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ヨーロッパでの成立の経緯に照らしてみればわかるように、立憲主義は、多様な価値観を抱く人々が、それでも協働して、社会生活の便益とコストを公正に分かち合って生きるために必要な、基本的枠組みを定める理念である。
~ 長谷部恭男(東大法学部教授(憲法学))『憲法と平和を問いなおす』p.178

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<目次>


■1.このページの目的

「平和主義」という言葉がまるで神通力を失ったことに気づいた左翼護憲論者は、近年は「立憲主義」という言葉を新たな旗印に掲げて断固改憲を阻止する構えである。
これに対して改憲論者の側からは、今のところ残念ながら余り効果的な反駁が提示されているようには見えない。
しかし実は、左翼護憲論者の掲げる「立憲主義」の理解は、英米圏で主流となっている正当な理解ではなく、フランス革命に由来するフランス・ドイツなど大陸系の左翼的理解であり、そのことは阪本昌成氏(リベラル右派の憲法学者)のみならず長谷部恭男氏(東大法学部教授(憲法学))のような一応は法学の世界的パラダイムを考慮に入れて発言する近年のリベラル左派の憲法学者からも指摘されていることである。
このページは、そうした「立憲主義」の左翼的理解の誤謬と、その正当な理解を提示することを目指す。


■2.「立憲主義」の辞書的定義・用語説明


◆1.日本の辞書による定義


りっけん-しゅぎ
【立憲主義】
(constitutionalism)
<広辞苑>
憲法を制定し、それに従って統治する、という政治のあり方。
この場合の憲法とは、①人権の保障を宣言し、②権力分立を原理とする統治機構を定めた憲法、を指し、そうでない場合を外見的立憲主義という。
りっけんしゅぎ
【立憲主義】
constitutionlism
<日本語版ブリタニカ>
(1) 法の支配 rule of law に類似した意味をもち、①およそ権力保持者の恣意によってではなく、②法に従って権力が行使されるべきである、という政治原則をいう。
(2) 狭義においては、とくに
<1> 政治権力を複数の権力保持者に分有せしめ、 政治原則である
<2> その相互的抑制作用を通じて権力の濫用を防止し、
<3> もって、権力名宛人の利益を守り、政治体系の保全を図ろうとする、
(3) 狭義における立憲主義は、既に古代ギリシア、ローマ、あるいは中世ヨーロッパの一定の都市国家などに見出されるが、近代市民革命を経て、近代立憲主義に変貌した。
そこでは、 [1] 国民の一定の範囲における国政参加を前提に、 と考えられるようになった。
[2] 権力分立構造を通じて国民個々人の権利・自由の保全を図ろうとする意図が明確にされ、
[3] それを具備する成文憲法を制定することが肝要である、
立憲主義に立脚する民主制が①立憲民主制であり、君主制と結合している場合が②立憲君主制である。

◆2.英米圏の辞書による定義


constitutionalism
<ODE>
[mass noun] constitutional government:
・adherence to a constitutional system of government:
(翻訳) 立憲的政府
・政府が国制システムを堅持していること

※残念ながら、<Britannica Concise Encyclopedia> には constitutionalism の項目がないため、 英文wikipedia(2013.8.17時点) で代用する。

※注釈: 以下の文章にある、①記述的(descriptive)とは、物事のあるがままの状態を客観的に記述すること、また、②規範的(prescriptive)とは、物事の当否を主観的に判別すること、をそれぞれ言い表わす説明の方法であり、おおむね、①記述的(descriptive)部分が概念(concept ~とは何か)の説明、②規範的(prescriptive)部分が理念(conception ~はどうあるべきか)の説明に相当する。

