免疫


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お疲れ様でした!


免疫班の皆様には終始お世話になりっぱなしで、本当に感謝しております。優秀な皆様と組めたことを幸せに思います。
今後も鉄門癌の会の行事等で色々とお世話になることも多いかと思います(幹部だったりするので…)ので、どうぞよろしくお願いします。
なお、今日撮影したRavetch先生との記念写真ですが、こちらにはアップできないみたいなので、僕のYahoo!ブリーフケース内に置いておきました。こちらになります。→ http://briefcase.yahoo.co.jp/bc/toshiyuki_kou/lst?.dir=/
どうぞご活用下さい。 

重要連絡!

本当は今日の昼休みに小講堂で直に伝えたかったのですが、五月祭で忙しそうにしていたので遠慮しておきました。ここに書いておきましす。教務課から先程好からぬ連絡を一つ受けたので、念のため以下の確認をさせて下さい。

①もしまだ以下の時間割を自分が担当する先生に知らせていないようでしたら、急いでメールをして知らせて下さい!

(遅れるとクレームが来ます…)


9:00~9:15   谷口先生による概論(総論)
9:15~10:45   山本先生による講演
10:45~11:00  質問及び休憩
11:00~12:30  坂口先生による講演
12:30~12:40  質問
12:40~13:30  お昼休み
13:30~15:00  Ravetch先生による講演
15:00~15:15  質問及び翌日の連絡

②当日配布するレジュメとして、講演に使用するパワーポイントをもらって下さい。(2日前である2月4日(月)が締め切りです。最悪4日までにもらい、5日に直で教務課に持って行きます)

③講演場所についても教えてあげて下さい。医学部本館(二号館)3階大講堂です。(当日は下手すると僕らが赤門まで出迎えに行くことになるかも…)

以上2点、まだのようでしたら大至急お願いします。谷口先生については僕の方でやっておいたので、坂口先生・Ravetch先生の方はよろしくお願いします。
当日の司会ですが、我が班も発生の班等に倣い、各自自分が担当する先生のところ(略歴等の紹介から講演後の質疑応答まで)は自分が行う感じでいきましょうかね。その際、谷口先生が以前にRavetch先生の分の紹介は自分がやりたい的なことを仰っていたのですが、「担当する学生がしてもよいですか?(どんなことを言えばいいのか分からないのですが…苦笑)」と聞いたところ、「それなら教えてあげよう!」と返事していました。おそらくRavetch先生に限らず、各先生方の紹介文は(失礼がないように)事前に谷口先生の指導を受けつつ作成した方がよいと思われます。ということで、ちょっと谷口先生と相談して、近日中に谷口先生のご都合が良いときに研究室にお邪魔してまた話し合いをするかもしれません。もし先生のご都合が悪いようでしたら、各自作ったものをメールで送って添削してもらって下さい。
では、いよいよ本番ですが、よろしくお願いします。(Kou)

当日の仕事

場所は本館三階大講堂です。鉄門講堂が教授会(教授選!?)で使用されるためだそうです…。(勇気ある人抗議して下さい)仕事内容は以下になります。(Kou)
①当日は朝早めに来てパソコン,プロジェクター,照明のチェックと整備をします!(誰かが教えてくれるのかな?目下のところ谷口研及び教務課と交渉中です…)
②司会及び様々なお手伝い(マイク渡しなど)をします。
③質問が出なくて気まずくなったら質問します…。
以上です。僕は諸事情あって15:20になったら消失するので、ひょっとしたら最後までいないかもしれません。ごめんなさい。

今後の課題

シラバス原稿全て揃いました!皆様お疲れ様でした!
今後やらなければならないことを以下に列挙しました。(Kou)

1.当日配るレジュメの準備

使用するパワポのファイルをもらうのが一番です。どうしてもパワポをあげたくない場合には、(例えば学生には配布したくないスライドを削除して)別に新たにレジュメ用のファイルを作成して頂いて、それをもらうようにして下さい。

2.当日の司会進行

どうしましょうか?一人が全部やるか、あるいは各自自分の担当する先生の分をやるか…?要相談ですね。あっ、先生への質問は積極的にしましょう!

3.その他連絡

23日(水)にカポ・ペリカーノにて教育研究棟(各基礎系研究室)全体の新年会が催されます。時間は多分18:30からという説…。 学部長も来るくらいなので、多分谷口先生も来るんじゃないかと思います。もしよかったら、僕らもその席を借りて一度集まりませんか?興味のある方は僕にご一報下さい。栗原先生に頼んで栗原研から出席枠を確保しておきます。
あと、何故か免疫の日だけは場所が鉄門講堂ではなく、本館3階の大講堂になったようです。こちらも栗原先生にこれから確認を取ってみます。


進行状況連絡


今年もどうぞよろしくお願いします。さて、谷口先生の分のシラバス原稿が完成したので、以下に記載しておきます。(山本先生は学位審査で忙しいらしく、14日にやっと完成する予定です)各自、自分の担当の先生の原稿を確保して下さい。15日くらいまでには完成させたいところですね。できたものから秋山君の方まで送っていいんじゃないかと思います。(Kou)

