小笠原ゲーム用イラスト集



買い物の下見に来て見たら……?


「月子とデート! デート!!」

 猫野和錆は、今回も舞い上がっている。
 愛しの城島月子嬢と一緒に遊び(デートと言う事もできた)に行く事になっており、いよいよもってその当日が近づいてきているからだ。
純情一直線の彼からしてみれば、それはさぞ高く分厚い壁でありながらも甘い誘惑のひと時であり、
喜びに舞い踊りながらもプレッシャーでもだえ苦しんでいる彼の姿を、笑えるものはそういない。
 幸いにして、仕事に支障は出ていないようである事は救いか。いや、医療事故だけは勘弁してくださいよ。

 ……と、そんな彼は今現在、デートコース予定地である、ある小物売り店に来ていた。

「月子ちゃんが気に入りそうな店かどうか、直接チェックしておかないと不安で夜も眠れねえ!」

とのことで、それはもうご苦労様な事である。マメさがモテる男の秘訣だと言った人物が昔いたが、こういうのもマメというのだろうか。



 落ち着いた雰囲気のある店だった。
 売られている小物それぞれに微妙な差異があることから、手作りの店であろうという事がうかがい知れる。
気がつけば、絵の具の臭いもした。

「…………」

 レジ奥に座っている職人風の店員は和錆に見向きもせず、真剣そうな表情のまま、何かの作業をしていた。
恐らく小物作りをしながら店番もしているのだろう。ひょっとすると店長かもしれない。

 いい店だ、と和錆は思った。
そして、そのまま店内の売り物を眺めて回ることにした。




 30分後。

「こ、これ! これいいっすね!」

 そこには、店員に対して、売り物を絶賛する猫野和錆の姿があった。
一品一品丹精込めて作られた職人芸の賜物、店で売られているあらゆる物に感動し、目を輝かせている。

 店員は何も言わないが、フンと鼻を鳴らして、満足そうに頷いた。

和錆に対して、お前下見に来たんじゃなかったのかと誰が責められよう。それだけ、その店がいい店だったということだろう。

 さて、下見は本来の意味とは別の意味で上々の成果。では本番は?