constitutionalism 
<英文wikipedia>
Constitutionalism, in its most general meaning, is "a complex of ideas, attitudes, and patterns of behavior elaborating the principle that the authority of government derives from and is limited by a body of fundamental law".
A political organization is constitutional to the extent that it "contain[s] institutionalized mechanisms of power control for the protection of the interests and liberties of the citizenry, including those that may be in the minority".
As described by political scientist and constitutional scholar David Fellman:
Constitutionalism is descriptive of a complicated concept, deeply imbedded in historical experience, which subjects the officials who exercise governmental powers to the limitations of a higher law.
Constitutionalism proclaims the desirability of the rule of law as opposed to rule by the arbitrary judgment or mere fiat of public officials….
Throughout the literature dealing with modern public law and the foundations of statecraft the central element of the concept of constitutionalism is that in political society government officials are not free to do anything they please in any manner they choose; they are bound to observe both the limitations on power and the procedures which are set out in the supreme, constitutional law of the community.
It may therefore be said that the touchstone of constitutionalism is the concept of limited government under a higher law.
Usage
Constitutionalism has prescriptive and descriptive uses. Law professor Gerhard Casper captured this aspect of the term in noting that:
"Constitutionalism has both descriptive and prescriptive connotations.
Used descriptively, it refers chiefly to the historical struggle for constitutional recognition of the people's right to 'consent' and certain other rights, freedoms, and privileges….
Used prescriptively … its meaning incorporates those features of government seen as the essential elements of the … Constitution."
(1) Descriptive
One example of constitutionalism's descriptive use is law professor Bernard Schwartz's 5 volume compilation of sources seeking to trace the origins of the U.S. Bill of Rights.
Beginning with English antecedents going back to the Magna Carta (1215), Schwartz explores the presence and development of ideas of individual freedoms and privileges through colonial charters and legal understandings.
Then, in carrying the story forward, he identifies revolutionary declarations and constitutions, documents and judicial decisions of the Confederation period and the formation of the federal Constitution.
Finally, he turns to the debates over the federal Constitution's ratification that ultimately provided mounting pressure for a federal bill of rights. While hardly presenting a "straight-line," the account illustrates the historical struggle to recognize and enshrine constitutional rights and principles in a constitutional order.
(2) Prescriptive
In contrast to describing what constitutions are, a prescriptive approach addresses what a constitution should be.
As presented by Canadian philosopher Wil Waluchow, constitutionalism embodies "the idea … that government can and should be legally limited in its powers, and that its authority depends on its observing these limitations.
This idea brings with it a host of vexing questions of interest not only to legal scholars, but to anyone keen to explore the legal and philosophical foundations of the state."
One example of this prescriptive approach was the project of the National Municipal League to develop a model state constitution.
(3) Authority of government
Whether reflecting a descriptive or prescriptive focus, treatments of the concept of constitutionalism all deal with the legitimacy of government.
