1スレ682


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  • 作者 伊南屋
  • 投下スレ 1スレ
  • レス番 682-686
  • 備考 紅

682 伊南屋 sage 2007/01/14(日) 19:37:47 ID:BcE2TeyK
 それは、紫が持ってきたお菓子が始まりだった。
 やや派手な箱に入ったチョコレート。どうやら外国のものらしかった。
「真九郎。チョコレートだ! 食べるか?」
 それは質問でありながら命令だった。
 視線が強く、真九郎に食べて欲しいと訴えていた。
「うん、食べるよ」
 真九郎は何ら疑う事なく、箱に詰められたチョコレートを一つ摘み口にした。
 それを見て紫も一つ食べる。
「うん、美味いな」
「ああ!」
 こうして甘いもの一つで満面の笑みを浮かべる紫を見て、やはり子供だと思う。
 それとも“女の子”と言うべきか。
「ところで、このチョコレート一体どうしたんだ?」
 実際、紫がお菓子を持って来るなど珍しい。ふと浮かんだ疑問を口にする。
「うむ、実はこれは環から貰ったのだ。なんでも“がらな”チョコレートと言うらしい」
 何気なく言った紫の言葉に、真九郎が固まる。
「環が、一緒に食べた人と仲良くなれると言っていた。やはり環は良い奴だな!」
「む、紫? なんか身体が変になったりしてないか?」
「ん? いや、別になんともないぞ。少し暑いくらいだな」
 直感。これは、本物だ。
 ガラナチョコレート。
 エロ系通販でたまに見掛けられる怪しいグッズの一つである。
 ガラナエキスの入ったチョコレートの事で、男性に対する強精作用を持つ。
 もしくは。
 狭義に、催淫作用のあるチョコレート菓子の事。
 全て英語で書かれたパッケージだ。無論に、真九郎に読めるはずもない。
 しかし、恐らくこの場合は環の事だ。後者に決まっている。
 そんな事を考えている内に、紫が二つ目に手を伸ばすのに気付いた。
「だ、駄目だ紫っ!」
 慌てて箱ごと取り上げる。しかし、一つは紫の手に握られていた。
「何をするのだ真九郎!」
 抗議の声を上げる紫。真九郎はどう話すべきか迷う。
 本当の事を言って、紫に分かるとは思えない。かと言って機転の利いた嘘をつける程、真九郎は頭脳の回転が早くなかった。
「ああ、そうか」
 不意に、紫が合点が言ったように手を叩く。
「なんだ、真九郎は独り占めしたいのだな? 全く、駄目な奴だな。しかし喜べ真九郎。私はそんなお前のわがままを、今回だけとはいえ許してやろう」
 薄い胸を反らし、紫が言う。
 それに反論するか真九郎は迷った。


683 伊南屋 sage 2007/01/14(日) 19:39:15 ID:BcE2TeyK
 そういう事にしておけば紫は食べないだろう。後で食べると言って、紫が帰ってから処分すれば良い。ついでに環に文句も言おう。
 ならば決定。その方針で行く。
「そ、そうなんだよ。悪いな紫。貰っちゃって」
「なに、構わない。真九郎が喜ぶなら私はそれで良いのだ」
 ――御免、紫。
 内心で、嘘をついた事を詫びる。
 でも、これも紫の為なんだ。
 この子を守るためならいくらでも嘘つきになってやる。真九郎は自己にそう言い聞かせる。
「さあ、遠慮せずに食べろ。真九郎」
 さっき握った二つ目を口に放り入れながら紫が言った。
 ああ、二つも。そんな事を思いつつ、真九郎は答えた。
「折角だから後で食べるよ」
「……本当に食べたいのか、真九郎?」
 紫が訝しげな視線を投げる。その視線に気付かされる。
 忘れていた。この子は本来、非常に鋭い感性を持っているのだ。虚偽を見破るのは特に上手い。
「ほ、本当だよ」
 焦って取り繕うが疑いの色は更に濃くなっていく。不味いと、真九郎は感じた。
「では食べれば良いではないか。遠慮は要らないぞ。それとも私に意地悪がしたかっただけか?」
 逃げ場は、無かった。
「そ、そんなこと無いよ。ありがとう。それじゃ遠慮なく」
 一つ摘んでは口に。また一つ摘んでは口に。
 みるみる箱からチョコレートが消えていく。中身が減るのに反比例して、真九郎の身体をを熱が襲う。
 ――ヤバい。これはヤバい。早く完食して、理性が保てる内に紫を帰さなければ。
 必死で笑顔を作りながら食べる真九郎。その笑顔とは裏腹に思考は悲鳴を上げ始めていた。
 猛る情欲。体は疼き、快楽を求める。
 気が付けば紫の肢体を舐めるように見つめる自分が居た。
 ――何を、考えてるんだ俺は。
「大丈夫か、真九郎? 顔が真っ赤だぞ」
 真九郎の異常を感じ取り、紫が身を寄せる。身を乗り出した紫は額同士を接触させた。
「熱は――無いみたいだな」
 そう呟く紫の声を、しかし真九郎は全く聞いていなかった。
 目の前には接近した紫の顔がある。長い黒髪が揺れる度、少女の体臭が甘く鼻腔にそよぐ。
 吐息は鼻先をくすぐり、鳥肌の立ちそうなぞくりとした感覚が背筋を走る。
 瞳を少し下にずらせば、紫の柔らかそうな、桜色に綻ぶ唇があった。
 それを見て、触れたいと思った。
 口付けたいと、どうしようもなく思ってしまった。
 だから、触れた。
 唇を、重ねた。
「――!?」



