共に過ごしたかっ

  お前らみたいなぁっ!! 三下のドさんぴんっ!!
 あ い て にぃぃぃぃ!!
 出来るかよぉぉぉぉっ!!!!」
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 22:41:48.80 ID:Xzdt3noP
勇者「あいつ……また過激になってやがる……」

女魔法使い「消し飛べっ! このち○かすがぁっ!!」

 ヒュバッ!   ヒュバッ!   ヒュバッ!
     ヒュバッ!   ヒュバッ!   ヒュバッ!
 ヒュバッ!   ヒュバッ!   ヒュバッ!

勇者「転移っ!? まさか、こんだけの数を個別転移してるのか!?」

「……除去完了」

勇者「わ、わかった。行く。広域雷撃っ!!」

 ごろごろごろごろ! ズガーン!

「たりない」

勇者「っ!? くっそぉ、魔力結晶! 超高域雷撃、撃滅呪文!!」

「もっと」

勇者「その声、テンション下がるんよっ。
 いや、さっきのはいいです……。。うううぅ!
 雷撃! 雷撃! 雷撃! 極大雷撃殲滅ッッ!!」

勇者「ど、どうだっ」

「……広域破砕を確認」
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/12(土) 22:42:56.79 ID:Xzdt3noP
「飛行呪で土煙内部に特攻」

勇者「おうっ!」

 ヒュバァァァァァ!!

「あと25秒」

勇者「……我ながらやり過ぎたか?
 とんでもないクレーター出来ちまったんじゃないか?」

「臨海面接触」

勇者「え?」

「加速して突破」

勇者「おっ、おうっ!」

 ヒュバァァァァァ!! パァァァァア!

勇者「明るいっ、な、なんだ。この風っ。何処に抜けたっ!?」

「ちかせかい」

勇者「え?」

「斥力光球に照らされた地下世界。
 ……“魔界という別世界”は、存在しない」
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 14:23:05.27 ID:6HXLExsP
――鉄の国、国境付近の街道、峠道

 ダカダッ! ダカダッ! ダカダッ!

片目司令官「駆れ! 駆れっ!」
将校「ハイヤッ! ドウドウッ!」

片目司令官「フハハハハっ。見せてやる、地獄を見せてやるぞ」
将校「はっ! 士気も上々でありますっ」

片目司令官「ふんっ。酒と女。略奪の褒美だ」
将校「ふはは。そうでありますな」

片目司令官「数と隊列は」

将校「は。軽騎兵1500! 歩兵500! 傭騎兵400、傭兵600。
 徒歩の歩兵500は後方距離、1日。
 傭騎兵400はあと一時間で合流っ。そのほか傭兵600のほうは
 別ルートから森を抜けて進軍中」

片目司令官「用意しておいた軍使はどうなった?」

将校「はっ。捕虜の鉄の国兵士をつかいます。
 明朝の夜明けとともに宮殿へ到着。
 我らの宣戦布告を通達するでありましょうっ」

片目司令官「よっし、全軍停止!!」

  軽騎兵「停止! 停止っ!!」

  軽騎兵「止まれぇ」

将校「静聴っ! ただいまより司令官の指示があるっ!」
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 14:24:58.50 ID:6HXLExsP
片目司令官「聞けっ! 白夜の騎兵達よ!
 われらは明朝、夜明けより1時間の後、鉄の国を強襲するッ!!
 鉄の国は三ヶ国通商同盟なる愚劣な世迷いごとをほざく
 背教者の一党である。
 きゃつらは愚かにも光の精霊に背を向けた破門の輩となった。
 これは聖なる戦であり、奴らの頭上には精霊の
 怒りが降り注ぐだろうっ」

  「――背教者に鉄槌をっ!」

片目司令官「我が軍は、この後しばらく並足にて移動、
 森林近くで休憩、仮眠を取る。交代で休むが良い。
 騎馬の世話を行え。明日は存分に働いて貰うぞ。
 武器の手入れも怠るな。
 血を吸う飢えた刃を愛でて眠るのだっ!
 白夜の子らよ、貴様らに精霊の祝福あれっ」

  「――おぉぉおっ!!」

将校「ふふふっ。奴らも仰天しましょう」

片目司令官「鉄の国のような弱敵、相手にもならぬ。
 ぐぅっ!! ~っつぅ!!」 ぎゅっ

将校「ど、どうなさいましたっ!」

片目司令官「く、暗闇がっ! 燃えるっ。この瞳が燃えるっ。
 囓るなっ、わ、わ、我を囓るなっ! 去れっ、悪魔の使いめっ!
 我が瞳を、我が光を。グギャハハハっ。ああ、そうだ。
 見返してやるぞ、冬寂王とやらっ。
 忘れはしないぞ、裏切り者の砦将めっ。
 我があの苛烈なる魔界の彷徨を決死の思いで抜け出た先に
 魔族の伏兵を配した冬寂王っ。そのうえ、何の落ち度もないかの
 ように振る舞いおって。地獄の業火すら生ぬるいっ。
 鉄の国は始まりに過ぎん。
 我を侮辱した者どもに最高の恥辱を味あわせてくれるっ」
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 14:26:50.37 ID:6HXLExsP
――鉄の国、国境付近の街道、山裾の平地

