憲法問題の基礎知識

「憲法問題の基礎知識」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

憲法問題の基礎知識」(2019/12/24 (火) 02:35:27) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

#CENTER(){&italic(){&sizex(4){危険は形而上学の欺瞞的な性格の中にある。それは、実際には何らの知識をも与えないのに、知識であるかのような幻想を与える。&br()我々が形而上学を排撃する理由はここにある。・・・(中略)・・・哲学の唯一の仕事は論理的分析 logical analysis である。}}} #RIGHT(){&SIZE(15){&BOLD(){~ R. カルナップ(論理実証主義に立つ哲学者集団「ウィーン学団」のリーダー的学者)}}} ---- 要旨■「平和憲法」「占領憲法」などのレッテル貼りに終始するのではなく、①憲法とはそもそも何か(法概念論)、②憲法の保障すべき価値は何か(法価値論)、③そうした価値を如何に実現するか(法学的方法論)、という憲法問題の課題を一つづつ分析し検証していくことが重要である。 ---- ※本ページが難しい方は、[[日本国憲法改正問題(初級編)]]を先ずご覧下さい。 <目次> #contents ---- *■1.はじめに ---- 憲法問題となると、たちまち「平和憲法を守れ」とか「占領憲法を破棄せよ」といった、左右両極端の立場からのイデオロギッシュなアジテーション・罵倒合戦に終始してしまう現象が頻繁に観測される。(※なお、経済問題に関しても類似した現象がしばしば観測される ⇒ [[ケインズvs.ハイエクから考える経済政策]] 参照)。 確かに、現実妥当性に目を瞑って現行憲法典の前文・第9条を厳密に文理解釈すれば、お花畑的な(つまりネガティヴな)意味で「平和憲法」と云えなくもないし、また制定過程を見ればGHQ草案をほぼそのまま翻訳した「占領憲法」と呼ばれるのも致し方ないことではあるが、ここでは、そうした扇動的・プロパガンダ的方向にばかり走り易い言説を避けて、努めて論理的・概念分析的な姿勢を守りつつ憲法問題の整理・解明を目指したい。 そのために、 |BGCOLOR(wheat):<1>|BGCOLOR(white):まず、基礎法学(理論法学)と実用法学(応用法学)を区別して、憲法問題の位置づけを明確にし、| |BGCOLOR(wheat):<2>|BGCOLOR(white):次に、基礎法学の主要3分野(①法概念論・②法価値論・③法学的方法論)各々について、実用法学の一分野である憲法学(憲法論)の課題を対応させた問題状況整理表を作成し、| |BGCOLOR(wheat):<3>|BGCOLOR(white):そして、上流から順に(つまり①法概念論→②法価値論→③法学的方法論の順に)これらの課題を一つづつ分析し整理していく。| **◆1.基礎法学(理論法学)と実用法学(応用法学) ---- |BGCOLOR(#CCCC99):きそほうがく&br()【基礎法学】 &br()※日本語版ブリタニカ百科事典より|>|>|>|BGCOLOR(white):実用法学に対して、少なくとも直接的には法的な諸事象の純粋に理論的な認識・解明を目的とする法学。&br()理論法学ともいう。&br()基礎医学という用語にならって第二次世界大戦後の日本で使われるようになった。&br()法社会学、法史学、比較法学、法哲学がこれに属する。| |BGCOLOR(#CCCC99):じつようほうがく&br()【実用法学】 &br()※日本語版ブリタニカ百科事典より|>|>|>|BGCOLOR(white):司法、行政、立法などの実用目的に奉仕する法学。&br()法解釈学と立法学がこれに属する。&br()基礎法学と対置されるが、現代の実用法学は基礎法学の成果を積極的に活用して法の合目的的な形成と運用を図る応用科学としての性格を強めつつある。| |BGCOLOR(#CCCC99):ほうかいしゃくがく&br()【法解釈学】 &br()Rechtsdogmatik &br()※日本語版ブリタニカ百科事典より|>|>|>|BGCOLOR(white):解釈法学ともいう。&br()実定法の規範的意味内容を体系的・合理的に解明し、裁判における法の適用に影響を与えることを目的とする実用法学。&br()実定法を構成する文字および文章の多義的な規範的意味内容を明確かつ一義的に確定していく作業が法の解釈であるが、この作業には、①文理解釈、②論理解釈、③縮小解釈、④目的論的解釈、⑤反対解釈、⑥勿論解釈、⑦類推解釈などと呼ばれるものがある。&br()法解釈学は古代ローマで成立して以来、現代まで法学の中心的位置を占めているが、時代の変遷によって力点の変化がみられる。&br()自由法論以後の法解釈学は人間や社会に関する経験科学的認識を取り入れた応用科学としての性格を強めている。&br()第二次世界大戦後の日本の法学界における「法解釈学論争」では、法解釈学の実践的性格が強調された。&br()法解釈学は、その対象となる実定法の分野によって、憲法学、行政法学、刑法学、民法学、商法学、労働法学、国際法学、国際私法学などに分れる。| |BGCOLOR(#CCCC99):けんぽうがく&br()【憲法学】 &br()※広辞苑より|>|>|>|BGCOLOR(white):法学の一部門。&br()憲法および憲法上の諸現象を研究の対象とする学問。国法学。| **◆2.