前文

こうなりました。たたき台と全然違うものになっています。こだわっていじったらこうなりました。すみません。


血の気の多い、ものものしき免疫系の細胞たち。彼らは体中をめぐりながら、次から次へと沢山の敵かもしれないものに出会う。剥がれ落ちた上皮細胞。進入した病原体。そうしたものの一つ一つが、敵か、敵でないか、は重要な問題だ。細胞たちは敵ならば武器を振りかざすつもりだ。――そこへ「敵じゃないよ」の声がかかる。

この、戦わないで、と教える「声」こそが、末梢性免疫寛容である。抑制性T細胞が、この声をかける。あるいは、抗体と結合した抑制性Fcレセプターが引き起こす免疫細胞内の抑制性シグナルが、この声だ。

細胞たちはさらに、次から次へと敵らしきものに出会う。それが敵だと認識すれば、その敵に特化した猛者の分身がどっと増える。すなわち抗原に特異的なT細胞が増える。それが制御不能になったら大変だ。

敵か敵でないか、すなわち生体にとって有用か無用か、という判断を誤れば、自己が攻撃され、がんが見逃されていく。そして私たちの体が悲鳴を上げるのだ。


免疫が何に寛容になるのか、どのように寛容になるのか。
免疫の細胞たちの戦うシーンを眺める視界を鮮やかにどんどんクリアにしてこられた4人の素敵な研究者の方々が、私たちと語るために教壇に立たれます。
目の前のものと戦うか、否か、という決断が次から次へと下されている世界。免疫細胞のたたかう現場のリアルな息遣いがきこえてきます。どうぞ生き生きとお楽しみください。

「免疫寛容とその破綻;系統講義の概要」

谷口維紹
東京大学大学院医学系研究科・医学部・免疫学講座

(略歴)
1978年チューリッヒ大学大学院博士課程卒
1979年 癌研究会癌研究所生化学部・研究員
1983年 同・部長
1984年 大阪大学細胞工学センター・教授
1985年 東京大学医学部・教授
1997年 東京大学大学院医学系研究科・教授
2004年 米国がん学会国際問題検討委員会・座長
2005年 日本学術会議・会員
2006年ニューヨーク大学医学部・附属教授

(表彰等)
朝日賞、ロベルトコッホ賞(ドイツ)、ハマー賞(米国)、国際インターフェロン学会ミルスタイン賞、藤原賞、慶應医学賞、日本学士院賞、米国がん学会・ペツコラー財団がん研究国際賞(米国・イタリア)、ベローナ大学・名誉医学博士、チューリッヒ大学・名誉博士、米国免疫学会名誉会員、米国ナショナルアカデミー・外国人会員、など

(前提知識 )
以下のキーワードを調べておけば役立つと思います。
Fc受容体、ITAM, ITIM motifs, 抗体のアイソタイプ、retrovirus-mediated gene transfer, T細胞抗原受容体、
制御性T細胞;Regulatory T細胞(Treg)、 FoxP3転写因子

(系統講義概要;イントロダクション)
 「免疫寛容」(immunological torelance)、すなわち免疫系の根幹ともいえる自己と非自己の識別機構の研究の歴史は古い。1957年にEhrlich らは山羊の赤血球を他の山羊に注入すると溶血性の抗体が産生されることを発見した。それまで自己への免疫応答はそもそも出来ないものだと考えられていたが、この発見により、彼等はむしろ動物が自己破壊性の応答を回避する「調節的な工夫」が必要であると考え、"horror autotoxicus" と呼んだ。やがて「自己に対する免疫寛容は個体の遺伝的特性ではなく、その発生過程で獲得される」ことが判明したのである。
 いうまでもなく、自己寛容の分子機構の解明は、自己免疫疾患の治療法を開発する上で必須の情報を与えると期待されているためこの分野の動向は大きな関心を持って注視されている。本統合講義ではまず、自己免疫疾患の発症と治療に関する研究で世界を先導している山本一彦教授(本学医学部)にご自身の研究室での最近の展開について解説して頂く予定である。
 Burnetが「クローン選択説」で提唱したように、自己反応性リンパ球(禁止クローン)は一次リンパ組織(胸腺、骨髄)において「負の選択」を受けることによって除去される、といういわゆる中枢性寛容獲得の機構が存在することが明らかとなったが、それに加え、末梢での寛容の獲得と維持機構が存在することが明らかとなっている。とりわけ注目されているのが制御性T細胞(Regulatory T cells)であるが、この細胞群は,外来抗原に対する免疫応答の抑制というcontextではなく、自己免疫病の発症機構の基礎的研究から免疫自己寛容の維持に必須の細胞群として同定されたものであることに注目したい。今回は制御性T細胞を発見し、末梢性寛容の研究に大きなブレークスルーをもたらした坂口志文教授(京都大学再生医学研究所)に最新の知見を含めて解説していただくことを期待している。
 免疫系の活性化の制御機構は近年分子レベルでの解明が大きく進み、リンパ球におけるシグナル伝達やその破綻による免疫寛容の破綻についても顕著な進展が見られている。なかでも、抗体分子の受容体であるFc受容体の遺伝子発見とその機能の解析は、各種アレルギー反応における抗体・Fc受容体によるシグナル伝達に新しい知見をもたらすとともに、抗体による免疫応答の仕組みについてその概念を一変させた、といっても過言ではない。本講義では、Fc受容体の遺伝子発見から一貫して本分野を先導してきたJeffrey Ravetch教授(ロックフェラー大学)に、はるか米国からこの講義のためにお越しいただき、Fc受容体シグナル系から見た免疫寛容の維持と破綻のメカニズムについて、実際のヒト疾患との関わりとともに最新情報を含めて解説して頂く予定である。
 免疫学は脳・神経科学と並び、高次生命現象を理解する学問分野として急速に体系化が進んでおり、医学諸分野での疾患研究の基礎としての免疫学の重要性が広く認識されるようになっている。今後、免疫系という精緻に構成された生体の防御機構のより深い理解と応用によって、免疫病の原因解明とその治療法の確立、あるいはがんの免疫療法といった医学への更なる貢献がなされていくことが期待される。

