ライラプス(ACE)



L:ライラプス={
t:名称=ライラプス(ACE)
t:要点=・頭頂ハゲ・尖った頭・サングラス・白衣
t:周辺環境=宇宙船
t:評価=全能力20(幻影使いHQB継承)
t:特殊={
*ライラプスのACEカテゴリ = 逗留ACEとして扱う。
*ライラプスは整備士、名整備士、チューニングマスターとして扱いそれらが使う特殊を使うことが出来る。
→次のアイドレス:・整備士(職業)・ボックスdi号の開発(イベント)・広域宇宙監視システムの開発(イベント)・海法紀光MK2(ACE)
L:みなし職業の特殊={
*整備士は整備行為ができ、この時、整備判定((器用+知識)÷2)を評価+3補正することを選択できる。補正を選択した場合燃料2万tを消費する。
*名整備士は整備行為ができ、この時、整備判定((器用+知識)÷2)を評価+3補正することを選択できる。補正を選択した場合は燃料1万tを消費する。
*名整備士は戦闘前に任意の一機のI=Dの能力に評価+1できる。
*チューニングマスターは整備行為ができ、この時、整備判定((器用+知識)÷2)を評価+3補正することを選択出来る。補正を選択した場合燃料1万tを消費する。
*チューニングマスターは戦闘前に任意の一機のI=Dの全能力に評価+3できる。この効果は一人のチューニングマスターにつき一回で複数の機体に与えることは出来ず、またこの時資源3万t、燃料2万tを使用する。
}


イラスト&設定文章


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 *国賓来訪記~研究者・ライラプスの巻*
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                        51907002 藩王の日記タイトルより抜粋

せっかくの満月が霧雨で翳っていたあの日、遂に一人のACEが藩国を訪れた。
そのことについて記そうと、思う。
本来ならばモット早くに訪れていたわけであるが、そのことにはあえて触れないこととする。


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無名騎士という名の国が、ある。
玄霧藩国と長らく国交を持ち、藩王同士がただならぬ関係ではないかと噂されたこともあるこの国に、一人の男が訪れていた。


無名騎士藩国は『対宇宙』の国である。
対宇宙決戦兵器である大型I=D「アビシニアン」や宇宙の切り札である「人形」。
今現在は更なる次世代兵器の開発中と聞く。

現状で宇宙港や宇宙開発センターと言った宇宙施設は無いものの、宇宙戦力は充実している。
そういった実にアンバランスな国が無名騎士藩国と言える。
(宇宙を駆ける宇宙船と堂々たる人形の図)

そんな国に訪れるものも宇宙に関係するのか、現在無名騎士に逗留しているACEはアプローとその夫や、カール・ドラケンという金髪の騎士であった。
彼らが別系統の技術を手に入れ、一丸となって新たな宇宙用兵器を開発しているときに、事件は起こった。


フラグクラッシャーと名高い藩王・GENZが、既存兵器と新開発兵器の性能票を見比べて悩んだりにやけたりしていたところに、一匹の猫が飛び込んでくる。
その猫の名は冴月と言う。見かけは猫だが、無名騎士のI=Dデザイナーの一人であり、「アビシニアン」、そして現在開発中の機体のデザイナーでもあった。

「GENZ!おいGENZ!何とかしてくれ!俺のアビシニアンが!」
「どうしたワサビーヌ。いいから はやく でざいんを するんだ」

ワサビーヌとは冴月のことである。彼の別ボディの話になるので、詳しくは割愛する。

「ええい、今は冴月だ馬鹿野郎!良いからさっさと来い!」
「まてまて、今俺は性能を書き記しているところでな・・・」
「俺のアビシニアンが勝手に手を加えられて性能が上がってるんだぞ!?」
「…それは良いことなんじゃないか?」
「……あ、いや、うん。とりあえず捕まえたんだ。取りあえず着てくれ」
「よくわからんが、まぁ、いくか」

無名騎士は今日も(いろんな意味で)平和だった。


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所変わって無名騎士藩国の陸軍基地。
その一角にある整備工場にずらりと並んだ黒曜とひときわ目立つアビシニアン。
鍋の国へと売却するために宇宙より帰還させていたアビシニアン。その機体に勝手に手を加えたとして、一人の男が捕まっていた。

「こいつだこいつ。このおっさんが俺のアビニャンにちょっかいをだな」
「ふむ・・・」

頭頂部だけ禿げ上がった頭。額に当てたゴーグル。目にはめ込んだようなサングラス。
体をすっぽりと隠すような変形白衣に身を包んだ彼の名を「ライラプス」と言う。
手を後に回して縄で捉えられていたライラプスは、横柄に口を開いた。