斥候「きっ! 来ました! 鏡光信号確認っ」

鉄国少尉「本当に来ましたね……」

軍人子弟「かえってすっきりしたでござろう。
 長い間出番の待機するのは嘘偽りなく疲れるでござるよ」

斥候「詳しい情報は山中より鳩がくると思いますが……」

軍人子弟「なに。おおよそは判るでござる。
 軽騎兵中心の高速機動戦力2000。
 白夜の国の常備軍と傭兵の混合部隊。
 出発は斥候の目視で確認済みでござるしね」

斥候「はっ」

鉄国少尉「2000ですか」

軍人子弟「もうちょっと多いかと思ってござったが。
 まぁ、このタイミングでこの数と云うことは国内治安にも
 不安が生じているのでござろう。
 王宮内権力掌握のためか、農奴の反乱に備えるためか、
 白夜王が手元にも多少の兵を起きたがった証拠と云えるで
 ござろうな」

鉄国少尉「しかし、こちらは冬の国へも兵力を送った関係で
 訓練を受けた兵士400、開拓民をざっと訓練した即席兵が
 これも500とすこし……勝負になりません」
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 14:28:56.29 ID:6HXLExsP
軍人子弟「笑うでござるよ」 にかっ

鉄国少尉「……そんな無茶な」

軍人子弟「おのおのがたっ!!!」

  ざわざわ

軍人子弟「ただいま斥候により連絡があった!
 百夜の国の騎兵約2000がここに向かっている!!
 これは非常によい知らせでござるっ!
 なぜなら百夜の国がこのような戦に
 騎兵2000しか送ってよこさぬと云うことは、
 百夜の国はもはや最低限の兵力しか
 残っていないと云うことを示すからでござる!

  おのおのがた!
 さらに云えば、ここはおのおの方の国でござるっ!
 おのおの方のかけがえのない大地でござるっ!
 つまり、この一戦に勝利すれば、おのおのがたの故郷たる
 土地も、家も、畑も、家族も守ることが出来るのでござるっ!
 確かに敵の数は多い。
 しかし、勝機は十分以上にあるでござるっ!

  おのおの方の中には、白夜の国から逃げてきたものもいれば
 白夜の国に同胞とも友も呼べる身内を持つ者もいるでござろうっ。
 この一戦は、彼らのために行うものでもあるっ!

  馬鈴薯を食って、笑うでござる!

  姫将軍、白き剣士……。我が師は云ってござった。
 “苦しい戦いで笑えれば勝利は自ずと手の中にある”と。
 敵の数は倍なれど、それ見据えて笑うでござる! 覚悟を決めよ!
 たった一つ断言するっ。勝つのは我らでござるっ!」
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 14:38:59.48 ID:6HXLExsP
――鉄の国、国境付近の街道、峠の裾

 ダカダッ! ダカダッ! ダカダッ!

片目司令官「もはや国境も越えたっ、
 今日の大地はたっぷり血の供物を受け取るだろう。あはははっ」

軽騎兵「司令っ! 前方、敵兵を発見っ!!」

将校「なんだって!? そんなっ。まだ殆ど夜明けだぞっ。
 宣戦布告は届いていないか、届いたとしてもその直後のはずだっ」

軽騎兵「数は不明、街道で動揺している模様っ!」

片目司令官「狼狽えるなぁっ!!!」 ビリビリっ

将校「はっ!」

片目司令官「おそらく国境警備兵でしかないっ。
 多少数はそろえているかもしれんが、多くて数百っ。
 練度も一線とは比較にならぬっ。
 鉄の国が中央との会戦に備えて兵力を供出している事実は
 内通者を通じて入手しているっ」

将校「はっ!」

片目司令官「全軍全速前進っ! 前方の人影は敵兵だっ!
 村ではないぞ、略奪には及ばぬっ!
 残敵掃討は遅れてくる歩兵に任せておけっ。
 一気に襲いかかり、蹴散らせっ!!」

将校「全速前進っ!」

  軽騎兵「「「白夜の勇猛をっ!」」」

 ダカダッ! ダカダッ! ダカダッ!
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 14:40:22.92 ID:6HXLExsP
軽騎兵「見えた、あいつらかっ!」

軽騎兵「はっ。なんだあれは!? 冗談なのか?
 自分たちが掘った落とし穴に自分たちで勝手に落ちているのかっ!
 鉄の国の兵士は馬鹿なのかっ」

軽騎兵「一気に行くぞっ!」
軽騎兵「「「おうっ!」」」

 ダカダッ! ダカダッ! ダカダッ!

軽騎兵「っ!?」 ドシャァ!