One recent assessment of American constitutionalism, for example, notes that the idea of constitutionalism serves to define what it is that "grants and guides the legitimate exercise of government authority."
Similarly, historian Gordon S. Wood described this American constitutionalism as "advanced thinking" on the nature of constitutions in which the constitution was conceived to be "a" set of fundamental rules by which even the supreme power of the state shall be governed.'"
Ultimately, American constitutionalism came to rest on the collective sovereignty of the people - the source that legitimized American governments.
(4) Fundamental law empowering and limiting government
One of the most salient features of constitutionalism is that it describes and prescribes both the source and the limits of government power.
William H. Hamilton has captured this dual aspect by noting that constitutionalism "is the name given to the trust which men repose in the power of words engrossed on parchment to keep a government in order."
(omission)
(翻訳)
立憲主義とは、その最も一般的な意味では、「統治の権威(ないし根拠)(the authority of government)は、特定の一まとまりの基本法(a body of fundamental law)から派生し、且つ、それによって限定される、という原則を、苦心しつつ何とか作り上げている、諸アイディア・諸態度そして諸行動パターンの複雑な集まり」のことである。
ある政治機構が、「一般市民の諸利益と諸自由を、(専ら)少数者のものであるかも知れないものをも含めて、保護するための制度化された権力制御メカニズムを備えている」場合、(その政治機構は)立憲的である(と云える)。
政治科学者であり憲法学者であるデイヴィッド・フェルマンの説明によれば、
立憲主義は、政府権力を行使する公官吏(政府当局)は特定の高次の法による制限に服する、という、歴史的経験が深く埋め込まれている、錯綜した概念として記述される。
立憲主義は、官公吏による恣意的な判定や単なる勝手な命令による支配とは正反対のものとして、法の支配(the rule of law)を望ましいものであると明確に表明している。
近代的な公法や治世術の基礎を取り扱う諸文献を総て通して、立憲主義の概念の中心的要素は以下の如くである。すなわち、政治社会において政府当局者(government officials)は、その選択する要求を、どのような態様であれ、無制限に実行できる訳ではなく、その共同体における至上の実質憲法(=国制)(the supreme constitutional law of the community)によって予め定められている権力の諸制限および諸手続きの両方を遵守することを義務付けられている、ということ。
そのため、立憲主義の試金石は、特定の高次の法の下にある制限された統治(limited government under a higher law)という概念にある、と云われている。
使用法(慣用法)
立憲主義(という用語)には、記述的用法と規範的用法とがある (※注釈) 。法学教授ガーハード・キャスパーは、この言葉のこうした側面を以下のように捉えている。すなわち、
「立憲主義には記述的と規範的の両方の含意がある。
記述的に使用される場合、それは主に、人々の「同意」権や特定の他の諸権利・諸自由・諸特権に関する憲法的認定(constitutional recognition)についての歴史的葛藤のことを指している。
規範的に使用される場合・・・その意味には、××憲法典(the ・・・ Constitution)の本質的諸要素と考えられている、統治のそうした諸特徴(those features of government)が組み込まれている。」
(1) 記述的(用法)
立憲主義(という用語)の記述的使用例の一つは、法学教授バーナード・シュワルツによるアメリカ合衆国憲法の権利章典(the U. S. Bill of Rights)の諸起源を追跡した5巻の資料編著作集である。
マグナ・カルタ(1215年)に遡る英国の先行事例を始まりとして、シュワルツは、個人的諸自由と諸特権のアイディアの発生と発達を、植民諸憲章および法的諸合意を通過点として探索している。
そして、そうした物語を推挙するに当たって、彼は、連合期(※注釈:アメリカ独立13邦間に結ばれた連合規約により、1781-89迄存在したアメリカ国家連合の期間。アメリカ合衆国憲法の発効により消滅)の諸革命宣言・諸憲法典・諸文書・司法的諸決定、さらに連邦憲法典(※注釈:1787年起草、88年6月批准、89年3月4日施行のアメリカ合衆国憲法)の成立過程を見定めている。
最後に、彼は連邦憲法典の批准に関する諸討論に注意を向けているが、そこでは最終的に連邦(憲法典)に対して権利章典(を追加すること)を要求する高いプレッシャーが懸っていた。
「一直線」の説明を提示することは非常に困難ではあるが、こうした説明は、国制秩序に関する憲法的諸権利・諸原理の認知と神聖化に対する歴史的苦闘に、生き生きとした描写を与えてくれる。
(2) 規範的(用法)
constitution(憲法ないし国制) とは何か、という記述(的アプローチ)とは対照的に、規範的アプローチでは、constitution はどうあるべきか、が述べられる。
カナダ人哲学者ウィル・ワルチャウの提案によれば、立憲主義(という用語)は、「政府(government)は、その権力が法的に制限可能であると同時に(その権力は)制限を受けるべきであり、そして、その権威は政府がそうした諸制限を遵守することに懸っている・・・というアイディア」を表現したものである、という。
この(立憲主義という)アイディアは、法学者達のみならず、国家(state)の法的また哲学的基礎の探索に強い関心を持つ全ての者に対して、その関心に対する数知れぬ苛立たしい疑問をもたらしてしまう。
この規範的アプローチの一例は、あるモデル国家の憲法典を作成しようとしたナショナル自治体リーグ・プロジェクトであった。
(3) 統治の権威(ないし根拠)
記述的あるいは規範的焦点をどう思案するのであれ、立憲主義の概念の取扱いは、すべて統治の正統性(the legitimacy of government)に関するものである。
例えば、アメリカ立憲主義に関する最近の評価の一つは、立憲主義のアイディアは「政府当局の正統な実力行使に承認を与え且つ指針を与える」ものの定義に役立っている、ということである。
同様に、歴史家ゴードン・S・ウッドは、こうしたアメリカ立憲主義を、constitutions(憲法ないし国制) の性質に関する「先進的な思想」であって、(そこでは)constitution は国家の最高権力でさえも舵取りされるべき根本的諸ルールの特定の一セットとして受胎されたものである、と説明している。
最終的に、アメリカ立憲主義は、人々の集合的至高性(the collective sovereignty of the people)-アメリカ政府諸機関に正統性を付与する源-に到達して終わる。
(4) 統治機関に授権し且つそれを制限する根本法
立憲主義(という用語)の最も顕著な特徴の一つは、統治権力の源であり同時に制限であるものを、それが記述的に且つ規範的に説明することである。
ウィリアム・H・ハミルトンは、この二重の側面を、立憲主義とは「政府が正常に機能するために、人々が羊皮紙に書かれた正式な言葉の効力に信認を置くこと、に対して与えられた名称である」と表現することで把握している。
(以下省略)