問題状況整理表 ---- |>|>|>|BGCOLOR(teal):COLOR(white):CENTER:基礎法学(理論法学)の主要3分野|>|>|>|BGCOLOR(teal):COLOR(white):CENTER:憲法学(応用法学)の課題| |BGCOLOR(lightgreen):(1)|>|>|BGCOLOR(lightgreen):&bold(){&color(crimson){法概念論}}&br()(法とは何か)|BGCOLOR(khaki):<1>|BGCOLOR(khaki):憲法とは何か&br()(憲法の定義)|>|BGCOLOR(white):⇒(a)&color(green){&bold(){実質憲法(国制)}}と、(b)&color(green){&bold(){形式憲法(憲法典)}}、の&color(green){&bold(){区別}}が重要。| |~|~|~|~|BGCOLOR(khaki):<2>|BGCOLOR(khaki):法体系の中での憲法の位置づけ|>|BGCOLOR(white):⇒①&color(green){&bold(){法段階説}}(&color(green){&bold(){主権者意思[命令]説}}・・・ケルゼン及び修正自然法論者の法理解)と、②&color(green){&bold(){社会的ルール説}}(ハートの法理解であり、ハイエクの自生的秩序論と親和的)、の&color(green){&bold(){区別・評価}}が重要| |BGCOLOR(lightgreen):(2)|BGCOLOR(lightgreen):&bold(){&color(crimson){法価値論}}&br()(法の保障すべき価値は何か)&br()※&bold(){&color(crimson){正義論}}ともいう(*注1)&br()※&bold(){&color(crimson){法理念論}}、&bold(){&color(crimson){法目的論}}ともいう|BGCOLOR(lightgreen):《1》|BGCOLOR(lightgreen):法価値全般|BGCOLOR(khaki):<1>|BGCOLOR(khaki):法価値(正義)一般と「法の支配」論|>|BGCOLOR(white):※&color(crimson){&bold(){法価値論}}は、専ら、(a)&color(crimson){&bold(){実質憲法(国制)の在り方}}に関する分野である。&br()⇒①&color(green){&bold(){左翼的・全体主義的価値観}}と、②&color(green){&bold(){保守的・自由主義的価値観}}、の&color(green){&bold(){区別・評価}}が重要。| |~|~|~|~|BGCOLOR(khaki):<2>|BGCOLOR(khaki):「立憲主義」論|~|~| |~|~|BGCOLOR(lightgreen):《2》|BGCOLOR(lightgreen):個別的法価値|BGCOLOR(khaki):<1>|BGCOLOR(khaki):主権論&br()(憲法は特定の主権者を規定すべきか)|>|BGCOLOR(white):※主権論について詳細ページ⇒[[政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価]]| |~|~|~|~|BGCOLOR(khaki):<2>|BGCOLOR(khaki):人権論&br()(憲法の基礎的な保護領域は何か)|>|BGCOLOR(white):※人権論について詳細ページ⇒[[「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために]]| |~|~|~|~|BGCOLOR(khaki):<3>|BGCOLOR(khaki):平和論&br()(奴隷の平和か正戦を肯定するか)|~|~| |BGCOLOR(lightgreen):(3)|BGCOLOR(lightgreen):&bold(){&color(crimson){法学的方法論}}&br()(法価値を如何に実現するか)|BGCOLOR(lightgreen):前提&BR()条件|BGCOLOR(lightgreen):価値論の把握|BGCOLOR(khaki):<1>|BGCOLOR(khaki):憲法典(形式憲法)の解釈論|>|BGCOLOR(white):※&color(crimson){&bold(){法学的方法論}}は、専ら、(b)&color(crimson){&bold(){形式憲法(憲法典)の解釈・運用}}に関わる分野であり、具体的な条規について(2)法価値論《2》の<1>~<3>の課題に対応した法解釈の対立が見られる。&br()⇒①&color(green){&bold(){左翼的・全体主義的解釈}}と、②&color(green){&bold(){保守的・自由主義的解釈}}、の&color(green){&bold(){区別・評価}}が重要。| |~|~|~|~|BGCOLOR(khaki):<2>|BGCOLOR(khaki):憲法典(形式憲法)の改廃論|>|BGCOLOR(white):⇒①護憲論、②改憲論、および③破棄論、の比較・評価が重要。| |~|~|~|~|BGCOLOR(khaki):<3>|BGCOLOR(khaki):憲法典(形式憲法)案の内容評価|>|BGCOLOR(white):⇒各々の草案について、(2)法価値論《2》の<1>~<3>の課題への対応方針に留意しながら個別に評価していくことが重要。| (*注1)法的な価値は、伝統的に「正義(justice)」という言葉で表現されてきたため、法価値論を正義論ともいう。 ---- *■2.憲法とは何か(法概念論) ---- **◆1.憲法(constitution)の定義  ---- ***◇1.