「やれやれ、器の小さいやつめ。せっかく無駄を省いてやったと言うに」
「なんだと?」
「落ち着け。して、ライラプスさんでしたか。何故このようなことを?」

食って掛かる冴月を押さえつつ、落ち着いて質問するGENZ。
というのも、少し前から無名騎士に滞在しているアプローとその夫の話で「ライラプス」という単語が出ていたためであった。

「なあに、あの新婚さんたちが元気でやってるか様子を見に来たら面白そうだったんでな。つい」
「つい、でパイロット死にそうな改造するな!」
「まぁ、落ち着け。そこは後で直せば良い。で、あの二人に会いにきたのでしたら案内しましょうか?」

その言葉に微妙な顔をするライラプス。

「いや、もう顔は見た。楽しげな二人をわしが邪魔するわけにもいかんだろう。それに、この国には寄っただけだ」
「と、いうと?」
「何でも森の中で酒の美味い国が呼んでるらしい。名前はなんと言ったかな。くろ・・くろ・・・」
「玄霧藩国ですか」
「あぁ、それだ。此処の同盟国らしいな。案内してくれ」

仮にも一国の王を捕まえて「案内しろ」と言うのも酷い話だが、アイドレスでは案外ソレがまかり通るのであった。
即座に二つ返事で案内を始めるGENZ。その後ろでうつろな顔をしながらアビシニアンを再整備する冴月が、いた。流石に他国に売却するもので人死には不味いようだ。


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そして、玄霧藩国。
政庁にて缶詰になっている藩王・玄霧が居た。その隣には同じく缶詰になっている摂政の雅戌が居た。
その二人を監視するのは最近藩国へやってきたアルトという青年である。
帳簿付けや管理が得意なため、藩王・摂政の仕事のチェッカーをしているようだ。

「なぁ、雅戌くん」
「はい、なんでしょう」
「人間、根の詰めすぎは良く無いと思うんだ」
「はぁ。そうですか。じゃあソレが終わったら休憩しましょうか」
「…今じゃあダメか?」
「ダメですね」

いつもの会話をしながら手を動かし続ける二人。どちらも締め切りは怖いため、全部終わるまで結局休む気は無いらしい。
ある程度進み、相互でチェックをする段階になった時、伝達の猫士が現れた。
無名騎士藩王・GENZが訪れている、とのことだった。

話を聞けば、かねてから招いていたACEを案内してきたとのこと。
ソレを聞いた玄霧は残りの仕事を押し付けて来賓室へと急いだ。


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そして、1時間後。
見事に出来上がった三人が居た。

「こいつ前は女だったんすよー」
「ちょ、おま、中身はずっと男だったじゃないか!」
「面白い体だのう。一度開いてみるか?」

来賓室でゲラゲラ笑いながら次々と酒を飲み干す藩王二人とACE一人。
詳しい経緯は省くが、まぁ、なんというか。酒好きが集まった結果と言う事で。
一時間の間にライラプスの話も多少出たらしい。
やれ酒の飲みすぎで工業アルコールに手を出して目をやったとか既に肝臓は機械になっているとか。
どこまで本当かは分からないが、目からブラスターも打てると言っていた。

そしてそのまま更に1時間。流石に置いている酒が尽きかけた頃、急にライラプスが口調を変える。

「…まぁ、合格だな。暫く此処で厄介になるとしよう」
「あ?あぁ、はい。そりゃよかった。気に行って頂けましたか?」
「ふむ、まぁまぁと言ったところか。まぁ、酒も美味いし悪くは無い」

さっきまで酔っ払いの顔だったはずのライラプスだが、今やその様子は伺えない。
どうやら、肝臓が機械だとかの話も案外本当かもしれない。

「そうだな、住処はコッチで決めさせてもらうが構わんか?」
「ええ、明らかに問題になるような場所でなければ。どこか心当たりが?」
「そうじゃな。あのテントにするかの。弄るものに事欠きそうに無いわ」
「あぁ、先住民がたまにやってきますが、そちらの都合が付けば問題はありません」

その言葉を聴いてそのままふらりと来賓室を出て行くライラプス。
残った二人は、彼を追いかけるべきか残るべきかと暫く考えた後、酒瓶を持って執務室へ向かった。
摂政たちも巻き込んでの酒盛りをしようと思ったのだった。



                           梅の月、満月の日。藩王玄霧記す。






追記。

その翌日、藩国のモニュメントと貸していた黒曜の汚れが全て落とされ、また、万全の状態に整備されていた。
傍らには酒瓶がいくつか落ちていたことと、周囲の目撃情報からライラプスの仕事と思われる。
また、数日の間、壊れかけた道具が急に綺麗になっていたり、妙に性能が上がっていたりもしていた。
どうやら、彼は藩国を気にいってくれたらしい。副作用は今のところ確認されてないが、藩国には医者も多いので、最悪の結果は避けられるだろう。


(原案:マイム  イラスト:アポロ、イク  設定文章:玄霧)