軽騎兵「落馬っ、間抜けが。あはははっ。
 一番乗りはこの俺――ギャッ!!??」

軽騎兵「な、なんだっ!? 落馬、なぜっ!?
 馬が暴れるっ。何をされているっ!?」

軽騎兵「どけぇっ! 馬にぶつかるっ。何をしているんだっ」

軽騎兵「これはっ、網だっ。……魚取り用の網が何で地面にっ」

軽騎兵「切れっ! 網くらいっ! 下馬して切るんだっ」

 ジャッ

軽騎兵「くっ、この糞網めっ! 小細工をグフッ!」

 ヒュダダン! ヒュダダンッ!!!

軽騎兵「弓だっ。石弓っ!? どこからっ!?」
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 14:41:50.68 ID:6HXLExsP
――鉄の国、国境付近の街道、山裾の平地

軍人子弟「さて、講義の時間でござる」

鉄国少尉「こんな時にっ。敵は目の前ですよっ」

軍人子弟「我が師は教育を説いてござった。
 何時いかなる時でも後続を育てなければ、と。
 これは伝統でござるよ」

鉄国少尉「は、はぁっ」

軍人子弟「騎馬の持つ意味とは大きく三つあるでござる。
 まずは高速移動。
 これは戦場と戦場の間を早く移動すると云うことでござるね。
 遠征などには重要な要素でござるが
 今回のような場合にはあまり関係ござらん。

  第二はその機動力でござる。
 第一と混同されがちでござるが、これは戦場において、
 敵の弱点に敵が反応し切れないうちに攻撃を行う能力でござる。
 本質的に移動力と機動力は別の意味合いをもつでござるね。
 機動力は敵の部隊に隙が存在し、それを見抜くことが出来る
 司令官の下では強力な武器になるでござる。
 この機動力に対抗するには情報遮断と、
 こちらの軍の有機的連携が重要でござる」

鉄国少尉「は、はぁ……」

斥候「敵兵接近! 土埃が見えます! あと1分前後で
 到着すると思われますっ!!」
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 14:42:58.90 ID:6HXLExsP
軍人子弟「第三のポイント。
 今回のような戦闘で、もっとも恐ろしいのは突破力でござる。
 そもそも騎兵の攻撃力は高くないはずでござる。
 なぜなら攻撃翌力の高い両手用の武器が使えないのでござるからね。
 にもかかわらず騎兵がこれほどの戦闘能力を発揮できるのは、
 まず、馬そのもの戦闘能力があり、
 また馬に乗るという技術を習得できる階級が裕福であり
 戦闘訓練を十分に得られるという事実。
 そして高所からの攻撃による振り下ろし破壊力によるところが
 大きいのでござる。

  これらに馬の突進力が加わり、
 騎兵は瞠目に値する高い突破力を有するのでござるよ」

鉄国少尉「その突破力がこちらに向かっているんですよっ!」

軍人子弟「慌ててはいけないでござる」

斥候「接触30秒前っ!!」

軍人子弟「おのおの方っ!! 石弓の準備をっ!!」

鉄国兵士 ガチャ、ジャキッ!

軍人子弟「第一射撃の優先目標!
 立ち止まった兵馬。および下馬した兵士!
 敵は速度重視の軽騎兵でござる。
 石弓を防ぐ板金鎧の装備はないっ!
 無理せずマトの大きい胴体を狙えっ!」

斥候「接触! あ! 混乱してますっ! 馬が転んだり
 ああ、突っ込んできた! ち、近いですっ!」

軍人子弟「まだまだぁっ! 引きつけよ……っ。斉射ッ!!」
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/13(日) 14:43:54.12 ID:6HXLExsP
 ヒュダダン! ヒュダダンッ!!!
    ヒュダダン! ヒュダダンッ!!!

鉄国少尉「命中多数! 倒れていますっ!!」

軍人子弟「喜ぶなっ!! 役目をこなすでござるっ!
 即席兵っ! 射出済み石弓を受け取れっ!
 装弾済み石弓を即座に交換っ! 鉄国兵士は照準っ!!

 そこっ! 頭を上げるなっ! 体勢を低くっ!
 塹壕を信頼して、集中して作業を続けるでござるっ」

  うわぁっ!
    これはっ、網だっ。……魚取り用の網が……
  切れっ! 網くらいっ! 下馬して切るんだっ

軍人子弟「第一射撃の優先目標!
 馬を狙って混乱誘発! 引き寄せよっ。誘い込むでござるっ!」

鉄国兵士 ガチャ、ジャキッ!

軍人子弟「斉射ッ!!」

 ヒュダダン! ヒュダダンッ!!!
    ヒュダダン! ヒュダダンッ!!!

鉄国兵士「やった! 落ちてるぞっ!」
即席兵士「装填完了っ。次をどうぞっ!」ごしごし、にかっ!

鉄国兵士「おお、どんどんいこうっ!」にやりっ



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