実質憲法(国制)と形式憲法(憲法典)の区別 |BGCOLOR(#CCCC99):けんぽう&br()【憲法】 &br()constitution &br()※日本語版ブリタニカ百科事典より|>|>|>|BGCOLOR(white):憲法の語には、(1)&color(crimson){およそ法ないし掟の意味}と、(2)&color(crimson){国の根本秩序に関する法規範の意味}、の2義があり、&br()聖徳太子の「十七条憲法」は(1)前者の例であるが、&color(crimson){今日一般には}(2)&color(crimson){後者の意味}で用いられる。| |~|>|>|>|BGCOLOR(white):(2)&color(crimson){後者の意味での憲法は、凡そ国家のあるところに存在する}が(&color(green){&bold(){実質憲法}})、&br()近代国家の登場とともに&color(crimson){かかる法規範を1つの法典}(&color(green){&bold(){憲法典}})&color(crimson){として制定することが一般的となり}(&color(green){&bold(){形式憲法}})、&br()しかもフランス人権宣言16条に謳われているように、&color(crimson){①国民の権利を保障し、②権力分立制を定める憲法のみを憲法と観念する傾向}が生まれた(&color(green){&bold(){近代的意味の憲法}})。| |~|BGCOLOR(white):<1>|>|>|BGCOLOR(white):17世紀以降この近代的憲法原理の確立過程は政治闘争の歴史であった。&br()   憲法の制定・変革という重大な憲法現象が政治そのものである。&br()   比較的安定した憲法体制にあっても、①社会的諸勢力の利害や、②階級の対立は、&br()   [1]&color(green){&bold(){重大な憲法解釈の対立}}とともに、[2]&color(green){&bold(){政治的・イデオロギー的対立}}を必然的に伴っている。| |~|~|BGCOLOR(white):従って、&color(crimson){憲法は}|BGCOLOR(white):(a)|BGCOLOR(white):&color(crimson){政治の基本的ルールを定めるもの}であるとともに、| |~|~|~|BGCOLOR(white):(b)|BGCOLOR(white):&color(crimson){社会的諸勢力の経済的・政治的・イデオロギー的闘争によって維持・発展・変革されていく}、&br()   ・・・という&color(crimson){二重の構造}を持っている。| |~|BGCOLOR(white):<2>|>|>|BGCOLOR(white):憲法の改正が、通常の立法手続でできるか否かにより、軟性憲法と硬性憲法との区別が生まれるが、今日ではほとんどが硬性憲法である。 | |~|~|BGCOLOR(white):近代的意味での成文の硬性憲法は、|BGCOLOR(white):①|BGCOLOR(white):国の法規範創設の最終的源である(&color(green){&bold(){授権規範性}})とともに、| |~|~|~|BGCOLOR(white):②|BGCOLOR(white):法規範創設を内容的に枠づける(&color(green){&bold(){制限規範性}})という特性を持ち、かつ| |~|~|~|BGCOLOR(white):③|BGCOLOR(white):一国の法規範秩序の中で最高の形式的効力を持つ(&color(green){&bold(){最高法規性}})。| |~|~|>|>|BGCOLOR(white):日本国憲法98条1項は、憲法の③最高法規性を明記するが、日本国憲法が硬性憲法である(96条参照)以上当然の帰結である。&br()   今日、③最高法規性を確保するため、何らかの形で&color(green){&bold(){違憲審査制}}を導入する国が増えてきている。| |~|>|>|>|BGCOLOR(white):なお、憲法は、&br()①制定の権威の所在如何により、欽定・民定・協約・条約(国約)憲法の区別が、&br()②歴史的内容により、ブルジョア憲法と社会主義憲法、あるいは、近代憲法(自由権中心の憲法)と現代憲法(社会権を導入するに至った憲法)といった区別がなされる。| |~|>|>|>|BGCOLOR(white):なお、下位規範による憲法規範の簒奪を防止し、憲法の最高法規性を確保することを、&color(green){&bold(){憲法の保障}}という。| |~|>|>|>|BGCOLOR(white):   (⇒憲法の変動、⇒成文憲法、⇒不文憲法)| 上記のように、憲法(constitution)という概念には、 |BGCOLOR(skyblue):①|BGCOLOR(skyblue):実質的意味の憲法|BGCOLOR(skyblue):(=国制、国体法 constititional law)|BGCOLOR(skyblue):⇒本質主義(essentialism)による定義|BGCOLOR(white):と、| |BGCOLOR(khaki):②|BGCOLOR(khaki):形式的意味の憲法|BGCOLOR(khaki):(=憲法典 constitutional code)|BGCOLOR(khaki):⇒名目主義(nominalism)による定義|BGCOLOR(white):の2つのレベルがあり、| 両者を区別しつつ総合的に考察していく必要がある。 そして、これに対応して、憲法論にも、 |BGCOLOR(skyblue):①|BGCOLOR(skyblue):実質的意味の憲法論|BGCOLOR(skyblue):(法価値論=憲法の保障すべき価値は何かを考察する価値論であり、それを具体化すると立法論になる)|BGCOLOR(white):と、| |BGCOLOR(khaki):②|BGCOLOR(khaki):形式的意味の憲法論|BGCOLOR(khaki):(法解釈論=既に成文化された憲法典の解釈論)|BGCOLOR(white):の2つの段階があり、| この両者もまた確り区別して考察していく必要がある。 |BGCOLOR(olive):COLOR(white):★補足説明★「実質的意味の憲法」「国体法」「国制」| |BGCOLOR(lightgray):たとえば「民法」という概念には、①実質的意味の民法(=民法典に限らず「総体としての民法 civil law」を指す)と、②形式的意味の民法(=民法典 civil code という具体的な法律)の二つの意味があり、また「刑法」という概念にも同じく、①実質的意味の刑法(criminal law)と、②形式的意味の刑法(=刑法典 criminal code という具体的な法律)の二つの意味がある。&br()これらから類推されるように、当然「憲法」という概念にも、①実質的意味の憲法(constitutional law)と、②形式的意味の憲法(=憲法典 constitutional code という具体的な法律)の二つの意味があり、これらは確りと区別されて論じられるべきであるが、明治期に constitution(英語)ないし Verfassung(ドイツ語)という概念を日本に導入する際に、専ら②形式的意味の憲法(憲法典)という意味で「憲法」という言葉が用いられてしまったために、現在の日本では、憲法とは専ら②憲法典である、とする理解(すなわち、①の意味を見落とした状態での理解)が一般的となってしまっている。| |BGCOLOR(lightgray):これに関しては、戦前の日本では、①実質的意味の憲法(国制)を意味する言葉として、明治以前から「国体」という用語が普及していたという裏の事情がある。&BR()この「国体」という用語は、昭和初期に濫用されて右翼的イデオロギーの色彩を強く帯びてしまったことから、戦後はこの用語の使用自体がタブー視される状態となってしまい、なおさら現在の日本人が、①実質的意味の憲法、を考えることを困難にしている。(※「国体」については⇒[[国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書)]]参照)| |BGCOLOR(lightgray):こうした①実質的意味の憲法 constitutional law を素直に翻訳すれば「国体法」となるが、ここでは主に、よりイデオロギー色の薄い「国制」という訳語を用いることとする。(※なお、アリストテレス著として伝わる『アテナイ人の国制』の英語版書名は 『The Athenian Constitution』であり、①の意味での constitution の訳語として「国制」が現時点ではやはり一番適切である。)| ***◇2.法概念論(憲法とは何か)と法価値論(憲法の保障すべき価値は何か)の区別 左派及び右派から、しばしば繰り返される「憲法の定義」として、次のようなものがある。 |BGCOLOR(#CCCC99):(1)|BGCOLOR(wheat):憲法とは、政治権力者を拘束し国民を守るための法規範であり、それに反するものは憲法ではない。|BGCOLOR(wheat):(主に左派から)| |BGCOLOR(#CCCC99):(2)|BGCOLOR(wheat):憲法とは、国の歴史を踏まえた国体を成文化した法規範であり、それに反するものは憲法ではない。|BGCOLOR(wheat):(主に右派から)| 確かに、正当な憲法典には、(1)および(2)のそれぞれの要素が認められるべきであるが、結論から先にいえば、それらは、&color(green){&bold(){②法価値論(憲法の保障すべき価値は何か)のカテゴリー}}であって、&color(green){&bold(){「憲法の定義」すなわち①法概念論(憲法とは何か)のカテゴリーではない}}。 このようなカテゴリー・ミスを避ける意味でも、当ページで薦めているような、&color(green){&bold(){①法概念論⇒②法価値論⇒③法学的方法論}}、という&color(green){&bold(){順序を踏まえた憲法問題の検討}}が肝要である。 因みに、(1)政治権力者をほとんど拘束できない憲法典や、(2)自国の歴史やこれまでに培ってきた伝統的な国体を全く反映せず、むしろそれらの積極的な破壊を目的とした憲法典も、世界には幾つも存在したし、現在でも存在しており、それらを「憲法と認めない」とするのは単なる個人的な価値観の表明でしかなく、何ら憲法問題の分析・明晰化に役立たない。 それよりも先ずは「憲法」という概念を、<1>実質憲法(国制、国体法)と <2>形式憲法(憲法典)に確り区別して、この両者の関係から、(a)国家の在り方(=伝統国家/革命国家/新興国家)、(b)憲法典の在り方(保守型/革命型/創成型)を考察していく方が遥かに有意義である。 ***◇3.二つの憲法概念から考える国家の在り方(伝統国家・革命国家・新興国家) &include_cache(二つの憲法概念と国家) ※■3.- ◆3.の[[憲法論の二段構造(整理表)]]で詳述するように、日本国憲法に関しては、 |BGCOLOR(#CCCC99):(1)|BGCOLOR(white):左翼側(主に憲法学者)は、これを「八月革命」の結果成立した革命型憲法と捉え、戦前の国制を積極的に否定・破壊する方向への解釈・運用を強く要求してきたが、| |BGCOLOR(#CCCC99):(2)|BGCOLOR(white):保守側(主に日本政府)は、そのようなフィクションを認めず、日本国憲法はあくまで大日本帝国憲法の改正憲法典として成立したものとして保守的解釈・運用を図ってきており、| 戦後の日本では、(a)国家の在り方(=伝統国家か革命国家か)、(b)憲法典の在り方(=保守的解釈が正当かそれとも左翼的解釈が正当か)を巡って、左翼側・保守側の激しい対立が継続されてきた。 |BGCOLOR(#CCCC99):こうけんてきかいしゃく&br()【公権的解釈】&br()※日本語版ブリタニカ百科事典より|BGCOLOR(white):権限のある国家機関によって行われる法の解釈。&br()有権解釈ともいう。&br()これによって解釈が公定されるという点で、法学者や私人の解釈よりも重要な意味をもつ。&br()公権的解釈には、法律によるもの(立法解釈)、行政機関によるもの(行政解釈)、裁判所によるもの(司法解釈)がある。| ※つまり、左翼的な憲法学者がどれほど「これは憲法学界の通説である(例:八月革命は憲法学界の通説であるetc.)」と唱えようと、日本政府がこれまでに表明してきた見解(例:国体は戦前/戦後で一貫しているetc.)が効力を持ったオフィシャルな解釈(=公権的解釈・有権解釈)なのだから、我々が戦後の日本を伝統国家と認め、日本国憲法を保守的に解釈することには正当な理由があるのだが、それ以外にも、下記◆2.に示すように、戦後日本の左翼的憲法学には論理面から致命的な欠陥が指摘可能である。 **◆2.法体系の2つの捉え方 ---- ***◇1.ケルゼンおよび修正自然法論者による法段階説(半世紀前の法学パラダイム) &include_cache(法段階説による法体系と反論) ***◇2.ハートによる社会的ルール説(現代の世界標準の法学パラダイム) &include_cache(H.L.A.ハートの法体系) ※上記のように、&color(green){ハート}の&color(green){法=社会的ルール説}は、&color(green){現実の法現象について詳細で明晰な分析モデルを提供}しており、&color(green){特定の価値観・政治的イデオロギーに基づく概念ピラミッド}に過ぎない&color(green){法=主権者意思[命令]説}の法体系モデルを、&color(green){その説得力において大幅に凌駕}している。 ※上図について、詳細な解説は[[法と権利の本質に関する2つの考え方>リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配#id_53446b7f]]へ。 ※このように、①法概念論(憲法とは何か)の段階で、既に左翼的憲法論はハッキリと論理破綻しているのであるが、以下更に、②法価値論(憲法の保障すべき価値は何か)の段階での 左翼的スタンス vs. 保守的スタンス 両者の憲法に求める価値(理念・目的)を対比して、寛容で価値多元的な自由主義社会を支え得る法価値は保守的スタンスのものであることを説明していく。 ---- *■3.憲法の保障すべき価値、理念・目的は何か(法価値論) ---- → 主として、&color(green){&bold(){実質憲法(国制)}}に関する議論領域 |BGCOLOR(KHAKI):(1)|BGCOLOR(wheat):ここでは、まず、&color(green){&bold(){法価値(=正義)一般}}について、それと密接に関連した&color(green){&bold(){「法の支配」理念}}と関連づけて整理・明晰化し、| |BGCOLOR(KHAKI):(2)|BGCOLOR(wheat):次に、「法の支配」理念から発展した&color(green){&bold(){「立憲主義」理念}}について整理・明晰化し、| |BGCOLOR(KHAKI):(3)|BGCOLOR(wheat):さらに、憲法に特有の法価値論(①&color(green){&bold(){主権論}}、②&color(green){&bold(){人権論}}、③&color(green){&bold(){平和論}})について、法解釈論と関連づけて整理・明晰化していく。| ※ポイントは、「正義」概念・「法の支配」理念・「立憲主義」理念や、①主権論・②人権論・③平和論に関しても、[[自由>リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜]]概念のケース(※[[リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜]]参照)と同様に、<1>&color(navy){&bold(){保守的(自由主義的=価値多元的)スタンスによる理解}}と、<2>&color(crimson){&bold(){左翼的(全体主義的=価値一元的)スタンスによる理解}}とが、&color(green){&bold(){鋭く対立}}しているという基本構図を正しく把握することである。 **◆1.法価値(=正義)一般と、「法の支配」 ---- |BGCOLOR(#CCCC99):ほうかちろん&br()【法価値論】&br() legal axiology &br()<日本語版ブリタニカ>|>|>|>|BGCOLOR(white):法的な価値について考察する研究分野。&br()&color(green){&bold(){法的な価値}}は&color(green){&bold(){正義}}という言葉で表現されることが多いから、&color(green){&bold(){正義論}}といってもよい。 &br()古代ギリシア以来、法哲学の主要分野をなしてきたが、最近は、①規範的倫理学と、②分析的倫理学の区別に対応して、①規範的法価値論と②分析的法価値論(メタ法価値論)とが明確に区別されるようになった。| |BGCOLOR(#CCCC99):せいぎ&br()【正義】&br() <広辞苑>|BGCOLOR(white):①|>|>|BGCOLOR(white):[荀子(正名)]正しいすじみち、人がふみ行うべき正しい道。