(学生へのメッセージ)
"Discovery consists of seeing what everybody has seen and thinking what nobody has thought" ;常に自分のintuitionを大切にしてください。

(研究の内容)
免疫と発がんを繋ぐ情報発現ネットワークの解析

(論文業績)
私の30年近い研究歴の中で250報程度の欧文論文を発表;その中で、Nature, Science、Cellの3誌には50報程度。

"The multiple roles of IgG antibodies in the immune response"



真鍋です。報告遅くなり申し訳ありません。
ラビッチ先生からの原稿は12月28日付でいただいております。
短いものをとは申し上げたのですが、添付ファイルを見ればわかると思いますが、若干(かなり?)長いので、削るなどの編集をする必要があるかもしれません。
やりとり報告は下のほうでしておきます。

Biographical sketch: attached
Information you should know: I'll provide the background you'll need
to follow the lecture
Abstract of lecture:
Antibodies were first described by Kitasato and von Behring over 100 years ago as “anti-toxins”, molecules capable of neutralizing the toxic effects of infectious agents. The mechanisms by which IgG antibodies mediate these effector activities is now appreciated to result from their selective ability to activate cells of the innate immune system, such as macrophages, by engagement of specialized IgG receptors, known collectively as Fc receptors. These effector pathways are also critical to the therapeutic activity of IgG antibodies for the treatment of cancers and infectious diseases. In addition to mediating effector responses, IgG antibodies are potent regulators of the immune response insuring that tolerance to self is maintained. Perturbations in these regulatory pathways contribute to autoimmunity. The therapeutic potential of manipulating these pathways to restore tolerance and prevent autoimmune diseases is emerging as a significant new approach to the treatment of these diseases.
Review article: attached←まるごとレビューがメールに添付されていました。重くてここにはアップできませんでした。Fcγ receptors as regulators of immune responsesというレビューで、
Falk Nimmerjahn* and Jeffrey V. Ravetchが書いています。34、january 2008、volume 8、nature2008です。
Message to students: Enjoy the lecture
Bibliography: My CV is attached with current bibliography

免疫システムにとっての自己とは?そしてどうして自己免疫疾患になるのか?


以下、山本先生の原稿が完成したので、貼り付けておきます。(Kou)

アレルギーリウマチ内科
山本一彦

前提知識と講義概要
1.自己免疫疾患とは
 関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、橋本病など、自己免疫疾患と呼ばれている疾患は多くある。しかし、それぞれの疾患が本当に自己免疫応答によって発症しているのか否かを決定することは容易ではない。厳密には、モデル動物において自己反応性のリンパ球の移入により病態が再現するなどの条件を満たすWitebskyの仮説があるが、ヒトでは、自己抗体の存在、臓器病変へのリンパ球の浸潤、免疫抑制薬が効果あるなどを総合して自己免疫疾患と判断している。

2.免疫システムにとって自己とは
リンパ球を中心とする免疫システムは外界のあらゆる異物を認識しなければならない。そこで、T細胞、B細胞においてT細胞抗原受容体(TCR)、B細胞抗原受容体(BCR)は、V(D)J組み換え、遺伝子変換、体細胞突然変異などにより、抗原特異性の限りない多様化を作り出している。しかし、これらランダムに生じた抗原受容体の半数以上が自己の抗原と反応してしまうことが報告されている。したがって、このように必然的に生じてしまう自己反応性のリンパ球を除去するか、有効に働かないようにする種々のメカニズムがなくてはならない。これを免疫学的寛容(immunological tolerance)と呼ぶ。一方、すべての自己の抗原が通常の状態で免疫システムにさらされているわけではない。これらの自己抗原には免疫学的寛容は成立していない。

