リンさんって弄り甲斐がありそうだよね

「む……こんな所で貴様に会うとはな。『斬島』切彦」
「どうも……えーと、おサムライさん」
「リン・チェンシンだ」
「すみません、今まで名乗ってもらっていませんでしたんで……」
「ふん、紫様の友人でなければ『剣士の敵』斬島の者など名乗るより先に斬り捨てて」
「ところで、あなたの護衛対象は?」
「ひ、人の話は最後まで……っくっ、ここの中だ」
「……ねこ、かふぇ?」
「御学友からお聞きになられたそうでな。一度行ってみたい、と」
「あなたは入らないんですか」
「……入ろうとはしたよ、護衛だからな」
「……?」
「……何故か私を見ると猫が一斉に怯えて逃げ出すんだ」
「……」
「紫様から「外で待ってろ」と言われて……」
「どんまい」
「お前の慰めなどいらん!くそう……」
「にゃー」
「あ、だびで」
「この猫は……確かあの黒ずくめ女の飼っていた」
「だびでです」
「私を見ても逃げ出さないな……」
「呼べば来るかもしれません」
「そ、そんな事……私は別に猫など」
「だびでで猫に馴れたら、他の猫にも怖がられなくなるかも」
「むっ……そ、そうか、なら、ちょっとだけ……護衛の為にだぞ」
「わかりました」
「コホン、えー、ほ、ほーら、おいでー」
「あ、来ました」
「うわっ、いきなり飛びついてくるな!おい、こ、これどうしたらいいんだ」
「抱いてあげたらいいと思います」
「抱くって、どうすれば……こ、こんな感じか?」
「ふにゃー」
「気持ち良さそうです」
「ふ、ふふん、どうだ。私が本気になれば、こんなものだ」
「良かったですね。じゃあ私は店の中ででお茶してきます」
「紫様に妙な真似はするなよ」
「にゃうー」
「ふふ、安心しきった顔をしおって、警戒心の薄い奴だ」
「にゃー」
「んー?どうした?何か言いたい事でもあるのか?」
「にゃーん」
「生憎と猫語はわからんのでにゃー。なんてな、ふふっ」
「あのー」
「にゃーん」
「んー?にゃにゃにゃん?」
「あのー」
「にゃーん」
「にゃにゃにゃーん?」
「あのー」
「なんだ貴様、五月蝿い……ぞ……」
「あ、どうも……えと、こんにちは、リンさん」
「く、紅……お前いつから……」
「え、と『猫語はわからんのでにゃー』の辺りから……」
「忘れろおおおおぉぉおお!!!」
「うわああ、リンさん落ち着いて、街中で刃物はまずいから!」
「切彦よ、外がなんだか騒がしいようだが……」
「しーいずぷりてぃー」

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最終更新:2010年11月26日 13:24
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