「-を貫く」| |~|BGCOLOR(white):②|>|>|BGCOLOR(white):[漢書(律暦志上)]正しい意義または注解。「尚書-」 | |~|BGCOLOR(white):③|BGCOLOR(white):(justice)|BGCOLOR(white):(ア)|BGCOLOR(white):&color(green){&bold(){社会全体の幸福を保障する秩序を実現し維持すること}}。&br()   プラトンは国家の各成員がそれぞれの責務を果たし、国家全体として調和があることを正義とし、アリストテレスは能力に応じた公平な分配を正義とした。&br()   &color(green){&bold(){近代}}では&color(green){&bold(){社会の成員の自由と平等が正義の観念の中心}}となり、自由主義的民主主義社会は各人の法的な平等を実現した。 &br()   これを単に形式的なものと見るマルキシズムは、真の正義は社会主義によって初めて実現されると主張するが、現在では&color(green){&bold(){イデオロギーを超えた正義}}が模索されている。| |~|~|~|BGCOLOR(white):(イ)|BGCOLOR(white):社会の正義に適った行為をなしうるような個人の徳性。 | |BGCOLOR(#CCCC99):せいぎ&br()【正義】&br() justice &br()<日本語版ブリタニカ>|>|>|>|BGCOLOR(white):&color(green){&bold(){人間の社会的関係において実現されるべき究極的な価値}}。| |~|BGCOLOR(white):.|>|>|BGCOLOR(white):善(※注: agothos, bonum, good)と同義に用いられることもあるが、| |~|~|>|BGCOLOR(white):(1)|BGCOLOR(white):善が、主として人間の個人的態度にかかわる道徳的な価値を指すのに対して、| |~|~|>|BGCOLOR(white):(2)|BGCOLOR(white):&color(green){&bold(){正義}}は、&color(green){&bold(){人間の対他的関係の規律にかかわる法的な価値}}を指す。| |~|BGCOLOR(white):.|>|>|BGCOLOR(white):正義とは何か、という問題については、古来さまざまな解答が示されてきたが、一般的な価値ないし価値基準に関する見解と同様に| |~|~|>|BGCOLOR(white):<1>|BGCOLOR(white):&bold(){&color(green){正義}}を&bold(){&color(crimson){客観的な実在}}と考える&bold(){&color(crimson){客観主義的・絶対主義的正義論}}と、| |~|~|>|BGCOLOR(white):<2>|BGCOLOR(white):&bold(){&color(green){正義}}を&bold(){&color(navy){主観的な確信}}と考える&bold(){&color(navy){主観主義的・相対主義的正義論}}とに大別できよう。| |~|~|>|>|BGCOLOR(white):法思想の領域では、だいたいにおいて、&bold(){&color(crimson){自然法論}}が<1>&bold(){&color(crimson){前者}}に、&bold(){&color(navy){法実証主義}}が<2>&bold(){&color(navy){後者}}に、属する。| |~|BGCOLOR(white):.|>|>|BGCOLOR(white):従来の正義論のうちでは、アリストテレスやキケロの見解が名高く、与えた影響も大きい。| |~|~|BGCOLOR(white):(ア)|>|BGCOLOR(white):アリストテレスは、道徳と区別される正義(特殊的正義)について、①配分的正義と、②交換的正義(平均的正義、調整的正義とも訳される)とを区別し、| |~|~|~|BGCOLOR(white):①|BGCOLOR(white):前者は、公民としての各人の価値・功績に応じて、名誉や財貨を配分することにおいて成立し、| |~|~|~|BGCOLOR(white):②|BGCOLOR(white):後者は、私人としての各人の相互交渉から生じる利害を平均・調整することにおいて成立する、とした。| |~|~|BGCOLOR(white):(イ)|>|BGCOLOR(white):キケロは、この①配分的正義と同様な内容を、「各人に彼のものを」という公式で表現した。 | |BGCOLOR(#CCCC99):ほう-の-しはい【法の支配】 &br()(rule of law)&br() <広辞苑>|>|>|>|BGCOLOR(white):イギリスの法律家コークが、国王は神と法の下にあるべきである、として、ジェームズ1世の王権を抑制して以来、&bold(){&color(green){「人の支配」に対抗して認められるようになった近代の政治原理}}。&br()コークのいう法は、イギリスの判例法で、立法権をも抑制する点で、法治主義とは異なるが、後に法治主義と同義に用いることもある。| &color(green){&bold(){政治思想・政治哲学}}の&color(green){&bold(){根本的価値}}が「&color(navy){&bold(){自由(freedom/liberty)}}」という言葉で表現されるように、 &color(green){&bold(){法思想・法哲学}}の&color(green){&bold(){根本的価値}}は「&color(navy){&bold(){正義(justice)}}」という言葉で伝統的に表現されてきた。 