■3.「立憲主義」とは何か(要約)


◆1.各論者による定義


政治的スタンス 論者 内容
(1) 保守主義 百地章 「立憲主義とは、国家の統治が憲法にもとづいて行われることである。」(『憲法の常識 常識の憲法』p.32)
(2) リベラル右派 阪本昌成 統治を、流動的で恣意的な政治に委ねることなく、国制のもとに規律し安定化させる思考 を「 立憲主義 constitutionalism 」という」(『憲法1 国制クラシック』p.26)
立憲主義のモデル アメリカ に求める人物は、《 立憲主義とは、法の支配と同義であり、それは民主主義の行き過ぎに歯止めをかける思想でもある 》と考える傾向にある。
これに対して、 立憲主義モデル フランス に求める人は、「 立憲民主主義 」という言葉を多用する傾向がある。
後者は、「立憲」の中に権力分立と人権尊重の精神を含め、「民主主義」の中に、「国民主権」と議会政を含めているようである(民主主義の中に人権尊重を忍び込ませる論者もいる)。
が、それらの一貫した関連性をそこに見て取ることは困難であるように私にはみえる(自由主義と民主主義との異同については、後の [26] でふれる)。
私は、《 立憲主義とは、誰が主権者であっても、また、統治権がいかに民主的に発動されている場合であっても、主権者の意思または民主的意思を法のもとに置こうとする思想だ 》と考えている。
本書が「立憲民主主義」という言葉を決して用いないのは、そのためである。(『憲法1 国制クラシック』p.31)
(3) リベラル左派 長谷部恭男 近代以降の立憲主義とそれ以前の立憲主義との間には大きな断絶がある。 近代立憲主義 は、 価値観・世界観の多元性を前提とし、さまざまな価値観・世界観を抱く人々の公平な共存をはかることを目的 とする。それ以前の立憲主義は、価値観・世界観の多元性を前提としていない。むしろ、人としての正しい生き方はただ一つ、教会の教えるそれに決まっているという前提をとっていた。正しい価値観・世界観が決まっている以上、公と私を区別する必要もなければ、信仰の自由や思想の自由を認める必要もない。(長谷部恭男『憲法とは何か』p.69)
・・・近代ヨーロッパで立憲主義が成立する経験においては、宗教戦争や大航海を通じて、この世には比較不能な多様な価値観が存在すること、そして、そうした多様な価値観を抱く人々が、それにもかかえわらず公平に社会生活の便宜とコストを分かち合う社会の枠組みを構築しなければならないこと、これらが人々の共通の認識となっていったことが決定的な意味を持っている。立憲主義を理解する際には、…制度的な徴表のみにとらわれず、多様な価値観の公平な共存という、その背後にある目的に着目する必要がある。(長谷部恭男『憲法とは何か』p.71)
ヨーロッパでの成立の経緯に照らしてみればわかるように、 立憲主義 は、 多様な価値観を抱く人々が、それでも協働して、社会生活の便益とコストを公正に分かち合って生きるために必要な、基本的枠組みを定める理念 である。(長谷部恭男『憲法と平和を問いなおす』p.178)