3.自己との反応がどうして引き起こされるのか
 自己反応性をもつリンパ球が完全に除去されれば問題はない。しかし、どうもそれは現実的でないようである。事実、胸腺や骨髄など、T細胞、B細胞が分化する場で多くの自己反応性リンパ球が除去されるが、それでも末梢に自己反応性リンパ球は存在する。そこで、自己抗原を認識するリンパ球の反応を抑制したり、増殖させないような複数のメカニズムが存在する。さらに、自己反応性のリンパ球を積極的に抑制する制御性T細胞と呼ばれる細胞集団もある(坂口教授の講義)。そして、これらのメカニズムが破られると自己反応性リンパ球が増殖すると考えられる。
 一方、抗原側から見ると、まずは、骨髄や胸腺で自己抗原が免疫系に提示されることが重要で、これがないと自己と反応するリンパ球が大量に作られてしまう。また、もともと免疫システムにさらされていない自己抗原がどこかの組織で発現したり自己抗原の修飾が起こった場合、免疫系は自己でないと判断して免疫応答が開始される。さらに外来抗原との免疫応答の一部が自己の抗原と交差反応してしまうこともある。
4.自己免疫疾患関連遺伝子とは
 単一の遺伝子異常で自己免疫現象を呈するまれな疾患もあるが、多くの自己免疫疾患はそうではない。免疫学的寛容に関係した遺伝子が変異して、そうでない個体に比べて自己免疫になりやすい状態になる場合がある。この変異は遺伝子異常でないので、集団の中で一定の割合で維持される。それらの変異が幾つか重なり、それに環境からの影響があった場合、自己免疫疾患が発症すると考えられている。現在、common disease(ありふれた疾患)の疾患関連遺伝子変異が、全ゲノムにわたる関連解析で見つけられる様になってきた。
 リンパ球に関しては、T細胞のシグナルに関与するPTPN22、B細胞のシグナルに関与するFCRL3などがある。また、抗原側の修飾では、関節リウマチにおけるシトルリン化酵素(PADI4)を挙げることができる。

5.抗原特異的な免疫制御は可能か
 将来的な免疫療法がいろいろ考えられている。上述の種々のパスウェイを修復する治療薬や最終的な効果分子であるサイトカインを抑制する治療法が現在続々と開発されている。しかし、それらの多くは抗原非特異的な要素を標的としており、必ずしも異常な免疫応答だけが制御されない可能性がある。免疫応答全体が抑制される場合、感染症や発癌の危険性が増大する。
したがって、理想的な免疫治療を行うためには、抗原特異的な免疫制御法の検討も重要である。経口トレランスなど幾つかの方法が考えられている。免疫応答において、T細胞は抗原特異的な刺激でクローナルな増殖をするという点に注目すると、新しい視点や方法論が開けてくる。


略歴
1977年 東京大学医学部医学科を卒業
東京大学医学部附属病院と山梨県立中央病院で内科研修医
1979年 東京大学医学部物療内科に入局
1980年 東京大学医学部免疫学教室で研究に従事
1982年 ドイツ癌研究センター(ハイデルベルク)の免疫遺伝学研究所客員研究員
1985年 帰国 東京大学医学部物療内科で勤務
1991年 東京大学医学部物療内科の講師となる
1993年 聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター助教授として転出
1995年 九州大学生体防御医学研究所臨床免疫学部門の教授となる
附属病院の内科科長も併任
1997年 東京大学大学院医学系研究科内科学専攻アレルギーリウマチ学の教授となり
現在に至る
医学部附属病院アレルギーリウマチ内科の科長も併任

今までの研究内容
自己免疫疾患の研究をいろいろな方向からやっています。東大免疫学教室の多田富雄教授そしてドイツの癌研究センターのHaemmerling教授のもとで基礎免疫学の勉強をした後、およそ20年前に、自己抗体が認識する自己抗原の遺伝子クローニングの研究を始めました。自己抗原の分析を通じて、抗原特異的な免疫応答の重要性が実感できました。
 そのころも現在も、膠原病などの自己免疫疾患の治療法は副腎皮質ステロイド薬と免疫抑制薬などの抗原非特異的なものが主体です。これらで疾患はかなりコントロール出来ますが、多くの副作用があり、重篤な感染症になったり、癌が生じたりすることもあります。これではとても理想的な治療法とは言えません。何とか、抗原特異的な免疫療法を開発したいと考えました。
 抗原特異的な免疫応答の中心は何と言ってもT細胞です。T細胞が抗原を認識するのはT細胞受容体(TCR)です。そこでこのTCRに注目して、自己免疫疾患の臓器病変などの現場でリアルタイムにどんなTCRが使われているかを検出するシステムが出来ないかと考えました。細胞で発現しているmRNAを増幅するRT-PCRとSSCP(single strand conformation polymorphism:一本鎖の核酸は立体構造が違うので、その差を検出する電気泳動法)を組み合わせることで、ユニークなシステムが出来ました。これを使うと、免疫応答に応じて、どんなT細胞クローンがその現場で増殖しているかが分かりました。
 免疫応答の現場で活躍する重要なT細胞クローンが分かるようになりましたから、次にその一つの細胞で使われているTCRに注目しました。T細胞が抗原を認識するには、細胞毎に異なる多様性のあるTCRのα鎖とβ鎖という2つの分子が必要です。そして単一細胞で発現しているTCRのαとβ鎖の遺伝子情報を全部回収する手法があれば、それを別のリンパ球に入れて、抗原特異的なリンパ球を人工的に再現出来ます。こんな単純な命題ですが、このシステムを完成させるのに多くの共同研究者とともに10年近くかかりました。しかし、これは将来的な自己免疫疾患、感染症、癌などの治療に使えると考えています。
 このような手法を使いながら免疫応答を解析している過程で、今まで知られていなかった新しいタイプの制御性T細胞を見つけました。現在、その解析とそれを用いた治療法の開発も進めています。
 2000年頃、医科学研究所の中村祐輔教授から、関節リウマチのゲノム解析を一緒にやらないかとお声がかかりました。理化学研究所に遺伝子多型研究センターが新設され、そこのチームリーダーを併任させて頂くことになりました。何人もの大学院生が研究に参画しました。その当時世界的には無理であろうと考えられていた、ゲノム全体に分布する一塩基多型(SNP)を使って、患者と健常人で多型頻度を比較するという関連解析の手法を中村教授は推進しました。センターの複数の研究チームが世界で初めての疾患関連遺伝子を見つけNature Genetics誌などに報告しました。我々のチームも幾つかの関節リウマチに関連する遺伝子を報告しました。これらの発見を通して、自己免疫疾患の発症のメカニズムに対する新しい考え方が出来つつあります。これらの先端的な研究成果と驚異的な技術的な進歩で、ゲノムワイドの関連解析は2006年頃から世界中の研究者が研究を開始しはじめました。現在、ものすごい競争が繰り広げられています。


学生へのメッセージ
 免疫システムは高次機能システムと言われています。多くの細胞、分子が関与し、生まれたままのゲノム情報ではなく、抗原認識のための受容体遺伝子がランダムに変化し、そしてそれが選択されることによる可塑性のあるシステムです。このようにして個人の免疫システムが完成し、さらに外界からの刺激で反応しながら、システム自体がどんどん変化しています。それらの総体として個人の免疫システムは働いており、そして個体の維持になくてはならないものです。従って、免疫システムが変調を来すと、自己免疫疾患、アレルギー、感染症、癌などの疾患になります。
 我々はまだ免疫システムの全容を理解していません。しかし、免疫に関与する多くの細胞や分子が分かりつつあります。21世紀には、これらがどのような相互作用で免疫機能を発揮するのか、それぞれの疾患ではどこが異常なのかをきちっと把握して、副作用のない理想的な免疫療法を開発しなくてはならない時期に来ていると思います。また現実にそれらが可能な段階に人類の科学技術は到達していると思います。自己免疫疾患、アレルギー、臓器移植、感染症、そして癌という、人類に課せられた多くの疾患に立ち向かう為には、基礎と臨床の免疫学者が一緒になって、研究をどんどん推進する必要があります。今までは動物モデルが中心でした。しかし、これからはヒトの免疫システムの研究も同時に推進しなくては最終的な疾患の克服につながりません。やることは沢山あります。魅力に満ちた分野です。

坂口志文先生
制御性T細胞と免疫寛容

参考文献:
Sakaguchi S, and Powrie F. Emerging challenges in regulatory T cell function and biology. Science. 317:627-629, 2007.

Fehervari, Z. and Sakaguchi, S. Peacekeepers of the immune system. Scientific American. 295:56-63, 2006.
(翻訳:「免疫の“守護神"制御性T細胞」日経サイエンス2007年1月号22-30頁)


学生に一言:
血液が体外で固まり体内では固まらない、免疫系は非自己に反応しても自己に反応しない、このような一見当たり前な医学的二律背反現象のうしろにある複雑なメカニズムに哲学的興味(?)を持って免疫の研究を始めました。その結果、制御性T細胞を発見し、現在もその研究を続けています。以下の文章は、最近、エッセイとして書いたものの一部です。

私の研究では、免疫応答の「負」の制御、特に正常自己組織に対する免疫反応を抑制し、免疫自己寛容を維持するメカニズムとして、免疫抑制機能に特化したT細胞群〔制御性T細胞〕が正常個体中に存在すること、その異常は様々な自己免疫病の原因となり、この細胞群を強化すれば、自己免疫病の予防、治療が可能であることを実験的に示しました。免疫系が何故自己抗原とは反応せず、微生物など非自己抗原と反応するか、即ち免疫学的「自己」・「非自己」の弁別機構は、免疫学の重要な研究課題のひとつです。これを解明すれば、自己免疫病の原因・発症機構の理解のみならず、どうすれば自己組織から発生した癌細胞を非自己と認識し免疫系に攻撃させることができるか、逆に非自己である他人の臓器を恰も自己と認識させることができ、移植臓器の拒絶を抑え、安定な移植免疫寛容を誘導できるか、に繋がります。また、環境物質に対する過剰免疫応答であるアレルギー反応を抑えることができます。内在性制御性T細胞は、このような生理的、病的免疫応答の制御に中心的役割を果たしていることを明らかにしてきました。制御性T細胞が細胞実体として存在するか疑問視された時期もありましたが、今や概念的にも細胞実体としても確立され、詳細な分子的レベルの研究が世界的に活発に進みつつあります。また臨床への応用も現実のものとなってきました。
自分の研究を振り返り、若い研究者の方々に助言できるとすれば、当たり前のことですが、自分が重要と思う“問題”、“現象”があれば、それへの興味を持続させることが重要です。私の場合は、免疫学的自己・非自己の問題への興味、その医学的意味としての自己免疫、腫瘍免疫、移植免疫の共通基盤の問題でした。また、大学を卒業したころ、新生仔期にマウスの胸腺を摘出すると、ヒトの自己免疫病と酷似した病変が自然発症するといる面白い現象を知り、この特殊現象の解析から始めて、ヒトの自己免疫病を説明できるような一般理論に至れないか考えてきました。その結果、胸腺摘出による自己免疫病に対して発症阻止能を持つT細胞サブポピュレーションの解析から、正常固体に内在する制御性T細胞の同定、その発現する機能分子の解析、その発生・機能を司る遺伝子制御の研究へと、謂はば還元的方向に研究が進んできました。また、制御性T細胞による制御が、自己免疫反応のみならずアレルギー、炎症性腸疾患などの免疫病理、腫瘍免疫、移植免疫など広範な免疫反応に関与していることを明らかにしてきました。この20年余り、遅々とした歩みではありますが、自分なりに、免疫寛容、免疫制御の理解が進んできたことを嬉しく思います。
科学の歴史は、よく言われるように、「問題」の歴史です。免疫寛容、自己免疫病の研究も然りです。1900年、ポール・エールリッヒが“Horror autotoxicus”(自己破壊の忌避)の概念を提示し、免疫学者が「何故免疫系は自己と反応しないか」を意識的に考えるようになって、ほぼ一世紀が経ちました。マクファーレン・バーネットが「クローン選択説」を唱え、自己免疫病は「禁止クローン」の出現による、としてからも半世紀が経ちました。現在、クローン排除に加えて、自己反応性T細胞クローンに対する能動的制御が重要であり、その異常は直接的に自己免疫病の発症につながることが分かってきました。研究者個人にとっての研究課題、解決問題は、その時代の科学の課題、問題でもあり、一般性、普遍性を持ちます。重要な課題、問題であっても、その時代の技術的制約のため、明快な答えの得られないこともあります。それでも解決可能な道を探す中から、当初の期待とは違っても心踊る新しい発見があり、新しい筋道が見えてきます。科学の伝統とは、問題意識の持続です。

(講義内容)
正常な免疫系は、病原微生物などの非自己抗原に反応するが、正常な自己抗原には反応しない。この自己に対する免疫不応答、即ち免疫自己寛容が、正常個体でどのように確立され、どのように維持されるか、を知ることは、免疫学のみならず現代医学の重要な課題である。正常個体中に存在する制御性T細胞は、免疫自己寛容の維持、免疫応答の抑制的制御による免疫恒常性の維持に枢要である。内在性制御性T細胞は、CD25 (IL-2 receptor -chain)分子を構成的に発現する特異なT細胞群である。正常動物末梢CD4+T細胞の約5-10%を占めるCD25+T細胞を除去すると、甲状腺炎、糖尿病など様々な自己免疫病が自然発症してくる。このようなCD25+CD4+制御性T細胞の少なくとも一部は、正常胸腺で機能的に成熟した状態で産生される。制御性T細胞の末梢での維持にはIL-2が必須であり、CD25分子は単なる制御性T細胞のマーカーではなく、IL-2レセプターの構成分子として必須の分子である。一方、Foxp3は、制御性T細胞の発生、機能発現を制御するマスター制御遺伝子である。転写因子Foxp3は、胸腺、末梢のCD25+CD4+T細胞に特異的に発現しており、正常T細胞にFoxp3を発現させると、機能、表現型の点で内在性制御性T細胞と同等の制御性T細胞に転換できる。Foxp3+CD25+CD4+制御性T細胞の量的・質的異常は、様々な自己免疫疾患/炎症性疾患の直接的原因となる。例えば、小児の免疫不全疾患であるIPEX(Immune dysregulation, polyendocrinopathy, enteropathy, X-linked)症候群では、高頻度にI型糖尿病、甲状腺炎、炎症性腸疾患のみならず、重篤なアレルギー(皮膚炎、食物アレルギー)を発症する。また、内在性制御性T細胞、あるいはFoxp3遺伝子の導入により作製した制御性T細胞を用いて、自己免疫病、アレルギーなど様々な免疫疾患の予防・治療が可能である。内在性制御性T細胞の制御能を強化すれば、移植臓器に対する拒絶反応を抑制し、長期の移植免疫寛容を誘導できる。逆に、内在性制御性T細胞の除去あるいは機能弱化は、自家腫瘍に対して有効な免疫応答を惹起できる。本講義では、自己/非自己に対する病的、生理的免疫応答制御における制御性T細胞の役割、制御性T細胞を用いた免疫疾患の治療、予防の可能性について議論する。



鉄門だより紹介文



2月6日 「免疫寛容」
「自己が、自己の防衛力に、攻撃されない。」当然のようにも思えるそのことのために実に複雑な仕組みがあることの不思議に驚き、その破綻としての自己免疫疾患やがんの克服に挑む免疫学者の気概と出会い、免疫系のダイナミズムを見つめる一日です。本講義史上初めて、海外からも講演者をお招きします。  (140字)

というのがアイディアです。長いかもしれないので短いバージョン(昨年の一番長いもの程度)も書いておきます。

2月6日 「免疫寛容」
「自己が、自己の防衛力に、攻撃されない」ということのために実に複雑な仕組みがあることの不思議に驚き、その破綻としての自己免疫疾患やがんの克服に挑む免疫学者の気概と出会い、免疫系のダイナミズムを見つめる一日です。本講義史上初めて、海外からも講演者をお招きします。 (130字)

鉄門だより用原稿

タイトル:免疫寛容

説明文:制限字数に応じて上記の二つの内からお選び下さい。

演者(講演順)及び演題
谷口維紹先生(東京大学医学部免疫学教室):未定
山本一彦先生(東京大学医学部アレルギーリウマチ内科):免疫系にとっての自己とは?そしてどうして病気になるのか?
坂口志文先生(京都大学再生医科学研究所):制御性T細胞と免疫寛容
Jeffrey V.Ravetch(Rockefeller University):未定


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コメント:



講義タイトルを考えよーう!

いきなりバカみたいな見出しで申し訳ない…。(←12月になると、はしゃぎたくなるのが人情です)
まずは連絡を一点。鉄門だよりに提出する各講義のタイトルを担当する先生から教えてもらって下さい。(なるべく早く…)そして、ここに書いて下さい。もし未定の場合は仕方がないので、その旨を僕にご連絡下さい。ちなみに、山本先生の講義タイトルを本人にメールでお伺いしたところ、「免疫系にとっての自己とは?そしてどうして病気になるのか?」という題になりました。

で、本題。全体のタイトルは今のところ免疫となっていますが、もう少しひねりを加えませんか?ということで、オリジナルタイトル大募集です。下にどんどん書き込んでください!副題もじゃんじゃん付けて下さい。一人1個は書きましょう!審査委員長の谷口先生に選んでもらいます。下手すると、全却下の可能性も無きにしも非ずですが…。(笑)
  • ということで、今さっと思いついたものを書きます。
    「免疫寛容」
    ~基礎から探る疾患克服への新たな突破口~
    う~ん、いまいち歯切れが悪いな…。 -- Kou (2007-12-05 19:00:06)
  • 坂口先生の講義は「制御性T細胞と免疫寛容」という題になりました。 -- Kou (2007-12-07 23:50:23)
  • 遅くなりすぎです。すみません。

    「免疫系が『私』を攻撃しないということ」
    ~免疫寛容研究から見える、○○~

    しかも、○○ってなんでしょうね、すみません、もう少し考えます。

    -- まなべ (2007-12-14 18:16:00)
  • とりあえず鉄門便りの方には「免疫寛容」というタイトルで掲載して、当日のシラバスではもう一ひねり加えた名前にしましょうかね。 -- Kou (2007-12-14 23:49:02)
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免疫班メンバーの方へ:
メールたたき台アップしました。英文メール初心者です。いろいろ教えてください。(眞鍋)

  • アップロードされたファイルを今日ようやく見ました。遅れてしまって申し訳ないです。全然英語ができない僕からすると、惚れ惚れするようなメールです。(笑)一箇所だけ気になるとすれば、受講学生のレベルがやや高く見積られていないかというところですね。2月ぐらいになったら、もう皆免疫のことはかなり忘れているんじゃないかと思います。(M2は多分完全に忘れきってます…)
    講演する内容はやはりDr.Ravetchのリサーチに関するものになるんじゃないかと思います。この前のセミナーで話した内容をもうちょっと初学者向けに噛み砕いたものにすればいいのではないでしょうか?
    なお、メールする際には「全パートへのお知らせ」に書いてあるような、シラバス作成のための講義概要(Abstract)の原稿依頼等の諸事務についても触れて下さい。彼が全て作ってメールで送ってくれれば問題ないのですが、ひょっとしたら、僕らがDr.Ravetchのペーパーを読んでレジュメをまとめた方がいいのかもしれませんね。そこら辺についてもメールを通じて協議していく必要があるかもしれません。どうぞよろしく。 -- Kou (2007-11-27 17:22:08)
  • なるほど!丁寧なコメントありがとうございます。アップしておきながら、コメントのチェックが遅れてしまい申し訳ありません。
    確かに、高く見積もりすぎた気がします。
    ただでさえ英語の講演ですし、必要以上に難解になってしまっては意味がありませんね。発展的なことを知りたい人は質疑応答で聞いてもいいわけですし。練り直してみます。
    講義概要については完全に忘れていました(汗)すみません。書きます。 -- まなべ (2007-12-01 14:39:09)
  • 遅くなりましたが、坂口先生に原稿の依頼をしました。 -- 竹宮 (2007-12-03 22:29:50)
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講義日程

2月6日(水曜日)

講義スケージュール一案(どうでしょうか?)

9:00~9:15   谷口先生による概論(総論)
9:15~10:45   最初の先生による講演
10:45~11:00  質問及び休憩
11:00~12:30  2番目の先生による講演
12:30~12:40  質問
12:40~13:30  お昼休み
13:30~15:00  3番目の先生による講演
15:00~15:15  質問及び翌日の連絡
順番としては「山本先生→坂口先生→Dr.Ravetch」がいいのではないかと思います。午前中の一番手の講義はやはり学生の集まりが悪いので、外からお招きする先生だと、ちょっと失礼になるかもしれません。(その点、山本先生はM2の講義を毎年やっているので、少人数の聴衆にはある程度慣れているのではないかと思います…)
  • 昼休みの時間が50分というのは短くないでしょうか。 -- こぐれ (2007-11-19 00:31:45)
  • 50分あれば十分だと思うのだが…。必要とあらば、もう10分足してもいいのかな。
    でも、当日はどうせ質問がそんなに出なくて午前の終了時刻が早まるだろう…。 -- Kou (2007-11-20 23:18:12)
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講義にお呼びする先生(確定済みの方から)

谷口維紹先生 (本学免疫学教室教授)←イントロの総論を講義して頂きます

主な業績:ありすぎて書けません…(笑)

坂口志文先生 (京都大学再生医科学研究所教授)

主な業績:制御性T細胞(Treg)の発見及びその機能,各種免疫疾患における役割の解明,さらにTregの発生の鍵となる遺伝子の同定など

山本一彦先生 (本学アレルギーリウマチ内科教授)

主な業績:関節リウマチの発症に関連する様々な遺伝子(PADI4,RUNX1,SLC22A4)の発見と解析など

Prof. Jeffrey Ravetch (Rockefeller University)← 基礎統合講義史上初 となる海外からの演者招聘!

主な業績:Fc receptor signaling and autoimmunity

出席する学生たちの体力も考慮した結果、演者は3名のみでいくことにします!その代わり、これ以上ない豪華メンバーを集めました。このお三方に時間をたっぷりかけて講演して頂こうかと思います。


基礎統合講義免疫パートの方向性(10/4の面談を受けて…)

谷口先生との面談の結果、講義の大枠が決定しましたので、報告します。今後谷口先生の方からお呼びしたい先生方に順次打診するということなので、あとはその結果次第です。

 さて、二年連続で免疫について扱うことになったわけですが、今年は「免疫寛容」に焦点を当てていきます。

 外界の病原体から我々の身体を守るのに大きく貢献している免疫系。しかし、進化の過程で獲得されたこの誇るべきシステムも、実のところは諸刃の剣であることは既に周知の通りです。何かの狂いで自分自身に対してその矛先が向けられたとき、医学が克服すべき障壁として新たに生まれてくる疾患は数え切れません。
「…運命は我々の喜びのその根元に逆境の種を蒔き、
春には祝福を与えても、冬には激しく突き飛ばす。…」
                   -Sir Thomas Brown-
 自己の防衛力が自己を攻撃しないようにするための制御系、それが云わば「免疫寛容」です。免疫学者の絶え間ない努力によって、システムの維持に関与する様々な細胞や分子が知られるようになり、その破綻機序の解明から疾患克服の光が今まさに見えようとしています。明日の医療に大きな福音をもたらすこの領域は、今最もホットな研究分野の一つでもあります。
 また、免疫学者の興味の対象は単に自己免疫疾患に止まりません。「がん」というのは云わば我々自身であり、発生・増殖の過程で巧みに免疫寛容を利用していることが近年いよいよ明らかとなってきました。我々の防御系を巧みにかわし、確実に増えていくこの内部の反逆者を如何に見つけ出し、如何に制裁を下すか…幾多の研究者がこの命題に挑んでおります。

 今回は免疫寛容の成り立ちと機序から始まり、自己免疫疾患克服に向けての挑戦、そしてがん免疫という流れで一連の講義を計画しております。国際的に知名度の高い先生や独創的な研究をされている先生など、大変豪華(貴重)なメンバーを予定していますので、どうぞお楽しみに。

演者が決まり次第、またお知らせ致します。竹宮くん,眞鍋さん、補足あればどうぞ。
(文責:候 聡志)

担当学生:

竹宮、眞鍋、候


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