684 伊南屋 sage 2007/01/14(日) 19:40:51 ID:BcE2TeyK
 小さく紫の身体が跳ねる。しかしそれだけだ、抵抗はない。
「ん……」
 唇を離す。紫が顔を真っ赤にしていた。紅潮した顔は、熱に浮かされたように蕩けていた。
 そう言えば、チョコレートは紫も食べていたしな。そう、どこか遠くで考える。
 例えば、風邪薬一つ取っても小児は量が少なくて済む。体が小さいから少量で効くのだ。
 それと同じ。たった二個でも、紫には十分過ぎる程に十分だった。
 催淫作用に酔っているのは紫も同じ。
 どちらも、止まらない。
 真九郎も理性の枷は外れている。最早、紫を抱くことしか考えていなかった。
 紫はこれから自分に何が為されるか理解していないだろう。あるのは、本能的な衝動。無理矢理こじ開けられた官能だけだ。
 再度、唇が触れる。柔らかい唇の感触。真九郎は更に、その唇を割開く。
「――っ!」
 声のない悲鳴を紫が上げる。それを無視して、狭い口腔内を真九郎の舌が這い回る。
 小ぶりな前歯をなぞり、歯茎、頬の裏、そして紫の小さな舌に絡める。
 それだけで、紫は気が抜けたように脱力した。微かに身を震わせるも、拒否はしない。
 性の知識のない紫に、自分から舌を絡めるという発想はなく、ただ行為を受け入れるだけだ。
 だが、それだけで真九郎も紫も意識を陶然と昂ぶらせる。
 思考は停止し、肉欲が思考を支配する。互いの身体を求め合い、触れ合いたいと願う。
 服が二人の間を遮った。だから脱いだ。
 肌を触れ合わせたかった。だから重ねた。
 もっと深く互いを感じたかった。だから抱き合った。
 それでも足りなかった。だからまた唇を重ね舌を絡めた。
 身体の求めに応じ、満たす。満たされた傍から更に欲しくなる。再現なく高まる欲求は、やがて“繋がりたい”に行き着いた。
 言っても紫は分からないだろう。だから真九郎はただ、
「行くぞ」
 とだけ耳元で囁いて、紫への侵入を始めた。
 きつい。幼い身体の密壷は、十分濡れていたがそれでも真九郎の侵入を拒む。
「っ……たぃ」
 紫が微かに悲鳴を漏らした。それでも真九郎は止まらない。止まれない。
 拒む入り口を割開き、自らを埋没させていく。
「あ……は……っ」
 喉から絞り出すような呼吸音。紫の顔が苦悶に歪む。
 長引かせるのは可哀想だ。真九郎は一息に根元まで貫いた。
「――――っ!!」
 背を仰け反らせ紫が悶える。見開かれた目、その目尻には大粒の涙。
 接合部を見れば、紅い鮮血。


685 伊南屋 sage 2007/01/14(日) 19:43:18 ID:BcE2TeyK
 余りに、痛々しい眺めだった。
 真九郎は紫を労るように、その額に――唇では体の大きさの関係で苦しい――キスをした。
「しんく……ろ……ぉ」
 紫の細い腕が、背に回される。やはりこれもサイズ差の関係で回りきらないが、それでも必死にしがみつくように真九郎を抱き寄せる。
「動くからな」
 一言を残し、真九郎は腰の前後を始める。催淫効果と膣の狭さが相俟って、強烈な快感が走り、真九郎は腰が砕けそうになった。
 それを必死で耐え、前後を続ける。
 動く度に紫が悲鳴を上げたが、それを気遣って行為を止める余裕は真九郎には無かった。
「ひっ! ……は……しん……くろっ、お!」
今は直ぐにでも紫を解放するために、自らを絶頂へと、ひたすらに導く。
 幸いにして絶頂はそう遠くない。真九郎は自らを満たすため、紫を突き上げる。
「むら……さきっ!」
 一際強い快感が背筋を走る。それに堪えきれず真九郎は絶頂に辿り着く。
 突き刺したまま果てた性器は、紫の中に白濁を吐き出す。大量の精液はあっと言う間に紫の子宮を満たし、余剰分が溢れかえった。
 その時だ。短時間の性交で果てた真九郎は唐突に罪悪感に襲われた。
「紫っ!」
 慌てて性器を引き抜く。栓の外れた膣口から、ごぼりと紅混じりの精液が逆流した。
「ごめん! こんな、こんな事っ!」
 激しい動揺と自責の念に、涙すら浮かべて真九郎が謝る。
 体をぐったりとさせた紫を抱き寄せ、譫言の様に謝罪を繰り返す。
 しかし、それを遮る声が、聞こえるか聞こえないかという小さな声が真九郎の耳元でした。
「いいんだ……真九郎」
 紫が、真九郎の首に腕を回し頭を抱えるように抱き締める。
「私は……嬉しいんだ」
「むら……さき?」
「真九郎が私を抱き締めてくれて、口付けてくれて、嬉しかったんだ」
 真九郎は何も答えられない。
「真九郎、聞こえるか?」
 何だろう? 耳を済ませてみる。
「あ……」
 ――聴こえた。
「どきどきしているだろう? 私の心臓。嬉しくて、こんなにどきどきしている」
 とくとくとくとく。
 小さいけれど、確かに早鳴る紫の鼓動が聴こえた。
「私は……これからもどきどきしたい。真九郎とどきどきする事をしたい」
 そこまで言って、紫は真九郎の頭を放し、視線を向かい合わせた。
「真九郎は、いやか?」
 声もなく真九郎は、首を横に振った。


686 伊南屋 sage 2007/01/14(日) 19:44:54 ID:BcE2TeyK
「じゃあ、しよう。これからも。さっきのはかなり痛かったけど、少しだけ気持ち良かった」
 ――だから泣くな。
 そう言って、紫は真九郎の頬を濡らす涙を、唇で拭った。

 ***

「やあ青少年」
 ある朝。声を掛けてきたのは環だった。
「ん~、おめでとう……なのかな?」
 にやりと笑って環が言う。
「でもこれで君も犯罪者の仲間入りだね~? ――そんな怖い顔で見ないでよ。大丈夫、五月雨荘の決まり通り通報なんかしないから」
「……環さんが仕掛けた事でしょう」
「――何のことかな?」
 あくまでしらばっくれる環に、溜め息を吐く。
「いえ、なんでも」
「あはは。まあ君が怖いのは警察よりは……九鳳院だろうけど」
 意地悪く笑う環に、強い視線で応える。
「関係ないですよ。例え九鳳院でも、最後の最後まで足掻きますから」
「……少しは強くなったかな?」
「誰かさんのお陰で」
「にゃはは」
「じゃあ、もう俺は行くんで」
「あっそ。気を付けてね」
 一礼して去って行く少年を見送り、不意に環は空を見上げた。
「……青いね~」
 それは、さっき去って行った少年に向けた言葉か、空を形容して言った言葉か。
 環はただ、いつも通りの気楽な笑顔を浮かべるだけだった。

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