そのためには、生活領域を公と私とに人為的に区別すること、社会全体の利益を考える公の領域には、自分が一番大切だと考える価値観は持ち込まないよう、自制することが求められる。・・・そうした自制がないかぎり、比較不能な価値観の対立は、「万人の万人に対する闘争」を引き起こす。・・・(中略)・・・。立憲主義はたしかに西欧起源の思想である。しかし、それは、多様な価値観の公正な共存を目指そうとするかぎり、地域や民族にかかわりなく、頼らざるをえない考え方である。(長谷部恭男『憲法と平和を問いなおす』p.178)
立憲主義にもとづく憲法・・・は、人の生きるべき道や、善い生き方について教えてくれるわけではない 。それは、個々人が自ら考え、選びとるべきものである。憲法が教えるのは、多様な生き方が世の中にあるとき、どうすれば、それらの間の平和な共存関係を保つことができるかである。 憲法は宗教の代わりにはならない。「人権」や「個人の尊重」もそうである 。(長谷部恭男『憲法と平和を問いなおす』p.179)
立憲主義は現実を見るように要求する。世の中には、あなたと違う価値観を持ち、それをとても大切にして生きている人がたくさんいるのだという現実を見るように要求する。このため、立憲主義と両立しうる平和主義にも、おのずと限度がある。現実の世界でどれほど平和の実現に貢献することになるかにかかわりなく、ともかく軍備を放棄せよという考え方は、「善き生き方」を教える信仰ではありえても、立憲主義と両立しうる平和主義ではない。(長谷部恭男『憲法と平和を問いなおす』p.179)
立憲主義 ということばには、 広狭二通りの意味 がある。本書で「立憲主義」ということばが使われるときに言及されているのは、このうち狭い意味の立憲主義である。
広義の立憲主義 とは、政治権力あるいは国家権力を制限する思考あるいは仕組みを一般的に指す。「人の支配」ではなく「 法の支配 」という考え方は広義の立憲主義に含まれる。古代ギリシャや中世ヨーロッパにも立憲主義があったといわれる際に言及されているのも広義の立憲主義である。
他方、 狭義 では、立憲主義は、 近代国家の権力を制約する思想あるいは仕組み を指す。この意味の立憲主義は近代立憲主義ともいわれ、私的・社会的領域と公的・政治的領域との区別を前提として、個人の自由と公共的な政治の審議と決定とを両立させようとする考え方と密接に結びつく。二つの領域の区分は、古代や中世のヨーロッパでは知られていなかったものである。」(『憲法とは何か』p.68)
(4) 左翼 芦部信喜 ※芦部は「近代立憲主義(あるいは現代立憲主義)は~という性質を持っている」とその属性を述べるものの、「立憲主義とは何か」という肝心の概念論・理念論に関しては慎重に口を閉ざしている。これは 芦部の憲法論 英米圏で主流となっている「立憲主義」や「法の支配」の概念・理念理解とは実は無縁の古いドイツ系法学に依拠している ことに原因がある。⇒芦部の後継者である高橋和之も同様。
(5) 中間 佐藤幸治 ※佐藤も芦部と同様に、「近代立憲主義」と「現代立憲主義」を対比して言及するものの、立憲主義そのものの概念・理念の説明はない。つまり 芦部や佐藤の世代ではベースがまだドイツ系法学であったために、英米系の「立憲主義」「法の支配」といった概念・理念を英米圏の用法の通りに消化できていない のである。