ここで「正義」概念を概括するとともに「法の支配」理念との関係についても整理する。 &include_cache(法価値論(正義論)の構造と「法の支配」(まとめ図)) この&color(green){&bold(){「正義」概念に基く法理念・法思想}}を、一般に「&bold(){&color(navy){法の支配(rule of law)}}」と呼んでいる。 ここで「法の支配」理念について整理する。 &include_cache(「法の支配」理念(整理表)) ***◇1.参考ページ |BGCOLOR(skyblue):法価値論(正義論)まとめページ|BGCOLOR(white):&size(20){&bold(){[[「正義」とは何か ~ 法価値論まとめ+「法の支配」との関係]]}}| |BGCOLOR(skyblue):「法の支配」理念のまとめページ|BGCOLOR(white):&size(20){&bold(){[[「法の支配(rule of law)」とは何か]]}}| |BGCOLOR(skyblue):「自由」概念のまとめページ|BGCOLOR(white):&size(20){&bold(){[[リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜]]}}| ***◇2.「正義」「法の支配」まとめ 以上のように、「正義」概念・「法の支配」理念に関して、主に形式的・手続的正義論に依拠する<1>保守的スタンスによる理解と、実質的正義論に依拠する<2>左翼的スタンスによる理解が対立するが、1960年代以降、英米圏で主流となっている理解は明らかに<1>の側であり、それを反映して、元々は故・芦部信喜教授の門下であった長谷部恭男・東大法学部教授は近年、ドイツ法学に由来する師の論を完全に否定する次のような見解を打ち出すに至っている。 |BGCOLOR(orange):長谷部恭男『[[法とは何か>http://www.amazon.co.jp/dp/4309624332]]』(2011年刊) p.148-9| |BGCOLOR(white):&color(green){&bold(){法の支配}}という概念もいろいろな意味で使われます。ときには、&color(green){&bold(){人権の保障や民主主義の実現など、あるべき政治体制が備えるべき徳目のすべてを意味する理念}}として用いられることもありますが、こうした濃厚な意味合いで使ってしまうと、&color(green){&bold(){「法の支配」を独立の議論の対象とする意味が失われます}}。| |BGCOLOR(white):法の支配は人の支配と対比されます。ある特定の人(々)の恣意的な支配ではなく、法に則った支配が存在するためには、そこで言う「法」が人々の従うことの可能な法でなければなりません。そのために法が満たすべき条件として、次のようないくつかの条件が挙げられてきました。・・・(中略)・・・。こうした、&color(green){&bold(){法の公開性、明確性、一般性、安定性、無矛盾性、不遡及性、実行可能性などの要請}}が、&color(green){&bold(){法の支配の要請}}と言われるものです。| |BGCOLOR(white):日本の憲法の教科書類を見ると、「法の支配」の名の下に、人権の保障や民主主義、権力分立など、望ましい政治体制が備えるべきあらゆる徳目が並べられていることが少なくありません。しかし、ここまで濃厚な意味で「法の支配」を理解してしまうと、法の支配を独立して検討の対象とする意味はほとんどないように思われます。・・・(中略)・・・。こうした「法の支配」ということばの使い方の背景には、善いことである以上は、そのすべてが予定調和して100パーセント実現できるはずだというバラ色の想定があるのではないでしょうか。私としては・・・&color(green){&bold(){限定的な意味での「法の支配」を議論の対象とする方が、学問のあり方としても生産的}}だし、こうした意味を前提としてもっぱら議論をしている&color(green){&bold(){諸外国の研究者と議論するときも、誤解が少なくて善いのではないか}}と考えます。| ⇒長谷部教授は憲法改正に反対する護憲論者であるが、こうした左派の憲法学者であっても、英米圏でとっくの昔に標準となった法学パラダイム(ハートの法=社会的ルール説)に基づく憲法論議に追いついていこうとするだけの学問的誠実さのある者は、「正義」概念・「法の支配」理念に関しては既に<1>保守的(自由主義的=価値多元的)スタンスによる理解が正解であることをはっきりと認めている。 これに対して、故・芦部信喜教授の憲法論の継承者である高橋和之教授を初めとする多くの左派憲法学者は残念ながら、未だに半世紀以上前(1961年のH.L.A.ハート『法の概念』刊行以前)のドイツ法学系パラダイム(法段階説・法=主権者意思説)に依拠する日本ローカルの憲法学の殻に閉じ籠ったままであるが、こうしたガラパゴス状態も長谷部教授などの貢献により今後は徐々に正常化に向かっていくものと思われる。 ※以下、「法の支配」理念から発展した「立憲主義」理念について整理します。 **◆2.「立憲主義」の定義 ---- 日本の憲法の教科書では「法の支配」の名の下に“人権の保障や民主主義、権力分立など、望ましい政治体制が備えるべきあらゆる徳目が並べられている”という上記の長谷部教授の批判は、「立憲主義」に関してもそっくりそのまま当て嵌まる。 ⇒「法の支配」の意味を限定すべきであるのと同様に、&color(green){&bold(){「立憲主義」という言葉の意味も限定すべき}}である(すなわち、下記の阪本昌成氏や長谷部恭男氏の論が正解となる)。 ***◇1.各論者による説明 &include_cache(論者別・立憲主義の説明) ***◇2.参考ページ |BGCOLOR(skyblue):「立憲主義」理念のまとめページ|BGCOLOR(white):&size(20){&bold(){[[立憲主義とは何か]]}}| ※以上で法価値全般に関わる事項の説明を終わり、憲法に特有の法価値に関する検討に移ります。 **◆3.憲法に特有の法価値論+法解釈論 - 整理図 ---- &include_cache(憲法論の二段構造(整理表)) ***◇1.参考ページ |BGCOLOR(skyblue):「法の支配」と国民主権の関係|BGCOLOR(white):&size(20){&bold(){[[リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配]]}}| |BGCOLOR(skyblue):国民の権利・自由と人権の関係|BGCOLOR(white):&size(20){&bold(){[[「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために]]}}| |BGCOLOR(skyblue):芦部信喜・佐藤幸治・阪本昌成・中川八洋etc.の「国民主権論」比較と評価|BGCOLOR(white):&size(20){&bold(){[[政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価]]}}| |BGCOLOR(skyblue):関連用語集|BGCOLOR(white):&size(20){&bold(){[[【用語集】主権論・国民主権等]]}}| ※このように、②法価値論(憲法の保障すべき価値は何か)の段階で、(1)&color(crimson){&bold(){左翼的スタンスによる理解}}と(2)&color(navy){&bold(){保守的スタンスによる理解}}とが激しく対立するが、 &color(green){&bold(){寛容で自由な価値多元的な社会を保障する}}のは、[[二つの自由論>リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜]]の場合と同じく、(2)&color(navy){&bold(){保守的スタンスによる理解}}の方である。 ※なお、ここで一つ留意事項として、上図には表記がないが、(1)(2)の他にもう一つ、(3)右翼的スタンスによる理解というものが想定可能である。この(3)右翼的スタンスは、(1)左翼的スタンスの場合と同じく全体主義的であって、寛容で自由な社会に相応しくない理解である。(この(3)右翼的スタンスと(2)保守的スタンスとの区別は、■4.-◆1.-◇2.の中段で図解する) ---- *■4.そうした価値、理念・目的を如何に実現するか(法学的方法論) ---- → 主として、&color(green){&bold(){形式憲法(憲法典)}}に関する議論領域 **◆1.現行憲法典の解釈論 ---- ***◇1.左翼的(全体主義的)解釈vs.保守的(自由主義的)解釈  ※■3.- ◆3.の[[整理表下段(形式的憲法論の欄)>https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/kbt16s/attach/300/301/%E6%86%B2%E6%B3%95%E8%AB%96%E3%81%AE%EF%BC%92%E6%AE%B5%E9%9A%8Eh455.png]]を参照 ***◇2.日本の代表的な憲法論 - 内容紹介・評価 &include_cache(国民主権・序論) **◆2.憲法典の改廃論 ---- &include_cache(現行憲法典の改廃論) **◆3.憲法典改正案 ---- ***◇1.現在提案されている種々の改憲案 &include_cache(種々の改憲案) ***◇2.日本国憲法の構成と、保守的スタンスから見た改正の要否 &include_cache(日本国憲法の構成と改正の要否) ***◇3.改憲案の具体例(自民党・憲法改正草案(2012年版)+中川八洋草案) |BGCOLOR(#CCCC99):1|BGCOLOR(khaki):&bold(){&size(15){自民党 憲法改正草案(2012年版)}} (※中川八洋『[[国民の憲法改正>http://www.amazon.co.jp/dp/4828411275]]』の指摘事項を付記)|BGCOLOR(khaki):&bold(){&size(15){  [[現行憲法-自民党草案-中川草案(対照表)]]}}  を参照| ---- *■5.ご意見、情報提供 ---- &BOLD(){&color(green){ページ内容向上のためのご意見・情報提供}を歓迎します。} ---- &size(12){&color(green){↓これまでの全コメントを表示する場合はここをクリック}} #region(close) &include_cache(コメント/日本国憲法改正問題(上級編)) #endregion ---- &color(crimson){&bold(){&size(17){以下は最新コメント表示}}} #pcomment(reply,200,,size=300) &color(crimson){ラジオボタン(各コメントの前についている○)をクリックすることで、そのコメントにレスできます。} &include_cache(政治理論・共通)
&include_cache(日本国憲法改正問題(上級編))

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: