1スレ645


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  • 作者 伊南屋
  • 投下スレ 1スレ
  • レス番 645 647-648
  • 備考 電波 紅 大晦日ネタ 新年会ネタ

645 伊南屋 2006/12/31(日) 12:40:36 ID:4l9gF13N
『レディオ・ヘッド補足授業』

「またやって来ました本コーナー。早速ですが質問に入りましょう」
「おう」
Q.ジュウ様は剣を執らないんですか?
「答えは“執る”だ。本来戦争なんて素手でやるもんじゃないしな。円にしたって馬車の中に剣を忘れただけだ。
 なので勿論、俺も剣を振るう」
「因みにジュウ様は大剣使いです」
Q.雨が出ませんね?
「只今私は国政に追われている……はずです」
「はずってなんだ」
「それはお答え出来ません」
「……そうか」

「今回はこの程度ですね」
「だな」
「本コーナーでは引き続き質問をお待ちしています」
「なんなら展開に関する要望でも可だ」
「それではまた来年」
「良いお年を……ってか」
「ジュウくん、私も私も!」
「お姉ちゃん! またこいつと2人っきり!?」
「私はお呼びじゃないかしら?」
「とりあえず引っ張られてきたんだけど……なんなんですかこれ?」
「あら、真九郎さん。折角の年の瀬ですから。みんなで祝いましょうよ」
「そうだぞ! そして年が明けたら“ひめはじめ”だと環が言っていた!」
「……やらしい」
「ジュウくん私達も姫始めならぬ雪姫はじ――っ痛!」
「あなたアホでしょ? 雪姫」
「なんつうか、色々お疲れ様です……」
「お互いにな……」
「はーいそこ、BL禁止!」
「黙れ雪姫!」
「なあ夕乃、BLってなんだ?」
「紫ちゃん、世の中には知らなくていいことがあるのよ」
「……なんでこんな事に?」
「楽しければ良いのよ光ちゃん」
「楽しいの、お姉ちゃん?」
「ええ」
「で、男二人が女六人も侍らしてなんだこの騒ぎは」
「てめえ……」
「紅香さん!」
「騒がしいですね」
「……誰?」
「弥生さんまで……」
「さぁ皆さん、収拾がつかなくなる前に挨拶だけはしておきましょう」
「雨、お前が仕切るのか」
「まあ良いじゃないですか、あの人しか纏められませんよ実際」
「……だな」

「それでは皆さんまた来年も宜しくお願い致します。最後に今年一年の感謝の気持ちを挨拶に代えまして――」

『一同:良いお年を!!』

647 伊南屋 sage 2007/01/01(月) 00:31:26 ID:FpcLao1K
 除夜の鐘が聴こえる。長く重い響きが、新たな一年の訪れを告げる。
「明けましておめでとう御座います」
 正座しながら言ったのは雨だ。振り袖を着飾り、いつもは野暮ったい長髪も綺麗に纏められている。
「ああ、おめでとう」
 無意識に見蕩れながらジュウも返した。
「おめでとう! ジュウくん!」
「ああ、雪姫も、明けましておめでとう」
 やはりこちらも雨同様に振り袖。本人曰わくコスプレみたいなもんだとか。
「私からも一応。おめでとう柔沢くん」
「おめでとう」
 何も変わらぬ円の言葉にジュウは微笑んで返して見せた。
「い、一応。明けましておめでとう……」
「今年もよろしくな」
 顔を真っ赤にしながら憮然とした態度で言う光に苦笑して答える。
 皆が新年を祝う。この宴の席のもう一方でも、それは変わらない。
「明けましておめでとう御座います。真九郎さん」
「おめでとう夕乃さん」
 宴の始まりから着物姿だった夕乃が、真九郎の傍らに座り新年を祝う。
「ん……あけましておめでとうだぞ。真九郎……」
「うん、おめでとう。よく寝ないで頑張ったな紫」
 慣れない夜更かしに、紫は船を漕ぎながらなんとか起き続けていた。その事を労い頭を撫でてやる。
「毎年だけど、おめでとう」
「今年も宜しくな。銀子」
 素っ気ない言葉だが、そこに安心感がある銀子の挨拶が、真九郎には嬉しかった。
 去年から続く忘年会も、日付が変わり新年会へ。皆が行く年を惜しみ、来る年を祝う。
「酒はもうないのか?」
「どうぞ、紅香様」
「ん……」
 一種別空間を作る紅香と弥生も心なしか鐘の音に耳を澄ませ、新たな年に思いを馳せているように見える。
 それを複雑な目で見るジュウと、憧憬の瞳で見つめる真九郎。
 それぞれ今年も一悶着ありそうな気配。
「さあジュウくん! 雪姫始めをっ!」
「やらん!」
「真九郎さん、如何ですか?」
「夕乃さんまでっ!?」
 どたばた、ぎゃーす。
「ちょっと、そこウルサい!」
 鶴の一声。それにジュウは驚く。
「藤嶋……?」
 きっ、と。責任感に満ちた眼差しで、ジュウをレンズ越しに見つめる少女。
「まあまあ。宴の席なんだし」
「美夜子まで……」
 快活な笑顔で微笑みながら藤嶋加奈子を宥める少女。ジュウの、想っていた少女。
「なんで……」
「良いじゃん。今は楽しもうよ」
「そういう事だ。気にすることはない」
「リンさん!」
 次に声を上げたのは真九郎だった。


648 伊南屋 sage 2007/01/01(月) 00:32:36 ID:FpcLao1K
 あの、二刀の剣士がそこにいた。
「今は全てを忘れ、来るべき明日を祝う席だ。過去は全て忘れて楽しもう」
 ジュウにとっても、真九郎にとっても。それは幸せな夢。あり得たかもしれない未来。
「そう言えば挨拶がまだだった」
「「「明けましておめでとう」」」
 加奈子、美夜子、リン。
 三人が声を揃える。
 それに、ジュウと真九郎は精一杯の笑顔で応えた。
「「明けましておめでとう!」」
 そうして、今年最初の夜は更けていく。幸せな夢に微睡みながら。
 幸せな日々を夢見ながら――。


 ただ、目を覚ませば夢は醒める。
 朝、目を覚ましたジュウと真九郎はそれを思い知る。
 そこにあるのは、食べ散らかした跡と、幸せな夢の残滓だけだった。
 一体、どこからが夢だったのか。それを思い、しかし直ぐに止める。そんな事は無意味だ。
「おはよう御座います。お二人とも」
 いつの間にか、傍らに雨が居た。
「初夢は如何でしたか?」
 まるで、全て知っているかのような雨の問いに、ジュウと真九郎は互いに目を見合わせる。
 そうして、苦い笑みを浮かべながら言った。
「一富士二鷹三茄子なんて目じゃねえよ」
「そうですか」
 あれは、あり得たかもしれない未来。
 だけど、あり得なかった過去。
 それでも、垣間見た世界は幸せだった。
 今は、それだけで十分。
 これから、この一年でどれだけの幸せを掴むだろう。どれだけの苦難に涙するだろう。
 今年最後に、今日見た夢よりも、幸せで在りたいとジュウと真九郎。二人は切に願う。
 窓を見れば、朝日が新しい世界を照らしていた。

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