1スレ350


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  • 作者 350
  • 投下スレ 1スレ
  • レス番 350-351
  • 備考 紅 銀子 非エロ

350 名無しさん@ピンキー sage 2006/10/03(火) 21:55:05 ID:t/lh8X/y
「ひぇぇん…銀子ちゃぁぁん」
「はぁ…いつまで泣いてるのよ、バカ」
 鼻水と涙を垂れ流しにしている幼い男の子。
 弱気で、ケンカも弱く、それなのに人一倍正義感の強い男の子、それが紅真九郎だった。
 家族ぐるみで付き合っていた銀子はよくそのことを理解していた。
 今日とて真九郎は、野良犬を虐めていた男の子たちを止めに行ったはいいものの、返り討ちにされてしまったのだ。
 それを聞いた銀子はすぐさまその男の子たちを追いかけて、結果的には真九郎や野良犬を守ることになった。

「まったく…、何かあったらあたしに言うのよ。アンタはあたしが守るんだから」
「う、うん…」

 こいつだけは私が守らなくちゃ。こいつはいいヤツなんだから。

 漠然とした思いではあったが、幼いながらもその小さな身体に似合わず強固な意志があった。


 だが、その意志はあっさり折られることになる。
 紅家を巻き込んだ飛行機事故、立て続けに起きた銀子たち自身を巻き込んだ拉致未遂事件。
 結局何も自分が出来ることはなかった。真九郎を守ることが出来なかった。
 事件が起きた当時は悔恨し、自分の非力を責めてばかりいた。どうしてあの時真九郎を守ることができなかったのかと。

 そして、真九郎は崩月家に引き取られていった。
「初めまして。私、崩月夕乃と言います」
 そう言って見知らぬ老人と共に真九郎を引き取りに来たのは、自分よりわずかばかり年上の少女だった。
 けれど、容姿は自分よりも大人びていて、ふとしてみれば真九郎の姉と雰囲気が似ていた。
 これもまた悔しいことだが、真九郎は自分たちよりも彼女たちといた方が幸せになれるのではないかと思ったのだ。
 それで幸せになれるのなら、仕方が無いと諦めていた。―――真九郎が揉め事処理屋をはじめると言いはじめるまでは。



351 名無しさん@ピンキー sage 2006/10/03(火) 21:55:40 ID:t/lh8X/y

「…崩月先輩、真九郎になんてことをさせるんですか」
 中学校も卒業しようかという頃、銀子は夕乃を問い詰めた。
 もちろん、揉め事処理屋を始めるということを決めたのは真九郎自身だということは銀子とて理解している。
 だがしかし、そのきっかけを与えたのは柔沢紅香、その力を与えたのは崩月家に違いない。
 柔沢紅香が、崩月家がどれだけ凄いのかは銀子は知らなかった。知らなかったが、どれだけ凄くても自分たちを巻き込んで欲しくなかった。
「…村上さん? 私とて真九郎さんに危ない目には遭ってほしくありません」
「よく言いますね。真九郎にあんな力を与えたのは、あんたじゃないですか…!」
 自分の言い分の方が理不尽だということを理解していながらも、銀子は珍しく自分の感情をコントロールすることができなかった。
 眼鏡の奥から鋭く夕乃を睨みつけて、憎悪を叩き付ける。
「ええ。ですが、それすらも真九郎さんが決めたことです。
 心身ともに、まだまだ未熟ですが、真九郎さんのその意志は尊重すべきです。…そうではありませんか、村上さん?」
「綺麗ごとを! 真九郎が命を落としたらどうしてくれるんですかっ!」
「心配しないで」
 スッと夕乃は双眸を細めて、銀子の瞳の奥を見据えた。ぞく、と寒気が銀子の背筋に走る。
 武道の経験のない銀子でも「それ」が危ないものだということは理解していた。
「真九郎さんを脅かすものは何であれ、私が殺します。
 もちろん、真九郎さんも崩月の技を覚えているからには、そうそう簡単に手助けは致しませんが。
 ……本当に彼の命に危険が及んだ場合、その相手を地の果てでも追いかけて殺します」
 静かではあるが、そこには鉄よりも固い意志が秘められていた。そう、かつて自分がそう意志を固めていた頃よりもずっと固く。

「真九郎さんは、私が守ります」


 負けてたまるものか。

 真九郎を守るのはあたしの役目なんだから。
 それからだ。銀子が情報屋を始めたのは。もともとインターネットにおける情報収集は趣味として行っていたし、
 自分の祖父が名高い情報屋だということは前から知らされていた。敷地はばっちり。あとは行動あるのみだ。
 ……出来ることなら、ひとりの女の子として幸せになりたかった。

 でも。

 その一緒に幸せになりたいヤツがそういう道を選んでしまったのなら仕方が無い。
 とことん、付き合ってやる。あいつが揉め事処理屋なんて荒事を諦めるまでは。
 なんとしてでも、ラーメン屋を継がせてみせるんだから。

 …。

 そんな、懐かしい夢をみた。気づけば、スズメの囀りが聞こえ、既に夜は明けていた。
「……バカね、あたしも」
 さて、いつになく機嫌が悪いわけだが、この苛立ちはあのバカにぶつけてやろう。
 すべてはアイツが悪いのだから。


そんなわけで書いてみた銀子モノ。
え、エロがないって? うんごめん、そこまで考えられなかった。
まあ、スレ活性化を祈ってネタ投下させてもらうよ。矛盾があっても知りませんヨ?
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