◆2.法の支配、アメリカ型立憲主義、フランス型立憲主義



※上図の解説は、日本国憲法改正問題(上級編)参照。

(1) 保守型 constitution(憲法ないし国制) イギリスが代表的 成文憲法を持たないため「立憲主義」とはいわず「法の支配」というのが通例である 混合政体、ノモス概念と親和的 広義の「法の支配」⇒「法の支配(rule of law)」とは何か参照
(2) 革命型 constitution(憲法ないし国制) フランスが代表的 「立憲主義」のフランス型モデル(阪本昌成) 民主主義、平和主義、人権論、自然法論、価値一元主義と親和的 左翼護憲論者の強調する「立憲主義」理解はこちら
(3) 創成型 constitution(憲法ないし国制) アメリカが代表的 「立憲主義」のアメリカ型モデル(阪本昌成) 民主制、正戦論、権利・自由二元論、価値多元主義と親和的 英米圏(=世界標準)での「立憲主義」理解はこちら
※民主制(デモクラシー)と「民主主義」の区別については、デモクラシーと衆愚制 ~ 「民主主義」信仰を打ち破る参照


■4.「立憲主義」に関する様々な見解


◆1.左翼の見解(芦部信喜、高橋和之、LEC)



◆2.リベラル左派の見解(長谷部恭男)



◆3.中間派の見解(佐藤幸治)



◆4.リベラル右派の見解(阪本昌成)


  • 阪本昌成『憲法理論Ⅰ 第三版』(1999年刊)   第一部 国家と憲法の基礎理論


  • 阪本昌成『憲法1 国制クラシック 全訂第三版』(2011年刊)


◆5.保守主義の見解(中川八洋)




■5.その他の用語


ほうち-しゅぎ【法治主義】 <広辞苑> 人の本性を悪と考え、徳治主義を排斥して、法律の強制による人民統治の重要性を強調する立場。
韓非子がその代表者。ホッブズも同様。
王の統治権の絶対性を否定し、法に準拠する政治を主張する近代国家の政治原理   → 法の支配
ほうちしゅぎ【法治主義】
rule of law(※注:原文ママ)
<日本語版ブリタニカ>
行政は議会において成立した法律によって行われなければならない、とする原則。
<1> 行政に対する法律の支配を要求することにより、
<2> 恣意的・差別的行政を排し、国民の権利と自由を保障することを目指したもので、立憲主義の基本原則の一つに挙げられている。
この原則に基く国家を、法治国家という。
ほうち-こっか【法治国家】
<広辞苑>
国民の意思によって制定された法に基づいて国家権力を行使することを建前とする国家。
①権力分立が行われ、②司法権の独立が認められ、③行政が法律に基いて行われる、とされる。
法治国 → 警察国家
ほうちこっか【法治国家】
Rechtsstaat
<日本語版ブリタニカ>
行政および司法が、あらかじめ議会の制定した法律によって行われるべきである、という法治主義の国家。
すなわち、全国家作用の法律適合性ということが、法治国家の本質とされたのであるが、
<1> その際、イギリス法の「法の支配」 rule of law と違い、
<2> 行政および司法が、国民の代表機関たる議会によって制定された法律に適合していればよい、
という形式的側面が重視された結果、法治国家論は、法律に基きさえすれば、国民の権利・自由を侵害してよい、という否定的な機能を果たし、法や国家の目的・内容を軽視する法律万能主義的な傾向を内包していた。
(1) 第二次世界大戦後、西ドイツは、この点に反省を加え、
(a)立法・行政および裁判を直接に拘束する不可侵・不可譲の基本的人権を承認し、
(b)これを確保するために憲法裁判所を設置して、これに法令の憲法適合性を審査する権限を与えた。
(2) 日本の場合も、憲法は、裁判所に、いわゆる法令審査権を与えている(81条)。
このようにして、
[1] 行政・司法が単に法律に適合している、という形式面のみならず、
[2] その法律の目的・内容そのものが、憲法に適合しなければならない、
という原則が確立され、それによって、いわば法治主義の実質的貫徹が期されている。


■6.参考図書

『新・近代立憲主義を読み直す』 (阪本昌成:著 (2008年刊))

『立憲主義と日本国憲法 第3版』 (高橋和之:著 (2013年))
高橋和之 は、故・芦部信喜(東大憲法学の最大の権威)門下の現代左翼を代表する憲法学者。



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